こけし愛好家の中でも熱烈なファンが多く、絶大な人気を誇る伝説のこけし工人こうじん今晃こんあきら」をご存知ですか!?

今晃は洞窟で暮らしていた(?)ともいわれていますが、その経歴は謎に包まれています。

そこで、伝説のこけし工人・今晃が歩んできた道をたどりながら、謎に包まれている経歴を紐解いてみましょう!

※こけし工人こうじん:こけしを作る職人のこと

【マツコの知らない世界】でも紹介されたこけし工人「今晃」とは?

まずは、今晃の経歴からご紹介していきましょう。

今晃がこけし工人となったきっかけ

今晃こんあきらは、秋田県の出身。

高校生までは陸上競技が得意でしたが、図画工作はあまり得意でない学生でした。

そんな今晃がこけし工人の道に進んだきっかけは、昭和43年(1968年)、彼が高校3年生の時のことでした。

新聞記事の中で「大湯のこけし後継者がいない」ことを知り、その日のうちにこけし工房を訪ねていったのです。

その後、今晃は秋田県大湯温泉で木地修行をはじめます。

さらに青森県や宮城県で伝統こけしの修業をし、青森県弘前市の岩木山麓のだけ温泉に工房を構えます。

それから約30年後に故郷の秋田県大館市に戻り、自身のこけし制作活動を開始して、現在に至ります。

※大湯:秋田県鹿角郡(現在は鹿角市)

「マツコの知らない世界」で今晃が紹介された!

今晃のこけしは、平成31年(2019年)3月5日放送のTBSのテレビ番組「マツコの知らない世界」で、彼のこけしのファン倶楽部会員の渡辺純さんとその妹・麻依子さんによって紹介されました。

今晃の世界によると、マツコ・デラックスが今晃の作品を手に取って「ものすごく癒されるわ!」などとコメントしたところ、マツコとTBSの力も相まって、放送10分で今晃の世界のWebサイトのアクセス数が1500件となり、一瞬にして通常の半年分のアクセスがあったのだとか!

今晃が作るこけしの特徴

今晃の作品の特徴は、伝統を継承しながらそれぞれの修業時代に就いた師匠の型と、本人独自の「本人型」の特徴を作品に常に自由に取り入れているところではないでしょうか。

具体的には今晃が作るこけし作品の中には、やさしさ・かわいらしさ・楽しさ・独創性・少々の変わり(変わっているところ)などがあります。

どの作品も生き生きとして、すてきな表情が表れており、それぞれ個性はありますが「ほのぼの」としていて、作品の表情の中に凛とした姿が感じられます。

こけしの面(顔)の描き方は、どこかなつかしい昔の東北地方の子供の表情や面影が感じられるところも、今晃のこけしの特徴の一つです。

両手を使ったこけしの描彩

本来、今晃は右ききであるにも関わらず、こけし描彩の際には左手も使い、両手で描彩をします。

今晃が利き手以外の手を使って描彩する目的は、こけしに従来の基本的な表情だけでなく、予想できない表情を生み出すためなのだそうですよ!

一般的にこけしの面(顔)に眉や鼻などを描く際は、穂先が細い日本画の面相筆めんそうふでが使われますが、今晃は中筆だけで描きます。

その際、今晃は筆の端だけを持って利き手でない左手を使ってこけしの面に描彩をするので、描かれた眉などは利き手で描いたように上手にバランスがとれた綺麗な描彩ではありません。

しかし、その描彩は、まるで子供が自由に描彩したように感じられる、独特の味のあるこけしに仕上がるのです。

今晃は洞窟で暮らしていたって本当!?

「今晃は洞窟で暮らしていた!?」、という話をよく耳にしますが、真実はどうなのでしょうか!? 

いろいろと調べてみたのですが、この件について詳細はわかりませんでした……。

そこで、調べるうちにわかった情報を基に、ちょっと推測してみました。

今晃が昭和58年(1983年)から約30年間住んでいた青森県弘前市に構えた工房がある嶽温泉一帯は、超が付くほどの豪雪地帯。

なので、冬になると今晃の工房もすっぽりと雪に覆われて、家全体が「かまくら」というより「地下の穴蔵」のようになり、その穴蔵はまるで「洞窟」のようだった。

だから「工房」=「洞窟」と、周りの人々から認識され、「洞窟で暮らしていた」と広まったのではないでしょうか。

と、これはあくまで筆者の推測ですが、調べれば調べるほど謎が深まりますね!

今晃が洞窟で作品制作をした理由は?

当時、今晃は嶽温泉に構えたこの工房で薪を使って暖を取っていましたが、この地は豪雪地帯なので暖を取るためにはたくさんの薪が必要となりました。

そのため、不要になったこけしの木片を薪にして暖を取って制作活動を行っていたそうです。

では、なぜこのような雪の「穴蔵(=洞窟)」でこけし制作をしていたのでしょうか?

昔の木地挽きは冬山にこもって仕事をしていたので、想像以上の厳しい寒さの中で生活の収入を得ていました。

こちらもあくまで推測となりますが、今晃が冬になると豪雪地帯の雪の「洞窟」のようになる工房で制作活動をしていた背景には、昔の木地挽き工人と同じような環境が作品づくりに反映されると思ったのかもしれませんね。

※木地挽き:木地で盆や椀、こけしなどを作る職人のこと

今晃が生み出すこけしの魅力

今晃が生み出すこけしの魅力は、「型にはまらない素朴さ」と「思わず触れたくなる」ような「強烈な個性ある本人型」、そして「珍しい変形型のこけし」であるところではないでしょうか。

この魅力に、多くのファンが虜になっています。

ここでは、今晃のこけしの魅力についてさらに触れてみましょう!

今晃のこけしの魅力①型にはまらない素朴さ

今晃の作るこけしには、類型的な素朴さはありません。

むしろ、型破りなこけしばかりです!

と思いきや、彼のこけしを手に取ってみると、不思議と描かれた面(顔)の中に昔の子供の素朴な面影が浮かんでくる…。

そんな不思議な魅力が詰まっているのです。

今晃のこけしの魅力②思わず触れたくなる

今晃のこけしは、丁寧なつくりながらも表面に粗さが残っていて、どの作品も自由で生き生きとしています。

そして、どことなく人情味が感じられるので、その粗さに思わず触れたくなります。

彼の作品を手に取った瞬間、童心に戻れるところも魅力の一つです。

今晃のこけしの魅力③強烈な個性ある本人型

今晃のこけしは、斬新的で強烈な個性がある「本人型」。

そのため、同じこけしの型でも、同じ表情をした作品が二つとない唯一無二な点が魅力です。

また、今晃は中筆だけを使った優しくて柔らかい筆使いなので、描彩が左右対称でないこけしも味わいがあります。

※本人型:こけし工人が師匠から代々伝承されたこけし技術を活かしながら、独自に自らの特徴を加えて作ったこけしの型

今晃のこけしの魅力④珍しい変形型のこけし

干支えとこけし
今晃の干支こけしは、十二支をロクロやカンナを使って制作する「変型こけし」です。

干支こけしは一体一体個性があります。

ところが、どのこけしも「私を見て!」などと強調しておらず、どこか「のほほーん」としていたり、凛として佇んでいるところが感じられます。

また、見ていると優しさが感じられ、楽しくなりますよ♪

とてもシンプルに作られていますが、干支こけしなので縁起の良い色が使われています。

※変型こけし:縦型の基本的なこけしの型ではなく、木でつ作られた玩具のような型で表されているこけし

シンシン・シャンシャン親子

パンダの親子、シンシン・シャンシャンの変型こけしもあるんです!

こちらは平成29年(2017年)6月12日に、29年ぶりに上野動物公園で生まれたパンダのシャンシャンを祝して作られました。

この親子こけしも、先ほどの干支こけしのように見ているだけで楽しくなる親子こけしです。

こけしなのにちゃんとパンダの耳もあり、子供のシャンシャンの眠そうな感じや、パンダの丸まる太った特徴などが、表れているこけしです。

今晃のこけしが欲しくなったら?

今晃のこけしが欲しくなったら、「今晃ファン倶楽部」に入会して購入するのがオススメ!

このファン倶楽部に入会金はなく、入退会も自由です。

現在は3ヶ月に1回、定期的に今晃こけしの頒布を行っており、1回の頒布での料金は5千円~1万円程度だそうです。

気になられた方はぜひ、入会を検討されてみてはいかがですか?

おわりに

今晃は、伝説のこけし工人としてファンが多く、ファン倶楽部まで存在している絶大な人気を持つこけし工人です。

今晃の謎に包まれた経歴を紐解いてみると、熱狂的なファンがつく理由がわかりますね。

機会があったらぜひ、伝説のこけし工人「今晃」のこけしを手にとってみてください!