組香は数種類の香を組み合わせ、歴史や文学といったテーマを表現するものを聞き分ける、香道では今日もっともよく行われている遊びです。
組香の代表的なものが十種香であり、これに用いる各種用具を十種香道具といいます。
十種香は下記の通りです。
・白檀
・沈香
・蘇合
・薫陸
・鬱金
・青木
・白膠
・零陵
・甘松
・鶏舌
今回は十種香道具のなかでも、志野流で使用されている主要な道具をご紹介します。
主な香道具
聞 香炉
聞香炉とは、香を聞く(嗅ぐ)ための香炉です。
表面に緑色の釉を表面にほどこした陶器である「青磁」や、素焼きした焼き物に色をつけた「染付け」が多く、まれに金粉・銀粉などで漆器の表面に絵模様をつけた蒔絵木製もあります。
2つ1セットで用いられ、三脚という決まりがあります。
直径6~7㎝、高さ7~8㎝の筒形です。
香 包・志野折
香包は小片にした香木を包む竹紙または和紙を畳紙にしたものです。
大きさは横2㎝、縦4㎝のごく小さいもので、試香包と本香包があります。
試香包は組香が行われる前に名前を明らかにして香をたく試香で使用され、本香包は組香の本番で使用されるものです。
志野折は香包を入れるもので、表の金地には春秋の花と尾長鳥の絵が描かれています。
銀 葉・銀葉盤
銀葉は雲母でできた板に銀の縁取りをしたもので、香炉に埋めた炭団の上に乗せ、香木を間接的に加熱するための道具です。
炭団は炭の粉を丸めて固めた燃料です。
銀葉盤は銀葉を載せる台で、漆塗りや唐木製などがあります。
梅・菊・桜などをかたどった貝あるいは象牙製の菊座の上に銀葉を載せます。
菊座は菊の形をした小さい皿です。
火 道具・香筋建
火道具は灰や銀葉、香木等を扱う七種類の道具で、七ツ道具とも呼ばれます。
香筋建は火道具を納めておく筒で、流派によって火道具の納め方に一定のルールがあります。
銀 葉箱
志野流で銀葉を入れておくために使う桑製の箱です。
御家流では重香合を使います。
重香合は銀葉などを入れる三十の箱です。
乱 箱
乱箱とは、御家流では全体に金粉が蒔かれた梨地または蒔絵、志野流では桑生地で作られた香道の道具を入れておくためのお盆です。
香道とは、東南アジアで産出される天然香木である沈香の香りを楽しむ日本独自の芸道です。
ですが、あまり馴染みのない方も多い香道。
今回は、そんな香道の基本をご紹介します。
その他の香道具
香 札
香札は、組香で香を聞いた結果を答えるときに用います。12枚が10客分で1セットです。
名 乗紙
名乗紙は別名手記録紙ともいいます。
香札を使用しない組香のときに使う、連衆(香会の出席者、客)が答を記入する紙です。
はがきくらいの大きさのものの横位置を縦に四つ折り、さらに頭部を折り返して表に名前、中に答を記して香本に渡します。
打 敷
打敷は絹や織物を使った額縁仕立ての敷物で、御家流では畳の上に直接敷きます。
志野流では使われません。
地 敷
地敷は八つ折りの厚紙に金銀の箔を裏表に貼った敷物です。
香元が手前をするときに香道具を並べます。
香 炭団
香炭団とは直系2㎝ほどの小さな筒形の炭です。
香炉の灰にうめて香木を加熱するために使用します。
香道の道具が買えるオススメのお店
香 雅堂
伝統的な香道具だけでなく、お線香やにおい袋など、香りに関する商品を多数取り扱っています。
その他にも、香道の体験教室を開いたり、化粧品やお酒などの商品開発も行っています。
さまざまな形で香りを楽しむ方法を提案しているお店です。
香 源
昭和12年創業の老舗の香道具店です。
お香・線香・香木・お数珠を専門に扱っており、お香やお線香の種類は和風洋風含めて、なんと5000種類以上。
さらに、は20年以上前からオンラインショップにも力を入れおり、お香やお線香の香りの特徴を一つ一つ丁寧に解説しています
ワゴコロ編集部による、東京都中央区銀座にあるお香専門店「香源」さんでの“手作りお香体験”レポートです。
日 本香堂
こちらも老舗で2025年には創業450年を迎えます。
現在は銀座に本社を構えていますが、昔は京都を拠点としていました。
独自の調合技術は、豊臣秀吉や徳川家康にも愛用され、、新しい香りの取り入れも積極的に行ってきました。
国外から取り寄せた漢方薬を香に使用する等、グローバルに展開する片鱗が既に当時からみられたそうです。
おわりに
香道を体験される際は、ぜひ香道具の一つひとつにも注目してみてください。
香道具には金工、陶磁、漆工、木工など日本独自の工芸技術が用いられ、単に香道で用いる道具というだけでなく、伝統工芸品としての高い価値も有しています。
香道具ひとつとっても、芸道として昇華された平安時代から脈々と受け継がれ、その時代その時代の最高峰の工芸技術を取り入れてきた歴史を垣間見ることができるでしょう。
香道とは、東南アジアで産出される天然香木である沈香の香りを楽しむ日本独自の芸道です。
ですが、あまり馴染みのない方も多い香道。
今回は、そんな香道の基本をご紹介します。
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