日本の夏の風物詩として親しまれている「風鈴」。
風に揺らめく姿とその涼やかな音色は、まとわりつくような蒸し暑さを和らげ、癒しと清涼感を与えてくれますね。
熟練の職人が作る江戸風鈴や南部風鈴といった伝統風鈴は根強い人気がありますが、最近では手ごろでカジュアルな風鈴も増えています。
中には作るところから楽しめる手作り風鈴も登場し、豊富なバリエーションがあるところも風鈴の魅力の一つです。
そこで今回は、必要な材料がセットになった風鈴の手作りキットと、伝統ある風鈴作りを体験できる工房をご紹介していきます!
美しい音色を想像しながら、風鈴作りをゆったりと楽しんでみてください♪
最近の日本の夏は、まさに酷暑と言うにふさわしいですね。本当に困ったものですが、昔から日本人は夏を少しでも涼しく過ごそうと、工夫をしてきました。その1つが風鈴です。今回は日本の夏の風物詩、風鈴の魅力について伝えていきたいと思います。
おうちで風鈴を手作りしてみよう!
伝 統的工芸品「塩沢織」で優雅に彩る「風鈴作りキット」
素焼きの風鈴に、新潟県南魚沼市周辺で作られている「塩沢織」の生地・糸・真綿・繭を装飾できるキットです!
塩沢織とは、経糸に生糸と玉糸、緯糸に真綿手紡糸を使用し、独特の絣模様に仕上げた、ユネスコ無形文化遺産・国の重要無形文化財にも登録されている伝統的な織物。
伝統的工芸品である塩沢織の原料と生地が使える、なんとも贅沢な風鈴の手作りキットですね♪
こちらは新潟県南魚沼市のふるさと納税返礼品で、6,000円の寄附金に対して受け取れる商品です。
誰 でも簡単!自由なペイントが楽しめる「ガラス風鈴」
こちらは、シンプルな透明ガラスの風鈴です。
鐘、鐘の内側にある舌、短冊、吊るしひもは全て組み立て済み。
油性ペンや樹脂系絵の具で自由に装飾ができるので、小さなお子さんでも簡単にオリジナルの風鈴を作ることができますよ♪
鐘部分は約8×6.7㎝とオーソドックスな形と大きさです。
教材専門メーカーであるアーテックの工作キットで、比較的リーズナブルな価格で購入できるのもポイント。
まずは気軽にチャレンジしてみたい、という方にぴったりの風鈴の手作りキットです!
描 きやすさと優しい音色が魅力「彩(いろ)ふうりん」
スッキリとした可愛らしいフォルムが魅力の風鈴の手作りキットです。
鐘部分が陶器でできているのが大きなポイント!
陶器なので吸水性があり彩色がしやすく、表面が滑らかでとても描きやすいですよ。
水彩絵の具や油性ペンはもちろん、クレヨンや色鉛筆でも絵を描くことができるので、細かなデザインの表現も可能です。
大きさは、鐘部分が約6.5×8㎝、短冊部分が約5×1.9㎝。
比較的大きな短冊なので、鐘部分と同様にイラストを描いても良いですね♪
カ ラフル粘土で楽しくデコレーション!「風鈴工作キット」
風鈴の芯材と、超軽量の紙粘土「Kクレイ」、風鈴の音を鳴らすチャイムセットが揃った風鈴の手作りキット。
Kクレイは、手持ちの水彩絵の具やアクリル絵の具をまぜ、こね続けることできれいに発色します。
接着力が強く、芯材にしっかりと付けられるのが特徴の扱いやすい紙粘土です。
さらに、乾いた紙粘土の上からニスを塗ることで耐久性がぐんと上がるので、同時購入をオススメします。
最後に付属のチャイムセットを取り付ければ、オリジナル風鈴の完成です。
完成までにある程度の時間はかかりますが、粘土の色付けや形のデザインなど、もの作りをじっくりと楽しみたい方や、お子さんの夏休みの工作としてもぴったり!
ス テンドグラス風の本格的な風鈴を手づくりできる「ガラス風鈴」
ガラス製の風鈴に、おしゃれなステンドグラス風の装飾ができる手作りキットです。
パーツはすべて組み立て済みで、誰でも簡単にチャレンジできるのがうれしいですね!
風鈴の鐘の部分は色彩が映えるシンプルな透明ガラス製。
約6×6㎝のややコンパクトサイズな風鈴は、手が小さいお子さんでも掴みやすい大きさです。
付属のガラスペイントライナーで縁取った後、ステンドホビーで色付けをすることで、幻想的な風鈴を制作することができます。
カラフルなステンドグラス風鈴で、音だけでなく見た目も存分に楽しみましょう♪
工房で風鈴を手作りしてみよう!
江 戸風鈴 篠原風鈴本舗【東京】
江戸川区に工房を構える篠原風鈴本舗。
大正4年(1915年)に創業した篠原風鈴本舗では、長年伝統的な製法で江戸風鈴を作り続けています。
江戸風鈴とは、かつて江戸と呼ばれていた東京で、江戸時代と同じ製法で作られたガラス製風鈴のこと。
この江戸風鈴という名前は、篠原風鈴の2代目、篠原儀治氏によって名付けられました。
現在、江戸風鈴という名称を使用できるのは、儀治氏の承諾を受けた職人とその一門のみ。
職人の卓越した技術によって生み出される、歴史ある工芸品です。
そんな伝統を守り続ける篠原風鈴本舗で、風鈴作り体験ができるんです!
篠原風鈴本舗では、絵付けのみの体験コースと、ガラス吹きから絵付けまでを体験できる2つの体験コースを選ぶことができます。
絵付けのみの体験は、すでにできあがっているガラス製の風鈴に絵付けを行います。
ガラス吹きの見学にはじまり、ガラスの内側に絵の具で彩色するという体験内容となっており、気軽に風鈴作りにチャレンジしてみたい方にオススメです。
一方のガラス吹きから体験できるコースでは、職人さんの手伝いを受けながらガラスを吹き、絵付け、糸付けまでをするといった風鈴作りの全工程が体験できます。
江戸時代からの技法を受け継ぎ、すべての製造工程を熟練した職人の手によって行う江戸風鈴。
よりよい音が出るよう、ガラスの鳴り口をあえてギザギザに仕上げているのが特徴です。
工房で過ごす時間そのものが、贅沢で貴重な体験ですね。
本格的な風鈴作りを肌で感じてみたい方は、ぜひチャレンジしてみてください!
住所 | 〒133-0065 東京都江戸川区南篠崎町4-22-5 |
アクセス | 都営新宿線「瑞江駅」より徒歩約12分 |
料金 | 絵付け体験 1,800円(税込)/1個 ガラス吹きから絵付けまでの体験 2,400円(税込)/1個 |
開催日 | 予約時に確認 |
※料金等は変更となることがございます。
詳細は公式HPをご確認ください。
ワゴコロ編集部が全国の伝統工芸体験を紹介していくワゴコロ体験レポート。今回は、“江戸風鈴製作体験”をしに、江戸川区にある「篠原風鈴本舗」さんに行って来ました!
篠 原まるよし風鈴【東京】
現在、江戸風鈴を製作している工房は、2ヶ所しかありません。
一つは先述した篠原風鈴本舗、そしてもう一つが「篠原まるよし風鈴」です。
篠原まるよし風鈴は、大江戸線新御徒町駅のほど近く、レトロな雰囲気のある佐竹商店街内に位置しています。
風鈴作り体験は通常、絵付けのみの体験と、ガラス吹きから絵付けまでの体験の2種類が用意されています。
参加人数にもよりますが、完成までの所要時間は1~2時間程度です。
また、期間限定でクリスマスベルの絵付け体験も開催されていますので、季節をずらして2回体験に足を運んでみるのも楽しそう!
住所 | 〒110-0016 東京都台東区台東 4-25-10 |
アクセス | 都営地下鉄大江戸線「新御徒町駅」より徒歩約1分 東京メトロ日比谷線「仲御徒町駅」より徒歩約6分 JR山手線「御徒町駅」より徒歩約8分 |
料金 | 絵付け体験 1,980円(税込) ガラス吹き体験 2,600円(税込) |
開催日 | 予約時に確認 |
※料金等は変更となることがございます。
詳細は公式HPをご確認ください。
鋳 物工房利三郎【富山県】
「高岡銅器」発祥の地として知られる、富山県高岡市。
なかでも、鋳物工房利三郎が位置する金屋町は、加賀藩主前田利長が鋳物工場を開設したことで発展を遂げてきた歴史ある町です。
歴史的建造物が立ち並ぶ金屋町通りのほど近くにある鋳物工房利三郎では、風鈴をはじめ、ぐい呑みやペーパーウェイト、箸置きなどの鋳物作り体験が楽しめます。
鋳物とは、銀白色の錫という金属を高温で熱して溶かし、砂で作った型に流し込み、冷やし固めた製品のことをいいます。
風鈴作りでは、風鈴の鋳型に好きな文字や絵をデザインし、型を形成した後、熱で溶かした錫を流し込みます。
最後の仕上げは職人さんが行いますが、高級感のあるオリジナル風鈴を手にできた瞬間の嬉しさは格別です!
リーンと澄んだ音色が特徴の金属製風鈴。
鋳物の町で、伝統技術に触れながら、美しい風鈴作りを体験してみてはいかがでしょうか。
住所 | 〒933-0841 富山県高岡市金屋町8-11 |
アクセス | 能越自動車道高岡ICより車で約10分 あいの風とやま鉄道「高岡駅」より路線バスで約10分 金屋町バス停下車後徒歩約3分 |
料金 | ぐい呑み 4,800円(税込) その他 3,500円(税込) |
開催日 | 要問合せ(定休日:第4日曜日) |
※料金等は変更となることがございます。
詳細は公式HPをご確認ください。
おわりに
美しい完成品を手にする喜びとはまた違った楽しみが味わえる、手作りの風鈴。
自宅で手軽に楽しめる手作りキットから、伝統的な工芸品と触れ合える工房での風鈴作り体験まで、レベルや好みに合わせて選べるのが魅力です。
風鈴に使われている素材の違いは、見た目だけでなく、異なる音色を生み出します。
チリンチリンと軽やかな音を奏でるガラス製から、リーンと高く涼やかに響く金属製、カランコロンと優しく鳴り渡る陶器製。
ぜひ、音色の違いにも注目してみましょう!
一人でじっくり、家族や友人と賑やかに、それぞれの楽しみ方で作る風鈴。
暑い夏のひととき、世界に一つだけの風鈴が奏でる、風の音色に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
日本の夏の風物詩・風鈴とは言いますが、都会暮らしの方などは、風鈴を持っていない方のほうが多いのではないでしょうか。そこで今回は、風鈴をもっと身近に感じていただくための情報をご紹介していきます。
昔は夏になると必ずといっていいほど、家々の軒先に吊るされていた風鈴。
代表的なのは、ガラス製の江戸風鈴と鋳物製の南部風鈴です。
今回は、岩手県の名産品「南部風鈴」について、その特徴や歴史など詳しく解説していきます。
南部風鈴で有名な工房、数百個もの南部風鈴が奏でる音色が楽しめるイベントも合わせてお伝えします♪
江戸風鈴とは、江戸時代と同じ製法で、江戸(東京)で作られているガラス風鈴のことです。ガラス風鈴が庶民の間で親しまれるようになったのは、江戸時代末期のことで、ガラス風鈴の伝統の技を唯一今に引き継いでいるのが、江戸風鈴です。 今回は、300年前と変わらない製法で作られている江戸風鈴の伝統の技に迫ります。
江戸切子の制作体験ができる東京都内のお店・工房をご紹介します♪初心者に合わせた内容で、誰でも楽しく達成感が味わえると評判の江戸切子体験でグラスやお皿の制作にチャレンジしてみませんか?
「伝統文化を体験する」というと、どこか遠い場所に行く必要があったり、変わった道具を使ってみたり…普段にはあまりない特別感を抱く方も多いのではないでしょうか?
そのハードルの高いイメージから敬遠してしまっている方がいるかもしれませんが、実は伝統文化はお家の中でも簡単に体験できるものがたくさんあるんですよ♪
日本には何十年、何百年も前から受け継がれてきた技術を用いた、伝統工芸品が数多く存在します。技術の革新により機械化が進み、安価で使いやすい商品がどんどん市場に出回っている昨今、手作業で作られる伝統工芸品は需要が少なくなり、追い詰められているのが現状です。
「江戸切子」とは、国および東京都が指定する伝統工芸品のひとつです。ガラスの表面を彫り、美しい紋様を刻んでいく技法(もしくは紋様そのもの)を指します。そもそも「切子」とはカットグラス技法を意味する言葉。そのため、「薩摩切子」や「切子工房」など、「切子」という名を冠する商品・店舗は各地に存在しています。
大正12(1923)年創業の清水硝子で働く中宮涼子さんは、江戸切子初の女性伝統工芸士。
今回は、職人になったきっかけや一つ一つの作品に込められた想い。
この仕事をしている上でのこだわりなどを詳しく伺った。