日本にいながら、“日本らしさという非日常”を過ごすことができる、不思議な期間のお正月。

そのお正月気分を高めてくれるものの一つが、「門松かどまつ」です。

日本で生まれ育った人なら、自然とその存在を受け入れているでしょう。

しかし、よく考えてみると不思議な物体ではありませんか?

今回は門松とは何かからはじまり、門松の飾り方・処分方法などについてわかりやすく紹介していきます!

門松とは?

門松とは、お正月の時期に家の門前などに飾る、正月飾りの一つです。

お正月になると、なぜ日本人は門松を飾るのでしょうか?

なぜ松でないといけないのでしょうか?

そもそも、あなたのイメージしている門松は“普通”の門松なのでしょうか?

意外と知らない門松の基礎知識からご紹介していきます!

門松を飾る意味~なぜ松と竹なのか?~

お正月に門松を飾るのには、ちゃんと意味があります。

その前に、まずは年神としがみ様について簡単に説明しましょう。

お正月とはそもそも、福をもたらす年神様を家にお迎えする行事。

年神様は祖先の霊と考えられている存在で、“正月様”や“歳徳神としとくじん”とも呼ばれます。

普段は山にいるとされる年神様ですが、お正月になると山から降りてきます。

その際、年神様が依りつくための目印(依り代)になるのが門松なのです!

だから玄関脇に飾るのですね。

門松の歴史は古く、平安時代には門戸に松を挿しておく習慣があったそうですよ。

では、なぜ目印として松を用いるのでしょうか。

それは松が冬でも葉を落とさないため、神が宿る植物として古くから尊ばれてきたからです。

さらに、先ほどもお話ししましたが年神様は普段は山にいるので、その山から依り代となる松をとってくることで、年神様を山からお迎えするということになるのです。

また、門松と聞くと、松よりも竹のイメージが強い方もいるでしょう。

竹はわずか数日でまっすぐに伸びることから、生命力が強くて縁起が良いので用いられています。

門松の種類

“一般的な門松”として、以下の関東風の門松を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

関東風の門松

後述する豪華な関西風とは異なり、関東風の門松は竹の足元にある松の活け込みは短めで、装飾も少なくすっきりとした潔さがあります。

ところが、関東風といっても竹の先端部を斜めに切った“そぎ”と、真横に切った“寸胴ずんどう”の2種類があります。

(画像左:そぎ、画像右:寸胴)

今となってはそぎが多数派ですが、元祖は寸胴。

そぎの起源は、徳川家康が三方ヶ原の戦いで武田信玄に負けた際、その怒りからちょうど正月で飾ってあった竹を武田信玄の首になぞらえ、先端を斜めに切ったことだといわれています。

また、江戸では商人やお屋敷・邸宅・家主が立てるのが寸胴で、料亭や花柳界・水商売が立てるのがそぎ、という文化があったそうです。

関西風の門松

先ほど紹介したすっきりとした関東風の門松とは対照的に、豪華で華やかな門松が関西風といわれています。

また同じ関西といっても、京都の根引き松は一風変わっています。

根のついた若い松に、半紙と水引を巻いたものです。

根には地に足をつけて生活ができるように、という願いが込められているんですよ!

門松の飾り方

門松は、門前や玄関脇にただ置けば良いわけではありません。

そもそも玄関脇に飾るスペースがないという場合もありますよね。

門松を飾る場所や飾り方のポイントについて紹介していきます。

門松はどこに飾る?

門松はどこに飾れば良いのでしょうか?

本来のケースだけでなく、マンションなどにお住まいのケースもご紹介していきます。

家の外・玄関に飾る

門松は本来、家の外や玄関脇に飾るものです。

年神様に降りてきてもらう目印になるので、外から確認できる場所に飾るのが自然ですね。

しかし現代の住宅事情を踏まえると、門松は必ずしも家の外や玄関脇に飾らないといけない、とは言い切れません。

マンションなどでは玄関ドアや室内に飾る

マンションなどの共同住宅にお住まいの方は、玄関ドアの前は共用部分にあたるため、玄関脇に門松を飾るのは難しいでしょう。

小さな門松であれば問題ない、というわけでもありません。

必ずマンションの規約を確認してくださいね!

そこで安心なのは、室内に飾ること。

玄関の内側や床の間に飾る方が多いようです。

門松の雄松と雌松

次は飾り方のポイントです。

門松は一対、つまり左右に1本ずつ飾るのが一般的。

地域差などもありますが、門松にはオスとメスがあるんですよ!

樹皮の黒っぽいのが雄松おまつ、赤っぽいのが雌松めまつです。

正面から見て雄松は左、雌松は右に飾りましょう。

雄松/雌松の区別の仕方
● 雄松(クロマツ)…樹皮が黒っぽい。葉は長くて堅い。
● 雌松(アカマツ)…樹皮が赤っぽい。葉は短くて柔らかい。

門松はいつからいつまで飾る?

では、門松はいつからいつまで飾っておくものなのでしょうか?

門松を飾るのは年神様がいらっしゃる期間「まつうち」の間です。

この松の内、実は関東と関西では期間が異なります!

以下では関東・関西にざっくりと分けて紹介しますが、家庭や特定の地域によっても異なるケースがありますのでご注意ください。

関東では?

関東では年末から1月7日まで飾っておくのが一般的です。

後述しますが、関西よりも門松を飾っておく期間が短く設定されています。

本来、地域差はなかったのですが、江戸幕府がその風習を変えてしまったのです!

現在のスケジュール本来のスケジュール
正月飾りの片づけ1月7日1月15日
鏡開き1月11日1月20日

きっかけは、江戸幕府3代将軍・徳川家光の死。

徳川家光が慶安4年(1651年)4月20日に亡くなったため、20日が月命日となりました。

なんと、めでたい鏡開きの日(1月20日)と月命日が重なってしまったのです。

そこで江戸幕府はスケジュールを1月11日に前倒しすることによって、月命日の問題を解決しました。

それでも、承応年間(1652年~1655年)頃は、江戸においても1月15日まで門松を飾っていたそうです。

年神様が宿る鏡餅を松の内に割るのは失礼にあたること、さらには、明暦3年(1657年)旧暦1月18日から1月20日に起こった江戸三大大火の一つ“明暦の大火”がきっかけで、燃えやすい正月飾りをいつまでも外に飾るものではないと、寛文2年(1662年)に徳川幕府が早めの飾り納めを命じたことで、松の内も1月7日に短縮されたのでした。

関西では?

江戸幕府の影響を受けにくかった関西では、現在でも門松を年末から1月15日まで飾っておくのが一般的です。

門松を飾ってはいけない日

俗説ではありますが、門松だけでなく、正月飾りを飾ってはいけないとされる日があります。

12月29日と12月31日です。

29日は“二重の苦”に通じるので縁起が悪いとされています。

31日に飾りはじめるのは「一夜飾り」と呼び、お葬式の準備を連想させるため避けるのが無難です。

慌てて準備するのは年神様に対して失礼だから、とする考え方もあります。

そこで28日まで、もしくは30日に飾り出すのが良いでしょう。

門松はどこで買う?

門松はホームセンターや通販などで購入できます。

オフィスやお店に大きくて立派な門松を飾るなら、専門業者からレンタルしても良いでしょう。

色々なタイプがありますので、ライフスタイルにあう門松を探してみてください♪

職人こだわりの【福岡県八女産の天然竹門松】

せっかく買うのなら、職人さんこだわりの門松を買ってはいかがでしょう?

天然の竹を使用した門松なら、どこへ飾っても恥ずかしくありません。

一年に一度の縁起物ですので、奮発しても良いのでは?

簡単、リーズナブルに!【造花門松】

そこそこ値の張る門松を毎年買うのはちょっと……と思ったあなたにオススメなのが、造花タイプの門松です。

造花なら毎年使えて経済的ですね!

また、生の門松と比べると軽くできているので、女性でも簡単に運べます。

オフィスなどの室内やマンション受付に【手のひらサイズ門松】

門松は飾ってみたいけど大きなものは飾れない、という方にオススメなのが手のひらサイズの門松です。

お部屋のちょっとしたスペースにも飾ることができるので、お手軽にお正月気分を楽しめますよ♪

門松の処分は?

大きな門松はどうやって処分したら良いのか、悩みますよね。

小さな門松であっても、神様が降りてくる際の目印になったものです。

ゴミ箱にポイと捨てるのも、なんだか違う気がしませんか?

門松にはちゃんとした処分方法があるので、ご紹介していきますね。

お焚き上げ・どんど焼き

まず考えられるのは、神社やお寺で行われるお焚き上げ(どんど焼き/左義長)に持ち込む方法です。

お焚き上げとは火祭りのことで、1月15日頃に日本各地で行われます。

門松を含め正月飾りは、お焚き上げで燃やしてもらうと良いでしょう。

自宅で処分する

お焚き上げ(どんど焼き)に持っていけないという方は、自宅で処分しても大丈夫です。

【用意するもの】
● 大きな紙
● 塩
● 専用のゴミ袋(他のゴミとは分ける)

まずは大きな紙の上に門松を置きます。

大きな門松は、あらかじめ解体しておくと良いでしょう。

その上から塩をかけてお清めをし、紙を包んでゴミ袋の中に入れます。

門松に関するイベント

年末に近くなると、各地で門松に関するイベントが行われています。

有名なものを2つ紹介しましょう。

日本一の大門松祭り(福岡県宮若市)

12月に入ると、福岡県宮若市に巨大な門松が現れます。

高さ9.5m、台座の直径は5mにもなります。

日没後から22時まではライトアップされるので、遅い時間でも見に行けますね。

住所:〒822-0133
   宮若市大字脇田224-1(ドリームホープ若宮第2駐車場)
アクセス:九州自動車道「若宮IC」より車で約20分
     JR九州バス(博多駅⇔直方駅)でバス停「吉川校前」下車すぐ
お問合せ:0949-55-9090(宮若市観光協会)

元祖ギネス認定!橘神社の大門松(長崎県雲仙市)

橘神社(長崎県雲仙市)の門松も巨大です。

その高さはなんと11m以上!

平成13年(2001年)には、ギネス世界記録として認定されたほどです。

近年は記録よりも見た目のバランスなどを優先しているそうですが、それにしても大きすぎます!!!

こちらの門松も明け方までライトアップされますよ♪

住所:〒854-0406
   長崎県雲仙市千々石町己529
アクセス:JR九州「諫早駅」よりバスで約40分
お問合せ:0957-37-2538(橘神社)

上記のほかにも、全国で門松作りや関連行事が行われていますので、ぜひ調べてみてくださいね♪

おわりに

門松という存在が当たり前すぎて、これまで知ろうとしなかった方が大半ではないでしょうか?

日本で生まれ育ったからこそ、日本のお正月文化について疑問を持たずに生きてきてしまいましたよね。

正月飾りには門松のほかに、鏡餅やしめ縄飾りなどがあります。

言われてみれば、これらも不思議な存在ではないでしょうか?

今回の記事をきかっけに、他のお正月の文化についても興味を持っていただけたら嬉しいです!