錦鯉は観賞用に改良されており、大きさに応じて飼育する場所や水量を選択する必要があります。

庭に広い池がなくても、水槽が置ける場所があればマンションや室内でも小さな錦鯉を飼うことができるため、世界中に愛好家がいます。

この記事では、錦鯉の飼い方や餌やりなどのポイントや注意点についてご紹介します。

ご自宅で家の中(水槽飼育)や池の中で飼いたい場合や、購入方法にも触れているので、ぜひ参考にしてみてくださいね♪

錦鯉の飼い方~家の中編~

まずは、家の中で錦鯉の水槽飼育をするにあたり、必要なものや水槽飼育の利点・注意点などについてご紹介します。

鯉を水槽で飼育するときに必要な8点

①水槽

水槽は、置き場所のスペースを考慮しながら大きさを決めましょう。
錦鯉は水槽の大きさに合わせて成長します。
ですので、成長しすぎて水槽が狭くなってしまった!ということは起こりませんが、後々どれくらいの大きさまで育てたいかなどもちょっと気に留めておくと良いかもしれません。

②水槽台

種類や大きさにもよりますが、水槽は水が入ると5~10㎏以上にもなります。
お家にある棚や鉄製ラックに置こうと考えている方は、耐荷重を調べてみてください。
意外と重さに耐えられないことがありますので、用意する水槽に合った水槽台を用意してくださいね。

③水槽のふた

水槽にふたをしておけば、異物が混入したり、錦鯉が飛び出したり、水が蒸発してしまう最悪の可能性を防ぐことができます。
あらかじめ、ふたもセットで付いてくる水槽を購入すると良いかもしれません。

④ろ過装置

錦鯉が食べ残した餌や糞をろ過することにより水質を維持できるので、水質の劣化速度を抑えることがでます。
さらに、水替えの回数が減るので、錦鯉へのストレスを減らすことができる、とてもメリットの多い装置ですので必ず設置してください。

⑤エアレーション用品

エアレーションとは、水中にブクブクと気泡を発生させて酸素を供給する用品です。
錦鯉は酸素をたくさん必要とする魚なので、ろ過装置と一緒に最初から用意してあげましょう。

⑥水温計

水温管理は錦鯉を飼育する上でかかせない作業!
錦鯉が快適に過ごせる水温は24~26℃といわれており、20℃以下になると活動が鈍ったり、冬眠たりしてしまいます。
急な温度変化にも弱いので、季節の変わり目には注意してください。

⑦掃除用具

綺麗な水の中で錦鯉を飼育するために、水槽掃除用のホースポンプ・コケ取り道具・ごみ取りネットを用意しましょう。
ろ過装置の詰まりの原因にもなりますので、手で取れるゴミやコケはこまめに取り除くようにしましょう。

⑧エサ

錦鯉専用の浮餌を用意しましょう。
浮餌は与える量を目で確認しやすく、食べ残しを簡単に取り除くことができるので、水が汚れにくいというメリットがあります。
また、餌は錦鯉の体重の3%前後の量、5分位で食べきる量を与えましょう。

品ではないが、錦鯉飼育にあると便利なもの

①サーモスタット付きのヒーター

錦鯉は急激な水温変化に対応できないので、サーモスタット付きのヒーターを使用して最適な水温を維持しましょう。
水温維持により錦鯉の病気の発生を防ぐことができるため、サーモスタット付きのヒーターがあることによって元気な錦鯉を飼育できますよ!

②蛍光灯(照明)

蛍光灯で水槽内を明るくディスプレイして、錦鯉を魅力的に演出しましょう♪

槽飼育の3つの注意点

①飼育数と水槽の大きさに注意!

複数の錦鯉を飼育する場合は、その水槽に適した飼育数を購入時に専門スタッフに尋ねてから購入しましょう。
水槽の中にある程度のゆとりがある環境で飼育したほうが、錦鯉にストレスがかかりにくいですよ。

②小魚との混泳に注意!

錦鯉と同じ水槽で金魚などの小魚を混泳させると、錦鯉との体格差から、錦鯉が小魚を食べてしまう可能性があります!

③餌の与え過ぎに注意!

錦鯉は1週間位なら餌を与えなくても死にませんが、逆に餌を与え過ぎると死んでしまうことがあります。
錦鯉には胃がなく、食べた餌はすぐに腸に贈られるため、あまり消化ができません。
エサを与え過ぎると、内臓障害を起こして死亡してしまう場合があります。

錦鯉の水槽飼育で基本的に必要なものは、セットで販売されているタイプも多いので、初心者でも気軽に用意できます。

最近では手間のいらない“水槽リース”もあるので、ぜひ活用してみてください。

錦鯉の飼い方~池の中編~

池の中で飼う場合に必要なものは、ろ過システム装置、粒が細かい砂、鉢植えの水草、隠れ場所となる土管などです。

錦鯉は底を掘り返す習性があるため、粒が細かい砂を敷きます。

鉢植えの水草は、錦鯉の卵の産みつけにあると効果的です。

また、スイレンなどの葉が大きい水草は、直射日光を避ける効果があります。

錦鯉の隠れ場所となる土管や木の根等が池の中にあると、錦鯉が強い日差しを避けることができます。

自宅の庭に池が無い場合は、市販されているプラスチック製の池でも錦鯉を飼育することができます。

ポイント

池は、広さより深さが重要で、最低でも深水が60㎝以上あることが望ましく、陽当たりの良い場所にあることです。

また、池は季節によって水温が変化し、天気によっても水質が変わるので、落ち葉などを取り除いたりして綺麗な水質を維持することが大切です。

飼う際の注意点

は食べきる量が基本

餌は、栄養バランスと消化吸収が良く、水を汚しにくいものを選ぶことをオススメします。

錦鯉は、水温が25度くらいのときに一番食欲が増し、15度くらいに下がると食欲が減退する特徴があります。

そのため、季節や水温に合わせて餌の量を調節し、食べきれる分だけ与えるようにしましょう。

水温が変わりやすい時期や水の入れ替えを行った直後も、少な目に与えると良いでしょう。

また、水温が10度以下に下がった場合は、3日に1回少量を与える程度で構いません。錦鯉は1週間くらいなら餌を食べなくても問題ありません。

を付けたい病気

錦鯉が気を付けたい病気は、口、ひれ、尾、えらが腐る細菌性の「カラムナリス症」、松かさ病、寄生虫による「イクチボド症」、「キロドネラ症」、「ドリコデナ症」などがあります。

これ以外にも内臓障害、ウィルス性、水カビなどが原因で発生する病気が多種多様にあります。

錦鯉は病気にかかっても伝えることができないので、飼い主が早期発見と早期治療をしてあげることが大切です。

錦鯉はどこで買えるの?

錦鯉は一般的なペットショップで取り扱われていないので、初めて購入する方は養鯉場、インターネット、愛好家などを通して入手することがオススメです。

鯉場

錦鯉の養鯉場ようりじょうは、錦鯉発祥地である新潟県の旧山古志やまこし村、長岡市、小千谷おぢや市はじめ、日本各地にあります。

また、養鯉場では、販売単位が1匹単位ではなく、1kg単位となっています。

例えば、5㎝位の錦鯉を購入する場合、1匹の重さは10g前後です。

1kg単位での販売なので、単純に計算して5cmほどの錦鯉でしたら1000g÷10gで約100匹となり、価格は約1000円で購入することになります。

稚魚の大きさはまちまちですが、大体50~100匹で1kgになります。

近年、養鯉場では、水槽でも錦鯉の観賞が楽しむことができる色々な飼育のセット商品を販売しています。

例えば、錦鯉が幼魚から成魚になる様子を楽しむための水槽飼育セット、初心者が色々な種類の飼育を楽しむバラエティーセット、人気の御三家の品種セットなどが販売されています。

ンターネットと通信販売

錦鯉は、インターネットと通信販売を通しても入手することができます。

多くの養鯉場や卸問屋では、インターネットにも販売専用のカタログが掲載されているので、注文がしやすくなっています。

また、多くの養鯉場や卸問屋では、サイトやカタログに掲載されている錦鯉が購入者に届いた後も安心して飼育できる状況を考慮して、生育の良い錦鯉を送付しています。

鯉の愛好家

錦鯉の飼育を数匹希望する場合は、錦鯉愛好家や近所で錦鯉を飼っている人から4月~6月頃の産卵期に卵を貰って自分で孵化したり、稚魚を頂いたりして入手することもできます。

錦鯉を買う際の注意点

初心者が錦鯉を買う際の注意点は、“大きさ”です。

錦鯉の幼魚は、成魚とは異なり模様が出ていない「黒仔くろこ」なので、模様の判別ができません。

そのため模様がある程度判別できるようになった体長10㎝以上の錦鯉を購入することがオススメです。

錦鯉の幼魚は、100匹のうち体色に色が付いているものは20匹程度、観賞用に適しているものは、10匹程度です。

そのため、幼魚の中で観賞用として専門業者が買い取る錦鯉は、10~20匹前後と言われています。

もちろん、普通の鯉やふなのように体色が墨色をしている錦鯉でも良い場合は、幼魚を購入しても問題ありません。

自宅への輸送方法は?

般的な輸送方法

錦鯉の一般的な自宅への輸送方法は、酸素を沢山充填した専用の大きいビニール袋を、水漏れ防止用のビニールで内側が覆われた輸送専用の段ボール箱に入れて、宅配業者などによって輸送されます。

輸送に使われる専用段ボールはミカン箱と同じように強度があります。

また、錦鯉の輸送は、季節や気候に合わせて行います。

例えば、夏の暑い時期の輸送では、水と酸素の量を多くし、保冷剤と水を入れて凍らせたペットボトルを輸送箱の中に入れ、夕方の涼しい時間帯に宅配業者経由で輸送されます。

高価な錦鯉の輸送方法は?

特に質品が良く品評会でも評価が高い錦鯉は、梱包から注意が必要になります。

宅配業者を利用して配送してもらうことも可能ですが、仕入れ業者や愛好家の中には、自分で輸送した方が安心で安全性も高いので、自らキャリーバッグなどに錦鯉を入れ、新幹線などを利用して輸送しています。

さらに品評会で数々の賞を受賞した錦鯉で40㎝以上のものは、例え1匹でも業者側が水槽車を用意して輸送されます。

外輸送は発泡スチロール

錦鯉専用の発砲スチロール容器が開発されたことによって、季節を問わず、海外の愛好家や流通業者に日本から錦鯉をいつでも輸送することが可能となりました。

おわりに

錦鯉の寿命は、人工池や水槽では約10年から30年、自然の池では約50年、また、100年以上の生存している錦鯉をもいると言われています。

自分で飼った錦鯉は、長生きするように育てたいですね。