「和太鼓」とは打楽器のひとつで、さまざまな種類のある日本の太鼓の総称です。

太鼓の材質や大きさ、胴の長さによって音が変わってきます。

大きく分けて、「長胴太鼓」「締太鼓」「桶太鼓」の三つがあります。

それぞれの太鼓の特徴や、その他の特殊な太鼓、一緒に演奏される小物楽器のことなどをお伝えします。

長胴太鼓(ながどうだいこ)

「和太鼓」と聞いてまず思い浮かべるのが、この「長胴太鼓」ではないかと思います。

和太鼓の代名詞ともいえる長胴太鼓は、日本人にとてもなじみの深い太鼓です。

やや膨らみのある円筒形で、口径より胴が長いので「長胴太鼓」と呼ばれています。

神社仏閣で使われることも多いため、「宮太鼓」とも言います。舞台演奏や祭事、お囃子などいろいろな場面で目にすることが多い太鼓です。

胴は一本の木をくりぬいたもので、牛の皮をびょうで留めた皮面をたたいて演奏します。

なかでもけやきでできた「欅胴」の長胴太鼓は最高級で、木目が美しく耐久性があり、よく手入れをすれば100年、200年も持つと言われています。

大きなものは6尺(180cm)もありますが、一般的には1~2尺のものが多く使われます。

音量、音質、見た目と様々な面で優れ、グループでの演奏の主役となるのが長胴太鼓です。

長胴太鼓の材質

胴の材質は欅、とちくすのき塩地シオジセン花梨かりん、松、桜、タモなどです。

もともと、欅を主として作られていましたが、国産の欅は近年減少していています。現在は塩地・栓が主流となりつつあります。

欅は、とても堅く粘り強い木材で、牛皮を留める鋲がしっかりと食い込むので、強烈な打撃にも耐える耐久性があります。

太鼓は、打った時に胴内の空気を振動させ共鳴します。

振動した空気が胴に跳ね返るのですが、胴が堅いほど音が跳ね返りを繰り返して「残響」します。

際立って美しい木目、堅い材質が、欅が太鼓の材質として最も適していると言われる理由です。

締太鼓(しめだいこ)

強く華やかな高音で、お囃子の伴奏など、リズムをとるために利用されることが多いのが「締太鼓」です。

演奏に変化を持たせる効果があります。

木材に革を張るために、縄で締めたり、ボルトナット、ターンバックルといった金具で締めるのが特徴です。

締め方により音の調節をすることが可能で、強く締めるほど高音が出ます。

締太鼓を「立ち台」に置くことで「立奏」、座り台に置くことで「座奏」ができます。

締太鼓の材質

長胴太鼓と同じように、木材をくりぬき、牛の皮を張ったものが一般的です。

木材の材質も同様に、欅が好まれています。

ロープ締めの締太鼓は民芸調の趣があるので、舞台映えする太鼓です。

桶太鼓(おけだいこ)

締太鼓と同じように、胴と皮を紐(ロープ)で締めることによってつなぎますが、胴の木材はくりぬきではなく、桶のように板を張り合わせて作るので「桶太鼓」または「桶胴太鼓」と言います。

比較的軽くできているので、肩から下げて担いでたたきます。

自由に動き回ることができるので、踊りながらたたくという演奏スタイルが主流です。

低音で、音は大きく響きます。

民俗芸能や神事で使われることの多い太鼓です。

もともとは、東北・北陸地方で多く使用されてきましたが、現在では全国に広まっています。

紐の締具合でチューニングすることができます。

長胴太鼓より比較的安価で、大小のサイズを揃えやすいことから、ドラムセットのようにも使われます。

桶太鼓の材質

胴の部分は、檜(ひのき)、杉、サワラなどが主に使われています。

皮は牛皮、または馬皮です。

バチは竹バチが適していて、「パンパン」と乾いた破裂音がします。

他にもある、さまざまな日本の太鼓

平太鼓(ひらだいこ)

「平太鼓」「平釣太鼓ひらづりだいこ」または、銅鑼ドラに似ているので「銅鑼太鼓」とも呼ばれ、全長の短い平らな太鼓です。

木枠に吊ってたたくほか、床においてたたくこともあるので「座鼓」とも呼ばれています。

主に演芸場での鳴り物として用いられてきました。

胴が短い分、長胴太鼓と比べると余韻が短く、音は低音です。材質はけやき目有めあり(欅以外の木材で、栓・タモなどの総称)などです。

鼓(つづみ)

中央がくびれた砂時計のような形をしています。

胴の両側に、革を張り鉄輪で留めたものを、紐で締めた太鼓です。

胴に華やかな蒔絵を装飾したものもあり、肩に担いでたたいて演奏します。

能楽囃子、歌舞伎囃子、長唄囃子などに使われます。

「いよ~っ、ポン!」と、鼓と掛け声で合いの手を入れることで、華やかな雰囲気や情景を表現します。

団扇太鼓(うちわだいこ)

胴がなく、円形の枠に膜を張った太鼓で、団扇うちわのような形をしているので「団扇太鼓」と呼ばれています。

法華宗、日蓮宗で唱題しょうだいするときに使われ、見た目よりも迫力のある音が出ます。

パーランクー

沖縄の「エイサー」で使う太鼓です。

歌とお囃子に合わせ、太鼓を手にもって踊りながら練り歩きます。材質は、木枠に牛側を張ったものです。

和太鼓と一緒に使う小物楽器

篠笛(しのぶえ)

日本の伝統的な木管楽器で、篠竹に唄口と指穴をあけたシンプルな構造の横笛です。

昔から日本各地の祭り、神楽、獅子舞などの伝統芸能や、民謡、長唄などに使われています。

平安時代(794~1185年)にはすでに庶民の間で使われていました。

竹の素材そのままのものから、漆の塗装をしたものもあり、指穴の数は六穴、七穴とあります。

音の高さの違う「調子」は一番低くて長い「一本調子」から、高くて短い「十二本調子」まであり、演奏する曲によって使い分けます。

鉦(かね)

金属性の皿状の楽器で、手のひらで包み込むように持ち、撞木しゅもくという鹿の角を竹に取り付けたものでたたいて鳴らします。

「当たり鉦」「チャンチキ」と呼ばれることもあります。

甲高い小気味よい鉦のリズムは、お囃子をリードするのに一役買っています。

チャッパ

「手拍子」「手びら鉦」とも呼ばれるチャッパは、金属製の手のひらサイズのシンバルのような楽器です。

二枚一組で両手に持ち、打ち合わせたり擦り合わせたりして演奏します。

鉦と同様に、演奏を盛り上げます。

おわりに

さまざまな和太鼓と、一緒に演奏を作る小物楽器をご紹介しました。

どこかで和太鼓の演奏を聴く機会があれば、音に耳を傾けるとともに、和太鼓や小物楽器にも注目してみてくださいね。

和太鼓に興味を持ち、身近に感じていただけたら幸いです。