小学校の授業で、誰もが1度は触れたことのある“そろばん”。
そろばんには、集中力が上がる、数字に強くなる、右脳が鍛えられるといった効果があり、子供の習い事として人気があります。
また、そろばん(珠算)検定試験は定期的に実施されており、合格すれば級位や段位を取得することができます。
そろばん(珠算)検定の級位や段位を持っていると、数字に強いことがアピールできるので、取得しておいて損はありませんよ!
この記事では、そろばん(珠算)検定の内容や主催団体による試験の違い、また具体的な申し込み方法について解説していきます♪
そろばん(珠算)検定とは?正式名称と内容
そろばん(珠算)検定とは、そろばんを使った計算能力や、頭の中で計算する暗算能力を評価する資格試験です。
試験のときに必要なものは、そろばんと筆記用具のみなので、まさにそろばんをどれだけ速く正確に弾けるかということを見られます。
そろばん(珠算)検定はさまざまな団体が実施していますが、代表的なものは日本商工会議所※と日本珠算連盟(以下、日珠連)が共催している「日本商工会議所主催珠算能力検定」と、全国珠算教育連盟(以下、全珠連)が主催する「全国珠算教育連盟主催珠算検定」の2つです。
日珠連も全珠連も、年齢や性別といった受験資格の制限はないため、誰でも試験を受けることができますよ。
※商工会議所:地域振興や地方創生などを主な活動とする非営利の経済団体のこと。そろばん(珠算)の試験会場となるだけでなく、中小企業や個人事業主に対する経営相談をはじめとした、各都市や地元の発展のためにさまざまな活動を行っている。
そろばん(珠算)検定の種類とその違い
日珠連と全珠連が主催するそろばん(珠算)検定が代表的なものであるということをお話ししました。
ここからは、それぞれの特徴やその違いについて解説していきます。
日 珠連(日本珠算連盟)の“日本商工会議所主催珠算能力検定”とは
日珠連では、10級から1級、準初段から十段までの級と段位があり、いずれの場合もかけ算・みとり算(たし算、ひき算)の試験が行われます。
8級以上ではわり算も試験科目に加わります。
暗算検定でも日珠連はかけ算・わり算・みとり算※の3項目で評価されます。
※みとり算:書いてある数字を見て、たし算またはひき算をそろばんで行う計算のこと。
全 珠連(全国珠算教育連盟)の“全国珠算教育連盟主催珠算検定”とは
全珠連では、15級から1級、準初段から十段までの級と段位があります。
準3級から1級では、かけ算・わり算・みとり算の他に応用計算・暗算・伝票算から2つを選択、また段位では開法も含めた4つの中から3つを選択しなければなりません。
応用計算では、消費税や利息、利益の計算といった問題が文章題形式で出題され、伝票算では伝票をめくりながらそのページに書いてある数値をたしひきしていきます。
また、段位以上で行われる開法では、累乗根や三乗根を開いた値をそろばんで計算します。
全珠連でも暗算検定があり、6級以上ではかけ算・割り算・みとり算の3項目、段位では少数を含んだ計算が出題されます。
※1:伝票算、暗算、応用計算のうち2種目を選択
※2:伝票算、暗算、応用計算、開法のうち3種目を選択
難 易度の違い
受験科目の多い全珠連の方が対策することが多く難しい印象がありますが、同じ級で比較した場合は日珠連の方がかけ算・わり算の桁数が多くなっているため、難易度は高い傾向にあると言われています。
みとり算の桁数で言えば、日珠連の3級と全珠連の1級が同じ6桁程度となっています。
そろばん(珠算)検定の級と段位
日珠連も全珠連も、下の表のように珠算および暗算について、級と段位を細かく設けています。
そ ろばん(珠算)部門の級と段位
日珠連では、10級から1級へ向かっていき、3級からは準3級のようにさらに細かく級が設定されています。
また、段位についても三段までは準三段のように細かく分かれ、最大で十段まで設けられています。
対して全珠連は、15級から始まり、準がつくのは6級からと、日珠連よりも級が多いです。
段位は準初段から準六段まで準がつくものがあり、最大で十段と、日珠連よりも細かく分かれていることがわかります。
暗 算部門の級と段位
日珠連では級と段位の分かれ方は珠算と同様、10級から1級へ向かっていき、3級からは準もついて細かく級が分かれています。
段位は三段まで準三段のように準がつく段位があり、最大で十段までとなっています。
全珠連では、級では準がつくものはなく、10級から1級へ進んでいきます。
段位は珠算と同様に準初段から準六段まで準のつく段位があり、最大で十段まであります。
そろばん(珠算)検定を受けてみよう!
ここからは、実際にそろばん(珠算)検定を受ける際に知っておきたい「検定の開催日程」「受験料」について解説していきます。
開 催日程
日珠連(日本珠算連盟)
日珠連では、珠算の1~3級および珠算・暗算の段位の試験が年3回(6月、10月、2月)、珠算準1~3級、4~10級および暗算の級位は年6回(4月、6月、8月、10月、12月、2月)に実施されます。
6月、10月、2月以外の月に受験するためには日珠連に加入している塾の生徒であることが条件となるため、注意が必要です!
日珠連の場合、試験会場は各地の商工会議所であることが一般的です。
全珠連(全国珠算教育連盟)
全珠連では、段位および1級~準3級までは年3回(1月、3月、7月、9月、11月)、4級~15級は年12回(毎月)実施されます。
試験会場は、全国各地の連盟が指定する場所であり、各地でまちまちです。
受 験料
日珠連(日本珠算連盟)
日珠連の受験料は、そろばん(珠算)か暗算か、また級位によっても段階的に変わっていきます。
※表示した料金は令和4年6月時点の標準料金であり、各地の規定等により変わることがあります。
詳細は日珠連の公式HPよりご確認ください。
全珠連(全国珠算教育連盟)
全珠連の受験料も、そろばん(珠算)か暗算か、また級位によって段階的に変わっていきます。
※表示した料金は令和4年6月時点の料金であり、今後変更される可能性がございます。
詳細は全珠連の公式HPよりご確認ください。
申 し込み方法は?
日珠連も全珠連も、検定を受けるための年齢や性別などの制限はなく、誰でも受験することができます。
ただし、申し込み方法は日珠連と全珠連でやや異なるので、どちらの試験を受けるのかを確認するようにしましょう。
日珠連(日本珠算連盟)
日珠連のそろばん(珠算)および暗算の検定試験、また段位認定試験の受験申し込みは、試験の約2ヶ月前に、受験希望地にある「商工会議所」または「珠算連盟」に申請します。
なお、珠算連盟は基本的に商工会議所内にあります。
もし現在そろばん(珠算)塾などに通っている場合は、塾の先生が受験の手続きをしてくれることもあるので、聞いてみると良いでしょう。
全珠連(全国珠算教育連盟)
全珠連の検定試験の申し込みは、基本的にそろばん(珠算)教室単位での申し込みです。
個人で申し込みたい場合は、近くの全珠連に加入しているそろばん(珠算)教室にお願いしてみましょう。
そろばん(珠算)検定は履歴書に書ける?就活に有利な資格!
そろばん(珠算)検定の合格実績は、計算能力があることの証明になるため、就職活動においても履歴書に書いてアピールできる資格です。
ただし、実際に実務でそろばんを使うことは滅多になく、そろばんの能力それ自体を評価されているというわけではありません。
数字や計算に強く、また概算ができるので設計や見積もりなどの場面で大きなミスを起こしにくくなります。
数字を扱う銀行系や経理系で有利になるのはもちろんですが、さまざまな業務に対して汎用的に発揮できるそろばん(珠算)の能力は、基本的にどの業界においても有利といえるでしょう。
加えて、資格を取得するまでの過程で目標に向かって努力を積み上げてきたということも評価されます。
このように、そろばん(珠算)検定は地頭が良く、努力できることを証明できるため、取得できたらぜひ履歴書に記載しましょう!
なお、一般的には日珠連でも全珠連でも、3級以上から評価されるようになると言われています。
おわりに
そろばんは、日常生活ではあまり触れることのないものかもしれません。
しかし、そろばんが弾けるようになると、数への苦手意識が軽減されたり、計算能力が向上したり、普段からとても役に立つスキルになります。
級位や段位、また試験内容や申し込み方法などは主催する団体によって微妙に異なるため、この記事を参考にしながら、ぜひそろばん(珠算)検定に挑戦してみてください!
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