みなさんは、「卯三郎こけし」をご存知ですか?
卯三郎こけしは、スヌーピーやミッフィー、リサラーソンをはじめ、ドラえもんやドラゴンボール、ちびまる子ちゃんなどの人気キャラクターとのコラボこけしで、若い人たちや海外の方からも大人気の創作こけしの工房です。
この記事では、そんな卯三郎こけしの魅力を詳しく解説していきます。
また、人気キャラとのコラボこけしや卯三郎の孫が作り出す【kokechi】についてもご紹介します!
卯三郎こけしとは
卯三郎こけしとは、創作こけしの出荷量が日本一の群馬県にあるこけし工房です。
東北地方に古くから伝わる「伝統こけし」に対し、作り手の個性が表現されるのが「創作こけし」です。
創作こけしは、新型こけしや近代こけしとも呼ばれ、その代表が「卯三郎こけし」になります。
日本の民芸品として愛されてきたこけし。
そのこけしは、大きく2つのタイプに分けられることをご存知しょうか?
こけしといえば、江戸時代後期の文化文政時代(1804-1830年)あたりから、東北の土産物として作り続けられている「伝統こけし」が有名です。
卯 三郎こけしは世界18カ国に輸出している!?
卯三郎こけしの創業者である初代・卯三郎(岡本卯三郎)は、現在工房がある群馬県榛東村の出身で、昭和25年(1950年)に群馬県渋川市でこけし作りをスタートし、後に榛東村に移転しました。
現在、卯三郎こけしの製作は初代の技を継承した6人の作家が手がけています。
ヨーロッパをはじめとした世界18カ国に輸出するほどの人気で、ハンドメイドにもかかわらず月間15,000個のこけしを生産しています。
卯三郎こけしの特徴・魅力
卯三郎こけしの特徴は、ケヤキやミズキなどこけしの材料となる天然木の木目の美しさと、木の個性により使用する部位を使い分けている点です。
魅力は何といっても、その可愛らしさと確かな技術力・デザイン力ではないでしょうか。
ケ ヤキやミズキなど、木の持ち味を活かす卯三郎こけし
工房がある群馬県榛東村周辺は、山々に囲まれた自然の宝庫です。
近くにワイナリーもあり、秋にはぶどう畑が一斉に色付き、ぶどうの甘い香りが漂うのどかな風景が広がります。
こけしの本体に使われる材料は、そんな恵まれた自然の木々たちです。
高級素材のケヤキは木目が美しく耐久性に優れ、木肌が白いミズキは逆に木目が目立たず加工性の良い落葉高木です。
その他にも栗や桜などがあり、その木目の美しさに魅了され、こけしの新素材としてそれぞれの木の特性を活かして作品にしたのも卯三郎こけしでした。
お 雛様や金太郎、動物などどれも欲しくなる可愛らしさ
東北地方が発祥の伝統こけしは、地域により形や図柄は違うものの、その伝統を受け継いでいます。
一方、卯三郎こけしをはじめとした群馬の創作こけしは、形や図柄も作り手の個性が光る自由な作風が特徴です。
卯三郎こけしは、ふっくらと丸みのあるボディにおかっぱ頭の可愛らしい童子が基本ですが、サンタやスノーマン、お雛様や金太郎、忍者姿のこけしもあります。
さらに近年は人気キャラクターとのコラボこけしも登場し、どれも欲しくなってしまうほどの可愛らしさが魅力です。
確 かな技術力とデザイン力が魅力の卯三郎こけし
創作こけしの中でもっとも有名な卯三郎こけしですが、人気の秘密は確かな技術力とデザイン力があってこそ。
立体感がある卯三郎こけしの焼き絵は、初代卯三郎が考案した新技法によるものです。
製造工程は原木を乾燥させるところからはじまり、ロクロで同じ形に削って磨き、絵付けや彫刻を施し、2回の下地塗装と仕上塗装を1回行い、顔・首・胴体を組み立て、十段階の工程を経て完成します。
しかも、熟練したこけし職人による一貫体制で、一つひとつ丁寧に作り上げていきます。
デザインも初代卯三郎の技を受け継ぎつつ、キャラクターとのコラボこけしなど時代にあった新しい形と図柄を常に創作し続けている点も大きな魅力となっています。
卯三郎こけしの【干支こけし】
卯三郎こけしの中でも、手のひらサイズのま~るい形がポイントになっているのが干支こけしの「ゆらころ」です。
名前も可愛いですよね。
高さ5㎝・胴回り5.8㎝の少し楕円がかった丸い形に、ねずみ(子)やヒツジ(未)、サル(申)などの十二支が愛くるしい表情で描かれています。
干支がモチーフになったアイテムだと、どうしても和のイメージが強すぎて若い人たちには敬遠されがちです。
「ゆらころ」は、和のテイストと洋のテイストがほどよくミックスされていて、現代風のリビングや玄関などにもぴったりマッチしています。
卯三郎こけしのキャラクターこけし
卯三郎こけしが若い人たちにも愛される理由が「キャラクターこけし」の存在です。
ドラえもんにドラゴンボールやワンピースなど、人気のアニメや映画のキャラクターとコラボする卯三郎こけしは、日本だけでなく世界にも多くのファンがいます。
ここではキャラクターこけしの中でも人気の、スヌーピーとミッフィー、リサラーソンをご紹介します。
【スヌーピー】の卯三郎こけし
昭和25年(1950年)に誕生したアメリカの大人気キャラクター「スヌーピー」。
もともとは新聞に連載されていたチャールズ・M・シュルツの描く漫画『ピーナッツ(PEANUTS)』に登場する犬で、作者が亡くなるまでの50年間、漫画は毎日描き続けられました。
そんなアメリカの人気キャラであるスヌーピーと飼い主の少年チャーリー・ブラウンを題材にした卯三郎こけしは、「スマイル」をテーマにし、2人のやさしい笑顔が丁寧に描かれています。
手のひらサイズの可愛さと2人の笑顔に、思わずニッコリしそうですね。
ミ ッフィーの卯三郎こけし
ミッフィーは小さなうさぎの女の子で、オランダの絵本に登場する主人公です。
女の子であれば幼い頃に一度は、ミッフィーの絵本を読んだことがあるのではないでしょうか。
卯三郎の創作こけしに登場するミッフィーは和テイストで、リンゴや桜、チューリップ、アジサイなどが描かれた着物を着ています。
他にも、スヤスヤと寝ているミッフィーや青いコートにオレンジのマフラーを付けたミッフィーこけしもあります。
ちなみに、ミッフィーという名前は英語名で、ミッフィーが生まれたオランダでは「ナインチェ(nijntje)」と呼ばれているんですよ。
リ サラーソンの卯三郎こけし
リサラーソンといえば、北欧の人気猫キャラクター「マイキー」の生みの親として有名なスウェーデンの陶芸作家です。
卯三郎×リサラーソンこけしには、リサラーソンのヴィンテージ作品でもある陶器の「お化けネズミ」を天然木で表現した「こけしの子ねずみ」をはじめ、「クジラのヨナ」・「こけしライオン」・「こけしミンミ」・「こけしブルドッグ」などがあります。
卯三郎こけしが欲しくなったら
さて、卯三郎こけしが欲しくなったらどこで買えばいいのでしょうか?
ここでは店舗で買う方法と、通販での購入方法をご紹介します。
卯 三郎こけしを店舗で買おう
「実際に見て選びたい!」という方にオススメなのが、群馬県にある卯三郎工房内にあるショップです。
どれにしようか迷ってしまうほど、たくさんのこけしたちが展示販売されています。
また、工房内では「絵付け体験教室」も開催され、世界に一つだけのオリジナルこけしを作ることができます。
図柄を下書きしたら色付けし、乾燥させれば完成!
絵具が乾くまでお土産のこけしを選んだり、子どもたちには積み木やけん玉、こけしボーリングなどで遊べるスペースもあります。
住所:〒370-3501 群馬県北群馬郡榛東村長岡1591
営業時間:9:00~16:00
定休日:火・水・年末年始
卯 三郎こけしを通販で買おう
お家にいながら卯三郎こけしを手に入れるなら、通販がオススメです。
卯三郎こけし工房のオンラインストアもありますし、楽天市場などでも「卯三郎こけし」で検索すると、たくさんのショップが出てきますよ。
でも、やはり製造元のオンラインショップは、取り扱いこけしの種類が一番多いのではないでしょうか♪
卯三郎の孫も大人気!【kokechi】
カエルのナル【こけし】 | こけし屋『卯三郎の孫』
卯三郎こけしを検索していてよく見かけるのが【kokechi】の文字ではないでしょうか。
二代目卯三郎の次男で、卯三郎の孫にあたるこけし作家の岡本弘行が作り出したブランドです。
「卯三郎の孫」は岡本弘行の作家名になります。
“こども目線の重視”がこけし屋・卯三郎の孫の基本理念です。
初代・卯三郎の技術と作家・卯三郎の孫の独特な世界観が表現された創作こけしは、「JAPAN EXPO in フランス」にも出展され、全日本こけしコンクールでは平成25年(2013年)にグランプリに輝きました。
他にもこけし作家として、数々の賞を受賞しています。
卯三郎の孫が作り出す創作こけしのベースは、森のきのこや木の実というだけあり、そのフォルムや色付けはとてもナチュラルで、思わず抱きしめたくなるほどです。(サイズが小さいので、実際には抱きしめられませんが…)
ちなみに、写真のこけし「カエルのナル」は卯三郎の孫の作品ですが、あまりに可愛く完成したのでご自身のお子さんの名前を付けたのだそうですよ。
近年、第三次こけしブームが加速する中、注目を集めているのが【kokechi】のこけしです。
この記事では、kokechi(こけち) の特徴や魅力、どのようなこけしがあるのか、卯三郎こけしとはどのような繋がりがあるのかなど、kokechiについて詳しく解説していきます。
おわりに
東北地方の伝統的なこけしもさることながら、初代卯三郎が作り上げた創作こけしには、また違った可愛さがあり、日々進歩・進化しているのがすごいですよね。
伝統工芸のこけしが人気キャラクターとコラボすることで、海外でも日本のこけしが高く評価されているのは、卯三郎こけしの影響が大きいといえます。
現代風にアレンジされた卯三郎こけしも、匠の技を伝承した職人たちが、一つひとつ丁寧に仕上げていることは写真からも伝わってきます。
みなさんのお宅でも、思わず微笑みたくなる可愛い卯三郎こけしを飾ってみてはいかがですか。
戦前から戦後にかけ、何度かブームを巻き起こしてきたこけしですが、2010年頃から「第三次ブーム」が来ており、海外からも「クールジャパン」を体現する商品として、こけしが人気急上昇中!いるといいます。そこで、今回はこれまでのこけしの歴史について、その成り立ちや由来、特徴にフォーカスしてみました。
部屋の中にひっそりとたたずみ、独特な表情をたたえるこけし。
そのなんともいえない魅力にひかれ、こけしをコレクションする「こけ女(こけし女子)」も増えているといいます。
また、古くからつくられてきた伝統的なこけしだけでなく、モダンで新しい創作こけしや近代こけしも人気を集めています。
東北の温泉地を中心に発展し、古くから日本人に親しまれてきたこけし。
こけしの起源には諸説あり、原型ともいわれる最古のものは、今から1300年以上前の奈良時代に作られていたという説もあります。
江戸時代後期には、子どもの顔や、さまざまな模様をほどこした木の人形が作られるようになります。
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