煎茶や玉露、ほうじ茶や玄米茶など、様々な種類がある日本茶。
それぞれのおいしさを引き出すためには、入れ方がとても大切です。
標準となるお茶の入れ方には、茶の入れ方研究会や全国の茶業関係団体などが検証した基準があります。
入れ方のポイントを押さえて、おいしい日本茶を楽しんでください。


南北に長く、山や海に囲まれた日本では、各地の気候や地形の違いが顕著です。日本茶でもまた、その土地にあった栽培方法や品種が選ばれ、各地で特徴あるお茶が作られています。日本茶の産地として名高い地方は、チャ(茶葉が採れる茶樹)の栽培に特に適した条件を備えています。
日本茶の入れ方に共通するポイント
日本茶は種類によって分量や適した湯温などが異なりますが、手順はほとんど同じです。
「水」と「手順」、「注ぎ方」の3つの点から、日本茶の入れ方の共通点を見てみましょう。
水 は必ず沸騰させます
日本茶にあう水は軟水です。硬度の高い硬水では、お茶の水色や香りが出ないことや、お茶の味を変えてしまうことがあります。
日本の水道水は軟水でお茶に適していますが、塩素消毒されているためカルキ臭があります。
カルキ臭は、水を3~5分程度沸騰させると抜くことが可能です。
ミネラルウォーターを使う場合は、硬水と軟水がありますので、間違わないように気を付けてください。
沸騰させた水は、お茶の種類に適した温度まで冷まします。
湯温は、器を移すごとに5~10℃程度が下がりますので、湯温を調整するための茶器である「湯冷まし」や、これから使う急須や茶碗に注いだりして温度を調整しましょう。
どうせ冷ますのだからと、水を沸騰させずに使うのはご法度!
沸騰させるのは、カルキ臭を取り除くだけでなく、殺菌や、お茶の成分を抽出しやすくするためでもあるのです。
入 れ方の手順
日本茶の入れ方のベーシックな手順は次の通り。
お茶の種類に合った茶葉の量・お湯の温度・お湯の量・浸出時間・適した茶器はさらに下の項目を参照にしてくださいね。
1. お湯を一度沸騰させ、湯冷ましや茶碗に注いで適温まで冷まします。お湯の量は、茶碗の8分目が目安です。茶碗でお湯を冷ますと、茶碗もあたたまり、お湯の計量もまとめてできます。1煎目の茶葉はお湯を吸収するので、お湯の量は少し多めにした方がよいでしょう。
2. 茶葉を計って急須に入れます。ティースプーンを使う場合、普通煎茶の目安となる量は、軽く山盛りだと約2g、しっかり山盛りだと約3gです。上級茶は普通煎茶より若干重めで、逆に、ほうじ茶は軽くカサがあるので小さじに載るのは1g程度です。
3. 適温になったお湯を静かに急須に注ぎ、蓋をしてお茶を浸出させます。
4. 急須から茶碗に「廻し注ぎ」します。お客様には茶托に載せてお茶をお出ししましょう。
お 茶の注ぎ方は「廻し注ぎ」
お茶を注ぐ際には、すべての茶碗のお茶が同じくらいの量と濃さになるのが理想です。
そのための注ぎ方が「廻し注ぎ」です。
各茶碗に少しずつ注ぎ、一巡したら、折り返して注ぐ方法です。
急須のお茶は、最後の一滴まで絞り切ります。
急須にお湯が残っていると、お茶が浸出し続けてしまい、2煎目のおいしさが損なわれてしまうからです。
2煎目は、1煎目より高めの湯温でお茶の成分を抽出しやすくし、浸出時間は1煎目の半分くらいが目安です。

日本茶の種類にあった入れ方
日本茶は種類によって、茶葉の量・お湯の適温・お湯の量・浸出時間・適した茶器が異なります。
ここでは、3人分の目安となる量や茶器のサイズを記しました。
1人分を入れる場合は、茶葉を多めに入れると2煎目もおいしくいただけますよ。
急須はお湯と蓋の間が適度に空くサイズが、お湯が対流しやすく、お湯の中でお茶の葉が動くことで成分が出やすくなり、よりおいしくお茶を入れることができます。
煎 茶・玉緑茶
煎茶はグレードによっても湯温や、茶器のサイズが異なります。
決まりごとではありませんが、おもてなし用には「上級」、自宅用には「中級(並級)」を用いることが多いようです。
上級茶には小さめの茶器を選ぶと、香りや味が保ちやすくなります。
玉緑茶も煎茶と同様の入れ方でおいしく楽しめます。
<茶器のサイズ>
上級煎茶:急須250ml、茶碗100ml
中級煎茶:急須600ml、茶碗150ml
<茶葉の量>
上級・中級煎茶とも3人分6~9g(1人当たり2~3g)
<湯温と浸出時間>
上級煎茶:70℃くらいで2分程度
中級煎茶:80~90℃くらいで1分程度
深 蒸し煎茶
煎茶との入れ方の違いは浸出時間が短くてよいこと。
製造する際に長めに蒸すため、茶葉がもろく細かくなっていて、短時間で成分を抽出することができます。
深蒸し茶は茶葉が細かく、煎茶用の急須では目詰まりしてお茶が出てこないこともあります。
目詰まり防止用のメッシュ網を取り付けた、深蒸し茶用の急須がオススメです。
<茶器のサイズ>
急須360~550ml、茶碗100~150ml
<茶葉の量>
3人分約6g(1人当たり約2g)
<湯温と浸出時間>
80~90℃くらいで30秒程度
2煎目は浸出時間をおかず、すぐ注ぎます。
玉 露
高級茶の代名詞でもある玉露は、少量をじっくり味わうお茶です。
茶葉を少なめのお湯で浸出させるので、煎を重ねるごとに味わいが変化します。
1煎目はトロリとしたコクや甘さを、2~3煎目はまろやかな味わいを、4煎目は煎茶のような風味を楽しめます。
<茶器のサイズ>
急須90ml、茶碗40ml
<茶葉の量>
3人分9g前後(1人当たり3g前後)
<湯温と浸出時間>
上玉露(1煎目):50℃くらいで2分半
並玉露(1煎目):60℃くらいで2分程度
2~3煎目は5~10℃くらいずつ徐々に湯温を上げ、2煎目は約30秒、3煎目は約15秒と、浸出時間も短くします。
4煎目は約80℃のお湯を注ぎます。
ほ うじ茶・番茶・玄米茶
素朴な味わいのほうじ茶や番茶、玄米茶は、煎茶よりもうまみが少なく、おもに香りを楽しむお茶です。
熱々のお茶をたっぷりと注ぐので、茶碗は厚みがあって大ぶりの、筒型の湯のみなどがよいでしょう。
<茶器のサイズ>
急須または土瓶800ml、茶碗200ml
<茶葉の量>
3人分約9g(1人当たり約3g)
<湯温と浸出時間>
熱湯で約30秒
2煎目は浸出時間をおかず、すぐ注ぎます。お茶の成分は2煎目でほとんど出尽くします。

水 出し茶・冷茶
夏の暑い日には、冷たいお茶がほしくなります。
煎茶や深蒸し煎茶、玉緑茶は、水出し茶や冷茶にしてもおいしいです。
特に、茶葉が細かい深蒸し茶は水出し茶に向いています。
<水出し茶の入れ方>
1. 沸騰させた水道水を冷ましておきます。
2. 急須に茶葉を入れます。茶葉の量は通常よりも少し多めにします。
3. 水を急須に静かに注ぎ、5~15分程度かけてじっくりと浸出させます。
4. 茶碗やグラスに廻し注ぎします。
冷水ポットでたくさんの量を作り置きする方法もあります。
1. 沸騰させた水道水を冷ましておきます。
2. 水1Lに対して茶葉10~15gの茶葉をお茶パックなどに入れる。
3. 冷水ポットに茶葉の入った茶パックと水を入れる。
4. 約1時間おいてできあがり。
<冷茶の入れ方>
1. 急須で濃いめにお茶を作ります。
2. 氷を入れたグラスや茶碗にお茶を注ぎます。


日本茶をよく飲む方のなかには、「おいしいから」というだけでなく、「健康に良いから」という理由で愛飲される方も少なくないと思います。
おいしさを生み出し、健康効果ももたらす日本茶の成分については、長年の研究から徐々に明らかになって来ています。
自分好みのお茶の入れ方を見つけましょう
今回ご紹介した日本茶の入れ方は、ひとつの目安です。
同じ種類のお茶でも、製造工程や仕上げ方によって、それぞれに個性が生まれます。
標準的な入れ方を参考に、自分の好みや飲むお茶に合わせて微調整してみると、さらにおいしいもアップするでしょう。
茶器についても同様で、どんなシーンで、どんな風に日本茶を飲むのかによって、サイズや器の種類も異なってきます。
そしていちばん大切なことは、あなたが日本茶を楽しむことです。
自分に合った日本茶の入れ方をいろいろ試して探してみてください。

みなさんの一番身近なお茶はなんですか?
「緑茶」 「煎茶」と答える人も多いのではないでしょうか。
では、どのように作られているかはご存知でしょうか?
身近なお茶とはいえ、製造工程にふれる機会は意外と少ないはず。
現代では、煎茶をはじめとする緑茶は、機械を使って統一された工程で作られています。