全国各地で見られる秋の紅葉は、四季の移ろいの美しさを感じさせてくれます。

中でも歴史ある場所や建物が多い“京都の紅葉”は、やはり格別。

しかし、実際に訪れるとなると、名所が多いだけにどこへ行けば良いのか迷ってしまいますよね。

この記事では、京都出身のワゴコロ編集部員が厳選した、『京都のオススメ紅葉スポット20選』を各スポットの特徴とともにご紹介します!

ぜひ、京都を訪れる際の参考にしてくださいね♪

※本記事の内容は令和6年(2024年)10月時点のものです。
掲載内容は変更していることもありますので、正式な情報については事前に各施設へお問い合わせください。

【京都 洛北エリア】オススメの紅葉の名所

瑠璃光院】まるでCG!?インスタ映え間違いなしの紅葉の絶景

紅葉が床に反射する“床もみじ”が有名な「瑠璃光院」。

通常は文化財保護の観点から非公開となっていますが、春と秋の年2回のみ特別拝観が行われます。

そのため、紅葉シーズンにはたくさんの観光客が訪れ、待ち時間が2~3時間になることも。

もちろん一番の見所は2階から見える紅葉ですが、1階に降りると“瑠璃の庭”や“臥竜がりょうの庭”など歴史あふれる庭園があり、もみじの紅葉と地上に生える苔の緑が生み出す鮮やかなコントラストも必見です!

三千院】“東洋の宝石箱”と呼ばれた庭園から望む景色は圧巻

比叡山の北西麓、大原にある「三千院」は美しい庭園が特徴的で、境内には有清園ゆうせいえん聚碧園しゅうへきえんの二つの庭園があります。

“東洋の宝石箱”とも呼ばれた往生極楽院がある有清園。

そこにはまるで現実とは別世界のような緑の苔に彩られた景色が広がり、堂々と立ち並ぶ杉やひのきが印象的です。

紅葉シーズンには、2つの庭園の緑の中で赤く染まる紅葉が、見ごたえのある景色を作り出します。

また、有清園の中には6体のお地蔵さんがあり、紅葉を見るときに併せて探してみるという楽しみ方もありますよ♪

貴船神社】“京の奥座敷”として、鮮やかな紅葉で参拝者をおもてなし

「貴船神社」は京都市の北東部に位置し、他の地域と比べて気温が低いため、京都市の中でも一足先に紅葉を見ることができます。

境内全体が木に囲まれているため、見渡す限り一面に広がる紅葉景色が見所です。

また、紅葉期間中は貴船神社参道の灯篭でライトアップされた幻想的な紅葉を見ることができます。

縁結びのご利益があることでも有名で、ご神水におみくじを浮かべる独特な“水占みくじ”など、紅葉以外でも楽しめます♪

詩仙堂】赤・白・緑のコントラストが見物客を魅了する

「詩仙堂」の“詩仙の間”から見える庭園には白砂が敷き詰められ、整えられたサツキの刈込、紅葉とともに非常に美しいコントラストを作り出しています。

詩仙の間は縁側から紅葉を眺めるだけでなく、外に出て歩きながら紅葉の中を散策することもできるので、京都の風情を感じながら紅葉狩りを楽しむことができます。

また、詩仙堂から徒歩で行ける距離に同じく庭園が美しい「曼殊院門跡まんしゅいんもんぜき」があるので、併せて訪れることで、さらに秋の京都を満喫することができるでしょう♪

鞍馬寺】清少納言も参詣した!牛若丸(源義経)修行の地で紅葉狩り

古くから霊山としても知られ、時の天皇や権力者、清少納言なども参詣されたという「鞍馬寺」。

源義経が牛若丸と呼ばれていた少年時代、仏道修行の日々を過ごしたお寺としても有名です。

鞍馬寺も京都市の北東に位置し気温が低いため、比較的早い時期に紅葉を見ることができます。

“鞍馬の紅葉といえば、仁王門”といわれるほど、秋に一面を彩る仁王門周辺の紅葉はまさに圧巻!

本殿へと続く参道の両脇にも美しい紅葉が広がり、歩きながら秋の景色を楽しむことができます。

また、交通手段として電車を使えば、道中の車窓からも美しい紅葉を眺められますよ♪

【京都 洛西エリア】オススメの紅葉の名所

北野天満宮】学問の神様が祀られる神社は、紅葉シーズンも魅力がたくさん!

学問の神様・菅原道真を祀る神社としても有名な「北野天満宮」。

豊臣秀吉が築いた水防となる御土居おどいは、“もみじ苑”と呼ばれ、北野天満宮の紅葉名所になっています。

もみじ苑では約350本ものもみじが植えられており、秋になると、辺り一面に美しい紅葉が広がります。

夜にはもみじ苑とともに境内もライトアップされるため、昼とはまた違った景色を楽しむことができますよ♪

また、御土居を渡るための鶯橋は絶好の撮影スポットとなっており、写真を撮りたい人がたくさん集まります!

嵐山】大自然を感じる山々の紅葉はまさに別格の光景

「嵐山」は“日本紅葉の名所100選”にも選出されており、京都を代表する紅葉名所といっても過言ではありません!

渡月橋を中心として、地域全体で紅葉を楽しめるようになっており、観光スポットとしても一度は訪れたい場所です。

周囲の山を背景にして渡月橋で写真を撮ると、とても綺麗な紅葉を写真に収めることができますよ♪

また、嵐山周辺を流れる“保津峡ほづきょう”も紅葉スポットとして有名で、亀岡市にある保津橋から嵐山までを約2時間かけて船で下る保津川下りが人気です。

嵯峨野トロッコ列車】車窓から眺める紅葉は、まるで山が生きているかのよう

嵯峨野観光鉄道の嵯峨野観光線・トロッコ嵯峨駅~トロッコ亀岡駅まで、片道約25分の時間をかけてトロッコに乗りながら保津峡の紅葉を楽しむことができる「嵯峨野トロッコ列車」。

特に紅葉が美しい区間は、列車の速度を落として運行してくれるため、車窓からゆっくりと紅葉を眺められますよ♪

また、紅葉だけでなく車掌さんのパフォーマンスを見るのもトロッコ列車に乗る楽しみの一つ!

ただし、紅葉シーズンだと当日券が売り切れてしまうことも……。

チケットは乗車する1ヶ月前からインターネットでも買うことができるので、事前にチケットを購入しておくのがオススメです。

天龍寺】世界遺産とともに幻想的な紅葉を……

「天龍寺」は世界遺産に登録されているお寺で、曹源池そうげんち庭園と呼ばれる特別名勝の第1号になった庭園があります。

庭園の池の水面には、周辺の木々が反射して映り込むので、紅葉の時期は水面に映り込む赤い葉が、とても幻想的な雰囲気を作り出します。

また、境内の丘を登ると“望京の丘”があり、紅葉と併せて京都の街並みも見下ろせるという絶景スポットになっています。

大方丈だいほうじょうと呼ばれる本堂に入ると、まるで景色を額縁で切り取ったかのような美しい景色を見ることができますよ♪

二尊院】紅葉に囲まれた参道は、まるで別世界への入り口

「二尊院」の総門から伸びる参道は“紅葉もみじ馬場ばば”と呼ばれ、二尊院で見られる紅葉の中でも最大の見所です!

参道の両脇から覆うような紅葉を見ることができ、その中を歩くとまるで別世界に来たような感覚に。

嵯峨、嵐山は紅葉の名所が多い地域ですが、その中でも二尊院の紅葉の馬場は格段の美しさを持っており、絶好の撮影スポットになっています。

また、二尊院は釈迦如来と阿弥陀如来の二体が本尊となっており、ともに国の重要文化財に指定されています。

【京都 洛東・東山エリア】オススメの紅葉の名所

永観堂】必ず写真に収めたくなる!千年以上続く紅葉の歴史

「永観堂」の紅葉の歴史は古く、千年以上前に編纂された古今和歌集でも“秋はもみじの永観堂”と詠まれるほど。

約3,000本にも及ぶもみじが色鮮やかな景色を作り出しています。

山の中腹にある“多宝塔たほうとう”は境内の一番高いところに位置し、そこから見られる京都の街並みと紅葉のコラボレーションは格別!

また、中央にある放生池の水面には周辺のかえでやイチョウが映り込み、夜にライトアップされると、思わず写真に収めたくなる景色を見ることができますよ♪

清水寺】清水の舞台はとにかく“映え”る!歴史と紅葉が織りなす風景美

「清水寺」は、京都への観光客が必ず訪れる!といっても過言ではない紅葉名所の一つ。

清水の舞台や、国内最大級の三重塔など有名なスポットが多く、秋には撮影を楽しむ方で賑わいます。

清水の舞台から見下ろしたり、一面を彩る紅葉を見上げたりと角度を変えるだけでさまざまな景色を見ることができるのも魅力♪

三重塔周辺のもみじが赤く染まると色鮮やかな塔の色とも相まって、美しい空間を楽しむことができます。

また、夜になって照明で照らし出される紅葉と清水寺が作り出す光景はとても幻想的です。

南禅寺】広大な境内の中で“レトロモダン”を楽しめるお寺

広大な境内の中に、多数の紅葉スポットがある「南禅寺」。

ドラマのロケ地になることも多い水路閣周辺は、絶好の撮影スポットになっています♪

南禅寺発祥の地に建つ南禅院には、鎌倉時代に作られた池泉回遊式庭園があり、紅葉が池に映り込む姿は見所の一つ。

“虎の子渡し”と呼ばれる枯山水庭園の方丈庭園では、紅葉と白砂の美しいコントラストを楽しむことができます。

また、多くの塔頭の中でも重要な“天授庵”も見逃せません!

二つの庭園があり、南禅寺と併せて壮大な空間を作り出しています。

青蓮院門跡】青い光が神聖な世界を演出!紅葉とのコラボは一見の価値あり

「青蓮院門跡」では、格式の高い雰囲気の中でさまざまな紅葉景色を楽しむことができます。

特に、池泉回遊式庭園と霧島の庭の二つの庭は、建物内や庭園内をゆっくり散策しながら紅葉を見ることができるオススメスポット!

また、青蓮院で祀られる“青不動明王”にちなんで行われる、青い光のライトアップが神聖な世界を演出します。(※)

照明に照らされた苔庭はまるで星空のように輝き、紅葉と織りなす景色によって昼間とは異なる雰囲気を醸し出しています。


※令和4年(2022年)~令和6年(2024年)まで、一部建物の屋根の葺き替え工事により夜の特別拝観は中止

高台寺】「京都で一番」の呼び声高し!池に映る紅葉は神秘的な世界を演出

「高台寺」は、豊臣秀吉の正室だった北政所きたのまんどころ・ねねが、秀吉の冥福を祈って建てたものです。

高台寺の見所は、国の史跡・名勝にも指定されている庭園の廊橋・臥龍廊がりゅうろうで見られる紅葉。

臥龍池がりょうちと呼ばれる池の水面に写り込む紅葉は、まさに圧巻の一言です。

また、夜にライトアップされた紅葉は京都の中でも特に美しいといわれ、その幽玄な景色は訪れた人の心を魅了します。

年間を通してさまざまなイベントを行っているので、他の京都のお寺とは違った楽しみ方ができるのも魅力の一つになっています!

【京都 洛南エリア】オススメの紅葉の名所

東寺】国宝・五重塔×紅葉が、厳かな佇まいで参拝者を魅了

国宝としても有名な“五重塔”が建つ「東寺」。

秋の見所はなんといっても、その五重塔と紅葉のコラボレーションです。

厳かな五重塔と景色を赤く染めるもみじの紅葉は、まさに“京都の秋”という言葉がピッタリ!

夜のライトアップ時には景色が池に反射し、“逆さ紅葉”や“逆さ五重塔”などの荘厳な光景を見ることができますよ♪

また、紅葉シーズンには宝物館で特別展示が行われ、普段見ることのできない国宝を見学することができます。

東福寺】紅葉の上を歩く!?通天橋からの景色は必見

「東福寺」で紅葉を見るなら、“通天橋”からの景色は見逃せません!

少し高い位置にある通天橋から見下ろすと、“洗玉澗せんぎょくかん”と呼ばれる渓谷があり、まるで赤く染まった空の上を歩いているかのように、辺り一面に紅葉の景色が広がります。

また、“通天橋”の他に、臥雲橋がうんきょう偃月橋えんげつきょうがあり、三つの橋は合わせて“東福寺三名橋”と呼ばれています。

橋の他にも、苔と切石が市松模様に並んだ庭園などがあり、歴史の中の芸術を感じながら紅葉を楽しむことができますよ♪

醍醐寺】弁天堂が魅せる、格別の秋の世界

「醍醐寺」のスポットは大きく“上醍醐かみだいご”と“下醍醐しもだいご”に分かれ、下醍醐には醍醐寺の観光スポットとしても有名な弁天堂や金堂があります。

上醍醐に行くには、山道を1時間程度歩く必要がありますが、人も少なくゆっくりと紅葉を楽しむことができるので、時間があれば訪れたい場所です♪

弁天堂周辺は弁天池に囲まれており、夜のライトアップ時に池に反射する紅葉の景色は醍醐寺一番の見所で絶品の一言!

他にも豊臣秀吉が設計した“三宝院庭園”など、観光スポットとしても見所が多数あります。

毘沙門堂】“散りもみじ”は目に映る景色を秋色に染める

七福神の一人、毘沙門天が祀られている「毘沙門堂」。

紅葉の美しい場所が多いにもかかわらず、京都の他の紅葉スポットに比べると少し参拝者は少なめで、穴場として隠れたファンが多いスポットです。

入口の勅使門へ続く参道周辺は一面に紅葉が広がり、その美しさはCMなどにも取り上げられるほど!

境内に入ると、弁天堂や晩翠園ばんすいえんなど、さまざまな紅葉スポットがあります。

紅葉の見頃を過ぎた後の“散りもみじ”が有名で、晩秋の風情を味わえるのも特徴です。

平等院】歴史ある紅葉スポットでは、“極楽浄土”の世界が目の前に!

「平等院」にある“鳳凰堂”は10円硬貨のデザインにもなっており、極楽浄土を表現するために約千年も前に建てられました。

鳳凰堂の周りに植えられた、約200本ものもみじが彩りを加える紅葉は圧巻のもの。

また、鳳凰堂を囲むように位置する阿字池の水面には、紅葉や鳳凰堂が映し出され、現実を忘れさせるその景色はまさに極楽浄土を連想させます。

紅葉が見ごろを迎える時期にライトアップも行われ、人気の撮影スポットとして多くの人が集まります。

おわりに

秋の京都では、市内のさまざまな地域で紅葉を見ることができます。

しかし、有名スポットが多く、それぞれの距離が離れている場合があるため、1日ですべてを回ろうとするとちょっと難しいかも……。

今回はエリアに分けて京都の紅葉の名所(オススメスポット)20選をご紹介しました。

各スポットの特徴や歴史を知っていると、実際に訪れた時の楽しみが増すので、京都観光を計画する際は、ぜひ参考にしてみてください!