漆器の名刺入れの特徴

漆を重ね塗りして作り上げる漆器。

その歴史は縄文時代から始まり、器や弓、櫛などに使われていました。

出土品も多いことからおそらく日常的に使用されていたようです。

それが現在では漆器は主に来客時やお祝い事、お正月など「ハレの日」用の食器として使われることがほとんどとなっています。

装飾品であっても普段使いにすることは少ないのではないでしょうか。

「漆器をもっと身近で気軽な存在にしたい」、そんな職人側の思いから誕生したのが、本記事でご紹介する名刺入れです。

漆器の名刺入れという発想には「常に持ち歩くのでとても身近な存在である」、「珍しくて目立つ」、「デザインが和モダンでおしゃれ」といった以外にもこのような理由がありました。

木のぬくもりを感じさせる

素材が木材なので、従来の名刺入れにはない温かみが感じられます。

漆器は使うほどに味が出る

名刺入れは頻繁に手で触れるので、使いこむほど漆器独特の「味」、すなわち艶が出てきます。

この艶が漆器の魅力の一つでもあります。

汚れがつきにくいだけでなく耐久性がある・抗菌効果も期待される

漆器の抗菌作用については科学的な実験結果で明らかにされています。

漆の成分、ウルシオールは殺菌効果のある物質なのですが、水に溶けてもその効果はあるそうです。

お手入れが簡単

漆器の手入れは難しそうと思われがちですが案外、そうでもありません。

柔らかい布で乾ふきするだけで大丈夫です。

今回は、ご自分で持つだけではなく、贈り物にも最適な漆器の名刺入れ7選をご紹介します!

ひととの縁を大切に「VYAC CARD CASE 矢絣」

絵柄の上から透明な漆を塗り模様をくっきりと浮かび上がらせる「白檀びゃくだん塗」。

その技法が使われている土直つちなお漆器「VYAC CARD CASEシリーズ」の中の一枚です。

矢絣やがすりは矢羽根、つまり射った矢は戻ってこないということから人との繋がりを意味する文様です。

名刺は人と人との縁が始まる時に交換するもの。

名刺入れには最適な絵柄ではないでしょうか。

日本の名所名跡が絵柄となった「選べる10種」

絵柄が描かれている表面に革が使われている他、ステンレス、サテンなど多様な材質でとてもスタイリッシュな仕上げになっています。

本体は磁石で止められ名刺が落ちないようになっており、使い勝手も良いでしょう。

また、10種類の日本の代表的な景観が描かれているだけでなく、英訳の取扱い説明書が付いています。

外国の方への贈り物に最適ですね。

いつまでもすこやかに穏やかに「VYAC CARD CASE 青海波」

先ほどの「VYAC CARD CASE」シリーズの一つです。

越前漆器は日本で最も古い漆器の生産地とされています。

海面の波を現す青海波は平穏な暮らしがいつまでも続くようにという願いを込められた文様です。

名刺入れ本体の曲線のフォルムが褐色と黒の印影をさらに引き立て、とても美しい一品です。

仕掛けも楽しい「山中塗り回転名刺ケース」

山中漆器は日本でトップクラスの漆器産地です。

独特の艶感がとても美しく、色は二色から、絵柄は菊紋とかわいいフクロウから選べます。

漆器の名刺入れという珍しさに加えて、表面のローラーを指で回すと名刺が出てくるという面白い仕掛けになっています。

名刺交換の際、会話のきっかけになりそうですし、遊び心を感じさせます。

商売繁盛を願って「VYAC CARD CASE 市松」

市松は江戸時代から歌舞伎でも使われるおしゃれな柄です。

柄が途切れることなく続くことから繁栄、すなわち事業拡大の意味を持ちます。

「VYAC CARD CASE」シリーズの絵柄はこのように伝統文様が使用されています。

柄が好みに合うというだけでなく、文様の意味から名刺入れを選ぶのも楽しいですね。

重厚で豪華な「沈金菊彫 名刺箱(大) 黒 」

こちらは携帯用ではなく、デスクの上に置いておくタイプです。

沈金とは漆を塗ったあと表面に彫刻をほどこし、その掘った線に金や銀の粉を埋め込んでいく技法です。

たくさんの細い線で掘りこまれた菊の模様は大変手の込んだ逸品です。

特別な日を迎えられた大切な方への贈り物に最適です。

二羽の鶴が飛び立つ「鶴 名刺入 黒 」

こちらもデスクの上に置いて使う小箱になっています。

描かれているのはこまやかでかわいらしい作品が多い沈金師、高野博代さんの手による二羽の鶴。

鶴は長寿のシンボル、二羽の鶴は夫婦鶴ともいわれ、夫婦円満を意味します。

例えば金婚式を迎えられた方への贈り物にいかがでしょうか。

おわりに

このように漆器の名刺入れと言っても多種多様なものが揃っています。

そして、普段づかいとしてアレンジされながらも伝統工芸としての気品が感じられます。

漆器は海外では「JAPAN」と呼ばれています。

日本を代表し、日本人が誇れる伝統工芸品である漆器をもっと身近に感じてみませんか。

ご自分用はもちろん、海外の方に、大切な方に、そして女性からの贈り物としても漆器の名刺入れを選んでみてはいかがでしょう。

名刺はコミュニケーションツールなので、鞄や背広の内ポケットから、珍しい漆器の名刺入れを取り出した瞬間に新たな会話が始まるかもしれません。

漆器の名刺入れをきっかけにコミュニケーションが広がったら素敵ですよね。