東京では落語の公演がさかんに行われています。
特に「寄席」と呼ばれる小屋では、ほぼ毎日落語を聞くことができ、1回の公演につき3,000円ほどで大人も子供も楽しむことができます。
また、昨今の落語ブームの流れに乗って、最近では若手の落語家が開催する「らくごカフェ」なども登場しています。
今回は、東京で落語を聞くことができるオススメの場所をご紹介します。
東京で落語を聞くなら寄席
東京都内には新宿、上野、池袋、浅草の4ヶ所にそれぞれ寄席があり、落語を専門的に公演する落語定席(じょうせき)と呼ばれています。
寄席では予約・席取りなどは無く全て自由席で、一部の寄席や特別なイベントを除き昼の部・夜の部でお客さんの入れ替えも基本的にありません。
ほぼ毎日落語の公演が行われていますので、出演者やタイムスケジュールは各寄席のホームページでご確認ください。
新宿末廣亭(しんじゅくすえひろてい)
新宿末廣亭は東京都新宿区新宿三丁目にあります。
東京にある落語定席のなかで唯一の木造建築であり、上手下手の両方に畳敷きの桟敷(さじき)席を残した、寄席の伝統的な趣のある造りが特徴です。
新宿末廣亭では通常の昼の部・夜の部の他に、落語芸術協会・落語協会の二ツ目※1 が自主興行として深夜寄席を開催しています。
※1落語の階級「前座見習い」「前座」「二ツ目」「真打ち」
毎週土曜日にほぼ必ず開催されており、入場料も通常の公演より安い1,000円で見ることができます。
落語家の若手ホープの落語がお手頃価格で聞けるということで、若い世代を中心に人気を博しています。
鈴本演芸場
鈴本演芸場は東京都台東区上野3丁目にある寄席です。
落語や色物芸も多数上演されていますが、他の寄席と異なり落語協会所属の落語家・芸人しか出演できません。
通常興行は全席自由席で入れ替え制となっており、特別興行は全席座席指定です。
チケットの購入は公式ホームページのほか、チケットぴあでも取り扱われています。
鈴本演芸場では毎月10日ごとに番組※2が入れ替えられており、上席(かみせき)が1日~10日、中席(なかせき)が11日~20日、下席(しもせき)21日~30日となっています。
※2出演者や演目が書かれたプログラムのこと)
池袋演芸場
池袋演芸場は、東京都豊島区池袋にある寄席です。
落語を中心に、漫才、手品などの色物芸も多数公演が行われています。
現存する都内4ヶ所の寄席のうち唯一戦後に開場しており、伝統的に客足が悪く座席数も少なめという特徴があります。
ただし、その狭さゆえに落語家の息遣いまで聞こえる通好みの寄席となっています。
他に比べて狭い池袋演芸場は、持ち時間が長く通好みとも言えるでしょう。
10日毎に上席・中席・下席に分かれており、上席・中席と下席では入場料が異なります。
浅草演芸ホール
浅草演芸ホールは東京都台東区浅草にある寄席です。
都内にある寄席の中では最大規模の340席ですが、立地が観光地の中心で観光ツアーなどの団体客も多いため、土日になると混雑・立ち見を覚悟しなければなりません。
落語ファン以外の客層が多いことも特徴です。
特に正月の初席にはスター落語家が勢揃いするため、浅草寺詣の観光客が参拝後に浅草演芸ホールに立ち寄るなど身動きがとれないほど観衆でごった返します。
寄席と落語協会の関係
都内にある4つの寄席では、落語協会・落語芸術協会に所属している落語家のみ出演できるというルールがあります。
さらに鈴本演芸場は落語協会のみ、浅草・新宿末廣亭・池袋は落語協会・落語芸術協会の定席となっています。
それ以外の団体に所属する落語家は、「余一会」という奇数月・8月の31日に行われる特別興行にのみ出演でき、毎月1日~30日の公演には原則として寄席に上がることはできません。
落語協会以外の落語を聞くなら
落語協会・落語芸術協会以外の団体、立川志の輔や立川談春が所属する立川流、6代目三遊亭円楽が所属する円楽一門会の落語家は寄席に上がることができません。
それらの団体の落語家は、落語定席ではない演芸場やライブ会場、スタジオ等で鑑賞することができます。
立川流、円楽一門会の公演が行われる主な会場は次のとおりです。
おわりに
昨今の落語ブームに乗り、落語はより身近な芸能になっています。
寄席では3,000円ほどで一日中落語を楽しむこともできますので、落語に興味のある方は観光やお買い物のついでに、ぜひ寄席に足を運んでみてくださいね。
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