学生から海外の方、さらには地元民まで、連日多くの観光客が訪れる京都屈指の観光名所であり、世界文化遺産にも認定されている『清水寺』。

この記事では、清水寺の歴史や見どころ、オススメの観光シーズンまで、清水寺に関する情報を盛りだくさんでお届けします♪

清水寺に行ったことがある方も、これから初めて行く方も、これを読めば参拝がもっと楽しくなること間違いなしです!

※本記事の内容は令和3年(2021年)11月時点のものです。
掲載内容は変更していることもありますので、正式な情報については事前に各施設へお問い合わせください。

清水寺とは

『清水寺』は、京都府京都市にあるお寺で、正式名称は「音羽山 清水寺」です。

古都・京都を構成する文化財のひとつとして、金閣寺や二条城、平等院などと共に、平成6年(1994年)にユネスコ世界文化遺産に登録されています。

創建から1200年以上の歴史を持つ清水寺ですが、以来、幾度となく火災に見舞われてきたため、当初の建物は残念ながらほとんど残っていません。

しかし、人々の篤い信仰により、これまで何度も再建・修理が行われ、今日まで大切に保管されてきました。

最近では令和2年(2020年)12月に本堂の屋根のふき替え、そして清水の舞台の床板張り替え工事が完了したばかり。

人々から愛される由緒正しいお寺として、現在も連日多くの参拝客で賑わっています。

清水寺の歴史

僧侶の夢のお告げから始まったとされる清水寺は、これまでどんな歴史を歩んできたのでしょうか。

創建から今日に至るまでの歴史について、簡単にご紹介します。

水寺のはじまり

清水寺が創建されたのは、宝亀ほうき9年(778年)のこと。

時代でいえば、今から約1200年前の奈良時代にまで遡ります。

当時、奈良で修業を積んでいた賢心けんしんという僧侶が、夢で「北へ清泉を求めて行け」とお告げを受けました。

お告げの通り、北へと向かった賢心は、やがて音羽山おとわやまに流れる清らかな滝を見つけ、その滝のふもとで修業をしていた行叡居士ぎょうえいこじと出会います。

行叡居士は賢心に霊木を授け、「この霊木で千手観音をつくりなさい」と言い残し、姿を消してしまいました。

行叡居士が観音様の化身だと悟った賢心は、言われた通り、受け取った霊木で千手観音を彫り、行叡居士が住んでいたとされるいおりに祀りました。

これが清水寺のはじまりとされています。

鎮上人と坂上田村麻呂

千手観音を刻んだ賢心はその後、延鎮えんちんと名前を改め、音羽山に住むようになりました。

延鎮が音羽山に住んで2年が経ったある日のこと。

音羽の滝で、延鎮は坂上田村麻呂さかのうえのたむらまろと出会います。

身重みおもの妻の安産祈願のために鹿狩りをしていた坂上田村麻呂に対し、延鎮は殺生の罪と観音様の功徳を説きました。

坂上田村麻呂は延鎮の教えに深く感銘を受け、音羽山を後にしたと伝えられています。

その後、坂上田村麻呂は音羽の滝近くに自らの邸宅とお寺を建立。

お寺にはご本尊として十一面千手観音菩薩を祀りました。

そして音羽の滝の清らかさから、寺名を「清水寺」と名付けたとされています。

※当時、鹿の血には安産のご利益があるとされていた。

失からの復興を遂げた清水寺

弘仁元年(810年)に朝廷公認のお寺となり、その後、全国的にも名を広めていった清水寺。

しかし、繁栄を築いていく一方で、これまで何度も火災が起こり、その度に再建を繰り返してきました。

興福寺と延暦寺の争い、応仁の乱など、清水寺は歴史上の記録に残るだけでも、これまでに9回は焼失しています。

最後に大きな被害に見舞われたのが、寛永6年(1629年)に起こった火災。

焼失後は徳川家3代将軍・家光の寄付により、約2年の歳月をかけて再建されました。

成の大修理

江戸時代の復興から約400年、今日まで大きな火災に見舞われることなく、清水寺は当時の姿を留めてきました。

とはいえ、365日休むことなく雨風にさらされ、毎日何万人もの参拝客が訪れますから、当然建物は年々傷みが生じます。

そのため、清水寺では大切な建物の数々を後世まで残そうと、数十年に一度、大規模な改修が行われます。

平成20年(2008年)からは「平成の大修理」が始まり、三重塔、奥の院、阿弥陀堂など、境内の建物を改修。

令和2年(2020年)には本堂の檜皮ひわだぶき屋根のふき替え、清水の舞台の床板の張り替えが完了しました。

世界文化遺産『清水寺』の見どころ

清水寺の広い境内には、世界的に有名な観光スポットから、ちょっとした穴場まで、見どころがたくさん!

今回は、その中から特にオススメしたい見どころを厳選してご紹介します♪

水寺『仁王門』(国指定:重要文化財)

「仁王門」は清水坂を上り終えた後、最初に見えてくる清水寺の正門です。

応仁の乱によって一度焼失しましたが、室町時代後期に再建、その後平成15年(2003年)には解体修理が行われています。

こちらでぜひ注目していただきたいのが、門前にいる狛犬。

通常、狛犬は口を開けた“阿形あぎょう”と、口を閉じた“吽形うんぎょう”の2対が並んでいますが、清水寺の仁王門前にある狛犬は、なんと両方とも口が開いています。

これは清水寺に伝わる七不思議の一つとされているそう。

また、仁王門といえば、入口の右側に見える出っ張り“カンカン貫”も見どころです。

こちらは対角にも同じ出っ張りがあり、片方に耳を当て、もう片方を誰かが叩くと「カンカン」という音が聞こえてくることから呼ばれるようになりました。

しかし何を目的として作られたのか、その理由は分かっていません……。

そのため、カンカン貫も仁王門前の狛犬同様に、清水寺の七不思議の一つに数えられています。

水寺『西門』(国指定:重要文化財)

「西門」は仁王門の奥にある朱塗りの門です。

現在の西門は寛永8年(1631年)に再建されました。

その名の通り西向きに建てられている門で、ここから見える夕日がとても美しいことから、日想観にっそうかんの聖地としても知られています。

夕暮れ時に西門から見える京都の景色は格別!

夕暮れ時に観光する際は、ぜひ西門から沈みゆく夕日に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

※日想観:西の空に沈む夕日を見ながら、極楽浄土を想う修行のこと。

水寺『三重塔』(国指定:重要文化財)

「三重塔」は、承和14年(847年)に創建されたといわれています。

しかしその後、何度か焼失をしており、現在みられる三重塔は、寛永9年(1632年)に再建されたものを昭和41年(1966年)に解体修理し、復元したものとなります。

高さは約31m、三重塔としては国内最大級の高さを誇ります。

ここでの見どころは、塔の東南に飾られた龍。

通常、三重塔や五重塔などには、厄除けとして四隅に鬼瓦が設置されているのですが、清水寺の三重塔はなんと東南のみ、鬼瓦ではなく龍の飾りが設けられているのです。

これは、京都の北西(愛宕山)に火伏の神様がいるのに対し、東南には守り神がいなかったため、火除けの意味を持つ龍が飾られたと伝えられています。

再建から今日まで、大きな火災に見舞われなかったのは、この龍が守り神として役目を果たしてきたからなのかもしれませんね。

水寺『随求堂』

随求ずいぐう堂」は享保3年(1718年)に再建されたお堂です。

お堂の中には「どんな罪もすべて消滅させる」という大変ありがたいご利益を持つ、ご本尊・大随求菩薩だいずいくぼさつのほか、縁結びや安産、子育ての功徳がある神仏が祀られています。

また、随求堂は胎内めぐりが体験できるスポットとしても人気です。

大随求菩薩は秘仏のため、普段は見ることができませんが、随求菩薩のお腹の中に見立てた堂内をめぐれば、きっとご利益を授かることができるはず。

心の生まれ変わりを体験したい方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

※胎内めぐり:仏堂の縁の下などの狭い場所を胎内に見立てて歩き、生まれ変わりの疑似体験を行う修行のこと

水寺『本堂』(国指定:国宝)

国宝、そしてユネスコ世界文化遺産に指定されている清水寺の「本堂」は、延暦17年(798年)頃に創建されたと推定されています。

現在見ることができるのは寛永10年(1633年)に再建された建物で、ご本尊の十一面千手観音立像を祀っています。

十一面千手観音立像は秘仏のため、原則として33年に1度のご開帳以外は実物を拝見することができません。

その代わりに「前立仏まえだちぶつ」と呼ばれる、十一面千手観音立像を模した仏像でその姿を知ることができます。

次回のご開帳は令和15年(2033年)の予定です。

また、ご本尊とは別に、本堂前にある鉄の杖下駄も隠れた見どころとして人気!

鉄の杖、下駄は弁慶が残したものと伝えられており、触ると弁慶の力にあやかれるとか。

水の舞台

本堂の奥には、“清水の舞台から飛び降りる”ということわざでおなじみ、「清水の舞台」があります。

昔は『舞台から飛び降りて無事なら願いが叶う』という民間信仰により、多くの人々が清水の舞台から実際に飛び降りていたそうです……。

そんな清水の舞台は、釘を1本も使わずに建てられているのが最大の特徴。

舞台の下から見てみると、木材が格子状に組み立てられているのが分かります。

これはがけ造りと呼ばれる伝統構法。

木材が1本でも欠けると、地獄のようにガラガラと崩れ落ちてしまうことから“地獄組み(あるいは地獄止め)”とも呼ばれています。

舞台から見える京都の景色は最高ですが、訪れた際はぜひ下から舞台を眺めてみてくださいね。

水寺『奥の院』(国指定:重要文化財)

本堂と同じく、寛永10年(1633年)に再建された奥の院には、三面千手観音菩薩坐像がご本尊として祀られています。

三面千手観音菩薩坐像も秘仏のため、普段は見ることができませんが、目の不自由な方に向けて造られたふれ愛観音や、参拝者の代わりに水垢離みずごりを行う濡れ手観音といった愛らしい仏像はぜひ見ておきたいところ♪

ふれ愛観音は撫でるとご利益を授かることができ、濡れ手観音は柄杓で水をかけると心身ともに清められるといわれています。

※水垢離:神仏に祈願する際、体の穢れを流すために水を浴びること

水寺『子安塔』(国指定:重要文化財)

「子安塔」は清水の舞台に上がった際、前方に見える朱塗りの三重塔です。

泰産寺という寺名を持ち、塔内には千手観音が祀られています。

言い伝えでは聖武天皇・光明皇后の祈願所とされていますが、建てられたのがいつの時代かははっきりと分かっていません。

現在の子安塔は室町時代の後期に建てられたものだといわれています。

水寺『音羽の滝』

古来、“金色水”や“延命水”と呼ばれてきた「音羽の滝」は、寺名の由来となった滝です。

創建から今日まで、枯れることなく滝の水が流れ続けており、柄杓ですくって飲むとご利益を授かることができると言われています。

ただし、飲み方には注意が必要!

音羽の滝は3つに分かれており、選べるのは1つだけ。

欲張って2つ、3つの水を飲もうとすると、ご利益がなくなってしまうそうです。

また、飲む際は何口も飲まず、一口のみでOKとのこと。

『何事も欲を出し過ぎるのはいけませんよ』という戒めの意味が込められているそうです。

水寺『御朱印』

清水寺は西国三十三所の第16番札所のほか、洛陽三十三所観音霊場の第10~14番札所など、いくつかの札所になっているため、「御朱印」も複数の種類に分かれます。

本堂・阿弥陀堂・音羽の滝前など、場所によって御朱印の種類が異なるため、授与してもらいたい御朱印が決まっている場合は注意が必要!

人気の高い西国三十三所の御朱印は、本堂横で授与してもらうことができますよ。

また、これから御朱印めぐりをされる方は、清水寺で御朱印帳を受け取られるのもオススメです。

清水の舞台が描かれたものから、仏足石が印刷されたものまで、全部で5種類の御朱印帳があるので、ぜひお好みのデザインを見つけてみてください♪

水寺『地主神社』(国指定:重要文化財)

清水の舞台の奥にある「地主神社」は、元々は清水寺の鎮守社とされていましたが、神仏分離令によって明治時代に清水寺から独立しています。

縁結びの神様として知られており、境内にある“恋占いの石”は連日多くの観光客から人気を集めています。

7mほど離れた石から石へ、目を閉じたまま辿り着けると恋愛が成就すると言われています。

清水寺に行く際は、ぜひ立ち寄ってみてください。

清水寺のオススメ観光シーズンは?

水寺のライトアップ(年3回)

清水寺は春・夏・秋と、年3回に分けて夜間の特別拝観が行われます。

ライトアップされる夜間の清水寺は、昼間とはまた一味違った光景が楽しめるので、観光に行く時期がかぶったらぜひ見ておきたいところ。

本堂や三重塔など、美しく照らされる清水寺の建物はどれも釘付けになってしまうこと間違いなしです!

またライトアップの時期は、舞台の下を通り過ぎて空を見上げると、青い1本の光がご覧いただけます。

この光は、観音様の慈悲をあらわしているそうですよ。

葉シーズン

11月中旬から12月初旬は清水寺の紅葉シーズン。

境内のヤマモミジが鮮やかな色に染まり、美しい光景を堪能できます。

オススメのスポットは、阿弥陀堂や奥の院のあたりから見える清水の舞台と紅葉のコラボレーション。

ライトアップの時期は思わず感動してしまうような美しさです。

また、清水の舞台下から入口に戻るまでの道中にある放生池の近くから眺める景色も最高です。

三重塔や西門と紅葉の組み合わせはもちろん、池に反射する紅葉もとても綺麗です。

紅葉シーズンに参拝へ行かれる際は、ぜひそちらのスポットもチェックしてみてください!

雑を避けるなら冬場がオススメ!

見どころ満載の清水寺は年中多くの参拝客で賑わっており、修学旅行シーズンやライトアップの時期など、繁忙期にはじっくり参拝できないことも。

もし混雑を避けてゆっくり観光したいのであれば、参拝客が比較的少なくなる冬場がオススメです!

真冬の時期であれば、清水の舞台から美しい雪景色を望むこともできますよ。

清水寺のアクセス・駐車場・拝観料について

水寺までのアクセス

住所

〒605-0862
京都府京都市東山区清水1丁目294

電話番号

075-551-1234

アクセス

【電車】をご利用の場合
京阪本線「清水五条駅」下車 徒歩25分

【バス】をご利用の場合
市バス・京阪バス「清水道」バス停下車 徒歩10分

【自動車】をご利用の場合
名神高速道路 京都東インターから 約20分
阪神高速道路 鴨川西インターから 約10分

水寺専用の駐車場はなし

清水寺には専用駐車場がありません。

車でお出かけする際は、京都市清水坂観光駐車場など、清水寺付近のコインパーキングを利用しましょう。

なお、清水寺から最も近い京都市清水坂観光駐車場は、1回2時間までしか駐車することができません。

また、繁忙期は観光バスやタクシーが優先されるため、一般車は入庫を断られる場合もあります。

4月~6月、9月~11月にかけては、修学旅行・ライトアップ・桜・紅葉などの影響により、特に多くの参拝客が訪れます。

この期間は電車やバスなど、公共交通機関を利用したほうがいいかもしれませんね。

観時間・拝観料

拝観時間

清水寺の拝観時間は時期やイベントによって異なります。

9月~6月:6:00~18:00
7月・8月:6:00~18:30
夜間特別拝観期間:6:00~21:30(21:00に受付終了)
※地主神社は9:00~17:00

夜間特別拝観期間は年ごとに日にちが変更となります。

拝観料

清水寺を参拝する際、本堂から先は拝観料がかかります。

大人:400円
子供:200円

※拝観時間や拝観料の最新情報については公式サイトをご覧ください。

清水寺周辺のオススメ観光スポット

古都・京都には清水寺のほかにも、魅力的な神社・仏閣がたくさんあります。

ここでは清水寺に行くなら併せておでかけしたい、周辺のオススメ観光スポットをご紹介します!

水坂

シーズンになると、ほかの通行人とぶつかりそうになるぐらい、多くの観光客や修学旅行生で賑わう「清水坂」。

この道は清水寺まで続く約700mの上り坂で、清水寺参道とも呼ばれています。

参道にはお土産屋から食事処、さらには着物のレンタルショップ屋まで、さまざまなお店がズラリ!

八ツ橋や湯葉、お漬物といった京グルメを取り扱うお店も多いので、ここだけでも京都観光がかなり満喫できちゃいますよ♪

台寺

「高台寺」は豊臣秀吉の正室・北政所ねねが、秀吉の冥福を祈るために、慶長11年(1606年)に建てた寺院です。

境内には秀吉とねねを祀る霊屋や、伏見城から移したとされる茶室の傘亭など、重要文化財がたくさん。

小堀遠州作と言われている庭園は、国の史跡・名称に指定されています。

また、最近では令和元年(2019年)に導入された、般若心経を語るアンドロイド観音「マインダー」も人気を集めています!

小学校高学年でも理解しやすい法話が聞けますよ。

坂の塔

清水寺から三年坂(産寧坂)へと進んだ先に見えてくる「八坂の塔」は、京都の人々に親しまれている祇園のシンボルタワーです。

正式名称は「法観寺の五重塔」で、一説では聖徳太子が創建したとされています。

応仁の乱により焼失し、現在の八坂の塔は永享12年(1440年)に足利義教が再建したものだと伝えられています。

京都に訪れたからには、ここもぜひ立ち寄りたいところ。

日中はもちろん、夕暮れ時や街灯に照らされる夜間など、いつ訪れても京都らしい景色が堪能できます。

井金毘羅宮

「安井金毘羅宮」は第75代崇徳天皇、大物主神おおものぬしのかみ、源頼政よりまさ公を祀る神社です。

境内には“縁切り縁結び碑”と呼ばれる、少し変わった碑が置かれており、高さ1.5m、幅3mの大きな碑には、参拝者の願い事が書かれた形代がびっしり。

『あらゆる悪縁を切り、良縁を結ぶ』というご利益があることから、今も参拝に訪れる人が後を絶たないそうです。

おわりに

1200年以上と大変長い歴史を持つ清水寺。

幾度の火災に見舞われてきたにもかかわらず、今もなお当初の姿が残されているのは、やはり古くから多くの人々に愛され続けてきたからといえるでしょう。

大改修を終えて生まれ変わった建物の数々は、見る人を魅了すること間違いなし。

古都・京都へ訪れる際は、ぜひ見どころ満載の清水寺にも足を運んでみてはいかがでしょうか。