茶花とは

もともと茶花は、生け花から派生して発展したものとされています。
しかし、茶花と生け花は一般的には対照的なものとされています。
茶花は千利休によって「花は野にある様」と定められている通り、自然の中にあるままで入れることが重んじられているため、生け花のように技巧的に見せたり、華やかに飾ったり、毛色の違う種類の花材を取り合わせたりすることがありません。
まるで摘んだままをそのまま花瓶に挿したかのように、素朴な飾られ方をします。
茶花は、花壇や温室で栽培されている花材というよりは、山野に生えている野草が選ばれることが多いです。
生け花の場合だと固いつぼみは好まれず切り落とすことが多いですが、茶花ではそのまま入れることが多いです。
西洋の花は「禁花」と呼ばれ、茶花としては選ばれません。
他にも香りの強い花、とげのある花、名前の悪い花なども禁花として忌避されます。
生けられる器は質素な一輪挿しである場合がほとんど。
あくまでもささやかにお茶の席を彩る存在であり、生け花のような強い自己主張はしないのです。
茶花と生け花の違い

そういうわけで、茶道のお稽古に参加する中で先生から「茶花を用意してください」と頼まれることがあるかもしれませんが、この時に張り切って華道で学んだお作法や技術を活用しようとは思わない方がいいかもしれません。
生け花の人為的に表現される美しさは、茶花に求められるありのままの姿と相反するものなのです。
茶花と生け花の類似点

では、茶花を入れる中で生け花の知識は全く生かすことができないのか、と言えばそういうわけでもありません。
まず、生け花も茶花と同じく季節感を重要視し、生け花を究めるにつれて自然と草花の旬を知ることになります。
その知識は茶花の花材選択に生かすことができます。
また、草花を扱うという点では茶花も生け花も変わらないので、花ばさみを使って水を吸い上げやすく花材を切る、水切り処理をするという生け花で得られた技術を茶花に生かすこともできます。
さらに茶花にしても生け花にしても、共通しているのは「空間を埋め尽くせばいいというわけではない」という点。
空間の侘び寂びを味わうというところにおいては茶花にも生け花にも通ずるところがあります。
茶花は花入れの位置やその形、掛け軸などといった床の間全体のバランスを考えながら花を入れることが求められますが、その美的感覚というのは華道を追究する中で養われたセンスの生かしどころと言えるでしょう。
コンセプトや外見の大きな違いから、華道をすることによって茶花が下手になってしまうと言われています。
しかし、その違いを理解した上でそれぞれの美しさや趣深さを重んじることができれば、けっして両者を混同してしまうことは起こり得ません。
どちらも究めることができればその人ならではの世界を、お茶室でも花器の上でも演出することができるでしょう。
茶花の学び方
茶花のお作法については、華道の中で学ぶことができません。
もし茶花を学びたいというのであれば、茶道のお稽古の中で積極的に茶花を観察して勉強する必要があります。
お稽古の中で先生に積極的に質問をするのも大事です。
また、茶花専門のスクールが開かれており、それを受講することで茶花の知識や技術を学ぶこともできます。
茶花は歴史や古典、文化への深い造詣がなければなかなか理解することが難しいため、興味があれば専門的に学んでみるのも楽しいものです。
茶道には何事も「真・行・草」の3通りのお作法が存在しますが、茶花においても例外ではありません。
花の入れ方、花入れの素材、敷板などがそれによって変わりますし、ふさわしい花材なども決まっています。
禁花などのルールも含め、これらに関しては生け花より茶花の方が厳格と言えます。
したがって、自分がフォーマルなお茶会の亭主側に携わる機会があるのなら茶花についてよく学んでおく必要があります。
茶道において茶花とは欠かすことのできないものです。
そんな茶道の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

茶道とは、基本的にはお抹茶を点てて人に振る舞う一連の行為のことを指します。
もてなす側にももてなされる側にも十分な知識やマナーが要求され、まるでひとつの儀式のようでもあることから英語ではtea ceremonyと訳されています。
また、この記事を読んで華道に興味を持った方は、まずは体験レッスンから華道を始めてみても良いかもしれません。

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