盆栽をはじめたものの、花が咲かなかったり、思うような色にならないといったことはありませんか?

そんな時は、肥料を見直してみてはいかがでしょうか。

この記事では初心者にオススメな盆栽の肥料や、盆栽の生育に欠かせない「施肥せひ」についてご紹介します♪

初心者にオススメの盆栽の肥料4種

盆栽初心者にオススメの肥料には、「粉肥」、「水肥」、「玉肥」や「化学肥料」の4種があります。

タイプの「粉肥」

「粉肥」は粉末状になっているので、盆栽に施肥をするときに使いやすいです。

市販されている「粉肥」の種類には、魚や骨、油粕などを粉末状にしたものがあります。

「粉肥」の使い方として、骨粉と魚粉は肥料袋に明記されている分量をそれぞれ一緒に混ぜて使いますが、油粕は単用で使います。

粕を水で薄めて作った「水肥」

「水肥」は、粉末タイプの油粕1に対して水を10の割合で加え、発酵させて作った肥料です。

「水肥」は、規定量の水が入ったかめや一升瓶に油粕を入れて発酵させて作ります。

夏の時期は1ヶ月位、春や秋は2ヶ月位で醗酵して腐熟をしますが、寒い冬の時期は2ヵ月以上かかります。

「水肥」は十分に腐熟してから使用しないと“肥料あたり”の原因となりますから注意が必要です。

また、腐熟した「水肥」は、悪臭も抜けているので使いやすいです。

き目が持続する「玉肥」

「玉肥」は粉末状の油粕に水を加え、練り混ぜたものをお団子状に丸くして天日干しで乾燥させた肥料です。

この「玉肥」は他のタイプの肥料に比べて効き目が持続するので、オススメの盆栽の肥料です。

1 番速効性がある「化学肥料」

「化学肥料」には粉末と粒タイプがあり、オススメの肥料4種の中では1番速効性の肥料です。

どの化学肥料も殆ど臭いがなく、住宅が密集している地域でも迷惑を心配せず使用できます。

しかし「化学肥料」は速効性のため、説明書に明記されている量を守らないと、一気に栄養を与えてしまうことになり、樹の生育を悪くしたり枯らしたりしてしまうことがあるので注意しましょう。

施肥を行う目的と適時

「施肥」は生育の良い盆栽を育てるために必要ですが、与え過ぎたりすると盆栽を枯らしてしまいます。

そのため、肥料の種類、時期、与え方そして注意点について理解してから施肥を行うことが、生育の良い盆栽を育てるための基本です。

盆栽に施肥を行う主な目的は、樹の生育を良くし冬の休眠期に必要な栄養を樹に貯蔵させるためです。

また、盆栽は鉢の限られたスペースの中で生育をしているので、自分で養分を摂取することは不可能なため、盆栽に必要な養分を人間が与える必要があります。

盆栽への施肥は、一般的に春から秋のお彼岸頃までに行いましょう。

特に新芽が伸び出す春と秋を中心に行いますが、樹種によっても異なります。

柏類盆栽と雑木類盆栽への施肥

松や真柏などの松柏類盆栽、もみじやイチョウなどの雑木類盆栽への施肥は、5月頃から11月頃まで、毎月1回位の割合で油粕あぶらかすの置き肥、あるいは薄くした液肥を与えます。

しかし、梅雨の時期だけは施肥を行わないようにしましょう。

また、この例外として、五葉松は肥料が徐々に効いてくる油粕の置き肥を2月中旬と9月下旬頃に与えましょう。

物盆栽への施肥

桜や梅などの花物盆栽への施肥は、樹の開花期間によって異なります。

一般的に花物盆栽は花芽を付ける生育期に肥料を与えると、枝や葉ばかりが成長して花色や花型が悪くなってしまうので、生育期の施肥は控えます。

花物盆栽への施肥は、開花後から晩秋の11月下旬頃まで「お礼肥れいごえ」として十分に与えます。

その後は少量の肥料を与えますが、肥料の与え過ぎは禁物です。

物盆栽への施肥

カリンやウメモドキなどの実物盆栽への施肥は、開花して結実するまで施肥を控える種類と春先から梅雨時期を除き、毎月施肥が必要な種類があります。

例えば、ヒメリンゴやカリンは実が結実をしてから施肥を行います。

実が結実をしないうちに施肥をすると樹が若返ってしまうので、せっかく実がついても落ちてしまいます。

ウメモドキは春先から秋ごろまで毎月1回位の割合で施肥を行いますが、花後はなごから結実までは施肥を控えます。

施肥の注意点

施肥を行う際は、樹の将来を考え健康状態に注意しながら行いましょう。

また、初心者が施肥を行う上では主に7つの点に注意が必要です。

栽の将来と健康状態

初心者は、樹や葉を大きくしたり実を生らせたりするために野菜づくりと同じように肥料を多く与えてしまうことがありますが、ここでほんの少し盆栽に肥料を与えた後の影響を考えてみましょう。

例えば、苗木や若木はこれから樹を大きくするので多めに肥料を与えますが、一方既に樹形が出来上がっている普通の成木に若木と同じ量の肥料を与えると、樹が若返ってしまうのです。

そうして木が若返ることにより、せっかく育てた盆栽の樹格(盆栽としての風格)が落ち、「わび」や「さび」が感じられない、ただの「鉢植えの樹木」になってしまう恐れがあります。

そのため、肥料はあげればいいというわけではなく、その盆栽をどういう風に育てたいかをよく考えながら時には量を制限しながら肥料を与えていきましょう。

7 つの注意点

1:常に樹の健康状態を観察しながら施肥を行う
盆栽は樹全体の野趣やしゅ枯淡こたんを楽しみますが、樹に健康的な生命力が感じられることが基本なので、樹の健康状態に合わせて施肥を行いましょう。

2:使用説明書を事前に読んでから使用料量を守り、少しずつ与える
一気に肥料を与えることによって木が枯れる原因となったり、盆栽が理想の姿から遠ざかってしまうこともあります。
必ず使用説明書を読み、正しい量の肥料を与えましょう。

3:樹勢が弱っている樹には様子を見ながら出来るだけ薄めの肥料を与える
樹勢が弱っている樹に施肥をすると“肥料あたり”を起こしてしまうことがあります。
肥料あたりとは肥料が濃すぎることによって生育が阻害されてしまうことです。
樹勢が弱っているときには特に影響を受けやすいため、濃い肥料を与えないように気を付けましょう。

4:植替え直後の樹に施肥をしない
植替え直後の樹は根を短く切ってあるので、2~3週間位は肥料を与えてはいけません。

5:水肥を与える場合、指定されている希釈で薄めたものを数回に分けて与える
濃度が濃いものや腐熟が未熟な水肥は根を痛めたり、樹の生育を悪くしたりして枯らしてしまうことがあるので気を付けましょう。

6:梅雨時期や秋の長雨が続いているときは数日してから施肥をする
長雨が続いているときには根が疲れています。
樹が健康でないときに肥料を与えてしまうのは危険です。必ず長雨が止んで数日してから施肥をするようにしましょう。

7:鉢土が乾燥している場合は一度水やりをしてから施肥をする
土が乾燥していると根は水分を吸いやすく、施肥をしてしまうとその分栄養も吸収することになります。
そうした場合、根が“肥料あたり”を起こしやすいので、土が乾燥していたら一度灌水作業をして土に十分な水分を与えるようにしましょう。

おわりに

初心者にオススメな盆栽の肥料や施肥についてご紹介しました。

この記事を参考に、お手持ちの盆栽の樹に適した種類の肥料を使って施肥を行い、生育の良い盆栽を育ててみませんか。