日本の泳ぐ宝石とまで言われる錦鯉。

錦鯉は本物の宝石と同じくらい、たくさんの種類が存在します。

でも、最初はどの錦鯉も同じように見えてしまい、区別がつかないのではないでしょうか?

数多にある錦鯉の種類を見分けられるようになると、きっと愛着も沸いてきて、もっともっと錦鯉を見るのが楽しくなりますよ♪

そこで、今回は錦鯉の中でも代表的な種類や系統について、初心者の方にもわかりやすく紹介したいと思います!

錦鯉の「御三家」

錦鯉の世界にも、芸能界のように「御三家」と称される種類があります。

錦鯉界の御三家とは、錦鯉の中でも最もポピュラーな紅白、大正三色、昭和三色の3種類の錦鯉のことを指します。

これら3種類の錦鯉は白色、緋色、墨色の内の2色、または3色で構成されています。

「緋色や墨色ってどんな色???」と思った方も多いかもしれません。

単純に緋色→赤(紅)、墨色→黒の事なのですが、錦鯉を表す色はさまざま。

そこで、ここでは名前と合わせてわかりやすく覚えてもらうために、白色・紅色・黒色としてお話していきます。

紅白(紅色・白色)

紅白こうはくは、その名の通り雪のような白い地体に紅色(明るい赤色)の模様だけがある、とてもわかりやすい配色。

錦鯉の代表的な種類であり、一番覚えやすく、最も人気があります!

この白と紅との組み合わせは単純ですが、それゆえに奥深い魅力があり、愛好家の間では、「紅白に始まって、紅白に終わる」ともいわれています。

基本的な紅白の模様の付き方は、紅色が頭部・背部・尾部に3段でバランスよく出ている「3段模様」と呼ばれるものです。

大正三色(白色・紅色・黒色)

大正三色たいしょうさんけは、白色の地体に紅色と黒色の斑紋がある種類です。

つまり、紅白に黒色を加えた3色で構成された錦鯉が大正三色です。

次にご紹介する「昭和三色しょうわさんけ」と間違いやすいのですが、昭和三色よりも黒色の部分が少なく、上品な趣があります。

昭和三色との見分け方は、頭部に黒色の斑紋が入っていないものが大正三色と覚えるといいかもしれません。(例外もあります)

大正三色は比較的に神経質な性格なのですが、正しく飼育すると大きく成長しやすい種類でもあります。

また、昔は「三毛さんけ」という表記をされていたことから、今も「三色」という表記で「さんけ」と呼んでいます。

昭和三色(大正三色より少ない白色・紅色・大正三色より多い黒色)

先ほども軽くご紹介しましたが、昭和三色しょうわさんけは大正三色よりも黒色の部分が多く、地体の白色が少ない種類です。

紅白は紅色と白色だけなので他の錦鯉と間違いにくいのですが、昭和三色と大正三色は配色が同じであるため間違いやすいので注意して見てください!

昭和三色は黒色の部分が多く、豪快でシックな魅力があります。

原種に近い品種の「浅黄」

浅黄は、真鯉の色素が抜けて白くなった錦鯉のことで、錦鯉の“原種”の一つとなっている種類です。

実は、錦鯉は浅黄をベースに交配させていくことで、多くの美しい色彩ある種類の錦鯉が作出されてきました。

浅黄は背部全体が水色、あるいは群青色寄りの青色をしています。

鱗のまわりは色が薄くなっており、全体的にぼけているように見えるため、地体に網目模様があるかの様に見えます。

浅黄の幼魚には派手さや豪華さはないですが、成長するにつれて鱗の輪郭が大きくなってくるため、見栄えがする錦鯉になります。

丹頂鶴が名前の由来の錦鯉「丹頂」

丹頂は、真っ白な地体の頭部に丸い緋斑(赤斑)がある、縁起の良い錦鯉です。

丹頂鶴のような見た目から、「丹頂」という名前がつけられました。

・丹頂紅白
・丹頂三色
・丹頂昭和

などの種類がここに分類されます。

単色の地体に墨模様が入った「写りもの」

写りものとは、それぞれの地体が白色・紅色・黄色などの単色で、そこに黒色の模様が入っている錦鯉の総称です。

つまり、写りものと呼ばれている錦鯉は本来全く別の種類ですが、共通した黒模様が入っているため、同系統としてまとめられているのです。

写りものの特徴は、鼻、頭、胴や胸鰭むなびれの付け根に、半円形の墨と呼ばれる黒い模様があることです。

ここでは、代表的な5種類をご紹介します。

白写り

白写りは、白の地体に墨模様が入った品種です。

外観のイメージは、「昭和三色」から紅色を除いた錦鯉です。

白写りは地体の白さと漆のように艶のある墨模様が美しく、白さと黒さとのコントラストに人気があります。

緋写り

緋写りは、紅色の地体に墨模様が入った種類です。

紅色地体に墨模様が綺麗に入っている緋写りは数が少ないため、希少価値が高くなります。

ドイツ写り

そもそもドイツ鯉とは、ドイツで食用に鱗が少なくなるように品種改良した鯉の事です。

ドイツ写りは、大半が白写りのドイツ鯉で、写りもののドイツ種の錦鯉は鱗が背びれと横にだけあります。

黄写り

黄写りは、黄色の地体に墨模様が入った種類です。

美しい黄写りの錦鯉が誕生する機会は大変少なく、そのため希少価値が高い種類の一つとなっています。

影写り(変わりもの)

影写りは、写りものの鱗に網目模様が入っている種類です。

他には、白写り系の白影写り、緋写り系の緋影写り、ドイツ写り系の影写りドイツと呼ばれている種類があります。

また、品評会では「変わりもの」の分類として出品されています。

大正三色の生産過程で産まれる「べっ甲」

べっ甲は白・紅・黄、それぞれの単色の地体に墨斑紋(点状の墨)が入った錦鯉の系統です。

べっ甲の種類には、地体が白色の白べっ甲、地体が紅色の赤べっ甲、地体が黄色の黄べっ甲の3種があります。

名前の由来は、眼鏡や櫛などに使われているべっ甲の模様に似ているというところからきています。

一見、先ほどご紹介した写りものと似ているように思えますが、写りものは墨模様が大きく広がり、べっ甲は点のような墨模様が入るのがそれぞれの特徴です。

また、べっ甲は大正三色と同じで、頭部に墨色の斑紋が入らないことが原則です。

しかし、頭部に小さい墨点が多少入っていても地体全体の墨斑紋とのバランスを乱さなければ、べっ甲として認められます。

鱗の先端が網目状に黒色・藍色になる「衣」

衣とは紅白を改良した種類で、紅模様の中に藍色がかった墨が網目状に入っている錦鯉です。

衣の種類には紅模様の上に藍色が出ている「藍衣」と、墨模様が出ている「黒衣」の2種類がありますが、藍衣が主流となっています。

主な衣系の錦鯉は以下の4種類です。

衣三色

大正三色の紅模様に藍色が入っています。

衣昭和

昭和三色の紅模様に藍色が入っています。

葡萄衣

紅模様がイカ墨色(セピア色)と重なって2色が混ざった色合いになります。

衣ドイツ

紅模様に藍色がでている藍衣に、ドイツ鯉を重ねた種類です。

浅黄の地体に赤模様が入った「五色」

五色とは、浅黄の地体に前述した紅白の紅色模様が入った種類です。

五色も何種類かに分かれますが、代表的な2種類をご紹介します。

五色三色

大正三色の紅色、白色、黒色と浅黄の濃紺と青がのっている種類です。

五色昭和

浅黄と昭和三色の交配によって作り出された品種です。

また、五色は衣と間違いやすい品種です。

見分け方は、五色の地体は浅黄、衣の地体は白と覚えてください。

全身が光り輝く「光りもの」

鱗がキラキラと光り輝いている錦鯉を光りものと呼びます。

ここでは代表的な3系統をご紹介します。

光り無地もの

模様は無く、身体全体が光り輝いている錦鯉の総称です。

光り無地ものには地体が黄色の「山吹黄金」、地体が白の「プラチナ」、地体が緋の「オレンジ黄金」などがいます。

光り写り

白写りなどの写りものの錦鯉で、一部が光り輝いている種類です。

この品種の主な仲間には、「銀白写り」、「金昭和」、「金黄写り」などがあります。

銀白写りは白写りの光りもの、金昭和は昭和三色の全身が光ったもの、金黄写りは黄写りや緋写りの光りものです。

光り模様

光り無地と光り写り以外で光り輝いている錦鯉です。

つまり、光り模様とは全身に光りと模様がある錦鯉の総称です。

光り模様には、「桜黄金」、「大和錦」、「孔雀(黄金)」などがいます。

桜黄金は紅白の光り模様、大和錦は大正三色の光り模様、孔雀(黄金)は五色の光り模様のことです。

鱗の部分が銀色に輝く「銀鱗」グループ

銀鱗は、鱗が金や銀に光り輝く錦鯉の総称です。

この銀鱗には、

・銀鱗紅白
・銀鱗大正三色
・銀鱗昭和三色

などの品種があります。

両腹部と背びれだけに鱗がある「ドイツ鯉」のグループ

ドイツ鯉は両腹部と背びれだけに鱗がある錦鯉です。

代表的な種類は以下の4種です。

秋翠

秋翠しゅうすいとは、浅黄とドイツ鯉の交配によって作出された錦鯉です。

秋翠の地体の色は冴えた水色、背びれは紺色で大きな鱗並びが特徴です。

ドイツ大和錦

大正三色の光りもので、紅白の地体に墨斑紋があるドイツ鯉です。

頭部に墨斑紋が入っていることはありません。

ドイツ張り分け

「張り分け」とは、山吹黄金やプラチナ黄金を交配させて、金と銀の模様が貼り分けられている錦鯉です。

この錦鯉にドイツ鯉を交配させて作出された種の一つが、「ドイツ張り分け」といわれます。

九紋竜

次にご紹介する「烏鯉からすごい」とドイツ鯉を交配させて作出された錦鯉です。

鳥鯉の地体の黒地が剥けて、白の地体に見えるのが特徴で、白と黒のコントラストの模様を楽しめます。

品評会で見られる「変わり鯉」

変わり鯉(変わりもの)はどの種類にも属さない錦鯉のことです。

品評会に出品される錦鯉の内、主な種類以外は全て変わり鯉として区分されます。

変わり鯉はさまざまな種類の錦鯉から出現するので、どの変わり鯉も一品ものばかり。

また、変わり鯉は生産が非常に難しく、御三家の上物と匹敵する位の高値で取引される場合もあります。

主な「変わり鯉」は以下の表のように分類されます。

烏鯉系烏のように黒い単色の鯉。
松葉系浅黄を元として作出される。
墨っぽい鱗がある。
鹿の子鯉斑模様を形成する鱗の輪郭が白く、鹿の子絞りのような点状の模様になっている。
単色系地体が単色。
落ち葉系落ち葉のような黄色が基本で、黄葉系の色彩がある。
その他ドイツ鯉の品種の紅九紋龍、紅輝黒竜、輝黒竜など


おわりに

錦鯉は現在でも品種改良が施され、さまざまな品種の錦鯉が誕生しています。

そのためこの記事で紹介した錦鯉はほんの一部で、今時点でも100種類以上に及ぶ錦鯉が存在しているのです!

錦鯉の種類の違いが少しでもわかると、そこから観賞の楽しみが深まります。

この機会にぜひ、鱗や模様の特徴を確認しながら観賞してみませんか?