水やり(灌水)の注意点

の土面に注意

一般的に初心者が盆栽に水やりをする際の注意点は、鉢の土面の状態を観察しながら水やりをすることです。

鉢土の表面は、季節、天候、陽当たりや風通しなど、自然の状況によって異なります。

そのため、常に鉢土の表面の状態に注意をしながら土面が乾燥し始める前に、樹種や鉢の大きさに合わせて水やりをしなくてはいけません。

また、寒い冬でも土面は乾燥するので水やりをしますが、かけた水が土中で凍らないように水やりは午前中に行うことが大事です。

鉢に注意

深鉢の盆栽に水やりをする際、鉢底から水か流れ出て来るまで水をあげましょう。

盆栽の水やりは鉢の大きさによって異なりますが、深鉢に植えられている盆栽は鉢底の部分が乾燥している場合が多いのです。

しかし、初心者は意外と気づかないことが多く、盆栽に水が不足しているという状況におちいりやすい傾向にあります。

そのため、鉢底から水か流れ出ていることを確認しながら水やりをしなければなりません。

雨と冬の時期に注意

梅雨時期の水やりでは、鉢土の状態を見ながら水やりをしましょう。

特に初心者は梅雨の水やりに迷うことが多いです。

梅雨の雨休みの時でも鉢の土面が湿っていることが多いので、盆栽の初心者の方の中には、水やりが必要ないと思っている方もいるかと思います。

しかし、見えないだけで鉢底が乾いている場合もあるので、水やりは鉢土の状態をきちんと見ながら行わなければなりません。

また、夕立やにわか雨が降った後の水やりも梅雨の時期と同様に注意が必要です。

雨が降った後は、雨水によって鉢土の表面だけが濡れている場合が多いですが、これも梅雨の時期と同じように案外鉢底は乾いていることが多く、よく観察してみずかけをするか判断しましょう。

そしてもう一つ、梅雨と同じくらいに注意してほしいのが冬の時期。

気温が低い冬の時期であっても水やりは必要です。

また、特に冬は空気が乾燥しているので、それに合わせて土も乾燥している場合が多々あります。

そのため、特に注意して毎日かかさず鉢土の状態を見ながら水やりをしましょう。

えてはいけない水に注意

盆栽には、実は与えてはいけない水があるをご存知でしょうか。

盆栽の水やりに適している水は、一般的に綺麗な井戸水や水道水などです。

しかし、汚水や塩分、金属成分などが多く含まれている水は、盆栽に与えてはいけない水です。

これらの水は盆栽の成長に影響を及ぼすため、与えることは避けましょう。

また、気温が低いからといって冬の寒い時期に熱湯を盆栽にあげる盆栽初心者が時々います。

しかし、一般的な木と同じく、熱湯は盆栽を枯らせてしまうため、一番与えてはいけない “水”です。

置き場所の注意点

き場所選びの注意点

盆栽の置き場所選びの注意点は、「風通しや陽当たりの悪い場所」や「目の届きにくい不便な場所」を避けることです。

また、西日が当たる場所で勢が弱っている盆栽を管理することも避けた方が良いです。

「風通しや陽当たりが悪い場所」で盆栽を管理していると、鉢土の水はけが悪くなって根腐れを起こしたり、病虫害が発生したりしてしまいます。

また、「目の届きにくい不便な場所」で盆栽の管理をすると、水やりを忘れたり、ちょっとした樹の変化にも気付きにくくなったりしてしまいます。

また、不便な場所で盆栽管理を管理すると水やりや管理作業がしにくくなってしまいます。

初心者は盆栽の鉢数も少ないので、盆栽の置き場所を選ぶ際はできるだけ風通しや陽当たりが良く目の届きやすい便利な場所を選んで、盆栽を管理することが大事です。

内で置く場合の注意点

室内は盆栽には不向きなので、できるだけ室内での盆栽管理は避けることです。

室内は盆栽に日光や風が直接当たらないので、樹が日光不足になって、樹株、葉、幹、枝などが乾燥したり、炭酸ガスが不足したりして樹勢を弱らせてしまうので、初心者が室内で盆栽管理をすることは避けた方が無難です。

夏の冷房が効いている室内で盆栽を長く管理すると、盆栽の樹にとって大変大きなダメージを与えてしまいます。

そのため、たとえ数時間であっても避けた方が無難です。

また、冷暖房が効いていない冬の室内でも長きに渡って盆栽の管理をすることも樹に負担がかかるので避けた方が無難です。

自分の育てている盆栽は、来客が来た時など室内に飾って見せたくなるものですが、できるだけ盆栽に適した屋外の置き場所で盆栽管理をすることが大事です。

また、どうしても室内に盆栽を置きたい場合は短時間だけ置いて、夜になったら必ず屋外に出して外気に当てることが大事です。

き方に注意

盆栽の「置き場所選び」は盆栽管理をする上で注意が必要ですが、盆栽“鉢”の「置き方」も同じように注意が必要です。

盆栽鉢の置き方で一番に注意すべきなのは、盆栽鉢を地面の上に“直に”に置かないということ。

長い間地面の上に鉢を直に置いていると、雨風によって地面から泥が跳ね上がって幹や枝、葉を汚してしまったりするので、(光合成などの)同化作用が悪くなってしまうだけでなく、同時にナメクジやアリ、ミミズなどの害虫被害や病害も受けやすくなります。

また、地面に直に盆栽鉢を置くと風通しも悪くなり湿気も多くなってしまうので、鉢土が乾きにくくなり下枝の生育を妨げてしまうでしょう。

特に盆栽鉢の近くに雑草が自生している場合は、種が風などによって運ばれて、鉢の中が雑草だらけになり、盆栽に行くはずの栄養が奪われてしまう危険があります。

おわりに

初心者の盆栽管理の中で、置き場所選びと水やりは最も注意が必要です。

置き場所選びや水やりの注意点を理解して、生育の良い盆栽を育ててみませんか。