錦鯉の観賞を楽しむためのポイントは、最初に観賞の基礎と言われている錦鯉の種類、鱗、美しい体型、そして飼い方を知ることです。

錦鯉の種類を知る

初は「紅白」の品種

錦鯉の品種は130種類位ありますが、その中でも「紅白」の品種は、「紅白から始まり紅白に終わる」と言われるくらい錦鯉観賞の基礎です。

そのため「紅白」の観賞方法が分かれば他の品種の見方も分かってくるので、錦鯉の観賞を楽しむことができます。

「紅白」は最も人気がある品種で、雪のような白地に緋紋斑点(緋斑)と呼ばれる赤い模様があるだけですが、この簡単な組み合わせ模様は、錦鯉の魅力の奥深さを引き立てています。

また、「紅白」の模様は頭の部分に1つ(1段目)、背の部分に1つ(2段目)、尾の部分に1つ(3段目)、それぞれバランスよく緋斑の3段模様が入っていることが重要なポイントです。

また、この緋斑模様は模様の大きさによって「小模様」と「大模様」に区別され、模様によってそれぞれ呼び名が付けられています。

鯉の「御三家」の品種を知る

錦鯉には、「御三家」と呼ばれている人気の品種があります。

「紅白」もその1つで他に、「大正三色」、「昭和三色」と呼ばれる品種があります。

そのため最初に「紅白」の品種を極めたら「大正三色」と「昭和三色」について勉強することがオススメです。

「大正三色」は、白地に緋斑(赤)と墨斑(黒)の2色が加わった模様の品種で、豪華さが感じられます。

文字表記では、「三色」と表記され、口頭では「三毛さんけ」とも呼ばれています。

「昭和三色」は、「大正三色」より白地の部分が少なく、墨斑の部分が多いので、「豪華さ」と「豪快さ」がある品種です。

「昭和三色」は、幼魚から5歳ほどまで色彩模様の変化が激しいことが特徴ですが、それ以降は色彩模様の変化も落ち着いてくる品種です。

錦鯉の美しい体型を知る

しい体型とは?

錦鯉の美しい体型も錦鯉観賞を楽しむためのポイントです。

錦鯉は60~70年ほど生存し、4~5年で体長が1mほどになりますが、ただ大きい錦鯉が美しいのではなく、体型の美しさも錦鯉観賞の基本です。

美しい体型の錦鯉は、肉付きが良い“ふっくら美人”タイプで、特に体長の真ん中の部分が糸を巻いたようにふっくらとしている錦鯉が美しいと言われています。

この体型は雌に多くみられます。

また、品評会で優勝する錦鯉の多くも、頭の形が滑らかで、“ふっくら美人”の体型をした雌が多いです。

一方、雄の錦鯉の体型は、筋肉が発達しているので野球バットのように上半身が太い体型をしており、見比べてみると雄と雌の体型の違いがわかります。

しい体型にするためには

錦鯉は1度の産卵で約50万個の卵を産みますが、その中で美しい体型に成長して品評会で優秀な賞を受賞することができる錦鯉は、極わずかです。

その極わずかな錦鯉を美しい体型にするためには、どのように育てるのでしょうか?

美しい体型の錦鯉を育てるためには、「野池」と呼ばれる泥の池で、春から秋にかけてストレスを与えないようにしながらのびのびと育てます。

この「野池」で錦鯉を育てると、直接、太陽の光りを沢山浴びることができるので、地肌の発色が良くなります。

そのため池の水質をアルカリ性に保つようにして、牡蠣殻などを池の中に入れますが、池の水質が酸性になってしまうと発色が色あせてしまいます。

また、肌の艶を良くするためには、蚕(かいこ)の蛹(さなぎ)を与えます。

春から野池で育てた錦鯉は、秋の引き上げの時期になると理想的な美しい体型に成長し、特に雌は雄の10倍ほどの価格が付けられます。

錦鯉の鱗を知る

の観賞ポイント

錦鯉の鱗の鑑賞ポイントは、鱗が整然と並んでいることです。

錦鯉の「鯉」という字の「里」は、理論の“理”を意味しているので、「鯉」の場合は鱗が整然と並んでいる状態を意味します。

そのため、錦鯉には鱗の美しさの観賞を楽しむ品種があります。

の観賞を楽しむオススメの品種2選

錦鯉の整然と並んだ鱗の美しさの観賞を楽しむためにおすすめの品種は、「浅黄あさぎ」と「赤松葉あかまつば」の2種です。



「浅黄」は、真鯉の色素が抜けて白色に変化した品種で腹部が色鮮やかな赤、鱗が網目状、そして頭部にシミが無いものが良いものとされています。

また、薄色になっている鱗周辺は、「覆輪ふくりん」と呼ばれています。

幼魚の「浅黄」には、模様に派手さが感じられませんが、成魚になると鱗の覆輪が大きくなるので、見応えのある錦鯉になります。



「赤松葉」は、体色が赤色の品種です。

錦鯉の世界で「松葉」は褐色を意味するので体色が赤色は「赤松葉」、黄色は「黄松葉」、体色全体に光沢があるものは、「赤松黄金あかまつばおうごん」と呼ばれています。

錦鯉の飼い方を知る

トレスを与えずのびのびと

美しい体型と良好な健康状態の両方を持ち合わせた錦鯉を自分で育てて観賞するためには、正しい飼い方を知ることが必要です。

飼い方のポイントは、日頃からストレスを与えないでのびのびとした環境で育てることです。

自分で楽しむために育てる錦鯉は、品評会で入賞するような錦鯉に育てる必要がないので、一般的な観賞魚と同じように育てても大丈夫です。

また、錦鯉は環境の順応性も早く人懐こい性格なので、人の手から餌をたべるようになるため、ゆったりとした環境づくりものびのびと育てるポイントです。

錦鯉の最適水温は20度から25度で、一定の水温が保たれた環境が望ましいです。

一方で、水温、水質や光線などによって飼育環境が急に変わることは、錦鯉の生育に良くありません。

的に応じた餌

錦鯉は雑食性なので人間が食べるものは殆ど食べますが、色彩を良くしたり、体を大きくしたりしたい場合は、それぞれの目的に応じた餌を与えます。

錦鯉は胃袋がないので、食べたものが食道から直接、腸に行ってしまいます。

そのため餌を与える際は錦鯉の大きさにもよりますが、1日に与える量を3回から6回位に分けて与えます。

錦鯉は何の知識もなくただ観賞することも良いですが、事前に観賞の基礎を知ることで、錦鯉の素晴らしさを一層楽しむことができるのではないでしょうか。

錦鯉について、“少し”、学んでみませんか。