盆栽用の針金として市販されている主な種類には、銅線、アルミ線、合金線など多数ありますが、オススメは銅線です。

扱いになれていない最初は難易度が高いと感じるかと思います。

しかし銅線で盆栽を矯正することによるメリットはたくさんあるのです。

この記事では銅線をオススメする理由をお伝えします。

銅線が良い理由

銅線をオススメする理由は、矯正力が一番あるためです。

アルミ線や合金線は柔らかいので取り扱いはしやすいですが、しっかりと枝や幹を矯正する針金かけでは、銅線の方が短期間にしっかりと枝や幹を矯正してくれるので、オススメです。

銅線を焼いてから使う理由

銅線を焼いてから使う主な理由は2つあります。

1 つ目の理由

盆栽の針金かけに使われる銅線は、一般の工事現場などでも使われている工事用のものと同じなので、そのまま使おうとしても硬くて曲げたりしにくいという特徴があります。

銅線が固いと曲げにくいので、無理に針金を曲げようとすると、枝を折ってしまったり幹に負担がかかったりしてしまいます。

さらに樹皮を剥いてしまったり、幹や枝に傷をつけたりしてしまいます。

そのため、針金かけをする前に一度焼いて“なます”と使い勝手の良い状態になりなります。

針金かけの作業がしやすくなるため、初心者でも理想の針金かけをすることができます。

2 つ目の理由

銅線を焼かないで使うと、硬いので曲げようとしても逆に跳ね返ってしまい、矯正力が悪くなることで、理想の針金かけをすることができません。

そのため結果的に、幹や枝を思うような形に固定することができなくなるのです。

銅線の焼き方

銅線を焼く場合は、藁に火をつけたものであぶるのが一番良い方法です。

藁はホームセンター等で入手することができます。

都会ではワラの焚火をすることができないので、藁を段ボールや大き目の空き缶などに入れて藁火をします。

藁に火をつけ、青い炎が燃えている間に銅線を焼いて、乾燥している場所で管理をします。

例えば、ブロックやコンクリートの上など、火災が起こらない場所があります。

度焼いた銅線が固くなった場合

銅線は藁火で焼いた直後が一番やわらかいですが、しばらくの間使わないでいると硬くなってしまいます。

しかし、再度藁火をつかってなますと、柔らかくなります。

一度、盆栽の幹や枝の針金かけに使った銅線を再度使うことはしないでください。

銅線は、一度曲げたりして針金かけをすると、元のように硬くなってしまう特徴があるので、硬くなった銅線を使うと樹を傷めてしまう恐れがあるのです。

また、銅線や他の針金でも同じですが、そのまま幹や枝に巻き付けてしまうと樹皮を傷めてしまうことがあるので、和紙(障子紙の残り、半紙、懐紙など)を針金に巻くことが多いです。

特に樹皮が柔らかいかえで、もみじ、欅、梅、ザクロ、桜、ウメモドキ、柿、杉などに針金をかける際は、和紙を使って行ったほうが無難です。

銅線の呼び名

銅線には工業や電気業界で使われている「○○番線」という呼び名があります。

盆栽で使われる針金も同じ呼び方をします。

盆栽で使われている銅線の太さには、一般的に6番線から24番線があります。

そのためできるだけ複数の太さの針金を用意してから針金かけをすると、幹や枝の太さに適した針金を使って、針金かけをすることができます。

6番線から8番線の銅線:主に幹を曲げたりする矯正に使います。

8番線から10番線の銅線:親指位の枝や幹の矯正に使います。

11番線から22番線の銅線:爪楊枝やマッチ棒位の太さの枝を曲げる矯正に使います。

22番線から24番線:芽先を起こす矯正に使います。

しかしながら、市販されている針金には、針金の太さを示した「○㎜線」と呼ばれている針金もあります。

この針金は、太さの細い順から0.5㎜ずつ太くなっています。

補足:アルミ線について

初心者はアルミ線を使って針金かけをしても大丈夫です。

今日では、盆栽用の針金かけ専用に作られたアルミ線も市販されています。

確かに銅線に比べて柔らかいでので、銅線より太いものを使わなければ矯正力がありません。

また、アルミ線なので当然アルミ色をしており、盆栽の樹の見た目があまり良くありませんが、初心者レベルで使う針金としては許容範囲です。