かつて「山の手銀座」と呼ばれ、多くの人々で賑わった東京都新宿区神楽坂。

大正時代から続く花街の面影をとどめ、その名が示す通り、昔から華やかな芸能と縁の深い街です。

そんな神楽坂の初夏を彩る伝統芸能のイベントが「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり」です。

神楽坂の街のあちこちで二日間に渡って行われるイベントでは、数ある伝統芸能の中でも特に江戸の「粋」を感じさせるものと、伝統を活かしつつ、現代に昇華させたパフォーマンスをバランス良く楽しむことができます!

伝統文化を気軽に楽しむことができる「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり」で、江戸の粋を味わってみませんか?

「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり」とは?

二日間に渡って開催される「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり」は、寺社の祭礼になぞらえて一日目の「宵祭よいまつり」と二日目の「本祭」に分けられています。

この二日間、神楽坂の街中のいたるところで、さまざまな伝統的な日本文化に関する催し物が開かれます。

広場や寺社の境内、おしゃれなカフェやレストラン、そして街角の路上でも数多くのパフォーマンスが私達の目を楽しませてくれますよ♪

見るだけではなく、当日はお座敷遊びや紙芝居、昔の子供たちの懐かしい遊びなどの体験もたくさんあります。

大人も子供も、みんなが楽しめる伝統芸能の祭典が「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり」なのです。

「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり」の楽しみ方

神楽坂の道を歩いているだけで音曲が耳に入り華やいだ気分になる、まさに街中が伝統芸能のステージに変身する「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり」。

盛りだくさんの二日間の楽しみ方を、令和元年(2019年)のイベントの様子をもとにご紹介します!

毘沙門天善國寺で伝統芸能を楽しむ

古くから栄えてきた神楽坂には、歴史ある寺社仏閣がたくさん残っています。

人が多く集まる寺社仏閣は、今のような情報伝達手段を持っていなかった時代の人々にとって貴重な情報発信の拠点でもありました。

例えば、講釈こうしゃくなどの寺社の境内で行われる芸能もこうした情報発信に一役買っていたのです。

※講釈:明治時代以降は講談と呼ばれるようになった

この頃の講釈場を再現したのが毘沙門天善國寺びしゃもんてんぜんこくじ境内の特設ステージで行われる「神楽坂楽座~講釈場」です。

桃山時代に創設され江戸時代の寛政4年(1792年)から神楽坂に建つ古刹、毘沙門天善國寺。

境内に設けられたステージでは講談や落語の他に浪曲や義太夫語り、琵琶語りなどの日本の「語り」の芸が披露されました。

戦前は数多くの演芸場が建ち並び賑わった神楽坂。

さまざまな芸能を産み出してきた街である神楽坂で、タイムスリップした気分になって伝統の技をじっくり観賞してみるのも良いですね♪

食事をしながら伝統芸能を楽しむ

もともと、花街として賑わっていた歴史を持つ神楽坂。

料亭や置屋が並ぶ当時の様子は、さぞ華やかだったに違いありません。

※置屋:芸者や遊女を抱えている家のことで、料亭や茶屋などの客の求めに応じて芸
者たちを差し向けるところ

そして、今も当時の風情を残しながら、現代的でおしゃれと話題なお店が集まるのも神楽坂エリアの特徴です。

レストランやカフェ、ライブハウスで、スタイリッシュに伝統芸能を楽しむことができるのも「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり」の楽しみの一つです。

雅やかな琴の音色を楽しむ箏曲や、三味線に合わせて宴席で歌われた戯れ唄の俗曲など、なかなか聞く機会の少ない日本の音楽の演奏を間近で聞くことができます。

さらには新内節、庵唄いおりうたなど主に屋外で演じられる芸能を、屋内でゆったりと観賞することができるのも嬉しいところですね♪

ぜひ美味しい食事やドリンクを楽しみながら伝統の文化を贅沢に味わってみてください!

メインストリートを散歩しながら伝統芸能を楽しむ

今ではほとんど見かけなくなりましたが、昔の歓楽街には「流し」と呼ばれる芸能の形態がありました。

店々をまわって芸を披露して場を盛り上げ、「心付け」を貰うという流しは古くから存在していました。

江戸の花街の代表的な流しの芸能の一つが「新内節しんないぶし」です。

もの悲しいふし回しにのせて女心を描写した新内節しんないぶしは、江戸の遊里の女性たちの間で大ヒットし、やがて一般の人々にも広まっていきました。

「神楽坂路上界隈~新内流し」では、神楽坂在住の人間国宝・鶴賀若狹掾つるがわかさのじょうの一門が路地を唄いながら流し歩きます。

また、江戸で流行したポップソングの端唄はうたが富山県に伝わり、300年間歌い継がれているという庵唄いおりうたも会期中に里帰りします。

「神楽坂路上界隈~城端曳山祭じょうはなひきやままつり」では、富山県南砺なんと市で祭り囃しとして独自の進化を遂げた庵唄を、本当の祭りさながらに路上を練り歩く形で聞くことができるのです!

さらに、メインストリート上でもライブスポットが設けられ、伝統を受け継ぐ名演から古典芸能を現代風にアレンジしたパフォーマンスまで、数々の演奏を楽しめます。

神楽坂の街角の風景を楽しみながら、ふと耳にした音色をたどって行くと、伝統芸能との思わぬ出会いが待っているかもしれません♪

実際に体験して楽しむ

いわゆるお座敷遊びにはつきものの「芸者衆げいしゃしゅ」。

さまざまな芸事を習得し、宴席を盛り上げるいわば、おもてなしのプロフェッショナルである彼女たちが、普段芸事の稽古に励んでいる場が「見番けんばん」です。

令和2年(2020年)での開催は未定ですが、一般人がめったに入ることのできない見番でお座敷遊びを体験することのできる「覗いてみようお座敷遊び」はとても人気のある催しとなりました。

英語のパンフレットや解説もあるので、外国からのお客様も問題なく楽しむことができると好評。

他にも神楽坂の名所を巡るスタンプラリー、江戸糸あやつり人形の実演や紙芝居、けん玉などの伝承遊びを楽しむスペース「こども広場」も開設され、小さなお子様連れでも日本の文化を楽しむことができるように工夫されていました。

神楽坂まち舞台・大江戸めぐりに行ってみよう!

伝統芸能の祭典「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり」はその名の通り神楽坂の街全体が舞台となったような、見どころあふれるイベントです。

普段は触れる機会の少ない伝統芸能の世界を、子供からご年配の方まで気軽に楽しむことができます。

また、パフォーマンスのいくつかには英語のガイドがついていることからも、神楽坂の魅力を世界に発信しようという街の人々の心意気が伺われます。

伝統と現代の調和した街・神楽坂で、粋の世界をぜひスタイリッシュに楽しんでみてください!

イベント概要

開催日時:令和2年(2020年)5月9日(土)・10日(日)

開催場所:神楽坂エリア

アクセス:東京メトロ 神楽坂駅、飯田橋駅 
     都営地下鉄 牛込神楽坂駅

主催: アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
NPO法人粋なまちづくり倶楽部