池坊で華道を勉強していると、自分の経験や実力、習得した技術に応じてお免状をいただくことができます。

では、池坊でいただく「お免状」とは一体どんなもので、何に利用することができるのでしょうか?

また、お免状を取得するに際してどれくらいお金がかかるのか、お免状に対するお礼はいくら必要なのか。

この記事では、そのようなお免状にまつわる疑問にお答えをしていきます!

池坊の免状の種類について

池坊のお免状は、「職位しょくい」と呼ばれる階級を表すものです。

職位によって、華道池坊の習熟度や技術力が示されます。

池坊でいただけるすべてのお免状は以下の通りです。

種目(通称)免状の名称概要
入門入門「自由花」や道具の扱いなど、池坊華道の基礎を習得
初等科初伝花材の扱いを習得、雅号(本名の他につける別名)の申請が可能に
中等科中伝「生花」の基礎を習得
高等科皆伝
師範科華掌「立花」の習得が可能
脇教授三級准華匡「自由花」・「生花正風体」・「生花新風体」の指導資格の授与
脇教授二級准華監
脇教授一級准華綱
准教授三級華匡
准教授二級華監
准教授一級華綱
正教授三級総華匡「生花別伝」・「立花正風体」・「立花新風体」の指導資格の授与
正教授二級総華監
正教授一級総華綱40歳以上かつ、正教授一級 総華綱を取得してから5年が経過していることが条件となる名誉職(ここからは推薦が必要)
最高職位准華督45歳以上かつ、最高職位 准華督を取得してから5年が経過していることが条件となる名誉職
華督
副総華督
総華督

総華督より上には「華老」という職位がありますが、華老は池坊においてかなりの功績が認められた華道家にのみ与えられる名誉だそうです。

池坊で免状を取得する方法と免状でできること

上でご紹介した通り、池坊の免状は段階に応じて細かく定められています。

ここでは、具体的にどうすれば免状を取得していけるのか、免状を取得することで何ができるのか、といったことをご説明していきます。

池坊で免状を取得していく方法

お免状を取得するのは、それぞれの職位に応じた規定の年月・回数のお稽古をこなす必要があります。

例えば、入門ならお稽古8回、初等科ならお稽古12回、中等科ならお稽古16回を終了することがお免状取得の目安です。

お免状の取得条件が満たされると、先生に取り次いでいただき池坊の本部に申請し、少々の時間を経てお免状が授与されることになります。

正教授以降となると、お免状の取得には実技試験も必要とされます。

また、最高職位の准華督は40歳以上、華督は45歳以上と、年齢の定めもでてきます。

池坊の免状でできること

お免状が授与されると同時に、職位に応じた「花伝書かでんしょ」という小冊子と、職位や名前(雅号がごう)が書かれた「席札」をいただきます。

池坊において、お免状というのは、次の段階の物事を学ぶのにふさわしいことが認められた、という「許可証」の意味合いが強く、いただいた花伝書には、次の段階で学ぶことが許された教えが記載されています。

席札は、展覧会で自分の作品を飾る時に添えられる名札です。

初伝以降、職位に応じて肩書だけではなく、席札の素材や体裁も立派になっていきます。

この席札があることで、池坊が主催する各種展覧会に作品を出すことができますし、職位に応じてより位の高い展覧会に呼ばれることもあります。

また、席札を作るにあたって雅号を名乗ることも可能となりますが、こちらは任意です。

教室を構えるのは「脇教授三級准華匡」以降から可能となり、別途“門標もんぴょう”の申請が必要となります。

木で作られた立派な門標=看板を持つことで、晴れて池坊華道の指導資格が得られるのです。

他にも、お免状の職位に応じて「研究会」や「支部」への参加が可能となり、切磋琢磨しあえる世界を広げていくこともできますよ。

さらにいただいた職位は、自身が習得した池坊華道の技能として、履歴書に記載することも可能となります。

池坊の免状取得にかかるお金は?

ここからは、池坊でのお免状取得にかかる金額はどれほどなのか、ということについてご紹介していきます。

免状取得に必要となる申請料

池坊でお免状を取得するには、「申請料」が必要となります。

申請料はお免状の申請時に、取り次いでくださる先生を経由して池坊の本部へ納めることとなるのですが、申請料の金額は一般公開されていません。

ですので、先生や教室によって、同じ職位のお免状でも申請料の金額が異なることがあります。

申請料の目安

料金の目安としては、入門で約5千円にはじまり、職位が上がるに従って数万円にのぼるといわれています。

先ほども少しお話しましたが、料金の規定は先生にのみ知らされるもので、一般公開はされないため、お免状を申請する時になってはじめて知らされることとなります。

気になる方は、あらかじめそのお教室に通われている方に、お話を伺ってみるのもいいかもしれませんね。

申請料を安く抑える方法

池坊を学ぶにあたって、お免状はほしいけれども申請料はできるだけ安く抑えたい…という方にオススメの方法があります。

それは、カルチャーセンターなどで開催されている講座を受講すること。

いきなり特定の先生の門弟とならなくても、誰でもお免状の取得ができるよう、最近の池坊は広く開かれています。

カルチャーセンターなどでの講座はお稽古代、花材費、教材費、お免状申請料すべてが含まれていることが多く、非常にリーズナブル。

ある程度華道を学んでから、どの先生に師事するかを考えることもできますし、迷われている方にはオススメです。

その他、費用

お免状の申請料以外に必要な費用ですが、まずは申請に必要な単位を取得するためのお稽古代、および花材費が必要となります。

池坊の先生となるために門標を取得するのであれば、10万円程度の金額がかかります。

他にも、支部や研究会に所属することで年会費・研究会費も発生します。

お免状の取得にあたって、お道具の追加購入などは特に設けられていませんが、必然的に上位の生け方を習うにあたって必要となってくるでしょう。

お稽古では、先生や他のお弟子さんのお道具を借りることも可能なので、無理に揃えなくても大丈夫ですよ。

池坊の免状にお礼はいくら必要?

お免状をいただく際に気になるのが「お礼」の存在。

そもそもお礼とは何なのか?ということにはじまり、お礼の金額の相場や考え方についてここから解説していきます。

お礼とは?

お礼とは、お免状の申請にあたり、その段階に至るまでご指導くださった先生にお渡しする謝礼金のこと。

池坊において、お礼というのは昔から明文化されておらず、曖昧な存在です。

取り次ぎにかかるお手間に関して何も要求しない代わりなのか、申請料に上乗せして請求する先生も多いです。

とはいえ、明確なルールはなく、先生や門弟それぞれの気持ちや時代の流れで変動しているものです。

お礼の金額や種類の相場

お礼の金額の相場としては、申請料と同額をお包みするというのが慣例です。

現金でお渡しするのが慣例ですし、申請料と併せて先生が提示しているようであれば、その通りにお渡しするのがいいでしょう。

最近ではお礼を辞退する先生もいますし、現金でお渡しするのに気が引けるのであれば、ギフトカードなどの形でお渡しするのもOKです!

困った場合は、先生に直接お伺いするより、先輩のお弟子さんに相談してみるのがいいでしょう。

どうしても先生にお礼がしたいという場合

先生がお礼を受け取りたがらないが、どうしても何らかの形で感謝をお伝えしたいという場合。

他のお弟子さんと相談をし、先生をお食事に招いたり共同でプレゼントをお贈りしたりするのがオススメです。

お免状の申請は複数の門弟で同時に行われることが多いので、足並みも揃えやすいでしょう。

他にも、お中元やお歳暮という形でお礼の気持ちを贈るというのもいいですね。

おわりに

お免状は技術や知識の習得そのものを証明するものではありませんが、自分のステップアップを確認することができます。

表現の幅の広がりを実感できますし、もっと高いところを目指そうという向上心も生まれます。

お免状も飾り甲斐のある立派なものですし、見ていると「このお免状にふさわしい人間になろう」と気が引き締まります。

決して安い金額で取得できるものではありませんが、池坊の華道(生け花)を学んだ自分を誇れる一生もの。

お財布と相談しつつ、少しずつ取得していってはいかがでしょうか。