日本の夏の花といえば、朝顔を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

民家や公園など、さまざまな場所で朝顔が咲く姿を見ると、一気に夏を感じますよね♪

今回は、そんな朝顔の市場「朝顔市」をご紹介します。

朝顔市の歴史や楽しみ方、入谷朝顔まつりなど東京で開催される有名な朝顔市も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください!

朝顔市とは?

朝顔市とは、朝顔にさまざまな仕立てをして販売する市場のことです。

市場といっても常設の市場ではなく、夏の数日間、神社の境内や商店街などで行われる縁日のようなもので、場所により異なりますが、主に7月上旬あたりに全国さまざまな場所で開催されます。

朝顔市では、朝顔を栽培している職人さん達が丹精込めて育てた朝顔を売り出します。

朝顔の市場というだけあって、早いと朝の5時からスタートする市もあり、この日だけは朝早くに起きて、出勤前に立ち寄るという方も♪

※仕立て:花やツル、葉などがある程度成長した段階で、目的とする姿に作り上げること。

朝顔市の歴史

朝顔市は、どのようにしてはじまったのでしょうか。

それを知るためには、まず朝顔の歴史から見てみましょう。

顔の歴史

日本の朝顔の歴史は古く、奈良時代末期または平安時代の遣唐使により薬用植物として持ち込まれたのがはじまりです。

当時は小さな丸い花ビラをした朝顔で、近年よく目にする朝顔の姿とは少し異なっていたようです。

この時代に編纂された日本最古の和歌集『万葉集』にも朝顔が登場する歌がいくつかあり、人々から親しまれていたことがわかります。

江戸時代 になると、庶民の間でさまざまな趣味が流行します。

その中の一つに園芸があり、特に朝顔の苗は安く手に入ったことから、多くの人々が観賞用として朝顔を育てるようになりました。

それと同時に、朝顔の栽培職人の手により、大きな花が特徴の「大輪アサガオ」や、花や葉っぱがいろいろな形に変化した「変化咲きアサガオ」など、数多くの品種が生み出されるようになります。

中でも、入谷(現在の東京都台東区入谷)の植木職人・成田屋留次郎は、いくつもの朝顔の名品種を作り出したといわれています。

顔市の歴史

江戸時代、朝顔は御徒町周辺に住む御徒目付おかちめつけという下級武士によってしきりに育てられていました。

やがて時代が明治に変わり、朝顔は入谷の植木職人らの手によって盛んに栽培されるようになります。

当時の入谷周辺は、まだまだ田んぼが広がっており、朝顔の栽培に適した土壌が残っていたからだといわれています。

この頃から、入谷の朝顔は広く知られるようになりました。

徐々に、入谷周辺で今の朝顔市のベースができはじめ、昭和23年(1948年)頃から地区活性化の一環として、入谷鬼子母神で「朝顔市」が企画されるようになったのです。

それと同時に、全国各地でも朝顔市が開催されるようになりました。

朝顔市に行ってみよう♪

夏の風物詩、朝顔市。

せっかく訪れるなら、思いっきり楽しみましょう!

朝顔市に決まった楽しみ方はありません。

お気に入りの朝顔を探しに行っても良いですし、ただ眺めるだけでも構いません。

食べ物の屋台もたくさん出ているので、縁日気分で歩いても良いでしょう。

また、朝顔市には成長した朝顔だけでなく、朝顔の種子も売られています。

種子の中には、あえて何色の花を咲かせるのか伏せているものも。

何色の朝顔が咲くか、毎日ワクワクしながら育ててみるのも楽しいはず♪

朝顔の楽しみ方

さて、朝顔市で、お気に入りの朝顔は見つかりましたか?

朝顔を購入したら、できるだけ長く楽しみたいですよね。

そこで、朝顔がどんな花なのか、そして朝顔の育て方をご説明します。

もそも朝顔ってどんな花?

朝顔は、ヒルガオ科・サツマイモ属に分類されるツル性の一年草です。

ツルを伸ばして周りの物に絡まり、たくさんの葉と大きな花を咲かせます。

ツルに巻きつく姿にちなんで、「愛情」「結束」などの花言葉を持っています。

そして、赤色・青色・紫色・白色……朝顔がさまざまに色づくのは、江戸時代に人々がこぞって品種を改良し、独自の花を作り続けたからです。

このため、朝顔は世界的に見ても珍しいほど、色や形が豊富な園芸植物の一つとなりました。

また、朝顔は名前のとおり朝早くから花を咲かせます。

これは海外でも同じで、英語では朝顔のことを「morning glory(モーニング・グローリー)」といいます。

“朝”というイメージは世界で共通のようですね。

ってきた朝顔の育て方

朝顔市では、成長した朝顔が鉢植えのまま売られています。

たくさんのお店を見て回り、その中から気に入った朝顔を買いましょう。

持ち帰った朝顔の花は、昼過ぎにはしぼんでいるはずです。

陽の光の当たるところに置き、水をたっぷりと与えるようにしてください。

鉢植えの土が表面まで湿っているくらいが目安です。

きっと次に日の朝には、ふたたび花が咲いているでしょう♪

顔の種を収穫する

十分に朝顔を楽しんだら、来年の夏に向けて再び育ててみませんか?

花が咲き終わった蕾は、内側で種を生成するようになります。

蕾の色が緑から茶に変わったタイミングが収穫のタイミング!

中から黒い種を取り出してください。

5月中旬から下旬頃が、朝顔の種を蒔くのに最適な時期です。

種は、密封した容器袋に入れて涼しい場所で保管しておきましょう♪

東京で開催されている朝顔市

谷鬼子母神の朝顔市~入谷朝顔まつり

全国各地で夏に開催される朝顔市ですが、中でも特に有名なのは、東京下町にある入谷鬼子母神いりやきしもじん(真源寺)の周辺で開催される「入谷朝顔まつり」です!

入谷は、江戸の中心地から歩いて一刻(約2時間)ほどの距離に位置します。

江戸時代から、庶民の間で「入谷に朝顔を買いに行く」というのは娯楽として定着していたようです。

江戸時代後期から明治、大正と賑わいを見せたこの朝顔市は、植木屋の廃業が相続いた ことにより一時は見られなくなりましたが、太平洋戦争が終結した昭和23年(1948年)に復活しました。

また、朝顔市の開催期間中は、入谷鬼子母神では朝顔まつり限定御朱印とブローチ仕立ての“朝顔守り”が配布されます。

朝顔市とお参りと一緒に、授与所にも訪れてみてはいかがでしょうか?

さらに、毎年7月6日~8日に開催される朝顔まつりの後の7月9日・10日には、“浅草寺のほおずき市”が催されます。

この期間に合わせて休暇を取って、朝顔まつりとほおずき市、両方を楽しむのもオススメですよ♪

開催日程:毎年7月6日~8日
住所:〒110-0004
   東京都台東区下谷1-12-16
アクセス:
・JR「鶯谷駅」から徒歩3分
・東京メトロ日比谷線「入谷駅」から徒歩1分

情報は変更となる場合がございます。詳細は、公式サイトをご確認ください。

袋氷川神社の朝顔市

池袋氷川神社の朝顔市は、夏越なごしの大祓おおはらえと池袋富士塚お山開き(浅間神社例祭)の行事と合わせて開催されます。

6月30日の夏越の大祓では、茅の輪くぐりをして身を清めてから朝顔市を楽しむことができますよ♪

7月1日なら、年に一度だけ登ることができる富士山塚のお山開きも堪能できるので、朝顔市と合わせて訪れてみてくださいね。

開催日程:毎年6月30日~7月1日
住所:〒170-0011
   東京都豊島区池袋本町3-14-1
アクセス:東武東上線「下板橋駅」から徒歩約10分

情報は変更となる場合がございます。詳細は、公式サイトをご確認ください。

川神明宮の朝顔市(森下朝顔市)

江東区深川の夏の風物詩ともいわれる「森下朝顔市」は、深川神明宮境内で開催されます。

朝8:00から販売がはじまり、なくなり次第終了の朝顔は、なんと昼前には売り切れてしまうことも!

お目当ての鉢があるなら早めに訪れるのが吉!

屋台も出ていて、お子さんと一緒にお祭り気分で楽しむのも良いですね♪

開催日程:毎年7月初旬の日曜日
住所:〒135-0004 
   東京都江東区森下1-3-17
アクセス:各種「森下駅」から徒歩2分

情報は変更となる場合がございます。詳細は、公式サイトをご確認ください。

がも朝顔市

「すがも朝顔市」は、巣鴨駅から徒歩約3分の“おばあちゃんの原宿”として知られる巣鴨地蔵通商店街で開催されます。

通りの近くには、とげぬき地蔵尊で有名な高岩寺など多くの寺が立ち並ぶので、お参りしながら朝顔市を堪能するのがオススメ!

レトロな雰囲気の残るお店で食べ歩きも楽しいですよ♪

開催日程:毎年7月2日~4日
住所:〒170-0002
   東京都豊島区巣鴨3-35-2 とげぬき地蔵尊高岩寺
アクセス:各線「巣鴨駅」から徒歩2~5分

情報は変更となる場合がございます。詳細は、公式サイトをご確認ください。

立市の朝顔市

平成元年(1989年)からはじまった国立市の朝顔市「くにたち朝顔市 」は、今や販売される朝顔すべてが地元で育てられた国立産!

中でも、栽培に国立市の湧水を利用している “日本朝顔”と呼ばれる大輪の花をつける朝顔が有名です。

この朝顔市でしか入手できない朝顔もあるので、興味のある方は早い時間帯に足を運ばれるのをオススメしますよ♪

開催日程:毎年7月上旬の土曜日・日曜日
開催場所 :JR「国立駅」南口大学通り緑地帯(一橋大学正門南側)
アクセス:JR中央線「国立駅」すぐ

情報は変更となる場合がございます。詳細は、公式サイトをご確認ください。

岩あさがお市

朝顔の名産地である江戸川区で開催される「小岩あさがお市」。

入谷の朝顔まつりで出品されている朝顔のシェア率のおよそ70%を占めるほど有名な江戸川区産の朝顔が、ここぞとばかりにズラリと並びます!

模擬店も出る他、パフォーマンスが行われたりと、とても賑やかな雰囲気に包まれるこの時期の商店街に、ぜひ立ち寄ってみてください♪

開催日程:毎年7月中旬の日曜または祝日
開催場所:JR「小岩駅」南口商店街
アクセス:JR総武線「小岩駅」すぐ

情報は変更となる場合がございます。詳細は、公式サイトをご確認ください。

京朝顔・ほおずき市

文京朝顔・ほおずき市は、文京区小石川の街をあげての催しです。

朝顔市は傳通院、ほおずき市は源覚寺と、それぞれのお寺がメイン会場となり、近辺のお寺や施設など複数の場所でさまざまなイベント事が開催されますよ♪

小石川界隈の街歩きとセットで楽しむことができるので、この機会に浴衣姿で朝顔市などに参加してみるのも乙ですね!

開催日程:毎年7月第3週の土曜日、日曜日
住所:〒112-0002
   東京都文京区小石川3-14-6 傳通院
アクセス:
・東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」から徒歩10分
・都営地下鉄三田線・大江戸線「春日駅」から徒歩10分

情報は変更となる場合がございます。詳細は、公式サイトをご確認ください。

東京都内の有名な朝顔市を紹介しました。

この他にも、全国さまざまな地域で朝顔市は開催されています。

よろしければ、お近くの地域の朝顔市を検索してみてくださいね♪

おわりに

朝顔市は、日本の夏の風物詩といわれるくらい、日本の各地で開催されるイベントです。

朝顔の販売だけでなく、音楽の演奏や模擬店、ダンスパフォーマンスなどと合わせて開催している所も多いので、立ち寄るだけでもきっと楽しめますよ。

この記事を読んで、少しでも興味を持っていただけたなら、お近くの朝顔市にお出掛けしてみてくださいね!