盆栽に元気がないのに、その理由が分からず困っている方、もしくは、過去そういったご経験をされた方も多いのではないでしょうか?

この記事では、盆栽に元気がない時の疑問と対処の仕方について、お答えいたします。

水切れではないですか?

盆栽に元気がないとき、真っ先に思い浮かぶのは水切れではないでしょうか。

水やりを忘れて水切れになると、盆栽は元気がなくなってしまいます。

一方、逆に水のやり過ぎで根腐れを起こした場合も、元気がなくなります。

Q:葉水はかけた方がよいでしょうか?

A:葉水はかけた方が良いです。

葉水とは、葉や幹・枝に霧状の水を与えることです。

この葉水は、盆栽にとって特に大事な水かけの一つです。

葉水をかけることで、空気汚染や、ほこりなどで汚れた葉や樹をきれいに洗い流してくれます。

夏場などは葉から水分が蒸発するので、葉水によってその蒸発を助ける効果もあるため、植え替え直後の根の発根や、さし木後の苗木には特に大切です。

植替え直後の樹木は、植え替えによって根が切り詰められているので、樹や根に負担がかかっています。

同じように、さし木は枝の一部が切られているものなので、根の生育がよくならないと苗木に育ちません。

そこで、葉水をすることにより葉の気孔が綺麗に洗い流され、光合成がよくなり、根やさし木の育成(発根)が旺盛になります。

Q:留守中に水やりを誰かに頼む時のポイントはあるでしょうか?

休暇中に旅行などで不在にする間、盆栽の水やりを誰かに頼む場合は、ジョウロより水道にホースをつないでハスくちを付けた方法で水やりをお願いした方が安心です。

依頼された人も手間暇も省けるだけでなく、十分な水を盆栽に与えられるので、依頼者も安心です。

しかしながら、夏の酷暑時期は長いホースの中で溜まっている水が温かくなっているので、しばらく水を出して冷たくなってから水やりをするようにお願いしましょう。

根腐れではないですか?

盆栽の樹に元気がない場合は水切れだけではなく、根腐れを起こしている場合もあります。

水は切らしてもいけませんが、かけ過ぎてもいけません。

盆栽を育て始めたばかりの頃は、土が少しでも乾くと盆栽が枯れてしまうのではと心配して、一日に何回もひっきりなしに水やりをしてしまうことがあります。

盆栽の水のあげすぎは、樹を弱らせたり根腐れを起こしたりする原因となります。

また、土が長期に渡ってジメジメしていると根腐れだけでなく枝や葉が徒長※1してしまい、樹形が乱れる原因となります。

※1 徒長:植物の茎や枝が必要以上に間延びしてしまうこと。

盆栽は「水かけ三年」という言葉があるように、樹が要求しているだけの水やりができるまでには、三年程かかると言われています。

水やりは難しい作業ではないのですが、樹の希望通りの水やりができるまでには時間がかかります。

日ごろから樹の状態をよく観察し、水やりをしましょう。

置き場所が不向きではないですか?

盆栽に元気がない場合は、屋内外に関わらず置き場所が樹に適していない場合があります。

盆栽は風通しや陽当たりが良い場所に置くことが重要です。

Q:「半日陰」とは、どんな日陰ですか?

A:半日陰とは、夏の直射日光が当たる日に葦簀よしず(すだれのようなもの)を通して漏れた陽が当たるような状態のことを言います。

間違えやすいですが、半日陰とは、半日だけ陽があたる状態ではありません。

半日陰とは漏れた少しの陽が当たる状態のことなのです

Q:室内だけで盆栽を育てられますか?

A:育てられません。

樹の生命力があっても、室内だけでは枝や葉は徒長して樹も弱ってしまいます。

盆栽を室内で何日も観賞している人がいますが、盆栽は冬時期以外を除いて日光に当てて育てることが望ましいです。

たとえ一日でも、室内で盆栽を管理すると鉢内が蒸れて樹が弱ってしまいます。

お正月や来客に見せたりするために盆栽を室内に置いた場合、夜になったら必ず外に出して管理をしましょう。

二日続けて室内で管理をすることは避けてください。

仮にそのように室内で管理をした場合は、外気に充分に当ててから水やりをしましょう。

肥料が切れていませんか? 肥料をやり過ぎていませんか?

盆栽に元気がない場合は、肥料切れや肥料のやりすぎが原因のことがあります。

植え替え直後、梅雨や長雨の後に樹勢が弱っているときは、盆栽の根が弱っているので肥料あたり※2を起こす原因となります。

※2 肥料あたり:肥料が濃すぎるために生育が阻害されること。

その場合は、固形の肥料や薄くした液肥を与えましょう。

肥料は土の中で水に溶けて根に吸収されます。

固形の肥料をやり過ぎた場合は、ある程度取り除く処置で対応できますが、濃い液肥を与えた場合は取り除くことができず危険です。

もし、液肥の薄める倍率を間違えて濃い肥料を与えてしまった場合は、水を張ったバケツの中に盆栽を鉢ごと入れて30分から1時間位つけておきましょう。

この対策をしないで肥料をやり過ぎた状態にしておくと、盆栽は太ってしまい枝や葉が徒長したり根腐れを起こしたりして、やがて枯れてしまいます。

消毒のやり方が間違っていませんか?

盆栽を消毒する際は、消毒液が鉢の土にしみこまないように行いましょう。

また、消毒液の倍率の間違いには特に注意して消毒をしましょう。

Q:有効期限切れの薬剤は使えますか?

A:使えます。

保管方法が良い薬剤は、有効期限が一年程度過ぎても十分に効果が期待できます。

もちろん有効期限が切れていないに越したことはありません。

しかし、乾燥した冷暗所で保管した薬剤は、有効期限が1年位過ぎても十分に効果が期待できます。

薬剤が古くなっていても指定の希釈で薄めて使いましょう。

薬剤が緊急で必要な場合、どうしても買いに行く時間がない時の応急措置にはなりますが、できるだけ有効期限を守って使いましょう。

また、薬剤を入手する際は必ず有効期限が表示してあるラベルを確認してから購入しましょう。

消毒の後の薬害はないでしょうか?

A:薬剤の濃度を間違えた場合はあります。

薬剤の濃度を間違えて消毒をすると、2~3日してから葉が黄色に変色して枯れたりします。

特に植え替え直後、長雨時期、高温乾燥時期などは薬害が出やすいので注意が必要です。

このように、時期によっても薬害の出やすさは変わります。

薬剤の濃度は目分量などで判断せず、必ず計って薄めて使いましょう。

土選びが間違っていませんか?

盆栽は、育てる地域の風土や樹に適した土が使われていないと、元気が出ない原因となります。

そのため、盆栽を育てる地域やの風土や樹に適した土を使いましょう。

Q:一度使った土(古土)は再度使えますか?

A:使えません。

粉状(みじん粉)になった土を除き、太陽に良く当てて熱消毒した土は、草物盆栽の用土として再度使うことができます。

草物盆栽に使われる「草物」は他の盆栽の樹種よりも丈夫なため、多少雑菌があっても、水はけが少しぐらい悪くても育ちます。

そのため草物盆栽に限り、古い土を培養土として使うことが可能ですが、できるだけ新しい土を使うのが良いでしょう。

一度使った古土の中には、病虫害となる原菌や雑草(種)が多く存在しています。

また、土も粉状になっているので水はけや通気が悪くなっているため、根の発育を妨げてしまいます。

病気や害虫対策をしていますか?

大切に育てていても、病害虫の早期発見ができないと、病害虫の影響によって盆栽に元気がなくなってしまうことがあります。

盆栽は病害より虫害の方が多いです。

被害の拡大を防ぐために早期発見をして、病虫対策をしましょう。

整枝や剪定をやり過ぎていませんか?

盆栽は整枝や剪定をやりすぎると、元気がなくなることがあります。

そのため、整枝や剪定作業をする際は、樹形づくりに不必要な枝や葉だけを切り詰めてバランスのとれた樹形づくりを心がけましょう。

針金をかけ過ぎていませんか?

針金を多くかけすぎたり、きつくかけすぎたりすると、樹を傷め、負担がかかってしまい盆栽に元気がなくなる原因となります。

弱っている樹は特に注意が必要です。

針金かけは樹種に適した時期に、樹勢が良い樹にだけ行いましょう。

盆栽についてのよくある疑問

Q:植え替え時期を逃してしまった時は、どうしたらよいのでしょうか?

A:無理して植え替えをしないで次の植え替え適時まで、待ちましょう。

植え替えをしなかった盆栽の土は、水の通りや乾燥が悪くなってしまします。

そのため、土の乾燥具合に注意して、鉢土が過湿になったりしないように、植え替えをした鉢とは別に置いて、水やりに注意をしながら次の植え替え時期まで管理をしましょう。

Q:盆栽の定期点検は必要でしょうか?

A:必要です。

盆栽の基本的な定期点検とは、樹と鉢土の状態を月に1~2回、一鉢ずつ手に取って細かい部分まで時間をかけて観察することです。

肥料切れ、病虫害、徒長枝や葉、不必要な芽などを見つけて対処しましょう。

忙しい方には大変かもしれませんが、この定期点検によって樹に発生する色々な問題を未然に防ぐことができるので、できるだけ時間を作って点検しましょう。

そして、どの鉢も管理をしていると愛情が湧いてきます。

じっくりと時間をかけながら、盆栽と対話するつもりで観察をしてみてください。

Q:盆栽の寿命はどれくらいですか?

A:盆栽展などで展示されている盆栽には樹齢が数百年のものが、ありますが盆栽の寿命は一概に「OO年」とは言えないのです。

盆栽の寿命は、育てている人次第です。

一般的に松や真柏の松柏類は寿命が長いですが、紅葉やケヤキなどの雑木類の寿命は松柏類より短いと言われています。

また、盆栽の大きさや樹形によって寿命が変わるということはないため、どの盆栽の樹木も自然の野山に自生している樹木と同じ生命力を持っています。

そのため、盆栽の寿命は育てている人の管理によって、長くも短くもなるのです。

Q:小品盆栽の大きさはどれくらいでしょうか?

A:小品盆栽の大きさは昔から「片手持ち盆栽」とも呼ばれているので、片手で持てる程度の大きさです。

盆栽の世界では便宜上、樹高によって、大型盆栽、中型盆栽、小品盆栽、豆盆栽の四つに分類することができます。

・大型盆栽 樹高50㎝以上
・中型盆栽 樹高20㎝以上
・小品盆栽 樹高20㎝以下
・豆盆栽 小品盆栽の中で特に極小の盆栽

樹高は、一般的に根元から樹芯の頂き(頂点)までの高さです。

ただ、盆栽を小さくしたものを小品盆栽というかというと、そうではありません。

小品盆栽として趣や風情がない盆栽は、小品盆栽とは呼べないのです。

そのため、葉が大きな樹種は小品盆栽として仕立てることができません。

Q:同じ樹や草でも呼び名がちがうのは、なぜでしょうか?

A:草花や庭などに植えられている樹の名前には万国共通の学名がありますが、盆栽には盆栽の世界やある特定の地域だけに呼ばれている名前があるので、同じ樹種でも盆栽に仕立てられた場合、樹の呼び名は異なります。

例えば、「イチイ」(一位)の盆栽の樹種は、オンコ(北海道地方)、アララギ(蘭:関西地方)、ミズマツなど、地方によって呼び名が異なります。

盆栽を購入したら植物図鑑などで樹について調べて名前を確認してみましょう。

Q:盆栽の樹種は漢字が難しくて読めない!

A:人気の盆栽で、難しい漢字の樹種をいくつかご紹介しましょう。

植物は一般的にカタカナ表記されていますが、盆栽の世界では漢字表記の慣習があります。

さらに、使われている漢字は当て字などが多いので、読み方が分かりにくい樹種も多いです。

読みにくい盆栽の樹種は沢山ありますが、今回は下記の通り一例をご紹介します。

・「木通」-アケビ
・「落霜紅」-ウメモドキ
・「橘初霜紅」-ピラカンサ
・「橅」「山毛欅」-ブナ
・「木半夏」-ナツグミ
・「躑躅」-ツツジ
・「翌檜」-アスナロ
・「石楠花」「石楠」-シャクナゲ
・「石榴」-ザクロ
・「馬酔木」-アセビ
・「公孫樹」-イチョウ

ゆっくりと漢字の意味と照らし合わせてみると、理解できる樹の名前もあるのではないでしょうか。

盆栽は、樹の漢字にも興味深いものがあります。

おわりに

盆栽を始めてみると、始める前よりも盆栽についていろいろな疑問がでてきます。

一つひとつの疑問について、身の回りにいる盆栽経験者や販売店のスタッフさん達に尋ねながら解決していくと、盆栽の楽しさも倍増するのではないでしょうか。