こんにちは!

ワゴコロ編集チームの高安です♪

みなさんは、「阿波おどり」をご存知ですか?

阿波おどりは、今から400年以上前に阿波の国・徳島県で誕生しました。

もとは先祖を敬うために踊っていた踊りを、阿波のお殿様である「蜂須賀小六はちすかころく」がお城を築いた際、民衆を招いて踊ったことで広まったといわれています。

「踊る阿呆に、見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々…♪」の囃子言葉で知られ、全国各地に阿波おどり大会が誕生していることからわかるように、今や日本だけでなく、世界的に知られる日本のお祭りの一つでもあります。

今回は、都内でも有名な高円寺阿波おどり連協会に所属する、「菊水連」にお話を伺ってきました!

高円寺阿波おどり連協会とは?

今や東京の夏の風物詩である高円寺阿波おどり。

はじまりは、昭和32年(1957年)に高円寺の商店街を活性化させるための行事として阿波おどりを踊ったことがきっかけでした。

その後、高円寺を活動拠点にしている15連(15の踊り子グループ)により、昭和56年(1981年)に発足したのが「高円寺阿波おどり連協会」です。

高円寺阿波おどり連協会は、東京および近県における阿波おどりの普及を通じて、高円寺阿波おどりの知名度を高め、加盟している各連の親睦と協調をはかることを目的としています。

当初は15連からはじまった連協会ですが、現在では会員連数は30連にまで増加!
(2019年12月現在)

高円寺阿波おどりが半世紀を迎える今、連協会も徐々に拡大し、商店街だけでなく高円寺の街を舞台に開催されるようになり、「高円寺といえば阿波踊り!」といわれるくらい有名なイベントとなりました♪

現在では、大会の開催期間中の参加連は、なんと約160連もあるんだそうですよ。

1万にものぼる踊り手と100万人の観客(平成24年・第56回大会実績)の歓声が街に響く、まさに東日本最大の阿波おどり大会ですね。

また、高円寺阿波おどり連協会に所属している連は、東京高円寺阿波おどり大会だけでなく、関東近隣の阿波おどり大会をはじめ、大小のパーティやイベントの出演、小中学校の教育現場にも協力するなど、幅広く活動しています!

波に乗ってる!阿波踊りチーム「菊水連」

今回お話を聞かせていただいた高円寺阿波おどり連協会所属の「菊水連」は、徳島県が誇る伝統芸能である阿波おどりを継承・発展させることを目的とし、昭和39年(1964年)に高円寺の独立連として東京で設立されました。

平成30年(2018年)に55周年を迎えた、歴史ある老舗連です!

菊水連では阿波おどりの技術を磨くことはもちろんのこと、伝統文化の担い手として、福祉施設での出演(元気配達プロジェクト)や国際文化交流などを通して、人と人が繋がっていく社会の実現、情緒豊かな日本文化の魅力を発信し続けています♪

また、阿波おどりの後継者育成として、「こぎく」と呼ばれる小学生以下の子供たちで構成される子供踊りチームを作り、阿波おどりの楽しさを教えています。

水連が行う「阿波おどり元気配達プロジェクト」とは!?

先ほども少しお話しましたが、菊水連では「阿波おどり元気配達プロジェクト」という活動を行っています。

これは、お祭りに参加できない方たちにも笑顔を届けたいという気持ちから、「人に感動を与える」をモットーに、菊水連が介護施設や病院へ出向き、阿波おどりを披露する企画です!

なんと、完全無料というから驚きですよね!?

福祉施設で阿波おどりを披露した際、観ていたおばあさんたちが泣いて喜んでくれたのだそうです。

今回菊水連に伺った際、室内練習の風景を見学させていただいたのですが、小気味良いお囃子の音になんだかワクワクして、気分はまさにお祭り!

軽やかな足取りに、ひらひらと蝶のように舞う手元は、思わず見とれてしまいました。

見ているだけで気持ちを明るくしてくれる阿波おどり、私もその不思議なパワーを感じることができました。

室内でもこんなにワクワクさせてくれる菊水連の阿波おどりに、思わず涙してしまったおばあさんの気持ちがわかったような気がしました。

波踊りを海外へ発信!

菊水連では元気配達プロジェクトの他にも、世界中の人々に阿波おどりの楽しさを伝えるため、海外公演を行っているそうです。

菊水連がこれまで訪れた国は、南アフリカ・フィリピン・フランス・ロシア、そして令和元年(2019年)7月にチュニジア、12月にはインドにて公演を行い、国境を越えて阿波おどりの楽しさを伝えてきました。

海外公演には小学6年生のメンバーも連れて行くのですが、それは、“今までに見たこともないような大きな世界や現実を感じ、将来に大きく影響を及ぼすきっかけを作ってあげたい”という考えがあるからだそうです。

小学校に通う年齢で海外に行く経験はなかなかできるものではないので、子供たちにとってはとても刺激的な良い体験になりそうですよね!

また、SNSを活用した広報活動も積極的に行っており、近年ではFacebookや、Instagram、TikTokで阿波おどりの情報を常時発信しています。

こうした取り組みから海外メンバーも増え、TikTokのダンスチュートリアルは15万イイネが付くものも!

菊水連 連長・安住一成さん、副連長・浜田江梨奈さんにお話を聞かせていただきました♪

今回は、菊水連の連長・安住一成さん、副連長・浜田江梨奈さんに阿波おどりや菊水連についてお話を聞かせていただきました!

水連に入ったきっかけを教えてください!

“気がつけばやっていた“と言う感じですね。

なんせ私(連長)は小学1年生から阿波おどりを始めたので!

それに、当時は夏に高円寺を歩いていると勧誘していましたから。笑

当時は、お祭りで子供が山車を引くのと同じイメージで参加していたと思います。

連には友達もたくさんいて、とにかく楽しかったです。

子供の多い連だったこともあり、中学生になってからは子供の連絡係もやっていましたね。

そんな感じで、純粋に楽しくて踊っていた阿波おどりでしたが、18歳の時に本場・徳島県に行き、本場の阿波おどりとの違いを見せつけられて。

その時の衝撃は、今でも忘れませんね。

波おどりの魅力とは?

色々ありますが、同じ志しを持つメンバーと全員で一つの事を作りあげる事。

また、それを発表した時の歓声や感動などクセになります。

お囃子が綺麗に重なって、踊り子の気持ちと合致した時の心地よさは、達成感で涙が出ます。

水連の魅力や特徴は?

なんと言っても、“大きな家族のような連”ということです。

下は3歳から最年長は82歳まで。

都市部では核家族化が進み、地域とのかかわりが希薄になってきているといいますが、とにかく世代を超えて没頭出来る趣味が同じと言う共通点だけで、連員同士、心地よいお節介が自然にでる人間関係が最大の魅力です!

ぜ、動画SNSやクラウドファンディングをはじめることになったのですか?

年間40カ所を超える出演をしていますが、阿波おどりを見に行きたくても見に行けない人にも、感動を与えることが出来るチームでありたいと思っていました。

もちろん生で見ていただきたいですが、阿波おどりの素晴らしさ、楽しさをより多くの人に伝えたいと思ったことがきっかけです。

SNSをはじめたことによって、国内だけでなく海外の方にも阿波おどりを見てもらえるようになったのはとても嬉しいですね!

海外の連員が踊っている動画も好評で、温かいコメントがたくさん寄せられています。

阿波おどりを通して、国を越えて心が繋がれたように思いました。

水連の今後の活動目標を教えてください!

まずは、今年55周年を記念して国立劇場で行う記念公演を成功させる事です!

国立劇場の長い歴史の中で、阿波おどり初の主演公演と言うプレッシャーを跳ね除け、更なる殻を破りたいと思います。

また、私たちが阿波おどりを通してできる社会貢献活動として、昨年から始めた元気配達プロジェクトをさらに充実させることです。

本場の伝統を大切にし、新しいことも受け入れながら100年先を見据えて活動していきたいと思います!

後に、読者へメッセージを!

安住さん)
伝統芸能において、古い物を残していくということはとても、とても大切です。

でも、“新しいことに取り組んでいくこと”、“変わっていくことを受けいれていくこと”も、伝統芸能を継承していくのに大切なことだと思っています。

菊水連は伝統も大切にしつつ、どんどん新しいことにもチャレンジしていきます!

ぜひ、進化を続けていく菊水連を見に来てください!!!

浜田さん)
菊水連は他の連と比べて人数も多く、年齢の幅も広い連です。

老若男女問わず、みんなで一緒に阿波おどりに取り組んでいます。

本当に家族のような連なんです。

だから、みんなで一生懸命練習した菊水連の阿波おどりを、たくさんの方に見ていただけることがとても嬉しいんです。

菊水連という家族とともに頑張って練習した阿波おどりを、私たち家族の“笑顔”をぜひ見に来てください!

インタビューを終えて

実は、このインタビューで初めて高円寺に行ったのですが、駅の中や道沿いに阿波おどりの絵が描かれていたり、町中が阿波おどりへの愛で溢れていることにびっくりしました!

インタビュー当日は平日にも関わらず、20名ほどの連員が集合しお囃子や踊りに磨きをかけていました。

みなさん楽しそうに練習をされていましたが、鏡を見ながら足さばきや手さばきの確認をする目は、情熱にあふれていました。

こうした日々の努力が、今日の菊水連を作っているのですね。

ご紹介したように、数多くの海外公演をしている菊水連ですが、この海外公演の準備や手続きはすべて自分たちで行っているそうです。

日本の伝統を世界に広めたいと思っても、簡単にできることではありません。

だからこそ、海外公演やSNSに力を入れ、阿波おどりを世界へ広めている菊水連はとても貴重な伝統芸能の担い手であるといえるのではないでしょうか。

また、小学生以下の“こぎく”へは、技量の向上だけでなく、集団行動を通じて礼儀礼節を重んじる心や、ボランティア精神の向上と地域活動への参加の重要性を感じてもらいたいと願い、指導にあたっているそうです。

阿波おどりを広く普及するだけでなく、後継者の育成にも真剣に取り組む菊水連。

みなさんもぜひ、菊水連の笑顔溢れる阿波おどりをご覧になってみてください!

菊水連に興味を持ったら…

水連に入りたくなったら

菊水連では高円寺阿波おどり大会の本番が終わった9月1日から12月25日までの期間で連員を募集します。

部門によっては早めに募集終了になる場合もありますので、詳しくはお問い合わせ下さい。

水連が見たくなったら

【菊水連国立劇場主催公演】
日時:令和2年(2020年)4月30日 木曜日
   午後4時半開演 (午後8時30分終了予定)

場所:国立劇場小劇場 
   〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1

料金:自由席 3,500円
   特別観覧エリア(指定エリア) 10,000円

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