尺八の音色に触れるには

平成14年度より義務教育に和楽器の履修が必須となってから、尺八の音色は現在においていたるところで触れることができるものとなっています。

例えば、和風をテーマとしたコマーシャルのBGMとしてもよく耳にしますし、映画やドラマでもよく和の雰囲気を醸し出すツールとして採用されています。

もっと尺八の音色にふれたいという方は、ぜひコンサートへ行ってみてはいかがでしょうか。

過去には人間国宝となった山本邦山(やまもとほうざん)が、ジャズピアニストの山下洋輔をはじめとした数多くの音楽家と共演をはたしています。

現在でも、藤原道山ふじわらどうざんや辻本好美など実力派の演奏家たちが、精力的にコンサートでの演奏活動を行っています。

京都の天龍寺などの和の雰囲気溢れる場所や、サントリーホールといった音楽の定番ホールまでその場所はさまざまです。

また、大学や市民のサークルが主催する定期演奏会もさまざまな場所で行われています。

数はそう多くはありませんが、そのようなサークルの演奏会のほとんどは入場料が無料かそれに近い金額で行われているため、試しに聞いてみたいという方にはオススメです。

さらに、若手演奏家の中にはYoutubeに動画を投稿している方も多く、自宅でも手軽に尺八の音色に触れられるようになってきました。

実際に尺八に触れてみる

では、実際に尺八を吹いてみたいと思ったらどうしたらよいのでしょうか。

気軽に参加でき、多くの場所で行われているのが、大学や地元の自治体が開催している市民講座や生涯学習講座です。

初期コストをあまりかけずに済みますので、気軽に参加できるはずです。

本格的に上達をお考えでしたら、音楽教室や師範のいる教室に行けば尺八に精通した方に教わることができます。

ヤマハなどの大手の音楽教室でも尺八が科目に採用されているところもありますし、お近くに都山流や琴古流の師範が教室を開かれているところもあるでしょう。

初めのうちはあまり予算をかけたくないなとお思いでしたら、市民講座や生涯学習講座が初期コストをあまりかけずに済みます。

本格的に上達をお考えでしたら、音楽教室や師範のいる教室に行けば尺八に精通した方に教わることができます。

初めは講座や教室にある尺八をレンタルして試すことになりますが、練習のことも考えると手元に尺八があると便利です。

通常の真竹まだけからできている尺八は、初心者には音も出しにくく値段も高いため、最初の1本はプラスチックなどの樹脂製か木製の木管がいいでしょう。

プラスチック管や木管は音が出しやすいだけでなく、価格の面からみても手の出しやすい値段となっているからです。

プラスチックや木、竹という材質による尺八の違い

プラスチックの尺八

プラスチックなんて大丈夫?と感じられる方も多いかもしれません。

ただ、義務教育での履修が導入されて以来、尺八の需要が増加傾向にある現在では、プラスチック製の尺八も進化を遂げています。

プラスチック製の尺八の利点は、前述のようにお値段が手頃なこと、画一的に作られているので音が出しやすいこと以外にもあります。

1つは、プラスチック製なので耐久性が抜群なところです。

木や竹は手荒に扱うとどうしても欠けてしまったりしますが、その点でも安全です。また、内部も均一であり唾液などの水も弾くため、手入れも楽にできます。

プラスチック製の尺八でも、1万円前後の価格の商品となると1本1本製管師が丁寧に調律しているので、鳴りもいい商品があります。

ですので、これから尺八をはじめる初心者の方にはオススメしたい1本です。

まずはプラスチック管で練習を始め、上達するごとに木管や竹管へとステップアップしていくとよいでしょう。

木菅の尺八

木で作られた木管は、パッと見た感じは竹管とあまり変わらないように見えます。

しかし、竹などと違いまっすぐなところが特徴で、尺八の根元部分である管尻かんじりも竹管のような根株がなくスマートな印象です。

値段は1~3万円前後ですが、それを越えてくるものまで様々あります。

木管の尺八の特徴は、プラスチック管同様大量生産で均一化されているので音が出しやすく、西洋音階同様の調律がなされているところです。

また、音質も竹よりも柔らかい印象があります。音の鳴りもよいものが多く、木管ならではの音質から、演奏家の中には他楽器との合奏のときに木管を選ぶ方もいます。

竹菅の尺八

最後にご紹介するのが竹管です。竹管の外観には竹特有の質感と味わいがでており、使えば使うほどに艶がまし、1つとして同じ模様はありません。

その音色にも竹独特の奥深い味わいがあり、数年かけて職人の粋を凝らした技術が込められていて味わい深いものとなっています。

真竹の尺八を選ぶにあたって押さえておきたいのは、製管師(尺八を作る職人)です。

真竹を選び、寝かせ、懇切丁寧に作り上げた尺八の音色には、製管師の色が濃く出てきます。

代表的な製管師としては、真山しんざん沢山たくさん莞山かんざんがあります。

みな関西の名製管師、玉井竹仙たまいちくせんに師事した卓越した製管師です。

玉井竹仙は戦前から製管師として名高く、多くの名製管師を輩出しました。

その代表格である真山銘の尺八の特徴は鳴りが深く、都山とざん流の有名な演奏家にも好んで使われています。

沢山銘の尺八は若手演奏家など幅広い層に支持されています。

そして莞山銘の尺八は正確な音律と甲乙かんおつの伸びが魅力で、素材となる真竹も10年以上寝かせたものを使用しています。

真竹で作られた尺八は、丹精こめて作られている分、値段は安くても10万円からで高いものとなるとそれ以上の価格となってきます。

その分、一生ものの価値がある品ばかりなので、プラスチック管や木管を使って上達し、グレードアップを考えるころに選択肢にいれて行くとよいでしょう。

尺八を売っているところ

実際に尺八を買おうと思ったとき、まず身近にあるのはヤマハなどの大手楽器店です。

大手の楽器店であれば、プラスチック管から木管、竹管までのレパートリーが豊富です。

数は少ないですが、和楽器店があると、在庫も多く、製管師とのツテ持っている店もあります。

また、都山流の師範についている方は、師範を通して買うことも可能でしょう。

現在はネット通販も発達しているので、amazonなどにも多くの商品があります。

ただ、手にとって試し吹きなどをすることができないので、その点では注意が必要です。

おわりに

平成14年度からの和楽器の義務教育への履修がはじまってから、尺八を巡る環境は変化してきています。

尺八の音色に小さな頃から触れる機会が増え、需要が増すと同時に尺八自体も進化してきました。

是非、市民講座や教室など身近な場所で尺八を手に取り、尺八の音色を楽しんでみてください。