日本酒には種類がたくさんあります。

そのため、日本酒を飲みたいと思った時、どの日本酒を選べばよいのか迷ってしまう初心者の方も多いのではないでしょうか。

今回はそんな初心者の方向けに、ラベルの見方や日本酒の選び方のポイントなどをご紹介します。

ラベルとは?ラベルから分かる酒の素顔

日本酒が一体どんな原料を使ってどんな味わいなのか、飲む前に知ることができれば選びやすくなるはずです。

そのヒントとなるのが日本酒の瓶に貼ってあるラベルです。

ラベルにはお酒の名前や原料、精米歩合、日本酒度などそのお酒の様々な情報が記されています。

いわばラベルは日本酒のプロフィールが詰まっています。

これを読み解くことで、「このお酒が一体どんな味なのか?」ある程度イメージすることができます。

まずは、日本酒の素顔をひも解くラベルの内容についてご紹介します。

ラベルは大きく表側に貼ってある表ラベルと裏側にある裏ラベルがあります。

表側にはボトルの肩の辺りにたすき掛けなどに貼られた「肩ラベル」と中心から下側にかけた胴の部分に大きく貼られた「胴ラベル」があります。

表のラベルは日本酒の顔

肩ラベル
酒のタイプなどアピールしたいことが記されていることが多い。

胴ラベル
酒の銘柄や本醸造酒など特定名称酒、あるいは生酒などの製法、蔵元などが記されている。

裏のラベルをみると日本酒の味がわかる!?

重要なのは「裏ラベル」です。

ここには「原材料名」「製造時期」ほか、表示を定められている項目や具体的な味のヒントになる情報が表記されています。

原材料名
酒の材料となるお米・米麹、醸造アルコールなどを記載。米の品種を記しているものもあります。
 
アルコール度数
酒100mlに含まれるアルコールの量。
度で記されます。
数値が高いほど強い酒になり、日本酒は基本的に22度未満です。

精米歩合
原料米の磨いた量を数値化したもの。
残った部分の割合が精米歩合です。
数値が小さいほどお米が多く削られていることになります。
この記載は特定名称酒のみ。

日本酒度
日本酒の甘口、辛口の目安になる数値です。
水の比重を0とし、水より重ければマイナス、水より軽ければプラスで表示します。
水より重いということはその分糖分を含んでいるため、マイナスは糖分が多く甘口、プラスは糖分が少なく辛口を表しています。

酸度
日本酒に含まれる酸を数値化したもの。
酸は日本酒の味を引き締めるため、酸度が高いと濃厚で辛く感じ、低いとキレがなく淡く感じます。
平均酸度は1.1~1.5前後。

アミノ酸度
アミノ酸の量を示すもの。
味の濃淡やうま味の濃さの目安になります。
アミノ酸度が高いほどうま味が強くなりますが、多すぎると雑味を感じます。
(表記されていない場合もあり)

使用酵母
酵母の種類。

製造年月日
日本酒を瓶など容器につめた年月。

ラベルには日本酒の味も数値化して表示されていることが分かります。

また、「やや甘口」など、より分かりやすく表示しているお酒もあります。

では次にラベルを見てどう選べばよいのか見ていきましょう。

日本酒ビギナーがお好みのお酒を見つけるには?

ラベルで選ぶ

目の前に日本酒がずらりと並んでおり、その中から自分でじっくり選びたい人は、ラベルを見て、その内容を参考にお酒を選んでみましょう。

お酒の種類
まずはお酒の種類を確認しておきましょう。

清酒は原料や精米歩合により、

・吟醸酒
・純米酒
・本醸造酒
・普通醸造酒

の4つに大きく分けられます。

材料に米と麹、水だけを使った純米酒は米の風味が豊かで濃醇でコクがあります。

本醸造酒は醸造アルコールを加えた清酒で、飲み口がシャープで、淡麗ですっきりした味です。

普通醸造酒は本醸造酒より少し多めに醸造アルコールを加えたもので、糖類や酸味を加えたものもあります。

これは軽快な風味が特徴です。

吟醸酒は十分に精米したお米を使い、吟醸造りで丁寧に作られた高級酒で、フルーティ な香りとなめらかな口当たりが特徴です。

【豆知識】
日本酒の香りを伝える際に、「フルーティ」と表現することがあります。

確かに、フルーツのような香りがする日本酒がありますが、日本酒の原材料は米と水だけ。

では、なぜフルーツの香りがするのでしょうか?

日本酒のフルーティーな香りを吟醸香ぎんじょうか(ぎんじょうこう)と言います。

この香りは「カプロン酸エチル」や「酢酸イソアミル」といったりんごやメロンなどフルーツにも含まれているのと同じ芳香の成分です。

これは精米歩合が高いよく磨かれたお米を低温で長く発酵させることで生成されます。

この技法を吟醸造りといいます。

甘辛と酸の関係

日本酒の味を知るためには、ラベルの酸度と日本酒度(甘辛)を確認しましょう。

日本酒度は、甘口かそれ以外の辛口かを判断する目安になります。

ラベルの表示は、マイナスが甘口、プラスが辛口です。

一般酒が+3.7、吟醸酒が+3.6、純米酒が+4.4、本醸造酒が+4.5が平均値です。
(国税庁 平成29年度全国市販酒類調査より)

ただし、お酒の味は単純ではありません。

味は飲む人の味覚や含まれている「酸」との相対的なバランスによっても変わります。

酸度が高いほど日本酒の味は辛く濃く感じます。つまり、同じ日本酒度でも、酸度が高いと辛く感じるというわけです。

酸と日本酒度の組み合わせで言えば、おおよそ次のような味の傾向になります。

濃醇辛口
酸度は高、日本酒度は高。コクとキレがある味

濃醇甘口
酸度は高、日本酒度は低。コクのあるまろやかさ

淡麗辛口
酸度は低、日本酒度は高。やさしい味

淡麗甘口
酸度は低、日本酒度は低。あっさり、ソフトな味

精米歩合

精米歩合もお酒の香りや味の参考になります。

お米を多く削ると上品な香りで、雑味のないすっきりした味わいに、少ないとどっしりした濃厚な味になります。

ちなみに、原料米によっても味が異なります。

例えば、有名な「山田錦」は豊穣で香り高いお酒、「美山錦」はやさしい味わいのお酒になります。

ラベルをヒントに日本酒を選ぶ場合、種類のほか、酸と日本酒度で味や香りの印象を判断し、精米歩合なども参考にすればよりイメージも膨らむでしょう。

香りと味わいで選ぶ

好みの香りや味から大まかな種類を選ぶこともできます。

香りと味わいで大きく4つに分かれます。

香りが華やかで濃醇
力強く複雑な香りでとろりとした飲み口。
純米吟醸生酒など。

華やかで淡麗
フルーティーのような香りで爽快な味わい。
大吟醸酒、吟醸酒など。

香りが穏やかで濃醇
旨味を感じさせる香りとコクのある味わい。
純米、純米吟醸酒など。

穏やかで淡麗
穏やかな香りで、清涼感がありすっきりとした口当たり。
本醸造酒、普通酒など、淡麗辛口など。

例えば、香りが高く、すっきり系が良いのであれば大吟醸か吟醸酒がおすすめということになります。

居酒屋や酒屋では好みの香りや味を伝えて、お店の方にオススメの銘柄を出してもらうのも良い方法です。

初心者にオススメの日本酒

初心者の方向けにオススメの種類は、(様々な考えがありますが)、お米の甘さや香りをダイレクトに感じられる純米酒です。

とくに純米吟醸酒は、雑味もなく味と香りのバランスがよくなめらかな日本酒が多く、飲みやすく感じるはずです。

甘さと辛さは中間ぐらいで、淡麗辛口よりのものが飲みやすいでしょう。

また、最初は冷やか冷酒がオススメです。

【番外編】日本酒のお値段は?

日本酒を選ぶ判断基準の一つに値段もあるでしょう。

お酒の値段はピンからキリまであり、高いお酒が良いのか、安いお酒でもおいしいのか、悩むところです。

この値段の違いのほとんどは、米の種類と精米歩合の違いが理由です。

お米を多く削ったものは、発酵にも時間がかかり、材料費や製造の費用がかさみます。

そのため、おおまかに精米歩合の高い順に値段が高くなります。

純米吟醸酒を筆頭に、大吟醸酒、純米吟醸酒、吟醸酒の順に安くなり、精米歩合が同じものは純米系が醸造系より高めです。

これに製法や酒米の種類なども加わり価格が違ってきます。

ちなみに高いお酒と安いお酒の味の違いは、高いお酒は香りが豊かで雑味が少なくすっきりしています。

それに対して安いお酒は雑味があり、香りものっぺりしている傾向です。

ただし一概に高いから良い、安いから悪いともいえません。

好みは人それぞれ。自分の適正価格を決めて、好みやシチュエーションに合わせて飲むことが大切です。

なお、安いお酒は、お燗にすると悪い部分が引き出される可能性があります。

おわりに

日本酒のプロフィールともいうべきラベルと、お酒の選び方についてご紹介しました。

今回の紹介はあくまでも酒選びの最初の一歩。

例えば純米吟醸酒にも様々な銘柄があり、味も違います。

飲む温度によっても味が変わります。

基本を参考にしながらも、いくつものお酒を飲み比べて、少しずつ自分が気に入るお酒を選び出していくのが一番です。