京焼・清水焼とは、京都で生産されている焼き物全般のことをいいます。
江戸時代、「京焼」は京都で作られていた焼き物の総称であり、「清水焼」とは、清水寺参道周辺で作られていた焼き物の名称でした。
江戸時代後期に入り「清水焼」が発展すると、次第に京焼・清水焼と呼ばれるようになります。
現在、伝統工芸品の正式名称として登録されているのも京焼・清水焼です。
京焼・清水焼は、さまざまな技法を用いた多様な焼き物であることが特徴で、窯元独自の手法で作られた、個性豊かな作品が揃います。
なかでも、手に取りやすく、実用的なのがごはん茶碗や抹茶椀。
京料理や茶道など、生活とともに発展してきた京都の伝統文化が感じられるのも魅力です。
今回は京焼・清水焼のごはん茶碗、抹茶椀のオススメをご紹介します。
是非あなたのお気に入りを見つけてみてください!
京焼・清水焼の茶碗7選
息をのむほど美しい!鮮やかで奥深い結晶釉「陶葊 花結晶 (白地青赤) 2点セット」
落ち着いた色調が印象的な京焼・清水焼ごはん茶碗。
器の表面に花が咲いたような美しい模様が特徴です。
焼窯の中で溶けて冷却する過程で結晶が出る特性を持った釉薬を利用し、その中でもとりわけ結晶が大きくなるのが花結晶です。
同じものが二つとないのも嬉しいですね。
清らかな青と優しい緋色のコントラスト「大日 HiBiKi 碧彩 茶碗 2点セット」
澄みわたる空のような青い釉と、温かみのある緋色とのコントラストが美しい京焼・清水焼のごはん茶碗。
手がけたのは、自然灰釉の第一人者でもある陶芸家、竹村繁男氏です。
涼しげな青が茶碗の外側に玉だれしている、インパクトのあるデザインも魅力です。
釉は、杉・葡萄・ひまわりなどの自然の植物を灰にした、自然灰釉を用いており、独特な深みのある色合いに仕上がっています。
デザインの美しさと、こだわり抜いた素材のよさが引き立つ逸品です。
優雅に咲き誇る花の結晶「陶葊 花結晶 茶碗 2点セット」
茶碗の表面に見られる、生き生きと咲き誇る花ような模様が美しいごはん茶碗。
この模様は「花結晶」と呼ばれる、釉の特性を生かして作られたものです。
釉には、焼窯の中で溶けて冷却する際、結晶が出る特性を持つ「結晶釉」という種類があります。
なかでも花結晶の結晶はとりわけ大きく、さまざまな形状になるのが特徴。
また、結晶の表れ方はそれぞれに異なるので、世界に一つだけの作品が楽しめるのも魅力です。
淡く上品な輝きを放つ京焼・清水焼で、銀花・金花の二色がセットになっています。
高級感があり、大切な方へのプレゼントにもピッタリです。
ほのかに輝く月の光「大日 HiBiKi 月白 茶碗」
シンプルなデザインで、青白い釉の美しさが引き立つ、京焼・清水焼のごはん茶碗。
高台に近い部分はほんのりと紅く染まり、温かみのある雰囲気があるのも魅力。
また、高台の優しい緋色がアクセントととなり、全体を引き締めています。
「月白」とは、薄い青みを含んだ白のことで、儚くも美しい月の光を思わせる日本の伝統色の一つ。
飽きのこない使い勝手のよいデザインで、毎日使いたくなるごはん茶碗です。
テーブルを彩る爽やかな縹色の花「陶葊 花結晶 縹 平茶碗」
さまざまな形の結晶が花のように美しく、宝石のような輝きが楽しめる京焼・清水焼の平茶碗です。
通常、焼窯の中で溶けた釉は冷却されますが、釉には結晶ができる「結晶釉」があり、本製品はその特性を生かして作られました。
縹色と呼ばれる、藍色よりも薄く、透明度の高い爽やかな青で、テーブルを華やかに演出します。
また、ごはん茶碗のほか、小鉢やそば猪口など、さまざまな使い方ができるのも魅力。
さらに、ツルツルとしたきめの細かい磁器なので、丈夫で汚れが付きにくいのもポイントです。
高級感あふれる優美な花結晶「陶あん 花結晶 青墨 茶碗」
重厚感と清々しさを併せ持つ京焼・清水焼の茶碗で、釉の落ち着いた色合いが魅力です。
「結晶釉」は、溶けた後に冷却される際、花の形のような結晶が出ます。
なかでも、とりわけ大きな形状の結晶となるのが「花結晶」。
描かれている花結晶は、優雅に浮かんでいるような美しさです。
青みがかった墨色は、濃く深い色合い。男女問わず使えるベーシックなデザインで、贈り物にもオススメです。
満開の桜で華やかな食卓を「楽峰窯 銀彩桜花紋蓋付飯茶碗」
桜の花びらが散りばめられた京焼・清水焼の蓋付ごはん茶碗。
一つひとつふっくらと丁寧に描かれた桜の花びらが、茶碗と蓋全体をバランスよく彩り
ます。
銀彩が施された花びらは、上品で華やかな雰囲気。
豪華なテーブルを演出できます。
また、シンプルな形状で高級感もあるので、お祝いの記念品にもピッタリ。
色はブルーとローズの二色があり、好みや贈る人に合わせて選択できるのも魅力です。
京焼・清水焼の抹茶椀3選
生き生きと描かれた風神・秋草図「善昇 抱一写風神・秋草図抹茶茶碗」
尾形光琳の風神雷神図、酒井抱一の夏秋草図屏風をモチーフに描かれた迫力のある抹茶椀です。
制作は京焼・清水焼の名匠として知られる山岡善昇氏。
一つひとつ丹念に上絵付けが施され、豪華で躍動感あふれる仕上がりが魅力です。
抹茶椀の外絵は力強い風神図、内絵は緻密な秋草図が描かれています。
斜め上から抹茶椀を眺めると、外絵と内絵が一体となり、風神が起こした風に舞う秋草の様子が楽しめます。
また、豪華な絵付けに対し、実用的で無駄のないシンプルな形状も特徴。
「用の美」と称される美しさが備わっています。
朱と金の紅葉が彩る秋の情景「八幡窯 夢玄紅葉 抹茶椀」
土の質感が感じられる温かみのある生地に、優美な朱と金の紅葉が映える京焼・清水焼の抹茶椀。
深みのある柔らかな色合いで、秋の紅葉の風景が優しく描かれています。
金や緑があしらわれた葉は、一枚一枚表情が異なり、眺めるだけでも楽しい抹茶椀。
外絵と内絵が縁で途切れることなく描かれているのも魅力です。
手に優しくなじむ程よい厚みも心地よく、ゆったりと豊かな時間が過ごせます。
瑠璃色に映える華麗な花びら「陶あん 花結晶 瑠璃 抹茶椀」
鮮やかな瑠璃色の花びらが幾重にも重なり、奥行きのある美しさが楽しめる京焼・清水焼の抹茶椀。
結晶ができる「結晶釉」の中でも、さまざまな大きさや形が作られる「花結晶」が華麗に咲き乱れています。
また、年間を通して使える色合いで、いつでも優雅なひと時が過ごせるのも魅力です。
ガラスのような透明感のある瑠璃色で、抹茶を立てた際は、緑色とのコントラストも楽しめます。
おわりに
京焼・清水焼の特徴は、一言では言い表せないほどの多様性であると言えます。
その理由の一つは、京都では焼き物の原料となる陶土が取れなかったこと。
他の産地から原料を取り寄せ、その原料にあった技法や作り手独自の工夫により、さまざまな焼き物が作られるようになりました。
また、都として栄えてきた京都は文化や経済の中心地であり、公家や大名、茶人などに向けた茶道具が発展しました。
そのため、焼き物の需要が高い京都には、各地から優れた陶工が集まるようになり、京都の文化とともに装飾性の高い多様な焼き物が誕生しました。
さらに、芸術的で華やかなデザインであることも、京焼・清水焼の大きな特徴です。
京焼・清水焼は、窯元ごとの個性は色濃く表現されていますが、京都の優雅で洗練された伝統美は、今もなお、大切に受け継がれ、手作りにこだわったさまざまな作品が作られています。