茶道・華道と並び、日本の三大芸道の一つである香道。
先の2つに比べるとあまり耳馴染みのない芸道ですが、全国各地で体験会が催され、場所によってはすぐに席が埋まるほど盛況なところもあります。
今回は、東京・名古屋・京都で初めての方でも気軽に香道体験(香席体験)ができる場所を紹介します。
香道体験会の流れ
組 香と聞香
香道には、香りを聞き分ける「組香」と、香りを聞いて鑑賞する「聞香」の2種類があります。
香道体験会では主に組香が行われ、3種類の異なる香りを聞き分ける(嗅ぎ分ける)香り当てゲームが楽しめます。
組香とはいくつかのお香を聞いて、その香りが何の香りかを聞き比べる香道の遊び方の一つです。今回は組香の遊び方や楽しみ方をご紹介したいと思います。
聞香は香を焚き、香りを鑑賞するもっともシンプルな楽しみ方です。「香りを鑑賞する」といわれると、非常に敷居が高い遊びのように思われますが、実は手ぶらでも楽しめるのが香道の良いところ。今回は「聞香」を取り上げ、その遊び方や初心者にオススメの体験場所をご紹介します。
香 道体験会の流れ
開催される会場や流派によって異なる部分もありますが、香道(組香)の体験会は基本的に次のような流れで進行していきます。
1. 香元(香をたく人)や主催者が香道や体験会について解説
2. お試しで香りを聞く試香を行う
3. 和歌を詠み、和歌に沿ったテーマと香りの名前を発表する
4. 組香で香り当てゲームを遊ぶ
この流れを踏まえて、香道(組香)体験会に参加してみましょう♪
香道体験ができるオススメの場所(東京・名古屋・京都)
香道体験が初めての方でも安心して参加できる体験会を開催している場所(お店)をご紹介します。
東 京で香道体験ができる場所
香雅堂(麻布十番)
「香雅堂」は、東京都港区麻布十番にある老舗の香木・香道具専門店です。
2階の和室・イベントスペースでは、香道や茶道の定期的なお稽古や、お香を中心とした体験企画が催されています。
香道が初めての方だけを対象とした体験香席では、志野流の作法による組香を楽しむことができます。
※令和5年(2023年)7月現在の情報となります。正式な情報については公式サイトをご確認ください。
座 香十(銀座)
“香十”は、全国に6店舗を持つ老舗のお線香・お香のお店です。
東京銀座にあるワークサロン「座 香十」では、
●誰でも気軽に体験できるワークショップ“KOJU RAKU-座 香十 楽”
●『日本の香り文化の継承と創造』を目的としたワークサロン“座 香十”
の2つがあり、御家流香道の作法を学びながら良い香りに親しむことができるでしょう。
※令和5年(2023年)7月現在の情報となります。正式な情報については公式サイトをご確認ください。
【休止中】瑜伽庵(日暮里)
東京都台東区日暮里にある骨董・古美術店“大久保美術/ギャラリー大久保”の茶室「瑜伽庵」で香道が体験できます。
瑜伽庵の体験会では、三条西御家流の香道の教授から聞香の手ほどきを受けられます。
※令和5年(2023年)7月現在の情報となります。正式な情報については公式サイトをご確認ください。
名 古屋で香道体験ができる場所
朝日カルチャーセンター 名古屋教室(名古屋市中区)
志野流の本拠地である名古屋では、志野流のお家元を迎えて組香を体験することができます。
注目度の高い体験会なので、月に1回の体験会はすぐに満席となることが多いようです。
※令和5年(2023年)7月現在の情報となります。正式な情報については公式サイトをご確認ください。
志野流 松隠軒(名古屋市西区)
こちらは志野流の次期お家元が直々に教授する特別講座です。
会場は一般公開されていない「松隠軒」で、参加するためにはチケット予約が必要です。
プログラム前半に香道の基礎知識の座学、後半は実際に香木の香りを鑑賞する組香で香りあてゲームを体験します。
※令和5年(2023年)7月現在の情報となります。正式な情報については公式サイトをご確認ください。
京 都で香道体験ができる場所
山田松香木店
「山田松香木店」は、京都市上京区にある生薬、香木を取り扱う老舗です。
ここでは香りに親しむ企画として、オーダーメイドの香りをあつらってもらえる『お誂え香房』が催されています。
香道体験は「聞香コース」と、香りを作る「調香コース」があります。
※令和5年(2023年)7月現在の情報となります。正式な情報については公式サイトをご確認ください。
香道体験する前に知っておきたい予備知識
実際に香道体験する前に、予備知識として「これだけは知っておくべき」ことをピックアップしました。
これらのことを念頭に置いて香道を体験すれば、よりその趣を味わうことができるでしょう。
香 道体験するときの服装
香道といえば、着物や和服を着て厳かな雰囲気の中で行われるものというイメージがありませんか?
ご心配なく。
香道体験は洋装でもOKで、実際に参加者の9割は洋装で参加しています。
ただし、あまりにラフ過ぎる格好、香りのするハンドクリームや香水はNGです。
正座で行う場合は、膝を締め付けるジーンズ等を避けると、足が痺れてしまうのを防ぐことができます。
男性ならスーツかジャケットにスラックスやチノパン、女性なら正座するときに膝下が隠れる長めのスカートなどビジネスカジュアルを基準とした服装がオススメです。
さらに、洋服のときは白い靴下を履くとよいでしょう。
香 道の流派
香道には「御家流」と「志野流」の二大流派があり、前者は貴族や公家の優雅な遊び、後者は武家の精神修練という異なるルーツを持っています。
もちろん流派が違うために作法も異なりますが、香道は茶道や華道に比べて自由度の高い芸道ですので、体験会では何よりも香りを楽しむことが大切です。
香道の二大流派「御家(おいえ)流」と「志野(しの)流」。三条西実隆を始祖とする御家流は、平安時代の貴族・公家たちの間で行われてきた和歌と香遊びを源流とする流派。志野流は志野宗信が確立し、主に武家の中で培われてきた流派です。この記事では、御家流と志野流の違いのほか、わずかに残る流派を紹介します。
その他、香道の基本について紹介している記事があるので、香道体験前に参考にしてみてください♪
香道とは、東南アジアで産出される天然香木である沈香の香りを楽しむ日本独自の芸道です。
ですが、あまり馴染みのない方も多い香道。
今回は、そんな香道の基本をご紹介します。
おわりに
東京・名古屋・京都で香道体験ができる場所をご紹介しました。
今回ピックアップした会場に限らず、お香のお店やカルチャーセンター等では香道の体験会が催されています。
実際に体験した方の多くが「思ったほど敷居が高くなかった」と感じるほど、気軽に聞香や組香を楽しむことができます。
興味を持った方は、ぜひ一度体験してみてくださいね。
「香道」とは、天然香木をたき、その香りから四季が存在する日本ならではの感性、和歌や故事、情景を鑑賞する芸道です。今回は香道とは何か、歴史ややり方など、香道初心者の方に向けて興味が湧いてくる情報をお伝えします。
実は今、香道が静かなブームを呼んでいるのをご存知ですか?
香道で使用される香木の香りには気分を沈静させてくれる効果があり、日々のストレスで癒しを求めている方達から注目されているのです。
この記事では、香道に使われる香木に焦点を絞り、その歴史と種類、特徴を紐解いていこうと思います。
組香は数種類の香を組み合わせ、歴史や文学といったテーマを表現するものを聞き分ける、香道では今日もっともよく行われている遊びです。今回は十種香道具のなかでも、志野流で使用されている主要な道具をご紹介します。