茶道・華道と並び、日本の三大芸道のひとつである香道。
先の2つに比べるとあまり耳馴染みのない芸道ですが、全国各地で体験会が催され、場所によってはすぐに席が埋まるほど盛況なところもあります。
今回は初めての方でも気軽に香道を体験できる香道体験(香席体験)を紹介します。
香道を体験する前に
香道を実際に体験する前に、予備知識として「これだけは知っておくべき」ことをピックアップしました。
これらのことを念頭に置いて香道を体験すれば、よりその趣を味わうことができるでしょう。
組 香と聞香
香道には香りを聞いて鑑賞する「聞香」と、香りを聞き分ける「組香」の2種類があります。
香道体験会では主に組香が行われ、3種類の異なる香りを聞き分ける(嗅ぎ分ける)香り当てゲームが楽しめます。
香 道を体験するときの服装
香道といえば、着物や和服を着て厳かな雰囲気の中で行われるものというイメージがありませんか?
ご心配なく。
香道体験は洋装でもOKで、実際に参加者の9割は洋装で参加しています。
ただし、たとえばTシャツにジーパンといったようなあまりにラフ過ぎる格好、香りのするハンドクリームや香水はNGです。
男性ならスーツかジャケットにスラックス、チノパン。
女性なら正座するときに膝下が隠れる長めのスカートを着用、さらに洋服のときは白い靴下を履くことが鉄則です。
香 道の流派
香道には「御家流」と「志野流」の二大流派があり、前者は貴族や公家の優雅な遊び、後者は武家の精神修練という異なるルーツを持っています。
もちろん流派が違うために作法も異なりますが、香道は茶道や華道に比べて自由度の高い芸道ですので、体験会では何よりも香りを楽しむことが大切です。

香道とは、東南アジアで産出される天然香木である沈香の香りを楽しむ日本独自の芸道です。
ですが、あまり馴染みのない方も多い香道。
今回は、そんな香道の基本をご紹介します。
香道体験会の流れ
開催される会場や流派によって異なる部分もありますが、組香の体験会は基本的に次のような流れで進行していきます。
1. 香元(香をたく人)や主催者が香道や体験会について解説
2. お試しで香りを聞く試香を行う
3. 和歌を詠み、和歌に沿ったテーマと香りの名前を発表する
4. 組香で香り当てゲームを遊ぶ

茶道・華道と並び、日本の三大芸道のひとつである香道。
先の2つに比べるとあまり耳馴染みのない芸道ですが、全国各地で体験会が催され、場所によってはすぐに席が埋まるほど盛況なところもあります。
今回は初めての方でも気軽に香道を体験できる香道体験(香席体験)を紹介します。
はじめて香道を体験するならここ
香道がはじめての方でも安心して参加できる体験会を紹介します。
東 京で香道を体験できる場所
■麻布十番 香雅堂
香雅堂は港区麻布十番にある老舗の香木・香道具専門店です。2階の和室・イベントスペースでは、香道や茶道の定期的なお稽古や、お香を中心とした体験企画が催されています。香道が初めての方だけを対象とした体験香席では、志野流の作法による組香を楽しむことができます。
■日暮里 瑜伽庵
台東区日暮里にある骨董・古美術店「大久保美術/ギャラリー大久保」の茶室「瑜伽庵」で香道が体験できます。瑜伽庵の体験会では、三条西御家流の香道の教授から聞香の手ほどきを受けられます。
■銀座 香十
香十は、全国に6店舗を持つ老舗のお線香・お香のお店です。東京銀座では不定期に香席体験会「香十香りのつどい」が開催されており、御家流香道の師範である先生を迎えて組香の体験ができます。東京でも人気の高い体験会で、御家流香道の作法を学びながら良い香りに親しむことができるでしょう。
名 古屋で行動を体験できる場所
■朝日カルチャーセンター 名古屋教室
志野流の本拠地である名古屋では、志野流のお家元を迎えて組香を体験することができます。注目度の高い体験会なので、月に1回の体験会はすぐに満席となることが多いようです。
■志野流 松隠軒
志野流の次期お家元が直々に教授する特別講座です。会場は一般公開されていない松隠軒で、参加するためにはチケット予約が必要です。プログラム前半に香道の基礎知識の座学、後半は実際に香木の香りを鑑賞する組香で香りあてゲームを体験します。
京 都で香道を体験できる場所
■山田松香木店
山田松香木店は、京都市にある生薬、香木を取り扱う老舗です。ここでは香りに親しむ企画として、オーダーメイドの香りをあつらってもらえる「お誂え香房」が催されています。香道体験は「聞香」のコースと香りを作る「調香コース」があります。
おわりに
今回ピックアップした会場に限らず、お香のお店やカルチャーセンター等では香道の体験会が催されています。
実際に体験した方の多くが「思ったほど敷居が高くなかった」と感じるほど、気軽に聞香や組香を楽しむことができます。
興味を持った方は、ぜひ一度体験してみてくださいね。

組香は数種類の香を組み合わせ、歴史や文学といったテーマを表現するものを聞き分ける、香道では今日もっともよく行われている遊びです。今回は十種香道具のなかでも、志野流で使用されている主要な道具をご紹介します。

茶道や華道と同じように、香道にもいくつかの流派があり、それぞれに歴史や流儀があります。
今回は香道の主な二派である「御家流((おいえりゅう)」と「志野流((しのりゅう)」、そして主流から分かれた流派を取り上げ、その特徴を解説していきます。