そもそも書道って?

「書道って何ですか?」

そう聞かれた時、あなたはうまく説明ができるでしょうか。

また、「習字」とはどこが違うのでしょうか。

確かに、筆に墨をつけて字を書くという点は同じです。

しかし、書道と習字ではその目的が異なります。

「習字」とは、文字通り字を習うこと。

定められたスペースの中に綺麗でバランスの整った文字を書くことを目的に、お手本の字の形をよく見ながら、機械的な正確さを重視して手を動かしていきます。

筆だけではなく鉛筆やペンによる習字も広く浸透しており、習字で習得した字を丁寧に書く能力は、日常の様々な場面で役立てることができます。

これに対して、「書道」とは自己表現の一種であり、芸術の一分野に含められます。

習字のように単に書くだけではなく、作品に感情を込めて文字に乗せるのです。

書く際の精神状態や周囲の環境などが、ひとつの文字、1本の線に影響を与え、出来上がる作品の表情を大きく変えます。

書道においては、書かれている内容や字の上手さはもちろん大切ですが、作品全体の表情や細部にわたる表現の意図や美しさに重点を置いています。

とはいえ、書道の作品をひとつ仕上げるためには、習字で得る知識や経験が必要です。

「習字で学んだものに自分の色を加えたものが書道」、「習字の世界で字を書くための基本を学ぶ。

それに加えて、書道と呼ばれる領域で個性を出すための技術を身につける」。

こう言い換えても良いかもしれません。

そのため、街の習字教室で基礎を学ぶことは、書道の上達を目指すにおいて、とても理に適った行動であるといえるでしょう。

目的は人によって様々ですが、書道の目的は、日常で役立てるためというよりは、一筆一筆に魂を込めて、鑑賞する人の気持ちを揺さぶる作品を生み出すことであると思います。

そして、人それぞれ自由に表現して良いのが書道であり、字が上手いか下手かということだけでは測ることができないのが書道です。

書道の魅力とは

書く瞬間の身体や心の状態が、筆の運びに細かく現れる書道。

人々は自らの精神と、墨で書かれた線の一本一本から読み取れる作者の意思を重ね合わせて、その作品に魅力を感じます。

書道の作品は、文字の選択とそれを書く技術、精神状態などの繊細な組み合わせによって、無数の表現が可能です。

つまり、どんな人にも心に響く作品が絶対にある。

または、自ら生み出すことができるというわけです。

まさにこの点が、書道の魅力と言えるのではないでしょうか。

テレビなどで、自分の背丈ほどもある大筆を用いて全身でパフォーマンスを行う人たちを観たことがあるでしょうか。

彼等彼女等は、一筆一筆に魂を込めてひとつの作品を作り上げます。

書いている本人たちは、全身全霊をかけながら書道の魅力や楽しさを肌で感じます。

その熱が伝わってくるため、観ている人たちも作品やその作者に心を奪われます。

書展でたくさんの人が書いた作品を鑑賞する際には、その作品が書かれた背景や作者の人物像などを知ってから見ると、より魅力の詰まったものに感じられることもあるはずです。

反対に何の前知識もつけないまま見ると、また異なった魅力を感じられるかもしれません。

そして、何より書道の魅力を感じることができるのは、自らの作品に取り組む時間です。

習字で学んだ基礎に工夫を凝らし、自分の色に仕上げられるまで何度も書いてみる。

その過程で、程よい緊張感を味わったり、自分の書の個性に改めて気づいたりする。

これらも、書道の大きな魅力でしょう。

他にも、「人が書いた作品についていろいろな意見を交換したい」、「書道に用いる道具の歴史を知り、その美しさを追及したい」など、楽しみ方のバリエーションが豊富である点も、書道が時代を超えて親しまれている理由であると言えます。

また、書道教室に通って先生やほかの生徒が書く姿や作品を観察することも、自身の視野が広がり、新たな書道の魅力を発見することに繋がるでしょう。

様々な角度から書道の世界へとアプローチし、自分なりに書道の魅力を見つけてみてはいかがでしょうか。

入門者にオススメの書道道具

書道用具の売り場には数えきれないほどの商品が並んでいます。

書道を始めようとする人が、どの道具を選べばよいのか悩むのは当然のことです。

ここでは書道初心者がどのような道具を揃えるべきか、そのヒントになる情報をお届けします。

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書道を始めるためには

1. 「筆」
2. 「紙」
3. 「墨」
4. 「硯」

の4つの道具を揃える必要があります。

どの道具も自ら手にして使ってみることで、「この道具を使うとこんな作品を書くことができる」という経験値が得られます。

この経験を積み重ねていくと、使う道具を変えることで全く異なる作品を作り上げることができるということを肌で実感できるようになり、より深く書道を楽しむことができるようになります。

そして、自分に合った道具が見つかると、それだけでモチベーションが上がりますし、新たなアイデアが思い浮かぶことさえあるかもしれません。

可能であれば様々な道具を実際に使用してみて、それらの違いや特徴を体感してみるのが一番良いでしょう。

初めはお店がオススメしているものや人気のあるものを選んでも問題ないと思います。

たくさんの人が使用している道具は、比較的誰にでも扱いやすいものが多いので、試しに最初に使ってみても損はしません。

また、気負いなく書道の世界へ足を踏み出せるように、比較的安価なものから揃えてみるのも良い選択であると言えます。

また書道教室に通うと、他人の作品に触れながら、どんな字を書く人がどんな道具を用いているのか確認することが可能です。

先生に自分に合った道具について相談することもできるでしょう。

実際に何度か用いて、使い心地の良し悪しや気持ちのフィット感を試してみると、その道具が自分にとって良い効果をもたらすものなのか、それとも他の道具を試してみるべきなのか、おのずと明らかになってきます。何を使えば正解ということはありません。

何より、道具に対してストレスを感じることなく、気持ちの充実をキープしながら楽しく書道に取り組んで頂きたいと思います。

具体的にどのような道具があり、何を基準に選べば良いのかよいのか。

詳しくは、別記事「書道を始めるために必要な道具」を参考にして頂ければ幸いです。

まず臨書をしよう

道具を揃えていざ書道を始めようとしても、一体何から始めればよいのか実は分からない。

そういったことがあるかもしれません。

自分がどのような作品を書きたいのか、どのような文字を書くことができるのかを、初めから全て理解している人はいないでしょう。

それらの疑問を解決できる「臨書」という練習方法が存在します。

ここではその臨書についてご説明しますので、初心者の方々をはじめ、書道を志す多くの人に是非ともお読み頂きたいと思います。

臨書とは?

本や書展で様々な作品を目にしているうちに、自分がどのような作風を好むのか、何となく分かってくるのではないかと思います。

書道においては、自分が心を惹かれる作品に近いお手本を探して、どのように書かれたものなのかを研究しながら真似て書くことから始めるのが、効率的で良い方法です。

このように、お手本を参考に書き写して学ぶことを「臨書」といいます。

しかし、単に真似て書くだけが臨書ではありません。

お手本の字の形をよく観察して、忠実に再現して書く「形臨けいりん」。

作者の意図や時代背景などを汲み、作品に込められた意思を感じながら書く「意臨いりん」。

お手本を見て記憶し、後にその記憶を頼りに書く「背臨はいりん」。

大きくこれら3つに分けることができます。

いずれにしろ、臨書とは、お手本となる作品を様々な視点や方法で読み解き、書への向き合い方や技術を学ぶことが目的なのです。

他にも臨書に取り組む意義は多くあります。

書き手によって作風は様々です。

各作品の細かな部分まで丁寧に見ていくことで、自分一人では知りえなかった線の書き方や文字の表情を学ぶことができるため、書を見る目を養うことにも繋がります。

そうやって自分の好きな作風の書も次第にはっきりしてくるわけです。

そして、臨書で学んだ要素を自分の作品にも取り入れて鍛錬することで、新たに独自の作風の書が確立されるのです。

自分が書きたい文字を表現するためにも、まずは臨書で色々な線を知り、書く技術を身につけることが重要です 。

習字教室や書道教室でも、臨書をしながら様々な技術を身につけていく練習方法が広く採用されているので、通いながら学ぶことも検討してみてはいかがでしょうか。

おわりに

書道とは何かを、その魅力や始め方と共にご紹介してきました。

書の道へ一歩踏み出すきっかけは人によって様々であると思いますが、どんな人でも挑戦してみる意味や価値を必ず見出すことができるのが書道です。

当サイトの書道に関連する記事を読んで、その魅力により深く触れ、ぜひとも実際に書道を始めてみてほしいと思います。