8月のはじめに岩手県盛岡市で開催される「盛岡さんさ踊り」は、4日間でおよそ250団体・36,000人が参加するお祭りです。
さんさ踊りの大きな特徴は、ギネス世界記録にも認定された太鼓パレード。
延べ15,000個の太鼓パレードは、一度見たら忘れられないものになるはず。
この記事では、「盛岡さんさ踊り」の歴史や魅力、見どころ、参加方法についてお伝えします!
盛岡の夏の風物詩「さんさ踊り」とは?
はじめに、さんさ踊りの歴史や由来などについてご紹介します。
さ んさ踊りの歴史や由来を知ろう!
今では毎年行われている盛岡さんさ踊り。
江戸時代から盛岡市の各地域で行われてきた、さまざまな「さんさ踊り」を一つにまとめ、昭和53年(1978年)から観光イベントとして開催されているのが現在の「盛岡さんさ踊り」です。
さんさ踊りは、盛岡市名須川町の三ツ石神社に伝わる「三ツ石伝説」に由来しているといわれています。
その昔、南部盛岡城下で悪さをする鬼に里人たちは苦しめられていました。
困った里人たちは、三ツ石神社の神様に鬼を退治してほしいとお祈りをします。
すると、願いを聞き入れた神様が鬼を捉え、二度と悪さをしない証として、神社の境内にあった大きな「三ツ石」に鬼の手形を押させました。
鬼が去ったのを喜んだ里人たちは、鬼の手形がついた三ツ石の周りを「さんさ、さんさ」といいながら踊ったことが、さんさ踊りのはじまりといわれています。
さ んさ踊りの掛け声「サッコラ チョイワヤッセ」の意味
盛岡さんさ踊りでは、太鼓と「サッコラ チョイワヤッセ」という独特の掛け声に合わせて踊りが繰り広げられます。
「サッコラ」は漢字で書くと「幸呼来」となり、幸せは呼べばやってくる、という意味を持っています。
それに「チョイワヤッセ」という掛け声を合わせて、幸せの訪れを願っているそうです。
踊 り上手のベテランが務める「一八」
さんさ踊りでは、ひょっとこのお面をつけ、手にイタチを持った「一八」と呼ばれる踊り手が先導役を務めています。
踊りの名手が務めるこの一八は、踊り手を誘導して勢いをつけるとともに、見ている人を笑わせる役割を持っています。
さんさ踊りの種類を紹介
さんさ踊りは1種類ではなく、さまざまな踊りがあります。
では、どのような種類があるのか見ていきましょう♪
さ んさ踊りの基本は4種類
基本のさんさ踊りは4種類。
パレードでは、多くの団体がこの4種類のうちいずれかを踊ります。
それぞれ、「統合さんさ(=1番)」、「七夕くずし(=2番)」、「栄夜差踊り(=3番)」、「福呼踊り(=4番)」という名前がつけられています。
統合さんさ(1番)
誰もが踊れることを目指し、各地で踊られてきたさんさ踊りをミックスした踊りです。
七夕くずし(2番)
天の川を奉るとともに、水の神様に豊作祈願を行うという意味が込められています。
邪気を祓うという「ハラハラハラセ(祓祓祓せ)」という掛け声がなされます。
栄夜差踊り(3番)
栄夜差踊りは、毎年開催されているさんさ踊りがより栄えるよう、という願いを込めて作られた踊りです。
福呼踊り(4番)
「皆様に福が訪れますように」という願いを込めて作られた福呼踊り。
盛岡さんさ踊り30回の記念の年に作られました。
「 伝統さんさ」にも注目!
さんさ踊りのパレードを見ていると、基本のさんさ踊りとは異なる踊りをしている団体があることに気づくでしょう。
これは「伝統さんさ」と呼ばれるもので、各地区に伝わってきたさんさ踊りです。
基本となる踊りとは全く異なるダイナミックな踊りを披露する団体も少なくないため、毎年この伝統さんさを楽しみにしているファンも多くいるんですよ。
大迫力!さんさ踊りの「太鼓」について
さんさ踊りの魅力の一つが、踊りながら叩く、勇壮な太鼓の演奏です。
ここでは、さんさ踊りの太鼓が持つ魅力に迫ります。
世 界一の“太鼓”パレードとしてギネス認定されている、盛岡さんさ踊り
盛岡さんさ踊りは、平成26年(2014年)6月29日に「最も多い和太鼓同時演奏の世界記録」としてギネス世界記録に認定されました。
当日、盛岡市内で開催されたギネス世界記録に挑戦するイベントに参加した人数は、なんと3,437人!
県内のみならず、全国各地から盛岡さんさ踊りを愛する人々が集まりました。
この時は、さんさ踊りの2番・「七夕くずし」が演奏され、ギネス世界記録として認定 されました。
最 終日に行われる太鼓大パレードは圧巻
さんさ踊りの魅力の一つである勇壮な太鼓の演奏。
毎年祭りの最終日には、ギネス記録に認定された「最も多い和太鼓同時演奏の世界記録」の再現として、太鼓の叩き手のみが参加する太鼓大パレードが開催されます。
「一万太鼓」と称される太鼓の響きは、まさに「圧巻」のひとこと。
盛岡の夜空に太鼓の音が響き渡ります。
さんさ踊りの見どころ
続いて、さんさ踊りを見に行く前に知っておきたい見どころを紹介します。
さ んさ踊りの衣装
さんさ踊りでは、踊り手たちが身につける色鮮やかな衣装も見どころです!
各団体で異なる浴衣を身につける
当日はそれぞれの団体で異なる浴衣を身につけます。
会社のロゴが入っているものや学校名が入っているものなど、どんな浴衣があるのかを見るだけでも楽しめるでしょう。
伝統さんさの衣装は一味違う
伝統さんさ踊りの場合、一般の団体とは少し違った衣装となっているのが特徴です。
多くの団体が妻折笠に牡丹や蓮華の造花をつけます。
さらに、5色の腰帯や手甲・脚絆・ワラジなどを身につけているので、一目で伝統さんさを踊る団体であることがわかります。
さんさ踊りの浴衣を使った「裂き織り」にも注目
東北地方には、古い布を裂いて織物を作る「裂き織り」と呼ばれる伝統文化があります。
盛岡に拠点を置く「幸呼来Japan」では、この裂き織りの材料に、古くなったさんさ踊りの浴衣を使い、カードケースやポーチなどさまざまなアイテムを生み出しています。
中には有名ブランドとコラボした商品もありますので、盛岡を訪れた際に探してみてはいかがでしょうか。
前 夜祭
さんさ踊りが開催される前夜の7月31日には、盛岡駅で前夜祭が行われます。
ここでは、「ミスさんさ」やさまざまな団体の踊りを見ることができますよ♪
パレードとは違い日中に行われているので、お祭り本番とはまた異なる魅力を感じられるでしょう。
パ レード
さんさ踊りのメインイベントは、期間中毎日18時から開催される大パレード。
盛岡市の中心部にある「中央通り」を会場とし、盛岡市役所からのおよそ1kmに渡ってパレードが行われます。
まずは、「ミスさんさ」による華麗な演舞がはじまり、それに続いて一般参加の団体と、伝統さんさ踊りの団体がパレードを行います。
太鼓・笛・踊り手・唄から構成される大パレードは一見の価値あり!
可愛らしい幼稚園児のパレードや、エネルギッシュな学生の演舞など、団体ごとに異なる魅力を楽しめます。
さ んさ踊りを有料観覧席で観よう!
パレードを楽しむ方法として、有料観覧席を利用する方法も。
期間中は多くの人が足を運びますので、パレードを座って見るためには、スタートするかなり前の時間から場所を確保する必要があります。
そこで、ゆったりとパレードを見たい場合には有料観覧席を確保しておくのがオススメ!
毎年6月頃からチケットが販売されますので、詳細は下記の公式HPよりご確認ください。
さんさ踊りに参加したくなったら
さんさ踊りを見るだけではなく、参加したい!と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、さんさ踊りへ参加する方法についてご紹介します。
個 人で参加
基本的に団体で参加するさんさ踊りですが、期間中、毎日パレード終了後に誰でも参加できる「輪踊り」が開催されています。
会場内の各箇所で行われ、浴衣を着ていない方、さんさ踊りがわからない方ももちろん参加OK!
それぞれの輪踊りには、「さんさ・おへれんせ師匠」と呼ばれる人がおり、踊り方をレクチャーしてくれるので、踊り方を覚えながら楽しく参加できますよ。
黄色いタスキをかけている人がさんさ・おへれんせ師匠なので、ぜひ探してみてください!
団 体で参加
さんさ踊りのパレードに参加したい場合には、どこかの団体に所属することになります。
例えば職場や地域、学校などの団体が多く参加していますので、参加できる団体を探してみると良いでしょう。
広く参加募集している団体も多くあります。
ただし、パレードに参加するにはその団体が開催する練習会に参加しなければならないケースがほとんど。
観光で盛岡を訪れて、いきなりパレードに参加するのはちょっと難しいかもしれません。
その場合には、上記でご紹介した「輪踊り」にぜひ参加してみてください。
さんさ踊りの日程・会場アクセス
さんさ踊りの日程や会場へのアクセス方法についてご紹介します。
さんさ踊りの日程
さんさ踊りは、毎年8月1日から4日まで開催されています。
かつては3日間の開催でしたが、近年では参加団体数が増え続けており、4日間の開催となっています。
会場へのアクセス方法
メイン会場となる中央通りは、盛岡駅から徒歩15分〜20分程度。
また、サブ会場である「JR盛岡駅前 滝の広場」、「盛岡市民文化ホール(マリオス)」は、いずれも盛岡駅からすぐとなっています。
時間や会場の詳細は下記の公式HPをご確認ください。
おわりに
盛岡さんさ踊りについてご紹介しました。
盛岡市民にとっては、欠かせないお祭りとして愛され続けているさんさ踊り。
ぜひ一度、体験してみてはいかがでしょうか。
真夏の夜空に響き渡る太鼓の音色が、忘れられない思い出となるに違いありません。
みなさんは盆踊りと聞いてどのような情景が思い浮かびますか。都会でも地方でもいまだ日本人の夏に結びつく盆踊りですが、どのような歴史があり、全国にはどのような特色をもつ盆踊りがあるのか紹介していきます。
社会人にとって、それはそれはうれしいお盆休み。いろいろな過ごし方がありますが、一ついえることは、日本人にとってお盆は特別な期間のようです。この記事ではお盆の意味や時期、過ごし方など基本的な知識についてまとめました。
阿波おどりとは徳島県内の各地域でおこなわれる盆踊りです。とくに徳島市の阿波おどりは県内最大のもので、全国的にも有名な盆踊りです。「踊る阿呆に見る阿呆 おなじ阿呆なら踊らにゃ損損」というかけ声を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。この徳島市の阿波おどりは毎年8月12日から15日までの4日間おこなわれます。
大分県国東半島と山口県の間に浮かぶ姫島。ここでは一風変わった「仮装盆踊り」を見ることができます。
姫島は6つの地区に分かれており、その地区ごとに踊る演目が異なるという特徴を持ちます。
秋田県雄勝郡羽後町の西馬音内でおこなわれる盆踊りは、独特の雰囲気をもつ姿で踊られます。本記事では、西馬音内盆踊りの衣装や音頭、開催期間などについてご紹介します。
新野の盆踊りは長野県下伊那郡阿南町の新野でおこなわれる盆踊りです。8月14日から16日の3日間、午後9時から翌朝6時頃にかけて踊りつづけます。いまでは夜通しかけて盆踊りをおこなうという地域は珍しいですが、かつては夜通しかけて踊るものだったのです。
郡上おどりとは岐阜県郡上市八幡町でおこなわれる盆踊りです。郡上おどりは7月の「おどり発祥祭」を踊りはじめとし、その後毎週かならずどこかの寺社や広場で縁日祭りとともに開催されます。
白石踊りは、岡山県笠岡諸島の白石島でおこなわれる盆踊りです。
8月14日から16日の3日間、白石島海水浴場の浜辺のやぐらを中心にして、子どもから老人まで幅広い世代の島民が演目にわかれて踊ります。
はっきりとした起源はいまだわかっていませんが、源平水島灘の合戦の戦死者の供養のためにはじまったという伝説があります。
こんにちは!
ワゴコロ編集チームの高安です♪
みなさんは、「阿波おどり」をご存知ですか?
阿波おどりは、今から400年以上前に阿波の国・徳島県で誕生しました。
地方の人口減少などにより、昔からの地方盆踊りの運営が難しくなっていく一方で、近年都市部では“新しい盆踊り”のあり方が注目されています。