江戸切子は、ガラスをカットして作られる日本の伝統的工芸の一つです。
透明なガラスや色のついたガラスに刻まれた、直線、曲線の繊細な模様が、光の当たり方によってさまざまなシルエットに浮かび上がります。
江戸切子の大きな特徴の一つとして、江戸時代後期に生まれて以来、途切れずに伝えられてきたことがあげられます。
200年近くの間、人から人へ伝えられてきたものが現代にも生きているのですね。
今でも、発祥の地の東京の下町には、専門の工房が数多くあり、日々新しいものが作られています。
そのような工房の中には、一般の人でも制作体験ができるところがあり、簡単に本物の世界に触れられる場所として人気です。
焼き物などと違って、その日にすぐに持って帰ることができる上、特別に用意するものはほとんどなく、数千円でプロの職人さんの指導を受けられます。
江戸切子の購入を考えているなら、買うだけでなく、ぜひ自分で作ってみましょう!
初心者に合わせた内容で、誰でも楽しく達成感が味わえると評判の江戸切子体験。
今回は、東京都内で江戸切子の制作体験ができるお店・工房をご紹介していきたいと思います♪
あなたも江戸切子の世界に触れてみませんか?
「江戸切子」とは、国および東京都が指定する伝統工芸品のひとつです。ガラスの表面を彫り、美しい紋様を刻んでいく技法(もしくは紋様そのもの)を指します。そもそも「切子」とはカットグラス技法を意味する言葉。そのため、「薩摩切子」や「切子工房」など、「切子」という名を冠する商品・店舗は各地に存在しています。
江戸切子の文様(模様)は、光の当たり方によってさまざまに煌めき、その美しさは日本人のみならず海外からも賞賛されています。今回は、刻まれる文様に焦点を当て、代表的な魚子・菊つなぎ・六角籠目・八角籠目・菊花・麻の葉・笹の葉・矢来・七宝・亀甲の10種類の文様の意味をご紹介していきます。
江戸切子体験ができる東京のお店・工房① 創吉
「創吉」の切子体験教室の魅力は、グラスの種類と柄サンプルがたくさんあること!
二十数種類のグラスに、数十種類の柄サンプルが用意されているので、自分だけのグラスが作れますよ♡
平日は3回、休日は5回の体験教室が開かれているので、ご都合の良い時間帯を選んでください。
通常の90分のコースだとグラスを使った体験になりますが、2時間コースを選ぶとお皿にも挑戦できます!
事前に相談しておけば、英語と中国語で対応してもらうことも可能です。
海外から来た方にも喜んでもらえそうですね♪
また嬉しいサービスとして、近くの権八という飲食店で、自分で作ったグラスを使って食事を楽しめるプランもあります。
ドリンクのサービスもあるので、創吉に行くときには、ぜひ権八も予約してみてください!
住所:〒111-0034
東京都台東区雷門2-1-14 四方レジデンス
アクセス:東京メトロ銀座線 浅草駅4番出口より徒歩約30秒
浅草線 浅草駅A3出口より徒歩約3分
料金:
大人 3,630円(税込)~
U18 2,750円(税込)~
※色被せグラスをご希望の場合は990円~変更可能
※2時間コースはプラス1,100円
開催日:
平日(1)10:15(2)13:00 (3)15:00
休日(1)8:30 (2)10:15 (3)13:00 (4)15:00 (5)17:00
※17:00の回はプラス550円
※上記以外の時間帯も相談可、18:00以降はプラス1,100円
※令和5年(2023年)7月現在の情報となります。正式な情報については公式サイトをご確認ください。
江戸切子体験ができる東京のお店・工房② 東京ガラス工芸研究所
「東京ガラス工芸研究所」は、“ガラスのプロを育てる”ガラスの専門教育機関です。
実はこちら、学校としてだけではなく、一般の方に向けて江戸切子をはじめとしたガラス工芸の体験教室を開催しているんです!
江戸切子の体験コースでは、お皿やボウルなどを一つ制作して持ち帰ることができます。
平日のみの開催で、所要時間は約1時間、3,300円(税込)。
公式サイトから予約ができ、1時間刻みで時間が選べるのも嬉しいです♪
住所:〒144-0046
東京都大田区東六郷1-26-13
アクセス:京浜急行電鉄本線 雑色駅より徒歩約5分
料金:3,300円(税込)
開催日: 月~金曜日 11:00~16:00(13:00を除く)
※対象は小学生以上となります
※令和5年(2023年)7月現在の情報となります。正式な情報については公式サイトをご確認ください。
江戸切子体験ができる東京のお店・工房③ 煌粋~きらめき~(旧:清秀硝子工房)
江戸切子の職人さんには、先祖代々職人さんという方も多いのですが、「煌粋~きらめき~(旧:清秀硝子工房)」の清秀さんは普通の家庭に生まれ育ちました。
そんな清秀さんに、中学生の時に運命の出会いが訪れます。
母とともに訪れたデパートの伝統工芸展で、江戸切子と師匠に出会い感銘を受け、江戸切子を作る職人になると固く決意。
高校卒業後は師匠の元に弟子入りし、修行を積んで独り立ちしました。
清秀さんの工房では、ガラスの磨きを含め、ほぼ全ての江戸切子の制作工程を体験することができます。
またその磨きも、薬品を使う一般的な酸磨きでなく、カットの鋭さや色がそのまま残る手磨きにこだわっています。
一歩踏み込んで、本格的な江戸切子体験をしてみたい方にオススメです!
フェイスブックでもいろいろな写真、情報がアップされていますのでチェックしてみてください♪
住所:〒136-0071
東京都江東区亀戸5-13-11
アクセス:JR総武線 亀戸駅北口より徒歩約5分
料金・開催日時:公式HP(LINE公式アカウント)からお問い合わせください。
※令和5年(2023年)7月現在の情報となります。正式な情報については公式サイトをご確認ください。
江戸切子体験ができる東京のお店・工房④ すみだ江戸切子館
「すみだ江戸切子館」は、墨田区認定の江戸切子の工房ショップです。
店内には江戸切子の歴史や制作工程、道具類を展示しており、江戸切子を購入する以外の楽しみも満載です!
制作体験では、さまざまな形をした色つきグラスの中からお好きなグラスを選ぶことができます。
丁寧な説明で実演も見られると評判です♪
日曜、祝日以外で1日3回実施(1日3組の予約制)、所要時間は約1時間30分で、料金は4,500円(税込)です。
錦糸町駅から東京スカイツリーに向かう途中にありますので、観光がてら訪れてみてはいかがでしょうか?
住所:〒130-0012
東京都墨田区太平2-10-9
アクセス:JR総武線 錦糸町駅から徒歩約7分
料金:1,400円(税込)小学生※のみ。制作するのはガラスの文鎮
4,500円(税込)中学生以上から。グラスを制作
開催日時:日曜・祝日を除く、10:30~12:00・13:00~14:30・15:00~16:30
※対象は小学4年生からとなります
※令和5年(2023年)7月現在の情報となります。正式な情報については公式サイトをご確認ください。
江戸切子体験ができる東京のお店・工房⑤ 切子工房 浅草おじま
「切子工房 浅草おじま」では、透明のグラス、またはペーパーウェイトを選んで江戸切子体験ができます。
江戸切子が完成したら、専用の箱に入れてお持ち帰りください♪
こちらは制作のための工房ですので、スペースが広く、最大30名ほど受け入れ可能。
修学旅行など大人数での参加を考えているなら、浅草おじまがオススメです!
住所:〒111-0032
東京都台東区浅草4-49-7
アクセス:都営浅草線 浅草駅より徒歩約13分
料金:大人 4,500円(税込)
小学6年生~高校生 2,700円(税込)
開催日時:公式HPからお問い合わせください(日曜はお休み)
※対象は小学6年生からとなります
※令和5年(2023年)7月現在の情報となります。正式な情報については公式サイトをご確認ください。
江戸切子体験ができる東京のお店・工房⑥ 彩り硝子工芸
「彩り硝子工芸」は、“ぶらり途中下車の旅”など、テレビ番組でも紹介されている有名な江戸切子のお店です。
体験の時はふだんから職人さんたちが江戸切子を制作している仕事場を使用。
まさに本物の江戸切子が作られている場所で、本物の職人さんが教えてくれるのです!
また、こちらでは贅沢に5色の色つきグラス、瑠璃色・水色・紫・緑・赤(各色8,500円)の中からお好きな色を選べますよ♪
体験は1時間半~2時間と、しっかり江戸切子を楽しめる内容になっていますので、ぜひお友達同士やご家族で体験してみてください。
住所:〒136-0071
東京都江東区亀戸4-19-13サニービル2F
アクセス:JR総武線 亀戸駅より徒歩約6分
料金:8,500円(税込)
開催日時:公式HPからお問い合わせください。
※令和5年(2023年)7月現在の情報となります。正式な情報については公式サイトをご確認ください。
江戸切子体験ができる東京のお店・工房⑦ 江戸切子の店 華硝
「江戸切子の店 華硝」は江戸切子の工房の中でも規模の大きな工房で、若い職人たちも多く活躍しています。
江戸切子スクールとしてのコースも充実しており、インストラクターや職人を目指す方にもオススメの工房です!
江戸切子体験コースでは、江戸切子についてのレクチャーから、ぐい吞みにカットを入れるところまで、内容の濃い1時間をお過ごしいただけます。
令和5年(2023年)現在、日本橋店にて体験を受け付けていますので、お問い合わせしてみてください!
【日本橋店】
住所:〒103-0023
東京都中央区日本橋本町3-6-5
アクセス:
・JR総武本線「新日本橋駅」より徒歩約2分
・都営メトロ日比谷線「小伝馬町駅」より徒歩約3分
・都営メトロ銀座線「三越前駅」より徒歩約6分
料金:5,500円(税込)~
開催日時:月〜土曜日 11:00~15:00
※令和5年(2023年)7月現在の情報となります。正式な情報については公式サイトをご確認ください。
江戸切子体験ができる東京のお店・工房⑧ 江戸切子工芸教室 工房秀石
「江戸切子工芸教室 工房秀石」は、教室としての特徴を前面に出した工房です。
教材が豊富で、一人ひとりに合わせた指導、アットホームな雰囲気が人気。
長く通っている生徒さんも多いです。
この工房の体験教室は、そのような長く通っている人たちのレッスンの中で行われます。
完全予約制で、江戸切子をちょっとだけ試してみたい『2時間コース(2,500円/素材代込)』と実際のレッスンと同じ内容を体験できる『3時間コース(4,000円/素材代込)』があります。
オススメは『3時間コース』で、ゆったりペースの雰囲気を楽しみながらじっくり体験ができ、さらに江東区の情報サイト「ことみせ」の割引クーポンを利用すれば、実質3,000円になるのだとか!
江戸切子制作を続けるつもりの方には、とてもはじめやすいスタートになるでしょう。
材料はグラスではなくお皿で、二つの柄から選べます。
続けて通う場合も1回あたりのレッスン3時間4,000円(税込)は同じで、月1回の受講から可能なので、講師の方と相談しながらスケジュールを組むことができますよ♪
住所:〒136-0072
東京都江東区大島7-18-17
アクセス:地下鉄都営新宿線 大島駅A6出口より徒歩約6分
東大島駅より徒歩約6分
料金:
・2時間コース:2,500円(素材代込)
・3時間コース:4,000円(素材代込)
開催日時:
・2時間コース
平日)開校時間内の2時間(9:30~12:30・14:00~17:00・18:30~21:30)
休日)工房指定の日時(公式サイトの“体験オンライン予約”要確認)
・3時間コース
水~金曜日9:30~12:30・14:00~17:00・18:30~21:30
※ハンドタオル、筆記用具、必要な方はメガネをご持参ください
※対象:※中学生以上の方となります
※令和5年(2023年)7月現在の情報となります。正式な情報については公式サイトをご確認ください。
おわりに
江戸切子体験ができる東京のお店・工房オススメ8選をご紹介しました。
一口に江戸切子といっても、いろいろな工房がありましたね。
規模にもよりますし、職人さんのこだわりもあります。
それぞれの工房に特徴があるので、自分に合ったところをみつけてみてください。
家がお近くの方は、その後も通うことになる素敵な出会いになるかもしれません。
江戸切子体験は短時間で体験ができるので、遠方の方でも東京観光のスケジュールに組み込みやすいのではないでしょうか?
工房ごとに違いはあっても、共通して体験できることがあります。
それは、この地で江戸時代から作られ愛されてきた伝統工芸品・江戸切子に触れられるということ。
風景はもちろん大きく変わっていますが、体験中のひととき、美しい江戸切子の世界に没頭し、江戸の昔に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
江戸切子ははじめての体験でも、熱中して時間を忘れてしまえるような作業です。
小さな挑戦で簡単にタイムスリップできますよ。
事前に電話や公式サイトの予約フォームなどで予約して、ぜひ参加してみてくださいね♪
江戸切子とは、江戸末期に始まった、ガラスの表面にカットを入れるカットガラス工法のことです。
今回は、伝統的な技術とともに新しい作品も多く作り出している3つの江戸切子メーカーと、そこで作られている美しいワイングラスをご紹介します。
ギフトにはもちろん、親しい人へのプレゼントにもオススメです。
大正12(1923)年創業の清水硝子で働く中宮涼子さんは、江戸切子初の女性伝統工芸士。
今回は、職人になったきっかけや一つ一つの作品に込められた想い。
この仕事をしている上でのこだわりなどを詳しく伺った。
江戸切子とは、金剛砂を用いてガラスの表面に文様を彫刻したカットグラス、またはその技法の名称です。緻密にカットされた伝統的な文様がきらきらと輝き、使う者の目を惹き付けます。
日本の首都である東京都。都内各地には、東京タワーや東京スカイツリー、浅草寺といった名所が数多くあり、海外からも観光客が訪れます。経済産業大臣によって東京都の「伝統的工芸品」として指定されている村山大島紬、東京染小紋、江戸木目込人形、東京銀器、東京手描友禅、多摩織、江戸切子、江戸硝子など17品目をご紹介します。
日本には、何百年も前から受け継がれてきた技術で作り上げた、日用品の伝統工芸品が多数存在します。全国では200品目以上ありますが、関東地方ではそのうちの35品目が伝統的工芸品として認定されています。本記事では、今も脈々と継承されている関東地方の伝統的工芸品をご紹介します。
日本には何十年、何百年も前から受け継がれてきた技術を用いた、伝統工芸品が数多く存在します。技術の革新により機械化が進み、安価で使いやすい商品がどんどん市場に出回っている昨今、手作業で作られる伝統工芸品は需要が少なくなり、追い詰められているのが現状です。
伝統工芸士とは、経済産業大臣指定の伝統的工芸品の製造に従事する技術者かつ高度な技術・技法を保持する職人のことであり、国家資格です。この記事では、なるにはどうしたらよいのか、伝統的工芸品の種類や伝統工芸士の資格・認定について、女性工芸士の活躍のほか、もっと伝統的工芸品に触れるために活用したい施設などをご紹介します。