「一見さんお断り」として有名な京都のお座敷。
そのせいもあって、とても憧れますよね。
今回はお座敷遊びの基本から、一見さんお断りの本当の理由、お茶屋遊びについてまで、徹底解説します!
お座敷遊びについて知り、最高のおもてなしを受けてみてください。
お座敷遊びとは
京都のことを調べると必ずと言っていいほど目にする「お座敷遊び」。
舞妓さんや芸妓さんと会話やお酒、余興を楽しむことをいいます。
「一見さんお断り」とも言われ、普通ではなかなか体験できないイメージがありますよね。
でも一度中に入ることができれば、遊び方は自由なのです。
男性のみ、女性のみでも遊ぶこともできますし、お座敷の使い方も比較的融通をきかせてもらえます。
仕事の商談や打ち上げパーティー、中には家族連れで来店する方もいるのだそう。
さまざまな遊び方ができるお座敷を体験したければ、まずはすでにお座敷経験のある人に一緒に入れてもらうことです。
一見さんお断りの理由については、次の章で詳しくお伝えします。
お座敷の利用料金は、人によって違います。
紹介者やお茶屋のグレードによって値段が変わってくるので、お茶屋を紹介してくれる人に尋ねてみるといいでしょう。
「一見さんお断り」の理由
「一見さんお断り」とは、初めてのお客さんは受け入れられませんという意味の言葉です。
古くから京都では、「一見さんお断り」の文化が根づいています。
そのため、初めてお茶屋を利用する場合には、お座敷経験のある人と一緒に行かなければなりません。
その理由のひとつは、お茶屋には高価な装飾品が多く飾ってあること。
万が一破損してしまったときに「誰がやったか分からない」では困ってしまいますよね。
そのときに誰の紹介のお客さんなのかが分かっていれば、破損したお客さんの特定も容易です。
トラブルが起こった時に、きちんと対処できるようにするために必要なのです。
でも実は、一見さんお断りの“一番の理由”は、これではありません。
初めてのお客さんの好みやこだわりは、お茶屋のスタッフには分かりません。
それでは、そのお客さんに合ったお座敷の提供や運営ができません。
京都のお座敷では「上質なお座敷の提供」が重視されています。
来店した全員に満足してもらえるよう、すべてのお客さんの趣味や好みを知っておく必要があるのです。
初めてのお客さんには、あらかじめ「来店済の人」と一緒に来てもらうことで、次回からはその人に合ったお座敷の提供ができるようになるのです。
お客さんのことを第一に考えたゆえの「一見さんお断り」だったのですね。
お座敷遊びの流れ
次に、お茶屋で楽しむ一般的なお座敷遊びの流れを紹介しましょう。
なお、ご紹介する流れは一例なので、お店によっては順番が前後することがあります。
しかし、順番が分かっていなくても大丈夫。
その場の雰囲気に合わせて、芸舞妓(舞妓と芸妓のこと)が仕切ってくれますので、身を任せてしまいましょう。
まず、お客さんが入室後、しばらくすると舞妓・芸妓衆が部屋にやってきます。
部屋の入口で挨拶をして、お座敷がスタートします。
最初にお酒や飲み物を注いでもらい、軽く歓談。
その後、場がひと段落したところで、舞妓・芸妓が芸事を見せてくれます。
リクエストに応えてくれることもあれば、季節の舞を見せてくれることもあります。
もし、その場にいる舞妓が、芸妓への襟替え(舞妓を卒業すること)間近であれば特別な「黒髪」という舞を見ることもできます。
芸事の鑑賞が終わったら、ふたたび歓談に戻ります。
参加者の歓談が盛り上がっていれば、芸舞妓は相づちを打つ程度。
芸舞妓と話したいようであれば積極的に話しかけるなど、その場に合わせた対応をしてくれますよ。
このとき、芸舞妓とゲームを楽しむこともできます。
ゲームといっても、テレビゲームやスマホゲームではありません。「お茶屋遊び(お座敷遊び)」という手遊びのようなゲームです。
ルールを知らなくても、その場で教えてもらえるのですぐに楽しむことができます。
また、お座敷遊びには「お座敷」とついてはいますが、プランによっては舞妓たちと外に出ることもできます。散歩や観光などに一緒に周ってもらうことも。
しかし、舞妓によっては次のお仕事がある場合もあるので、散歩などを希望している場合には、あらかじめお茶屋さんに相談をしておきましょう。
有名なお茶屋遊び(お座敷遊び)2選
お座敷遊びをするなら、一度はやってみたい有名なお茶屋遊びを2つご紹介しましょう。
ほとんどの芸舞妓は知っているので、場にいる全員で楽しめるはずです!
お茶屋遊びでどうしても強くて勝てないときには、一番下の舞妓さんを指名するといいかもしれません。
まだ経験が浅いので、ゲームに勝てる確率が上がる可能性がありますよ!
ただ、大切なのは勝ち負けではなく、その場を楽しむこと。
あまりムキにならず、楽しんでくださいね。
金 毘羅船々
「金毘羅船々」とは、リズム手遊び。
金毘羅船々という民謡に合わせておこなう、一対一のゲームです。
(1)まず2人が向き合って座ります。
(2)2人の前に膳を置き、その上にお椀をセット。
(3)金毘羅船々を歌いながら、お椀の上に交互に手を乗せます。
このとき、お椀の上に置く手がポイント。
通常は手を開いたパーの状態で手を乗せますが、相手がお椀を取った時には、グーを膳の上に置きます。
お椀がないのにパーを置いてしまったり、反対にお椀があるのにグーを置いてしまったりしたら負けです。
最初はゆっくりペースの歌がだんだん早くなってくるので、徐々に難易度が高くなっていきます。
相手との駆け引きが重要です。
と らとら
「とらとら」とは、身体を使ったじゃんけんのような遊び。
こちらも一対一のゲームです。
2人の間に屏風などで仕切りを作ります。
地方の唄と演奏に合わせて、ポーズをした2人が屏風から顔姿を現すと勝負が決まる単純なゲーム。
この遊びは「国性爺合戦」や「加藤清正の虎退治」がモチーフになったとされています。
唄には、「国性爺合戦」の主人公「和藤内」がゴロの良さで採用されているようです。
ポーズはじゃんけんと同じく3種類。
グー:槍で突くポーズ(和藤内)
チョキ:四つん這いのポーズ(虎)
パー:杖をつくポーズ(おばあさん)
和藤内の槍は虎に勝つことができ、虎はおばあさんに勝つことができる。
おばあさんは和藤内の母なので、和藤内に勝つことができるというじゃんけんです。
おわりに
お座敷遊びというと、敷居が高く、気軽には参加できないイメージがあるかもしれません。
しかし「一見さんお断り」というルールは、すべてのお客さんに最高のおもてなしをするためのもの。
お座敷経験のある人と一度でも参加すれば、次回からは1人でも最高のおもてなしを受けることができるのです。
お座敷遊びに決まった流れはありません。
自分のやりたいことをお茶屋のおかあさんに伝えておけば、理想に合わせた会を仕切ってくれるはずです。
ご紹介したお茶屋遊び意外にも、まだまだ楽しいゲームが沢山あります。
ゲームを芸舞妓に教えてもらうも良し、のんびりとおしゃべりを楽しむも良し。
自分が楽しいと思えるようなお座敷体験をしてみてくださいね。
「舞妓」と聞くと、きれいな着物を着て、京都の街を歩いている女性が思い浮かびます。
実は舞妓は京都にしか存在しておらず、京都以外では別の呼び方をするのです。
落ち着いた佇まいからは想像できないほどハードワークの彼女たちですが、舞妓にはそれだけのやりがいがあります。
京都では、華やかな着物を着て歩く舞妓さんが観光客の注目を集めています。
かわいらしく、華のある舞妓は絵になりますよね。
しかし、実は舞妓は半人前の状態。舞妓を卒業して芸妓になって初めて、一人前の女性として活躍できるのです。
京都といえば舞妓が思い浮かぶほど、舞妓の存在は広く知られています。
しかし、舞妓の先にいる「芸妓」の存在に注目する人は少ないのではないでしょうか?
舞妓は見習い期間の女性のことで、半人前の芸妓のことをいいます。