着物の着付けと聞くと、難しそうだから私には無理!

と思っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。

でも、実はコツさえ覚えてしまえば、誰でも簡単に着物を着ることができるんです。

これから着物を着てみたいとお考えの方は、ぜひこの動画を見ながら一緒に着物を着つけてみませんか?

すでに着付け教室に通われている、という方には復習にもなるはずです。

自宅でこの動画を見ながら何度か練習すれば、お出かけにも自信をもって着ていけるようになりますよ。

着物を着る前に 必要な着付け道具と事前準備

●スリップ
●足袋
●長襦袢
●着物
●腰紐 × 2本
●伊達締め × 2本

下記のコーリンベルトやマジックテープ式の伊達締めなど、いろいろな便利グッズが売られていますが、やはりベーシックな正絹の腰紐や伊達締めがオススメです。

私自身もひと通り試してみましたが、着崩れしにくいのは昔ながらのタイプでした。

スリップはキャミソールとペチコートでも代用できますが、ウエストのゴロつきが気になるので、ワンピースタイプがベターです。

上半身が滑りにくい綿素材、下半身が裾さばきの良いポリエステルの着物用スリップは、とくに着崩れしにくいです。

袋は着付けの前に履いておく

足袋は長襦袢や着物を着る前、スリップを着たタイミングで履いておきましょう。

足袋を履くために屈む動作で、せっかく綺麗に着付けた着物が着崩れてしまうのを防ぐためです。

足袋はこはぜが4枚のものと、5枚のものがありますが、冠婚葬祭などごくフォーマルな場合を除いて、4枚タイプが主流です。

こはぜを掛けるのが苦手な方は、靴下タイプの足袋もあります。

素材は木綿のプレーンな白が定番ですが、今どきは色もの・柄もの・レースなど変わり素材のものもあり、着物や履物、季節に合わせて、さまざまなコーディネートを楽しむことができます。

襟は前日の夜につけておく

長襦袢にはあらかじめ半襟を縫いつけておきます。

仕立て上り(既製品)で売られているものは、はじめから白い塩瀬しおぜの半襟が縫いつけられていて、そのまま着られることも多いですが、好みの色や柄の半襟を使いたいときは事前に縫っておく必要があります。

縫い方はざっくりでOK! 面倒なときは中央と両端を二〜三針縫い止めるだけでも、見た目にはわかりません。

正は必須ではない

補正用のタオルなどは、基本的に使いません。

デコルテが華奢な方は、薄手のハンカチを畳んで鎖骨下に載せたり、反り腰気味の方は背中にやはりハンカチを忍ばせたりといった一工夫で、より着崩れしにくく、着姿もスッキリしますが、成人式の振袖の着付けのようなガチガチの補正は、普段着の着物には必要ないと考えます。

普段着の着物は袖も短めで、帯結びももっとシンプルですから、胸や腰の凹凸を完全に潰して寸胴体型をつくらなくとも、着崩れの心配はさほどありません。

実は重要!長襦袢の着方

まずは長襦袢の着付けです。

着物の着姿は長襦袢で決まるといっても良いくらいで、衣紋えもんの抜き具合(うなじをどのくらい見せるか)を決めたり、ダブつきや皺のないスッキリしたシルエットをつくったりと、非常に重要なプロセスです。

とはいえ着方の手順は決して難しいものではなく、たった4ステップで完了します。

① 衣紋を抜く
② 左右の衿を合わせる
③ 伊達締めを締める
④ 皺をとる

紋を抜く

衣紋の抜き具合は、肩甲骨の高さくらいが目安です。

ほとんど衣紋を抜かずに、首に添わせるようにして着るのも、それはそれで有りです。

1950年代くらいに流行した着方で、小津安二郎おづやすじろう映画や、中原淳一のスタイルブック等を見ると、たいてい衿元をキリッと詰めています。ちょっとボーイッシュなイメージです。

右の衿を合わせる

正面から見たときの左右の衿合わせは、喉のくぼみ辺りを基準に、もっと深めのV字にすると粋な感じ。

柄ものの半襟をたっぷりと見せたいときは、逆にしっかりと合わせます。

いずれにせよ、衿先がバストトップを覆うようにすると着崩れしません。

達締めを締める・皺をとる

伊達締めはあとで緩んでこないよう、しっかりと締めます。

端の処理は蝶結びや固結びをしても良いのですが、結び目がゴロゴロしたり、みぞおちに食い込んで痛くなるのを防ぐため、二回からげるだけにします。

絡げたあとに交差して、端を挟み込んでしまえば、緩んでくる心配はありません。

着物(長着)の着付け方法

続いて着物の着付けです。着物の着付けは、次の7ステップで完了します。

① 衿を添わせる
② 裾丈を決める
③ 腰紐を締める
④ 衿元を整える
⑤ 胸紐を締める
⑥ 皺をとる
⑦ 伊達締めを締める

を添わせる

まず先ほど整えた長襦袢の衿を崩さないよう、背中から静かに着物を羽織ったら、衿を長襦袢に添わせます。

このとき、着物の衿はあらかじめ幅を半分に折っておきます。

多くの場合、着物の衿にボタンが付いているので、着る前に留めておきましょう。

長襦袢と着物の衿がぴったりと重なったら、ズレないようにピンで留めておきます。

丈を決める

裾丈はくるぶしが隠れる程度が目安で、それより短いと子どもっぽい印象。

長すぎると歩きづらくなります。

裾丈を決める際は、衿先を持った腕を「前へならえ」のようにまっすぐ伸ばして、たくし上げた裾を少しずつ下ろしながら、ちょうど良い位置を調節します。

着物の裾は体の線に沿って、タイトにすぼまったシルエットが美しいので、着物を体に巻きつけたら、下前(内側に入る方)の裾をちょっと持ち上げて「裾窄まり」をつくります。

このとき片足を引いて、裾を踵で踏みながら着物を体に巻きつけていくと、自然に「裾窄まり」ができ、裾丈もちょうどよく決まります。

腕はずっと伸ばしたまま、なるべく着物がピンと張った状態で巻きつけていきましょう。

左右の身頃の合わせ方は、上前のおくみ線(打ち合わせ部分)が右足の小指の位置に来るように。

すると下前が余りますが、隠れて見えないので、折り返してしまえばOKです。

紐を締める

巻きつけた着物は腰紐で固定します。

腰紐を結ぶ位置は、ウエストではなく腰骨のすぐ上に。

ウエストで締めると必要以上に締まりすぎてしまい、あとで苦しくなりがちです。

結び目はお腹の中心ではなく、脇腹の方に寄せるとゴロゴロしません。

元を整える

衿元は、半襟が人差し指の第一関節〜第二関節くらい見えるようにするのが標準ですが、白い衿をごく細く見せるのも粋な感じで良いですし、色柄の華やかな半襟はたっぷりと出したいもの。

たとえば五千円札の樋口一葉を見ますと、花柄の半襟を幅広に出しています。

明治・大正の頃は、このように柄ものの半襟を大胆に覗かせた着こなしが流行していました。

大正ロマン風の着こなしがお好みの方は、柄ものの半襟を広めに見せると雰囲気が出ます。

また衿元を整える際、一緒におはしょりも綺麗に処理しておきましょう。

身八つ口(着物の脇下に開いている穴)から手を入れて、背中からお腹側へと手刀を切るようにピンと伸ばしていきます。

正面は下前と上前の布が重なっていると、モコモコして見栄えが悪いので、下前は三角に折り上げてしまいます。

紐を締める・皺をとる・伊達締めを締める

整えた衿元を胸紐で固定したら、背中の皺を脇へ寄せます。

余った布のダブつきは、脇の縫い目でタックをとり、その中に入れ込んでしまいましょう。

タックの折り目は伊達締めで押さえます。

また、伊達締めは帯の下から見えるおはしょりのラインを形よく決めるのに役立ちます。

帯の下から見えるおはしょりの幅は人差し指くらいが目安で、それより幅広になると胴長に見えてしまいます。

自然のままだとおはしょりが長すぎる場合でも、たくし上げて伊達締めで押さえてしまえば良いわけです。

布の重なりが補正の代わりになり、着崩れを防いでくれるというメリットもあります。

おわりに

これで長襦袢・着物の着付けは完了です!

あとは帯を締めるだけ。

ここまで見てわかるとおり、実は帯には着物を押さえたり、縛ったりする役割は無く、着物それ自体は腰紐や伊達締めで着付けられています。

帯はそれらの着付け道具を隠す装飾の意味合いが強いのですね。

帯結びはさまざまなバリエーションがありますが、中でもポピュラーな名古屋帯のお太鼓結び・銀座結びなどが簡単にできます。

この記事を見ながら、ぜひ着付けにチャレンジしてみてください。

帯結びはさまざまなバリエーションがありますが、中でももっともポピュラーなのが、名古屋帯の「お太鼓結び」や「角出し」です。

カジュアルなシーンや、浴衣に合わせるのであれば、半幅帯の「カルタ結び」も軽やかで良いですね。

これらの帯結びを、着物初心者の方でも簡単に結べる方法を、こちらの記事で紹介していますので、よろしければぜひ併せてご覧ください。

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