広大な敷地と豊かな自然に囲まれた明治神宮。
正月シーズンはもちろんのこと、結婚式や七五三、お宮参りなどで、毎年多くの人が訪れる大人気の神社です!
最近では東京屈指のパワースポットとしても人気を集めており、本殿以外にもたくさんの見どころが注目されています。
当記事では明治神宮で大人気のパワースポットや歴史、ご利益、御朱印などについて詳しくご紹介します♪
明治神宮とは
明治神宮は第122代・明治天皇と、明治天皇の皇后である昭憲皇太后をお祀りしている神社です。
お二人が仲睦まじい夫婦であったことから、恋愛成就や縁結び、家内安全にご利益があるとされています。
神社といってもただの神社ではなく、初詣の参拝客はなんと例年日本一!
お正月の三が日には300万人前後の参拝客が訪れます。
敷地内には全国から寄贈された約10万本の木が植えられており、都心とは思えないぐらいの自然豊かな環境から「都会のオアシス」と呼ばれることも。
平成24年(2012年)にはミシュランによる「日本の3つ星観光地20選」に選ばれ、現在も国内外から多くの観光客が訪れています。
明治神宮の歴史
明治神宮はほかの神社仏閣に比べて歴史が短く、創建されたのは今から約200年前のことです。
まずは創建から今日までの歴史について簡単にご紹介します。
明 治神宮創建の経緯
明治45年(1912年)に明治天皇が、その2年後の大正3年(1914年)に皇后の昭憲皇太后が崩御されました。
これを受け、国民からご神霊を祀る神社の創建を望む声が沸き起こり、明治神宮創建の計画が始動します。
明 治神宮と永遠の杜が完成
明治神宮の創建計画が進み、神社は生前に陛下と縁があった代々木に建てられることに。
しかし、当時この辺りはほとんどが畑で、土地がすっかり荒れ果ててしまっていたため、明治神宮の創建にはまず土地を整備することから始めなくてはなりませんでした。
そこで政府は“明治神宮造営局”を発足。
人々が静かに祈りを捧げる「永遠の杜」をつくるために、森林設計のスペシャリストである本多静六、本郷高徳、上原敬二らが集められました。
そして専門家たちは東京の環境状況を考慮した上で、永遠の杜を構成する木に照葉樹を選びました。
ところがこの結論に対し、当時の総理大臣であった大隈重信と意見が対立してしまいます。
大隈重信は永遠の杜を伊勢神宮や日光東照宮のような杉林にするよう命じましたが、林苑関係者は猛反対。
粘り強く説得し、ようやく照葉樹を植えることに納得してもらったのでした。
加えて、工事には全国から集まったのべ11万人の青年たちが勤労奉仕を行ったそうです。
そうして多くの人々が協力し合い、大正9年(1920年)、ついに国民が望んでいた明治神宮が完成しました。
第 二次世界大戦と明治神宮
完成からしばらく経った昭和20年(1945年)、太平洋戦争によって明治神宮は本殿などの主要建物が全焼してしまいます。
しかし幸いにも、永遠の杜は大きな被害が出なかったことが記録されています。
それこそ杉のように燃えやすい針葉樹ではなく、照葉樹を植えていたおかげかもしれません。
その後、復興造営のための寄付金が国内外から集まり、昭和33年(1958年)に再び元の姿を取り戻しました。
平 成から令和へ
時は流れ、平成5年(1993年)に平成の御大典記念事業として境内に神楽殿を造営、さらに平成14年(2002年)には明治天皇の生誕150年を記念し、社務所が新しく建てられました。
また平成23年(2011年)からは、きたる令和2年(2020年)の鎮座100年に向けた記念事業の一環として、明治神宮の境内に棲む生物や樹木の調査が行われてきました。
100年の時を経て、木々が大きく成長したこと、さらに新種や絶滅危惧種などを含む約3000種もの生物が確認されたことは大きな話題となりました。
明治神宮の祭典
明治神宮では、元旦に行われる歳旦祭から大晦日に行われる除夜祭まで、毎月必ず祭典が行われます。
中でも代表的なのが崇敬者大祭(春の大祭)・人形感謝祭・例際(秋の大祭)です。
崇 敬者大祭(春の大祭)
その名の通り、明治神宮崇敬会の会員が参列して行われる大祭です。
当日は崇敬者の人々によって神事が執り行われ、神前の特設舞台で能・狂言・舞楽・雅楽・三曲などの伝統芸能が披露されます。
舞台の周りには誰でも自由に拝観できる席が設けられていますが、大祭はゴールデンウィーク中に行われるため、席がすぐに埋まってしまう可能性があります。
興味がある方は午前のうちに行くのがオススメです!
人 形感謝祭
人形感謝祭は、古くなったり壊れたりした人形を持ち寄り、納めてもらうお祭りです。
「人形には魂が宿る」という日本の言い伝えから、人形をどうしても捨てられずにいる持ち主に代わり、神社が人形の魂をお祓いし、感謝の気持ちを込めて納めてくれます。
平成元年(1989年)より始まった行事で、今ではすっかり秋の風物詩となっています。
例 際(秋の大祭)
例祭は神社で行われる大祭のうち、最も重要とされる行事を指します。
明治神宮では明治天皇の誕生日である11月3日に例祭が行われ、当日は流鏑馬※や古武術など、春の大祭とはまた違う日本の伝統文化に触れることができますよ♪
※流鏑馬:馬の上から矢を的に射る武術
明治神宮でパワースポット巡りをしよう!
最近では東京屈指のパワースポットとしても話題を集めている明治神宮。
せっかく参拝に行くのなら、ぜひパワースポット巡りもしてみませんか?
ここでは明治神宮で人気のパワースポットをご紹介します!
清 正井
戦国時代の武将・加藤清正が掘ったことから名付けられた「清正井」は、明治神宮の中でも特に有名なパワースポットです!
穢れのない水が絶えることなく出てくることから、悪い気を浄化してくれる効果があるとされています。
ただし、風水的に見ると清正井はパワーが陰と陽ではっきり分かれる“陰呼”の場所にあり、陰の気が強い雨の日や夕暮れ時は悪い気をもらいやすいと言われています。
清正井を見に行く際は、時間帯や天候に注意しましょう!
鎮 守の杜
「鎮守の杜」とは神社の本殿や参道、拝所を囲む森林のことです。
明治神宮を囲む森林は前述の通り、100年以上の年月を経て大きく成長しています。
そういったことから、明治神宮の鎮守の杜には自然の生命力や癒しのパワーが宿っており、訪れるだけでご利益にあずかれるとされています。
大 鳥居
原宿駅・明治神宮前駅を出てすぐ、南参道を歩いた先にある「大鳥居」は、鎮守の杜と同様に、自然の生命力が感じられるパワースポットとして知られています。
こちらの大鳥居は高さ12m・柱間9.1m・柱の直径1.2mと、木造の明神鳥居としては日本一の大きさを誇ります。
鳥居の上には皇室のご紋“十六葉八重表菊”も見られますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
夫 婦楠
本殿の前にある2本の楠は、それぞれが支え合うように立っていることから「夫婦楠」と名付けられました。
ご祭神である明治天皇と昭憲皇太后が大変仲睦まじい夫婦であったことも関係しており、この夫婦楠は恋愛成就や良縁などの縁結びにご利益があるパワースポットとして人気を集めています♡
本 殿
鎮守の杜や清正井、夫婦楠など、境内のあらゆる場所がパワースポットとなっている明治神宮。
その中心となる「本殿」には、明治神宮全体のパワーが集結していると言われています。
なお、参拝の際は本殿の前にある拝殿から拝礼を行います。
亀 石
「亀石」は、宝物殿からすぐ近くの北池前にある、亀の形をした石です。
亀の寿命が長いことから、健康や長寿のパワースポットとして人気を集めています。
亀石は実際に触ることもでき、頭の部分はとくに強いパワーがあると言われています!
亀は風水上、金運や幸運の象徴ともされているので、散策途中に見つけた際はぜひ触ってみてはいかがでしょうか?
桝 形
「桝形」は大鳥居をくぐって本殿へ向かう途中にある曲がり角のことで、知る人ぞ知る明治神宮の隠れたパワースポットです!
曲がり角は本来90度に曲がっているものですが、桝形の角度は88度となっており、この数字が末広がりの8を連想させることから縁起の良いスポットとなっているようです。
明治神宮はパワースポット以外にも見どころ満載!
明治神宮の見どころはパワースポットだけではありません!
広い境内には、ほかにもチェックしておきたい見どころが満載です。
明治神宮を参拝するなら、これから紹介するスポットもぜひ見てみてくださいね♪
明 治神宮ミュージアム
「明治神宮ミュージアム」は、鎮座100年祭記念事業の一環として建てられた施設です。
令和元年(2019年)10月に開館したばかりで、施設内には明治天皇・昭憲皇太后ゆかりの品を数多く展示しています。
歴史の教科書に載っている明治天皇の肖像画もこちらでご覧いただけます。
宝 物殿
「宝物殿」は、明治神宮ミュージアムが建てられる前に明治天皇・昭憲皇太后ゆかりの品を展示していた建物です。
明治神宮が完成した翌年の大正10年(1921年)10月末に建てられ、平成23年(2011年)6月には国の重要文化財に指定されました。
現在は屋根の修復ならびに重要文化財保存のための耐震工事の関係で、しばらくの間閉館しています。
明 治神宮御苑
江戸時代は加藤家、井伊家の下屋敷の庭園、明治時代は宮内省の所轄となっていた場所が「明治神宮御苑」です。
宮内省の所轄となってからは、明治天皇が昭憲皇太后のために遊歩庭園を造り、花菖蒲(はなあやめ)を植えたとされています。
現在では6月前後になると、咲き競う約150種の花菖蒲を思う存分堪能できます♪
神 楽殿
平成の御大典として平成5年(1993年)に造られた建物で、初宮や七五三などの祈願を行っている場所です。
こちらで行われる神楽舞は明治神宮独自の舞で、祈願祭の時にご覧いただけます。
なお、祈願祭は5,000円から申し込み可能です。
※詳細は公式サイトをご確認ください。
ワ イン樽
南参道から本殿へ向かう道中には、たくさんの「ワイン樽」が飾られています。
これは西欧文化を積極的に取り入れていた明治天皇が、生前ワインを好んで飲んでいたためです。
奉納されているワイン樽はフランスのブルゴーニュ地方などから貢献されたもので、ロマネ・コンティ、シャンベルタンなど、ワイン好きにはたまらない銘柄がたくさん!
参道の反対側にある日本酒樽と併せて、ぜひ眺めてみてくださいね♪
c afé杜のテラス
参拝後に立ち寄りたいのが、再生・循環をテーマにしたカフェ「杜のテラス」。
店内のカウンターやテーブルには、明治神宮御造営時の献木の枯損木が使われており、杜との一体感が感じられるような造りになっています。
こちらではコーヒーやお茶のほか、渋谷区限定の渋生ビールも堪能できますよ!
明治神宮のご利益アイテム
御 朱印
御朱印を集めているなら、明治神宮の御朱印はぜひとも手に入れたいところ。
明治神宮の御朱印はご祭神の明治天皇・昭憲皇太后にちなみ、皇室の紋章である菊と桐の紋章が入っており、とてもシンプルな見た目です。
こちらは神楽殿で初穂料500円を納めて頂くことができます。
また、明治神宮にはオリジナルの御朱印帳もあります。
初穂料は1,000円で、御朱印帳には既に御朱印が描かれているため、これから御朱印集めを始める方にもオススメです!
※詳細は公式サイトをご確認ください。
お 守り
明治神宮には境内の楠の香りを含む「相和守」 や、勉強机などに置ける神殿型のお守りなど、さまざまなお守りがあります。
中でも有名なのが、境内で剪定された木の一部を使って作られる「こだま」というお守りです。
開運を呼ぶ木鈴のお守りで、白木と漆塗りの2種類がありますが、木目や音色は1つ1つ異なるため、自分だけのご利益アイテムが欲しい方にオススメ♪
お守りは授与所にありますが、こだまは数に限りがあるため、売り切れていることも。
祭事や初詣の時期は早くに売り切れてしまう可能性があるので注意しましょう!
お みくじ
「大御心」と呼ばれる明治神宮のおみくじは吉凶ではなく、明治天皇と昭憲皇太后によって作られた和歌が記されているのが特徴です。
おみくじに記されている和歌は、93,032首ある明治天皇の歌、27,825首ある昭憲皇太后の歌の中から、人と人との秩序関係や道徳に関する教訓的な歌が15首ずつ、計30首選ばれています。
外国からの参拝者が増えてきた昨今では、和歌の解説文に加え、英訳も記されています。
明治神宮の参拝時間・アクセス・駐車場
参 拝時間
明治神宮は開閉時間を日の出・日の入りに合わせているのが特徴です。
そのため、参拝時間も月によって異なります。
冬季は開閉時間が短くなるので、参拝する方は時間をしっかり確認しておきましょう。
なお、明治神宮は年中無休となっています。
※参拝可能時間は変更となる場合がございます。詳細は、公式サイトをご確認ください。
明 治神宮までのアクセス
明 治神宮に駐車場はある?
明治神宮には無料の駐車場がありますが、連日多くの参拝者が訪れるため、混雑状況によっては入苑できない場合もあります。
また、入苑できるのは代々木口のみで、参宮橋口・原宿口からは入れません。
駐車場を利用できるのは明治神宮で結婚式を挙げる人や参拝者に限られていますので、参拝に加えて観光も考えている方は近くの駐車場を利用しましょう。
おわりに
明治天皇の崩御後、国民の希望によって創建された明治神宮。
広い敷地内には魅力溢れる名所がたくさんあり、100年の時を経てもなお多くの人に愛され続けています。
見どころがたくさんあるため、各スポットを巡っての参拝はかなり時間がかかりますが、その分たくさんの感動を味わうことができ、充実した時間を過ごせること間違いなしです!
歴史を感じながらぜひ参拝・散策を楽しんでみてくださいね。
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