現在でも、七五三や成人式、卒業式、冠婚葬祭などの人生のさまざまなシーンで着物が着用され、その際に着付け師が大活躍しています。
皆さんは、着付けの資格に「民間資格」と「国家資格」があり、さらに国家資格には「着付け技能士」と「着物着付指導師(社内検定制度)」の二種類があることをご存知でしたか?
今回は、着物の民間資格と国家資格について詳しく紹介していきますので、これから着付けの資格を取りたい人や、着付けの資格は活かせるのか知りたいという方は、ぜひチェックしていただければと思います。
着付けの資格とは?
先程もお話しましたが、着付けの資格には「民間資格」と「国家資格」があります。
民間資格とは、着付け学校や着付け教室などの各民間団体が、独自に認定している着付け資格のことです。
一方、国家資格には、「着付け技能士」と「着物着付け指導師(社内検定制度)」の二つがあります。
一つ目の「着付け技能士」は、平成22年2月1日に唯一、国から指定を受けた、一般社団法人「全日本着付け技能センター」が行っている、着付け技能検定試験に合格することにより得られる資格です。
二つ目の「着物着付け指導師(社内検定制度)」は、個々の企業や団体などの事業主が自主的に導入している着付け社内検定制度で、合格することにより厚生労働省から認定される国家資格です。
では、それぞれの着付けの資格について詳しく紹介していきます。
【民間資格】民間の着付け資格は名称やレベルが教室ごとに異なる
着付け師の資格は、5級、4級、3級と、級が徐々にステップアップしていくところもあれば、着物国際免許や実力復活コースなど、独自のカリキュラムが組まれているところもあります。
それでは、主な民間の着付け師の学校や教室を見ていきましょう。
民 間資格一覧
着付けの仕事は資格がなくても着付けることができます。
しかし、着付け師や講師の資格を取得することで、より着物への専門的な知識が広がり、幅広い分野で活躍することが可能になります。
また、着付け師の募集要項などを見てみると、合わせてヘアメイクの知識もあると、より一層着付け師としての資格が活かせるようです。
上記の団体の中にも、着付けから美容、ヘアメイクまで幅広く学べるところもあり、そういったところも民間資格を目指す際のポイントになりそうです。
民間資格の特徴としては、その団体から独自の資格が認定されるため、資格の内容や資格の呼び方などに違いがあります。
【国家資格】「着付け技能士」について
「着付け技能検定」は、国が指定している一般社団法人「全日本着付け技能センター」が認定する国家資格です。
資格は1級、2級があり、学科試験を行います。
合格後は、日時を改め、他人に着付けを行う実技試験を受けます。
着付けは、一般的な着付けの技能を対象としていて、芸術的要素は含まれません。
国 家資格「着付け技能検定」の試験概要
【国家資格】「着物着付け指導師(社内検定制度)」について
もう一つの国家資格「着物着付け指導師(社内検定制度)」は、その企業や団体に従事する労働者が職業上必要とする技能や知識が身に付いている否かを、社内検定で判断する制度のことです。
検定は、学科試験及び実技試験で行われることが条件となっています。
一定の基準を満たした合格者には、厚生労働省から国家資格である「着物着付け指導師」の資格が認定されます。
「着物着付け指導師」の社内検定制度を導入している事業主は、
などがあります。
厚生労働省は社内検定の合格者に対して、事業主が次のようなことを実施するよう奨励しています。
※合格者に、昇給、賞与の増額、手当、合格一時金等を支給すること。
※合格者に、昇進、昇級の考慮要素とすること。
※合格者に、労働条件(勤務地、労働時間、部下の人選等)の決定に対しイニシアチブ(主導権)を与えること。
としています。
近年、日本の伝統的な文化である着物が世界的に注目され、このような厚生労働省の働きかけもあり、着物の着付け師や着付け技能士、着付け指導師の認知度が急速に高まっています。
着付けの資格は役に立つのか?
着付け師の求人を見てみると、着物レンタルショップやフォトスタジオなどで、着付け経験者・コーディネートができる方の仕事が増えています。
さらに、着付け以外の通常の業務よりは時間給が高く設定されているようです。
また、ブライダル関連のお仕事や、呉服関連会社での社員募集案件では、“着付け師の資格を持っている方優遇”などの記載が目立ちます。
そのことを考えると、着付けの資格があれば、民間資格は特技欄に、国家資格は資格欄に、しっかりと明記することができます。
フリーの着付け師として働く場合は箔がつき、評価に繋がってきますので働く人にとっては有利といえます。
また、今後、ステップアップを考えている人は自分の実力を計る意味においても、即戦力としての指標となる国家資格に、チャレンジしてみるのもいいかも知れません。
民 間団体「師範」と名乗れるようになれば、どこでも通用するのか?
民間の着付け師の学校や教室によっては、師範まで資格を取得すれば、卒業後はその学校の着付け講師や、看板を出して自分の教室を持つことも夢では有りません。
実際、自分で着付け教室を開き、卒業後も持続したフォローをしてくれる学校もあり、資格を取りたいと思っている人には注目すべきポイントになるかもしれませんね。
ただ、民間の着付け師の資格は、それぞれの学校や教室で独自のカリキュラムを設定し、民間資格が認定されているため、その資格が他の学校でも同じように通用するわけでは有りません。
その点、指標となる国家資格においては、全国どこにいても「着付け技能士」として名乗ることができ、就職の際には高いレベルの知識や技能を明確に証明することができます。
これから自分で看板を出し、着付け教室を計画している人や着付け講師を目指している人にとっては、ライフスタイルをより充実した有意義なものにしてくれることは、間違いなさそうです。
近 年の着付け師の需要
日本を代表する着物は、古来より、人生の節目の儀式や四季折々の行事など「和の文化」と密接に関わってきました。
現代では、日常の中で、着物を着る機会が減少していますが、それでも、七五三や卒業式、成人式などのシーズンには、着付け会場やヘアサロンなどから、着付け師が引っ張りだこの状態になります。
かといって、着付け師の仕事が1年を通し継続してあるかといえばそうでもありません。
安定した収入を得るために、美容室や写真スタジオ、ヘアサロンなどで、美容師やヘアメイクの技術に加え、着付け師の資格を取得し、ステップアップを考える人も多くなっています。
また、外国の観光客の人達が、着物に興味を持ってくださっていることもあり、着物がまた見直され始めています。
そう考えると、まさに、着物が復活しつつある今が、着付け師の資格を取得するチャンスといえるのではないでしょうか。
おわりに
今回は、着付けの資格について紹介してきましたがいかがでしたか。
日本には「好きこそものの上手なれ」という、ことわざがあります。
人は、「好きなものに対しては、熱意を持って積極的に取り組み、上達が速い。」ことを意味しています。
着付け師の仕事も同じく、生徒さんを見ていると着物が好きな人ほど熱心に取り組み、教えられた技術だけでなく、自分なりに工夫して「技」を生み出すところが素晴らしいです。
着付け師の仕事は、数えきれない程着付けをしても毎回新しい発見があります。
着付けが終わると、どんな人でも、非日常的な自分の美しい着物姿に喜びが溢れ、笑顔になります。
着付け師の仕事をしていてよかったと、喜びを感じる瞬間でもあります。
これから着付けの学校や教室に通う方は、その団体の方針やカリキュラムの内容・期間、卒業後のフォローなどにかなり違いがありますので、どの学校や教室が自分に合うのか十分検討してから申し込むようにしましょう。
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