今年の夏は夏祭りや花火大会、また夏のデートや遊び着に浴衣を着てみませんか?

浴衣はいつもの洋服と一味違う魅力を演出してくれますよ。

この記事では「この夏は浴衣デビューしたい! でも着方が分からない。綺麗に着付けられない…」というあなたに着付けの手順と、はじめてでも簡単に美しく仕上げるコツを、動画で紹介していきます。

浴衣に付けに必要なもの

・スリップ
・浴衣
腰紐こしひも(2本)
伊達締めだてじめ

腰紐(2本)と伊達締め

浴衣は二本の紐と、伊達だて締めじめで着付けができます。

伊達だて締めじめとは、幅約10センチの薄い帯状のものです。

コーリンベルトやマジックテープ式の伊達だて締めじめなどの便利グッズも売られていますが、着崩れがしにくいのは、昔ながらの正絹しょうけん腰紐こしひもと伊達締めです。

浴衣を着る前には、必ずスリップという下着を着用しましょう。

浴衣は薄手の綿や麻で仕立てられているため、太陽や照明の下では下着が透けやすくなっています。

また、裾が足に絡みつくのを防ぐためにも、滑りが良い素材のスリップは必需品です。

スリップ

スリップは、和装用のものがベストです。

特に、上半身は滑りにくい綿でできていて、下半身がポリエステルのものが裾さばきも良くなるのでオススメです。

しかし、持っていない場合は洋服用のものでも代用が可能です。

キャミソールとペチコートでも良いのですが、ウエスト部分がゴロゴロしやすくなってしまうのでワンピース型の方がオススメ。

また、すそたけは膝より下までの長さがあるものがベターです。

浴衣の補正は最小限に

着物は寸胴体型の方が似合うと言われているため、ウエストにタオルを巻いたりして補正をすることがあります。

しかし、浴衣の場合、補正はし過ぎない方が良いです。

振袖のように生地も厚くありませんし、夏に着るものですから、身につけるものが多くなればなるほど暑くなってしまいます。

着崩れを防ぎ、着姿をよりスッキリと見せたいときは、ハンカチを使ったシンプルな補正がオススメです。

補正自体に着崩れを防ぐ効果があります。

補正は着姿を美しく見せるために行うイメージがありますが、体の凹凸を無くすことで、単純に巻きつけただけでピタッとフィットするようになるので、布がズレる隙間が無くなります。

デコルテが華奢きゃしゃな方は鎖骨下に、反り腰気味の方は背中に、グラマーな方はみぞおちに、畳んだハンカチを忍ばせると良いですよ。

動画で簡単・浴衣の着付け

浴衣の着付けを動画で解説

浴衣の着付けの手順

① 浴衣を羽織り、衣紋えもんえり)を抜く
すそたけを決める
腰紐こしひもを締める
④ おはしょりをつくり、えりを整える
むねひも(コーリンベルト)を締める
⑥ おはしょりを整える
伊達だて締めじめを締める
⑧ 帯を結ぶ

浴衣を羽織り、衣紋を抜く

まずは浴衣を羽織ります。

女性は浴衣に限らず、着物はみなそうですが、えりの後ろを開け、うなじを見せるように着るのが一般的です。

首の付け根を見せるのは女性のみです。

このことを「衣紋えもんえり)を抜く」といいます。

衣紋えもんを抜くことによって浴衣を後ろにずらすため、洋服のように肩の線をぴったりと合わせるのではなく、肩の線を少し後ろに落として着ることになります。

衣紋えもんの抜き加減は、拳一つ分。

横から見ると、えりの後ろのラインが、けん甲骨こうこつの高さと同じになるくらいが標準です。

舞妓さんや芸者さんの着物など、もっと大きくえりを抜く場合もありますが、浴衣の場合はあまり抜きすぎない方が美しいです。

なぜなら浴衣の場合、衣紋を抜きすぎるとだらしない印象になりやすいのです。

浴衣は一般的な着物と違い、下に長襦袢ながじゅばんを着ることなく、肌着の上に直接身につけます。

そのため、衣紋(えり)を抜きすぎると、上から見たときに背中の奥の方まで見えてしまうのです。

ほかにも、浴衣のえりには芯がないので、衣紋えもんを抜きすぎてもピンと立った美しいラインを保ちづらい、という理由もあります。

裾丈を決める

すそたけはくるぶしに合わせます。

一般的な着物の場合はもう少し長くするのがセオリーですが、浴衣は夏の軽装なので、やや短めに着ると爽やかな印象になります。

裾丈すそたけを決める際は、腰あたりにあるえりの先を持った手をまっすぐ前に伸ばして、たくし上げた裾を少しずつ下ろしていきす。

着物(浴衣)のすそは「裾窄すそつぼまり」といって、体の線に沿った、タイトなシルエットが美しいとされています。

自然な「裾窄すそつぼまり」を作るには、片足を引き、裾をかかとで踏みながら、着物を体に巻きつけます。

そして、下前(内側に入る方)のすそをちょっと持ち上げます。

このとき、腕はずっと伸ばしたまま、なるべく着物がピンと張った状態で巻きつけていきましょう。

左右の身頃みごろの合わせ方は、上前うわまえのおくみ線(打ち合わせ部分)を、右足の小指の位置に合わせます。

余った下前は、外からは見えないので、折り返してしまえばOKです。

腰紐を締める

巻きつけた浴衣を腰紐こしひもで固定します。

腰紐こしひもは、ウエストではなく腰骨のすぐ上で締めます。

ウエストで締めると着崩れしやすくなったり、必要以上に締めすぎたりして苦しくなってしまうことがあるためです。

結ぶ位置はお腹の中心ではなく、脇に寄せておくと、あとで結び目がゴロゴロしないので試してみてください。

おはしょりをつくり、衿元を整える

おはしょりとは、余った上半身の布を折り返してつくったひだ(画像で赤く囲んだ部分)のことをいいます。

女性の着物は、帯の下におはしょりのひだを見せるので、ここが綺麗に整っていることが、美しい着姿の大事なポイントになります。

腰紐こしひもを結んだ時点では、余った布が腰紐こしひもの上でダブついている状態です。

身八つ口(浴衣の脇に開いた穴)から手を入れ、背中からお腹側へと手刀を切るようにして、ひだをとります。

正面は下前と上前かみまえの布が重なるため、そのままだとモコモコします。

そこで、下前は三角に折り上げてしまいましょう。

そうすることで布が重ならず、スッキリ見えます。

胸紐を締める

むねひもは、えり元の着崩れを防ぐために使います。

左右のえりを合わせる位置は、のどのくぼみを基準として調節しましょう。

清楚な感じにしたいなら、くぼみの上で交差するくらい。

大人っぽく、粋な感じにしたいなら、くぼみの下で交差させます。

このとき、左右の開きが均等になるように注意しましょう。

偏りがあると、着崩れの原因となってしまいます。

均等なV字に整えたら、アンダーバストの位置でむねひもを締めます。

結び目は、腰紐こしひもを締めたときと同様にやはり脇の方へ寄せて。

みぞおちに結び目が当たると、あとで苦しくなりがちです。

背中に寄ったしわは、むねひもの下で脇に寄せ、縫い目でひだをとると、綺麗に処理できます。

脇でひだをとることで、身八つ口がパカパカと開いてしまうのを防ぐはたらきもあります。

おはしょりを整える・伊達締めを締める

伊達だて締めじめは、おはしょりのラインを形よく決めるために使います。

帯の下から見えるおはしょりの長さは、人差し指の長さが目安にすると美しく見えます布の余りが多い場合は、たくしあげて、伊達だて締めじめで押さえてしまいましょう。

これで浴衣を身につける過程は完了しました!

あとは帯を結ぶだけです。

帯を結ぶ

浴衣の帯は、半幅帯はんはばたいを合わせるのが一般的です。

半幅帯はんはばおびとは、丸帯や名古屋帯といったフォーマルな着物に合わせられる帯の、半分の幅で仕立てられていて、カジュアルなシーンに用いられる帯です。

動画では、こちらの記事で紹介した、カルタ結び(結び目が長方形でカルタに似ているところから)の「切らない作り帯」を使用しました。

詳しい作り方は、こちらの記事をご覧ください。

ワンランク上の浴衣の着こなし

ちょっと個性的な着こなしに挑戦したい、ほかの人と差をつけたいという方に提案したいのが、浴衣に名古屋帯と帯締めを合わせた、着物風のコーディネートです。

浴衣はごくカジュアルな、洋服でいうとキャミワンピースのような位置付けです。

そのため、ドレスコードのあるホテルや、美術館・博物館などといったキチンとした場には、実はそぐわないのです。

しかし、名古屋帯と帯締めを合わせ、足元は足袋たびを着け、草履ぞうりを履くことで、サマードレスのような感覚で、おでかけにも対応できます。

名古屋帯は、薄手の夏帯のものを身に付けましょう。

着物は素材によって夏服・冬服に分けられています。

夏帯は、浴衣と同じく、7月〜8月の盛夏に身につけるものです。

帯締めは、だいたい正絹しょうけんでつくるので、帯のように季節は決まっていませんが、浴衣には透け感のあるレースのものが、涼しげでよく合います。

おわりに

着物はルールが多くて大変、というイメージがありますが、実際は冠婚葬祭やフォーマルな場でない限り、季節感(気候)と素材がマッチしていれば、コーディネートは自由です。

素材の季節感というのも、「ルールだから」というより、単純に暑さ・寒さを避けるための知恵といった方が正しいかもしれません。

皆さんも、この夏はぜひ自由な発想で、浴衣を楽しんでみてくださいね。