三味線に興味があるのなら、自分で演奏してみましょう。

頭の中で考えていても、何も始まりません。

確かに三味線は、扱うのが難しい楽器ですが、やってみたらあなたに向いているかも知れませんよ。

今回は和楽器の中でも広く親しまれている「箏(琴)」に合わせる三味線の弾き方をご紹介します。

三味線を弾くときの姿勢と構え方

正しい姿勢

正座の場合は、親指を重ねてきちんと座って背筋を伸ばします。

椅子の場合は、ひじ掛けの無いもので高さはかかとが両足付くタイプの椅子を選びましょう。

背もたれのある椅子でも良いですが、少し浅く腰かけて背もたれに背中は付けないようにしましょう。

椅子の場合も背筋は伸ばします。

「指かけ」をはめる

左手の動きをスムーズにさせてくれるのが「指かけ」です。

ついつい忘れてしまう事があるので、早目にはめて下さい。

「撥」の持ち方

ばちの中心を持ちます。

撥の中心とは中央ではなく、重さの中心です。

丁度重心になる位置を探し、そこに右手の中指がくるように握ります。

慣れない時は小指と薬指の付け根が痛くなりますが、それが正しい握り方です。

三味線を構える

右太ももの上に三味線の胴を乗せます。

その際、お腹が三味線の裏側に当たると、音が響きません。

必ずお腹から離して下さい。

三味線は半分以上体の外側になるように構えます。

三味線を安定させるために、太ももの上に「膝ゴム」を乗せてから三味線を構えても良いですし、最初から三味線の胴に膝ゴムを貼ってしまう方法もあります。

何も工夫しないと、三味線がフラフラ動いて演奏しづらいので、注意しましょう。

「胴かけ」と呼ばれる三味線の側面に付いている固いカバーがあります。

この上に右手を添え、右手首は三味線の胴と三角形となるように出して下さい。

棹は自分の耳たぶと、三味線の糸巻が同じ高さとなうように角度を付けます。
(津軽三味線は、三味線をもっと立てます。)

三味線は、この角度が重要なのです。

慣れない時は、大きな姿見(鏡)などでチェックしてみても良いでしょう。

棹は指かけの上に乗せます。

左手の手のひらは正面から見えないように、常に軽く丸めて演奏します。

手首も内側にいつも曲げているのが、綺麗な三味線のフォームです。

三絃を調弦する方法とは

演奏前にまずは調弦(チューニング)を行います。

三味線は曲によって調弦を変えますが、一般的な曲を弾く場合は「本調子」、「二上がり」、「三下がり」を覚えておけば大丈夫です。

本調子
Ⅰの糸=D Ⅱの糸=G Ⅲの糸=D (Ⅰの糸のオクターブ上)

二上がり
Ⅰの糸=D Ⅱの糸=A Ⅲの糸=D (Ⅰの糸のオクターブ上)

三下がり
Ⅰの糸=D Ⅱの糸=G Ⅲの糸=C(Ⅰの糸のオクターブ上)又はⅠの糸=E
Ⅱの糸=A Ⅲの糸=D(Ⅰの糸のオクターブ上)

Ⅰの糸の調弦

①胴を自分の右前方に置いて、Ⅱの糸巻を自分の腰骨に当てる。

②左手で糸巻を左に回せば音が上がり、右に回せば音が下がります。
 チューナーなどを使って、音を調律しましょう。

③同時に右手で糸を伸ばしながら調弦します。
(糸の伸ばし方は後述します。)

Ⅰが終わったらⅡの糸、Ⅲの糸と同様に調弦を続けますが、三味線の音は変わりやすいものです。

少し時間が経ったら(1~2分したら)、調弦の再確認をしてみましょう。

糸の伸ばし方

糸は必ず伸びるので、最初に有る程度自分で伸ばします。

糸が伸びると、音が下がってしまいます。

弾いているうちに、どんどん音が狂ってしまっては演奏に集中できません。

最初に糸を自分で伸ばしましょう。

糸を親指で押さえながら引っ張ります。

糸巻の中に巻かれている糸も伸びる可能性がありますから、中に巻きこんでいる糸も伸ばして下さい。

完全に糸を伸ばし切ってしまうと、音色が悪くなりますから、3~5回を目安に伸ばすと良いかも知れません。

基本の奏法・いよいよ弾いてみましょう!

糸に撥を下ろして、音を出します。

箏や長唄の三味線は、皮の端から内側の2~3㎝の場所を弾きますが、津軽三味線などはもっと中心に近い場所に撥を当てます。


無理に撥に力を入れるという事ではなく、撥の重さで弾くと良い音が出るので、色々と試してみましょう。

最初は「開放弦(かいほうげん)」といって、左手で音を変えることなく、そのまま弾いてみて下さい。

慣れてきたら1本1本弾いてみます。

できるだけ絃を見ないで、正面を向いて弾けるように練習すると、自然と姿勢も良くなり上達も早くなるでしょう。

次は左手で絃を押さえて、音程を自分で作っていきます。

これはギターなどをイメージすると簡単です。

この絃を押さえるポジションを「勘所かんどころ」と呼びます。

三味線の絃は、伸びて音が変わりやすいので、勘所をきちんと押さえても、正確な音とならない場合も少なくないのです。

常に音に注意を向けながら、勘所を移動させる技術も必要となります。

勘所を押さえる時に注意して欲しいのが、指の使い方です。

指の腹で押さえると良い音は出ません。

第一関節まで曲げて、爪と指の間で押さえると音が響いて良い音となります

例)✖

例)〇

三味線を練習する時は、左の人差し指をしっかり爪切りで切っておくなどの事前準備をしていると良いでしょう。

三味線の譜面

三味線の譜面は様々な形があります。

三味線自体に色々な種類やジャンルがあるので、仕方ないかも知れませんが、大きく分けると2パターンです。

どこの勘所を押さえるかを表現する「ポジション型」と音を表す「音符型」。

前者の代表的なものが「文化譜」で、後者は「数字譜」や洋楽器でも使う「五線譜」です。


初心者にとっては「文化譜」が簡単ですが、曲のイメージが出来やすいのは「数字譜」そして洋楽と同じ「五線譜」となります。

使い分けるのは難しいですが、慣れれば大丈夫。

弾ける曲の幅も広がりますから、両方出来る方が良いでしょう。

三味線を習う時に必要なものとは?

三味線に興味があるのなら、是非弾いてみましょう。

必要なものをご紹介します。

まずは、三味線そして撥と駒です。

これは三味線のジャンルによって変わりますから注意しましょう。

また、同じジャンルでも演奏曲目によっては音質を変えるため、撥や駒を違うものに交換することもありますが、最初に色々と揃えるのは大変です。

まずは基本一式を揃えて下さい。

次に指かけ(指すりとも言います)。

更に三味線が滑らない為の膝ゴムです。

また、棹を持つ時に使うツヤ布巾もあると便利です。

楽器を運ぶための三味線ケースも必需品ですが、これも様々なタイプがあります。

初心者にオススメなのは、三味線をそのまま入れられるハードケースです。

肩に掛けるソフトケースもあり、御値段もリーズナブルですが、移動中にぶつけて壊しやすいので、注意が必要です。

三味線は「湿気」を嫌います。

雨の日に三味線を持ち出すのは避けた方が良いですが、難しい時はケースに合わせた「雨カバー」も用意すると良いかもしれません。

調弦する時に使うチューナーとチューナーマイクも用意しましょう。

三味線用のチューナーもありますが、普通のチューナーでも問題ありません。

持っているものがあれば、そのまま使えます。

また、三味線は音も大きく、マンションなどでは練習がし難い場合があります。

そんな時に最適なのが「しのび駒」。

普通に弾いても、音が周りに響かないのでしっかり練習ができます。

おわりに

今回は三味線の弾き方をご紹介しましたが、まずは気軽に教室が行っている体験レッスンなどに行ってみてはいかがでしょうか。

教室では、先生が丁寧に基本から教えてくれます。

三味線は弾くのも難しいですが、綺麗な姿勢で弾くことが上手になるポイントとも言えます。

下を向いて撥を見たり、勘所を押さえるたびに棹を見るのは見苦しいものなのです。

背筋を伸ばして、前を見て(楽譜はOK)演奏できるように練習してみましょう。

先生や上手な方の舞台を見るのも、参考になります。

最初は大変でも、慣れれば大丈夫。楽しんでお稽古してみましょう!