琉球ガラスの歴史は、第二次世界大戦後、在留米軍によって持ち込まれたコーラやジュースの廃瓶を原料として、ガラス製品を作ったことから始まりました。
厚みや気泡のある独特な風合いで、温かみのあるデザインが人気となり、平成10年(1998年)には沖縄県の伝統工芸品に指定されています。
現在の琉球ガラスは、主原料の珪砂と呼ばれる砂に、ソーダ灰、石灰などが調合された「ソーダ石灰ガラス」として制作されているものが主流です。
鮮やかな色彩は、調合の段階で混ぜる金属酸化物によるもの。
色を出す金属酸化物を混ぜ入れることで、琉球ガラスならではの温かみのある色合いに仕上がります。
一方で、作り手は減少していますが、昔ながらの再生ガラスを原料とした製品も健在しており、味わい深い独特の仕上がりで根強い人気があります。
そして、アクセサリーやテーブルウェアなど豊富なアイテムが揃う琉球ガラスにおいて、特にラインナップが充実しているのがグラスです。
手頃な価格のものも多く、デイリー用からゲスト用、プレゼント用まで、目的や好みに合ったグラスが選べます。
また、色のグラデーションや、ガラスに含まれる泡の大きさや密度、アイスラックと呼ばれるひび模様など、ガラスそのものの造形美が引き立つのも魅力の一つ。
今回は、琉球ガラスでオススメのグラスを厳選してご紹介します。
琉球ガラスならではの優しい輝きと温かみのあるデザインを、ぜひ毎日の生活に取り入れてみてください。
優しくきらめくキュートなハート「ハートグラス」
ハート型の個性的なフォルムがキュートなグラス。
沖縄の青い海や空、鮮やかな花をイメージした色合いが魅力です。
柔らかいグラデーションが優しい輝きを生み、琉球ガラスならではの温かみがあります。
色選びが楽しくなるほどの多彩なカラーバリエーションで、大切な方へのプレゼントにピッタリ。
高さ約7cm、口径約7cmの丸みを帯びたデザインなので、焼酎や泡盛などのロックグラスとしてもオススメです。
グラスで溶け合う色と光「琉球グラス 3個セット」
オレンジが淡く柔らかく、優しい輝きを放つグラス。
シンプルなデザインで、ガラスそのものの美しさが際立ち、素朴で温かみのある風合いが魅力です。
このアイテムは、ふるさと納税の対象商品であり、23,000円の寄附に対する返礼品。
提供するのは沖縄県北部の本部町に位置する「やんばるガラス工芸館」。
熟練した職人が、吹きガラス製法により一つひとつ丁寧に作り出したグラスです。
グラスに広がる青い海「ビアグラス 青 OCEAN」
グラスの底から青い海が広がっているような透明感が魅力的。
グラス底面から口元にかけて緩やかに広がるスッキリとしたフォルムで、炭酸水やアイスティーなど、ソフトドリンク用としてもオススメです。
制作は沖縄県読谷村に工房を構える「琉球ガラス工房 海風」。
一つひとつ手作りであるため、色や気泡の入り方、形や表面の状態に個体差がありますが、これも琉球ガラスならではの味わいです。
ぜひ世界に一つだけのグラスの風合いと使い心地を楽しんでください。
なお、本アイテムはふるさと納税の対象商品で、19,000円の寄附に対する返礼品です。
全色揃えたい!多彩なグラス「ビーチグラス」
刻々と変化する海の色をイメージしたグラスです。
細波のようなうねりと、繊細な泡がガラスの透明感を引き立てています。
同系色のグラデーションは3タイプあり、奥行きのある美しさが魅力。
また、紫とブルーを使用したツートーンカラーは2タイプ。
上品な色合いで高級感があります。
高さ約8.5cm、口径7.5cmの大きさは、さまざまなドリンクに合う使い勝手のよいサイズ。
比較的リーズナブルな価格で、コストパフォーマンスの良さもポイントです。
色ガラスがきらきら光る「蛍つぶつぶビアグラス」
蛍をイメージした色ガラスをあしらったポップなビアグラス。
光を受けてきらめきを増す柄には蛍石が入っており、蛍光灯や太陽光の光を蓄えることで、暗闇でもほんのりと優しく輝きます。
カラーはオレンジと青の2色。
贈答用のペアグラスにもオススメです。
清涼感のあるユニークなデザインで、インテリアとしても映える逸品。
グラスの手触りや口当たりを楽しみつつ、氷を浮かべたドリンクや冷えたビールなどが、より一層爽快に味わえるグラスです。
碧いグラスは琉球の海と空「コバルトモールタルグラス 源河」
沖縄の海と空をイメージする色、「碧」を基調としたグラス。
やや緑がかった青色である「碧」は、どこまでも鮮やかで透明な海の色でもあります。
沖縄を表現するにふさわしい「碧」と琉球ガラスが融合し、使うたびに美しい情景が浮かぶようなグラスです。
カラーバリエーションは、濃く艶やかな「青」と、クリアで爽やかな「水」の2色。
高さ約8cm、口径約6.5cmの大きさで、全体的に丸みのあるフォルムが特徴です。
グラス表面のストライプ状のうねりはモールというデザインで、持った時に滑りにくいのもポイント。
男女問わず、贈り物としてもオススメです。
沖縄の海がグラスの中に「源河源吉 ニューコーラル ロックグラス」
テーマは「沖縄の海の中」。
グラスの内側には、光が柔らかく差し込む海が広がっています。
琉球ガラスの青と水色、グラスの外側から映り込む黒が見事に調和。
グラス外側はマットな手触りで、波の泡のような白いラインがアクセント。
シックな色合いで高級感があり、男性へのプレゼントとしてもオススメです。
制作は、沖縄の読谷村で50年以上ガラスを作り続けている名匠、源河源吉氏。
沖縄の美しく壮大な海が感じられるグラスです。
斬新なグラスで贅沢な時間を「黒紫泡グラス」
一見、漆黒のような艶やかな黒に見えるグラスは、光にかざすと深みのある黒紫に!
重厚感のあるデザインと、約480gの安定感がある重量で、特に男性にオススメのロックグラスです。
サイズは高さ約9.5cm、口径約9.5cm。
満杯で約300ml注げる容量で、しっかりとお酒を楽しめます。
個性的でインパクトのあるグラスで、琉球ガラスの艶が、大人の雰囲気を演出してくれます。
高級感溢れるロックグラスでぜひ至福の時間を過ごしてください。
おわりに
沖縄県を代表する伝統工芸品、琉球ガラス。
海や空などの壮大な自然を表現したグラスは、注ぐ飲み物によって違った美しさが堪能できます。
手作りならではの造形美が最大の特徴ですが、その製造方法には、大きく分けて「宙吹き法」と「型吹き法」があります。
「宙吹き法」は、鉄パイプで溶けたガラスの火玉を巻き取り、それに息を吹き入れながら成形する方法。
経験を積んだ職人でなければできない技法です。
一方、「型吹き法」は、木型や金型、石膏型などの内側でガラスを吹いて成型する方法。
ガラス工房の体験教室などで試せるのは、多くはこちら。
作るアイテムによって製造方法が変わりますが、どちらの技法においても、琉球ガラスならではの素朴で温かみのある風合いが生まれます。
さらに、気泡やヒビ割れなどの入り方、厚みやガラスのゆらめき方など、それぞれに違った魅力を持つグラスが完成します。
ぜひ、琉球ガラスのグラスを手に取り、沖縄の海や空を感じてみてはいかがでしょうか。

沖縄の青い海、そして色とりどりの花を思わせるカラフルな「琉球ガラス」。
琉球ガラスは沖縄の「チャンプルー文化」から生まれたことをご存知でしょうか。
沖縄の人々に加え、南蛮渡来のビードロ技術を持つ長崎の職人、大阪の商人、アメリカ文化がチャンプルー(混ざり合い)してできた伝統工芸品なのです。

首里織とは、琉球王国の城下町として栄えた首里の地で織り継がれてきた織物の総称です。
紋から絣まで、さまざまな織があることも首里織の特徴の一つで、その制作方法もさまざまです。
王家や貴族などの装いや、位の高い人の官位としても用いられ、当時は首里の人にしか作ることが許されていない格調高い織物でした。

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南国である沖縄独特の模様と、多種多様な技法で作られる美しい琉球漆器。
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今回は、琉球漆器の歴史とその制作工程について紐解いていこうと思います。

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