2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」。
その影響もあり、近年海外から注目されています。
海外のスーパーマーケットには、健康ブームも相まってヘルシーと言われている和食でよく使われる食材が置かれるようになりました。
今回は日本人が普段使っている食材の中で、海外で人気があるものを紹介します。
豆腐ー世界で最も認知度が高い日本の食材
豆腐は海外でも認知度が高く、日本同様に「TOFU」の名前で販売されています。
人 気の理由
■栄養豊富
大豆には、必須アミノ酸のバランスが良い豊富なタンパク質が含まれています。
タンパク質には、肥満体質の改善に効果が期待でき、血中コレステロールを低下させる作用があると言われています。
さらにカルシウム、マグネシウム、脂質、鉄、亜鉛、炭水化物、銅、ビタミンEとB1、食物繊維、葉酸、カリウム等の豊富な栄養素が含まれています。
特に乾燥大豆では、約30%がタンパク質です。
また、大豆にはコレステロールが全く含まれていないので、バランスの取れた自然の栄養食材です。
さらに大豆のタンパク質は消化吸収が良いので、胃にもやさしいと言われています。
■食べやすく、調理がしやすい
豆腐は味が淡泊であっさりしているので、調味料や薬味をかけてそのまま食べたり、お料理に取りいれるなどアレンジがしやすい食材ですよね。
健康にも良い上に、難しい調理が不要でアレンジの幅もある、とっても便利な食材なのです。
海 外の“TOFU”事情
今日、日本の豆腐-“TOFU”は、海外の主要都市だけでなく田舎の小さなスーパーマーケットでも販売されています。
海外で販売されているTOFUは、日本の「木綿」や「絹ごし」の表示の代わりに「EXTRA FIRM」(とても硬め)、「FIRM」(硬め)、「SOFT」(柔らかい)と表示されています。
一般的に海外で販売されているTOFUは、日本の「絹ごし」のように柔らかいものではなく、食べ応えのある比較的硬いものが多いです。
豆 腐の使い方・食べ方
“TOFU”は海外ではどのように食べられているのでしょうか?
海外での豆腐の主な食べ方は、焼き豆腐にしたり、健康維持のために卵や肉の代用に使ったりして食べられています。
■焼き豆腐
海外の家庭で調理される「焼き豆腐」は、日本で販売されているものとは異なります。
この焼き豆腐は、現地で購入したTOFUをサイコロ位の大きさに切って、オーブンで焼いたものです。(高野豆腐のようなイメージです。)
この焼き豆腐は、肉の代用品として煮込み料理(カレーやシチューなど)、サラダやピザなどのトッピング等として使われています。
また、低カロリーなので“ちょっとした”スナック菓子やおつまみとしても食べられています。
■卵の代用品として
・サンドイッチ
茹で卵の代わりにTOFUを使ってマヨネーズと合わせて、サンドイッチに入れて食べられています。
・スクランブルエッグ
卵の代わりに豆腐を軽くつぶし、ターメリック等で調理をしてスクランブルエッグ「風」を作ります。
■肉の代わりに
煮込み料理(カレーやシチュー等)に「焼き豆腐」が使われます。また、TOFUは、タコスやラザニアにも肉の代用品として使われます。
■スムージー
果物類と一緒にミキサーに入れて、スムージーを作ります。
シラタキ(白滝)
シラタキは海外で「TOFU SHIRATAKI」、「SKINNY NOODLES」、「MIRACLE NOODLE」などの名前で販売されています。
人 気の理由
■低カロリー
100gあたりのシラタキのカロリーは6kcal、パスタは148.9kcalと、シラタキはパスタの25分の1です。
また、低糖質なので、脂肪成分が体内に溜まりにくいことも、人気のある理由ではないでしょうか。
■食物繊維が豊富
シラタキの原材料となるコンニャク芋には、食物繊維が豊富なグルコマンナンが含まれています。
このグルコマンナンは、体内の消化酵素では分解できず体内で水分を吸収して膨らむので、満腹感が得やすいと言われています。
そのため、ダイエットに効果があるので健康志向の人には人気の食材です。
■豊富なカルシウム
日本でもシラタキに豊富なカルシウムが含まれていることは、意外と知られていません。
カルシウムは歯や骨を丈夫にする効果だけでなく、筋肉収縮、体内の細胞分裂や分化、神経昂奮の抑制、血液の凝固作用などの促進に効果があります。
そのため、シラタキは、牛乳と同じようにカルシウムが豊富に含まれている食材です。
■血糖値を下げる働き
シラタキは噛み応えがある食材なので、良く噛むとインスリンの分泌を調節して血糖値を下げる働きがあると言われているGLP-1というホルモンが腸内細胞から分泌されます。
■満腹感が続くので間食の防止
シラタキは噛み応えのある食材でもあり、咀嚼の回数が増えることにより、満腹感が続くので、間食を防いでくれます。
シ ラタキの海外事情
近年、カロリーも低く、ヘルシーなシラタキは海外でダイエット食材として注目されています。
特に著名なハリウッド女優やセレブと呼ばれている知名度のある人たちがダイエット食材として取り入れていることから、人気に拍車をかけています。
また、シラタキは日本のスーパーマーケットでは、豆腐やこんにゃく類と同じ場所に置かれていますが、米国ではパスタやめん類と同じ場所に置かれています。
シ ラタキの使い方・食べ方
日本ではすき焼きや鍋物などに使われているシラタキですが、米国やイタリアでは、主に低カロリーのパスタの代用品として使われています。
パスタ料理の本場、イタリアでは「ZEN PASTA」と呼ばれて販売されています。ZENパスタは乾燥したシラタキで、水で戻すと日本の糸こんにゃくになります。
一般的な小麦粉で作られたパスタとは異なり、カロリーが低いのでダイエット食として人気があります。
■パスタの代用品として
小麦で作られたパスタの代用品として、パスタ料理やアジア圏内のめん類料理全般に使われています。
■メニューのかさ増し
シラタキはダイエット食材として、ハンバーグ、煮込み料理、スープなどの“かさ増やし”にも使われています。
甘酒
日本では“飲む点滴”と言われている甘酒ですが、海外では“ジャパニーズヨーグルト”と称され、発酵食品として人気があります。
人 気の理由
甘酒が海外で人気がある主な理由には、ダイエット効果、疲労回復効果、整腸や便秘の予防改善効果、美白や美肌効果、免疫機能の促進効果などがあることです。
甘 酒の海外事情
日本の一般的な甘酒は、麹に米を加えて発酵させて作ります。
しかし、米国の甘酒はオーガニックの玄米を発酵させたものが主流です。
米国西海岸では、ダイエット効果が期待できる飲み物として人気です。
飲み方も少し異なり、温かい甘酒をお湯で薄め、おろし生ショウガを少々加えて飲みます。
これは砂糖の代わりの甘味料としても使われています。
また、自分の好みフルーツと甘酒を一緒に入れたスムージーも人気です。
近年では、日本のメーカーが「ジャパニーズヨーグルト」として海外で販売しています。
甘 酒の使い方・飲み方
海外での甘酒は、主に砂糖の代用品として使われたり、スムージーとして飲まれたりしています。
■ Amazake Shake
日本では主として甘酒だけを飲みますが、米国では甘酒にアーモンドなどの香りを付けてペットボトルに入れられた “Amazake Shake”と呼ばれているものが販売されています。
濃厚でくどくない甘さが好評です。
■アイスクリーム
凍らせてアイスクリームとしても食べられています。
■スムージー
凍らせた甘酒に季節の果物と氷を加えて作ります。
■砂糖の代用品として
焼き菓子のスコーンや、マフィンなどに使われています。
砂糖の代わりに甘酒を使った焼き菓子を作ると、健康に良いだけでなく、焼き菓子に優しい香りと甘みがつきます。
また、甘酒を使うと焼き菓子もしっとりと焼きあがり、甘さも控えめで、毎日食べても飽きのこないおいしさがあると評されています。
そのため海外では、砂糖やコーンシロップを使わずに、自然の甘みがある甘酒を焼き菓子や他のお料理にも取り入れています。
おわりに
海外で人気がある日本の食材は、日本人が想像もつかないような使い方や調理法が施されています。
和食には健康に良い食材が多く取り入れられているので、日本人も健康維持のために和食文化のすばらしさを再認識してはいかがでしょうか。
日本は南北に細長く、四季の移り変わりが感じられる、たいへん自然に恵まれた国です。そして、日本の各地域(土地)に生まれた独特の食文化も、これらの地理的な特徴や美しい自然と共に生まれてきました。
農林水産省によると、日本人は昔から「自然を尊ぶ」という気質に基づいて「食」に関する社会的な慣習を年中行事と共に行ってきました。
日本の伝統的な食文化である和食は、平成25年(2013年)に「ユネスコ無形文化遺産」に登録されました。「食」の無形文化遺産としては、5番目の登録です。この記事では、ユネスコ無形文化遺産に登録された和食について、登録申請した背景や登録された理由をご紹介します。
世界各地で和食の食材やメニューは注目されていますが、和食文化に伴う慣習までは知られていません。
そのため、日本人にとっては当たり前の慣習でも、海外の方にとっては文化の相違を感じたり、驚いたりすることがあります。
今回は、和食文化の中で海外の方が驚く事や慣習をご紹介します。
日本人が普段食べている物の中には、外国人にとっては「これを食べるの!?」と驚くような食べ物がいくつかあります。
今回は、そのなかでも特にびっくりされる食べ物を紹介します。
2013年に日本の「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されてから、日本の伝統的食文化である「和食」は、世界各地で注目されるようになりました。
同時に和食の「うま味」も注目され世界各地に広がり、今日では世界共通の公用語になりました。