常滑焼とは、愛知県常滑市を中心に平安時代から作られてきた歴史ある陶磁器(焼き物)で、親しみやすい赤褐色が特徴の一つです。
常滑の地には、今も名鉄「常滑駅」から徒歩圏内に多くの工房があり、常滑焼の陶芸体験ができることもあって、観光客で賑わっています。
そんな街並みは令和2年(2020年6月)にNetflixで公開された映画『泣きたい私は猫をかぶる』でも舞台となったほど。
今回は、そんな常滑の地で常滑焼の陶芸体験ができるお店をご紹介します!
角山陶苑
小さなお子様でも楽しく参加できる体験が魅力の角山陶苑。
常滑駅から徒歩9分と、アクセスも抜群です。
一般的な電動ロクロコースでは、800gの粘土で2点の器を作ることができ、茶碗だけでなく、ビアカップや徳利などにも挑戦できますよ。
また、少し珍しいコースとして、ランプシェードコースというコースがあります。
釣鐘の形の粘土に、穴を開けて自分だけのランプシェードを作りましょう!
さらに、ランプシェードだけでなくアロマポット・茶香炉も作ることができます。
料金はどちらも同じで、所要時間は1時間ほどです。
ロクロでの作陶体験か、幻想的なランプシェードか、どちらを体験するか迷ってしまいますね!
住所:〒479-0836
愛知県常滑市栄町3-116
アクセス:常滑駅より車で約3分、徒歩約9分
料金:各コース3,500円(税込)
開催日:毎日 10:00~・11:00~・13:00~・14:00~・15:00~・16:00~
晴光
晴光は、常滑駅から徒歩15分ほどの常滑やきもの散歩道というところにあり、ここは雰囲気のいいお店が細い道に並んでいる見逃せないスポットです。
晴光は、電動ロクロを使ったさまざまなコースがあります。
中でも人気なのが「たっぷりコース」!
通常コースでは陶土約1㎏を使った約40分の体験のところ、たっぷりコースでは倍の約2㎏の陶土を使って約90分の体験ができるんです。
どのコースもとても丁寧に教えてもらえると評判です。
釉薬の色は時期により変化しますが、約10種類の中から自分の好きな色を選ぶことができますよ。
陶芸体験後は、常滑焼に囲まれたカフェでゆっくり過ごすのもオススメです。
住所:〒479-0836
愛知県常滑市栄町3-91
アクセス:常滑駅より徒歩約15分
料金:
①通常コース 40分 3,300円(税込)
②たっぷりコース 90分 5,500円(税込)
③お子様無料コース(小学生限定)
大人、3,300円(税込)以上のコースの方2人に対し、お子様1人まで無料
④外国人・観光者様向けコース 40分 3,300円(税込)
⑤団体コース(電話予約必須) 30分
10~22名1,650円(税込)
23~44名1,540円(税込)
45~66名1,430円(税込)
67~88名1,320円(税込)
89名~1,210円(税込)
開催日:10:00~15:00
※予約の方優先、不定休。来店前にお問い合わせすることをオススメします。
義翠窯 陶芸道場
義翠窯 陶芸道場は、常滑駅から徒歩7分の場所にある、予約なしでいつでも作陶体験ができるお店です。
もちろん予約してもOK。
体験で使用する陶土の量は約1.2㎏で、ビアカップ位の大きさの作品であれば2点ほど作ることができます。
また、電動ロクロだけでなく、棒状の粘土を積み上げていく手びねりや、板状の粘土から皿などを作るたたら成形の3種類の中から自由に選んで体験ができます。
さらに、常滑ならではの朱泥粘土もあることが特徴です。
常滑焼の特徴ともいえる朱泥粘土での陶芸体験は、忘れられない思い出になること間違いなし!
体験をし終わったら、ギャラリーもあるので訪れた方はぜひご覧ください。
風情を感じる作品から、お地蔵さんや動物などのかわいい作品まで、多様な作品がありますよ。
住所:〒479-0836
愛知県常滑市栄町4-39
アクセス:常滑駅徒歩約7分
料金:3,000円(税込)
開催日:毎日 8:00〜17:00営業
TOKONAME STORE
常滑駅から徒歩約11分のTOKONAME STOREでは、たたら成形という技法を使った体験ができます。
このたたら成形は、ロクロを使わないためケガの心配がなく、お子様でも楽しく簡単に器を作ることができると人気です。
TOKONAME STOREでは山源陶苑という窯元の常滑焼が取り扱われているのですが、体験でもこの山源陶苑のオリジナルブランドであるMOM kitchenの型が使われます。
TOKONAME STOREの常滑焼は、常滑焼の雰囲気を残しながらモダンなデザインをしていることが特徴。
常滑焼と言えば急須が有名ですが、TOKONAME STOREではそんな急須も「ポット」という名称で販売されています。
体験が行われる建物も独特で、大きな倉庫の中に常滑焼体験ができる小屋、陶芸作品などが売られている小屋、飲み物や軽食が提供されるスタンドの小屋といった3つの小屋が建てられているんです。
一味違う常滑焼を作ってみたいという方にぜひオススメです。
住所:〒479-0832
愛知県常滑市原松町6-70-2
アクセス:常滑駅より徒歩約11分
料金:
①ベーシックプラン
大人 3,300円(税込)、小人(小学生まで) 1,980円(税込)
②ファミリープラン
大人 3,300円(税込)、小人(小学生まで)1,650円(税込)
③グループプラン(大人10名~、小人10名~)
大人3,080円(税込)、小人(小学生まで)1,760円(税込)
開催日:毎日
1回目 11:00~12:30
2回目 13:00~14:30
3回目 15:00~16:30
4回目 17:00~18:30
登窯広場 展示工房館
登窯広場 展示工房館では、常滑焼に絵つけの体験ができます。
常滑焼の丸皿や、どかん、甕などのほかに、招き猫にも筆で絵つけをしてみましょう。
施設1階には、実際に使われていた窯が展示されており、その窯は中に入って見学することができるんです!
窯の中に入るなんて機会はなかなかできないので、絵付けだけでなく特別な体験をしてみたい方にオススメです。
また登窯広場には、明治時代に作られた巨大な登窯があります。
この登窯は常滑のシンボルの一つであり、見応えたっぷりです。
住所:〒479-0836
愛知県常滑市栄町6-145
アクセス:常滑駅より徒歩約20分
料金:1,650円(税込)
開催日:水曜日(祝日の場合は開館)と年末年始を除く毎日 10:00~16:00開館
渡辺章製陶所
渡辺章製陶所は、常滑駅から徒歩約10分の赤い招き猫が目印の工房です。
二代続く伝統工芸士の工房で、以前は実際にこの登窯が使われ、常滑焼が焼成されていました。
他では聞けない、貴重なお話を聞けるかもしれませんね。
体験はロクロ、たたら、手びねりの3種類から選ぶことができます。
お店にはたくさんの作品が展示・販売されており、中でもカイラギという細かくヒビの入った模様の常滑焼は必見!
このカイラギ模様は、高い技術を使って生み出されており、一つずつ模様が異なるのだとか。
体験前や体験後にぜひご覧ください。
住所:〒479-0836
愛知県常滑市栄町6-203
アクセス:常滑駅から徒歩約10分
料金:2,500円(税込)
釉薬(白・ブルー・グリーン・クリーム・黒・粉引)を希望の場合は500円(税込)加算
開催日:毎日 9:00〜17:00営業
咲茶楽
咲茶楽は常滑駅から車で10分ほどのところにある、セラモールという焼き物のお店が集まったショッピングモールの中にある常滑焼のお店です。
咲茶楽の体験は一般的なロクロコースで、所要時間は約40分と短めなので気軽に楽しみたい方にオススメ。
さらに、ウェディングプランという、珍しいプランもあります。
引き出物や、ご両親へのプレゼントとして心を込めて作ってみるのもいいですね。
体験後に飲み物のサービスがついているのもうれしいポイントです。
住所:〒479-0003
愛知県常滑市金山字上砂原103
アクセス:常滑駅よりタクシー約10分
料金:ロクロコース 約40分3,300円(税込)
団体様コース(10名~) 約15分1,650円(税込)
お子様コース(小学校低学年以下) 15分1,500円(税込)
ウェディングプラン 金額要相談
開催日:毎日 10:30~16:00の間に開催
方円館
方円館もセラモール内にあるお店です。
広い店内にはガラス張りの窓から光が差し込んで、明るい雰囲気を感じられます。
もちろん作品の量と質もとても豊富。
陶芸体験は多くのコースから選ぶことができ、電動ロクロ、タタラ、手づくりの3種類から選べるだけではなく、陶土の量も600gか1㎏にするかを選択できます。
さらに作陶体験だけではなく、絵付けコースも用意されています。
絵付けコースは筆で自由に描くだけですので、より気楽に体験ができますよ。
住所:〒479-0003
愛知県常滑市金山字上砂原123
アクセス:常滑駅よりタクシー約10分
料金:
【電動ロクロコース】
粘土600g1,900円(税込)、1kg3,000円(税込)
【タタラコース】
粘土600g1,800円(税込)、1kg2,500円(税込)
【手づくりコース】
粘土600g1,800円(税込)、1kg2,500円(税込)
【絵付けコース】
カップ・お皿・茶碗900円(税込)、招き猫・マグカップ1,300円(税込)
開催日:木曜を除く毎日 10:00~17:00営業
かりせーさ
常滑駅から徒歩7分ほどの、白壁に木の柱が美しい、古い民家の土間のような空間で陶芸体験ができます。
かりせーさの大きな魅力は、夜間の体験もできること。
短い旅行期間しか確保できず、諦めていた陶芸体験も可能になるかもしれません。
さらに、時間内で作り放題のコースがたくさんあることが大きな魅力。
粘土も使い放題なので、好きに作ってみましょう。
60分コースでは、陶土を練るところから体験ができますよ。
このサービスなら、どれもお得で便利ですね。
経験のある方なら、数多く作ることに挑戦できるかもしれません。
また、店内には温かみのある食器などに加え、小さなはにわの置き物など、かわいい作品が多数販売されているのでぜひご覧ください。
住所:〒479-0835
愛知県常滑市陶郷町1-1
アクセス:常滑駅より徒歩約7分
料金:30分コース 1,500円(税込)
60分コース 3,000円(税込)
団体コース(7名~) 1,200円(税込)
女性コース(2名~、土日祝日限定) 2,900円(税込)
開催日:毎日 要予約 10:00から23:00まで1時間刻みで開始
おわりに
長い歴史を持つ常滑焼ですが、陶芸体験は広く初心者に開かれています。
土に触る新鮮な体験をした後は、自分だけの作品ができあがるのが待ち遠しいですね。
中には30分程度で体験ができるお店や工房もあり、誰でも気軽に簡単に素敵な作品を作ることができます。
できあがった作品は、約1~2ヶ月後に手元に届くので、それを待つ時間もワクワクして楽しいですね。
また、体験には予約が必要なお店もあります。
必要でなくても、「予約優先」、「臨時でお休みの場合あり」というお店も多いので、体験をすることを決めている方は事前に予約をしておくのがオススメです!
常滑は名古屋駅や中部国際空港からのアクセスも便利なため、興味があればぜひ立ち寄ってみてください。
そして、せっかく訪ねるなら体験も予定に組み込みましょう。
とても充実した楽しい一日になるに違いありません。

常滑焼は愛知県の知多半島中央部、伊勢湾に面した常滑市を中心に焼かれており、経済産業大臣から伝統的工芸品に指定されている陶器です。こちらでは、常滑焼とはどのような焼き物なのかを、常滑焼の有名な作家や窯元を中心に詳しくご紹介します。

常滑焼とは、愛知県の知多半島西海岸の中央部に位置する常滑市周辺で作られている陶器の名称です。
鉄分を多く含む良質な粘土を原料として、古くから様々な焼き物が作られてきました。
昭和51(1976)年には国の伝統的工芸品に指定されています。

工業製品の生産が盛んな「ものづくり大国」、愛知県。そんな愛知県では、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、50品目以上の伝統工芸品が存在します。この記事では、その中でも経済産業大臣によって「伝統的工芸品」として指定されている15品目をご紹介します。

粘土を成形し、高温の窯などで焼成し器や造形物を作ることを陶芸と言います。
火山の噴火によってできる岩石が長い年月をかけ砕かれ、有機物と混ざりあったものが粘土。
世界中に存在しています。
陶芸によって作られる陶磁器と呼ばれるものにはおおまかに2種類あり、土が主な原料で叩いた時ににぶい音がするのが「陶器」。

自分の手で作る、好みのものを収集する、日常の暮らしの中で使う…陶磁器には様々な楽しみ方があります。
なぜ日本の陶磁器は多くの人を引き付けるのか。
その魅力のワケを探っていきたいと思います。

日本は、およそ1万年以上もの「焼き物」の歴史を持つ国です。
現在も北海道から沖縄まで全国各地に陶磁器の産地が存在し、国内外から多くの焼き物ファンが訪れています。

この記事では、陶磁器の歴史や種類について解説していきます。
読むだけで陶磁器の知識が身につくので器選びが楽しくなるはずです。
器にこだわるようになると食卓が豊かになって食事が楽しくなります。
料理にもこだわるようになるでしょう。奥深い陶磁器の世界。入口までみなさまをご案内します。