美味しい和食を自宅で作って食べられたら、気軽に和食を楽しめるだけでなく、栄養管理の面でも、大きなプラスになります。
この記事では和食が上手になるコツと、そのポイントをご紹介します。
心がけ一つで料理上達に大きく繋がることも少なくありません。
和食特有の情報だけでなく、料理全般に通じる情報もご紹介します。
和食を作るための基本を忠実におさえよう
レ シピの選び方
以前は料理の作り方の情報源といえば本でしたが、今はスマホを開けば数え切れないほどのレシピを無料で見ることができます。
しかし、料理に慣れない人がレシピを探す場合は、まずは料理教室やプロの料理家が監修したレシピを使用した方が良いです。
その理由としては、料理教室やプロの料理家のレシピは、材料選びや分量、手順について明確に説明されていることがほとんどだからです。
「どうしてこの材料なのか」「どうしてこの順番なのか」「どうしてこの分量なのか」など、手順一つひとつについてもその理由から理解することで、料理を本質的に学ぶことができます。
オンラインでよく目にする、主婦の方などがアレンジして考案したレシピなどは、あくまでその方々が料理の基本を繰り返して多くの経験を積んだからこそ生まれたレシピです。
経験を積んだ方々は、基本の手順に慣れてしまっているので、初歩的な説明が省かれていることが多いです。
アレンジレシピなどは、基本をしっかりとマスターしたあとに挑戦してみましょう。
分 からない用語は調べる
例えば、「茹でる」「湯搔く」「湯通し」と聞いて、はっきりと意味の違いが分かりますか?
「茹でる」は「湯に入れて煮る」ことを指します。
「湯搔く」は、ほうれん草などをたっぷりの湯で茹(ゆ)でることで、「茹(ゆ)でる」よりも短時間で火を通すことを指します。
「湯通し」は、魚や油揚げなどの材料を短時間でさっと湯にくぐらせることを指します。
素材の臭みや油を抜くための下ごしらえの一つで、「湯搔く」よりも更に短時間で済ませます。
これらは、どれも鍋の中で湯を使って素材を加熱する方法ですが、加熱する目的や方法、時間に違いがあります。
この違いを知らずになんとなく鍋の湯で素材を加熱すると、美味しく仕上がらないかもしれません。
このような間違いで料理の失敗をしてしまわないよう、分からない用語は面倒でも調べることをオススメします。
材料・調味料にこだわる
材 料や調味料を変えるだけで味が大きく変わる
料理をすることに慣れてきたら、調味料にこだわってみると、同じ料理でも味が変わり、その違いを楽しむことができます。
特に砂糖や塩、酢、醤油などはいろいろな場面で使用しますが、種類を変えてみると味の違いが分かりやすいです。
また、ご飯を炊くときに素材を玄米や十六穀米にすることで、健康のためにいいだけでなく献立のバリエーションも広がります。
今はご飯を炊くときにお米に混ぜておくだけで十六穀米などが炊ける雑穀も売っていますので、手軽に挑戦してみてはいかがでしょうか。
季節の素材をチェックして料理に使う
日本には四季があり、野菜や魚介それぞれに旬あることが大きな特徴です。
今はビニールハウス栽培などで、季節外れの野菜を調達できることも増えてきました。
しかし、季節の食材の趣を食卓で感じるほど贅沢なことはありません。
旬の食材を使った和食は、おもてなしの要素もあります。
また、旬の食材をその季節に食べることは、美味しく食べられるだけでなく、経済的にも優しいです。
旬の食材=その季節に多く採れるということなので、旬を過ぎて買うよりも、価格が安いんです。
新しいメニューを作ってみよう
和 食の専門的な料理本を読んでみる
日々料理を作っていると、何か新しいメニューが作りたいと思うことはありませんか?
そんなときには、本屋さんの料理コーナーをのぞいてみることがオススメです。
目的に合わせて以下のような本も選ぶこともできます。
・普段の献立に野菜を使ったおかずを追加したいとき - 野菜を使ったおかずに絞って料理を紹介している本。
・スープで効率よく栄養を摂りたいとき- いろいろな食材から作れるスープだけを紹介している本。
・忙しい朝でも工夫していろいろな種類の朝食を食べたいとき - 朝食メニューだけを特集している本。
料 理番組で新たな発見を
テレビで放送されている料理番組では、本と違って放送日時点の季節感あふれるメニューを紹介してくれるところが大きな特徴です。
今が旬の素材を使った美味しい和食を作りたいときに、役に立ちます。
献立を工夫してみる
栄 養素が足りているか確認してみる
自炊をすることは、素材選びや調味料の量などを自分でコントロールできるため、外食よりも健康的だと一般的に考えられています。
自炊を通じて自分の健康管理をすることは、とても良いことです。
まずはシンプルに、献立を決めるときに以下のような代表的な栄養素が足りているかを確認してみましょう。
・エネルギー(献立全体)
・炭水化物(ごはん、麺類など)
・たんぱく質(肉、魚、豆類など)
・脂質(揚げ物の油・調味料など)
・ビタミン(野菜、果物、肉など)
これら栄養素が十分に献立に含まれているのかを確認するには、食品成分表
という本を見る方法があります。
食品成分表には、それぞれの素材100gあたりに炭水化物やたんぱく質、脂質などが何g含まれているのかが記載されています。
料理に使う食材のグラム数を確認し、食品成分表と照らし合わせて合計の栄養素を計算してみましょう。
同 じメニューでも一工夫を加えてグレードアップ
同じ味噌汁を準備するにしても、具を増やしたり、旬の食材を使ってみたりするだけで、グレードアップされて、食べるときの満足度も上がります。
評判の店で外食をして味わう
美味しいものを作りたいならば、まずは料理をする本人が美味しいものを食べて、味覚を磨いていくことが大切です。
外 食した料理を家で再現してみる
外食をして、美味しかった料理を覚えておいて家で再現してみることも、料理が上達するコツの一つです。
高級店になると、コース料理などでは個別の素材の説明や調理工程の説明を丁寧にしてくれるお店も少なくありませんし、ときには質問をしてみると、その回答から学べることもあるかもしれません。
最初から完璧に再現するのは不可能に近いですが、再現しようとすることで普段は使わない調味料を使ってみたり、目分量で調整していた調味料をより細かく測ったりすることが良い経験になります。
上達するために自炊を習慣にする
和食を上手に作るために一番重要なのは、やはり何度も料理を作ることです。
これは自炊でもいいですし、お友達との食事をホームパーティーにして料理を作るなど、とにかく、実践をこなし、食べてもらうことです。
外食をしない日は、お惣菜を買って帰るのもいいですが、一品でも手料理を作ることを目標にしてみてはいかがでしょうか。
毎日手料理を食べる習慣をつけると、外食よりも自分の料理の方が美味しく感じて、自然とキッチンに立って料理をすることが習慣化されるかもしれません。
実際、外食が続くと味の濃い料理に慣れてしまい、野菜摂取不足になりやすいことはよく言われていますし、自宅でバランス良く自炊を行うことができれば、その方が健康的です。
夕食に作った煮物の残りを、ごはんと一緒にお弁当箱に詰めて冷凍しておき、翌朝それを学校や職場のお弁当にしてみるなど、毎日はできなくても、少しずつ習慣化してみましょう。
が んばりすぎないために工夫する
料理を毎日することは簡単なことではありません。
そこで、忙しいときや疲れているときでも、とにかく料理をするための意識が大切です。
毎日材料をすべて揃えて、下ごしらえを完璧にして、というようにすることは、料理の上達のためには大切なことなのですが、毎日の生活のためには少しハードな要求になってしまうかもしれません。
頑張りすぎないよう心がけることも、毎日続ける上では前向きな心がけになります。
そのためには
・週末に作り置きしておく
・短時間(15分以内目安)で作れるレシピを沢山用意しておく
・前の日の残り物を冷蔵庫に保存しておき、おかずの一品にする
など、とにかく簡単シンプルにすることが大切です。
人 に食べてもらう機会をつくる
一人暮らしの場合などは、自分の料理を自分一人で食べる毎日で、毎日の料理を続けるモチベーションを保つことが難しいかもしれません。
そんなときには、友人・知人を誘って自宅で料理をふるまったり、一人暮らしをしている人であれば、実家に帰った時には親に頼らずに、自分で家族のために料理を作ってみてはいかがでしょうか。
自分の料理を人にふるまうことは、料理上達のためのいい練習の機会になります。
失 敗しても気にせず、また挑戦する
味が濃くなりすぎたり、火を通しすぎて材料が焦げてしまったり。料理には失敗がつきものと言えます。
しかし、失敗しても、気にしているだけでは料理の勉強になりません。
味が濃すぎた場合は調味料の量が多すぎたのではないか、材料が焦げてしまった場合は火の通し方に問題はなかったか、などを確認して、次回につなげましょう。
できるだけ早く、もう一度同じメニューに挑戦すると、前回の教訓をより活かすことができ、上達に繋がります。
おわりに
基本に忠実に和食が作れるようになってきたら、一つひとつ作れるメニューを増やしていきましょう。
季節の食材を楽しみながら、そのときに食べたいメニューを気軽に作って食べられれば、食生活だけでなく生活全体が充実してきます。
料理を上手に作るための前提は、上達思考や、「うまくなりたい!」という気持ちも大切です。
少しづつ、料理を作ることを習慣にし、回数を積み重ねていくうちに、確実に料理は上達していくでしょう。
そして、和食を作ることを楽しんでください。
料理の腕を上達させ、日々の生活を充実させて行きましょう。
日本は南北に細長く、四季の移り変わりが感じられる、たいへん自然に恵まれた国です。そして、日本の各地域(土地)に生まれた独特の食文化も、これらの地理的な特徴や美しい自然と共に生まれてきました。
農林水産省によると、日本人は昔から「自然を尊ぶ」という気質に基づいて「食」に関する社会的な慣習を年中行事と共に行ってきました。
2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」。
その影響もあり、近年海外から注目されています。
海外のスーパーマーケットには、健康ブームも相まってヘルシーと言われている和食でよく使われる食材が置かれるようになりました。