寒くなってくると、鍋料理が恋しくなりますよね。
鍋料理は、材料を用意したらあとは煮込みながら食べられる手軽さと、野菜がたくさん取れるヘルシーさが嬉しい料理です。
でも、いつもワンパターンになりがちで、飽きてしまうということもありませんか?
そんな時は、ご当地鍋料理にチャレンジしてみましょう!
日本各地に郷土料理としての鍋料理があります。
現地に行って本場の鍋料理を食べられたら良いですが、なかなか簡単に旅行もできませんよね。
材料をこだわって揃えたり、通販でお取り寄せしたりすることで、おうちでも簡単に全国の鍋料理を楽しむことができるんですよ♪
今回は、神保町で郷土料理屋を営む女将さんに監修いただき、旅行気分で楽しむ全国のご当地鍋料理レシピ11選をご紹介します!
石狩鍋(北海道)
「石狩鍋」は、北海道を代表する郷土料理。
ぶつ切りにした鮭の身とアラを、野菜と一緒に昆布だしと味噌で煮込んだ鍋料理です。
お好みで、いくらを乗せたり、バターをトッピングするのもオススメです!
石 狩鍋の具材・・・4人分
石 狩鍋のレシピ
・味噌は田舎味噌と白味噌など2種類以上を合わせ味噌にするとコクと深みが出ます。
・どのような料理でも、材料の下処理は肝心です。
生臭みを取るために、鮭、アラの下処理はしっかりしましょう。
面倒くさいからと塩を振った後に置く時間が短すぎたりすると、鍋の美味しさが台無しになることもあるので、怠らないように気をつけましょう。
・じゃがいもは火が通りづらいので、あらかじめ電子レンジ500wで3分ぐらい加熱しておくと早く煮上がります。
・〆は、スープにおろし生姜とにんにくを少し足してラーメンがオススメ!
または、生クリームや牛乳を足して雑炊を作り、チーズをトッピングするリゾットも美味しいですよ♪
※1 いちょう切り:丸いものを十文字のいちょう型(扇型)に切ること。椎茸などの薄い野菜はそのまま、大根などは丸い断面が十文字になるように縦に切ってから、断面を下にして食べやすくスライスしていく。
※2 茹でこぼす:食材を茹でてザルにあけて茹で汁は捨てること。アクや臭み、渋みなどを茹でることによって取り除き、茹で汁とともに流す。
きりたんぽ鍋(秋田)
秋田を代表する郷土料理、「きりたんぽ鍋」。
うるち米を潰して木の棒に握り付けて焼いたきりたんぽを、鶏と根菜の醤油仕立ての汁に入れて煮込んでいただく鍋料理です。
市販のきりたんぽを使っても良いですが、残りご飯を活用して作ることもできます。
また、きりたんぽではなく、だまこ餅といって、お団子状に丸めて焼いたものを入れた鍋もよく食べられています。
き りたんぽ鍋の具材・・・4人分
き りたんぽ鍋のレシピ
・きりたんぽの作り方は、まず俵型のおにぎりを握り、割っていない割り箸の太い方に押し付けるよう巻き付けてフランクフルト型に握り、まな板に乗せ上から押さえて成形します。
オーブントースターの250℃で5分くらい焼くか、フライパンで中火で焼き、焼き目を付けます。
・せりの根が白くてきれいなものは、香りがよくて美味しいです。
根の間の泥を丁寧に洗って使います。
・〆は秋田の特産品、稲庭うどんがオススメです!
芋煮鍋(山形)
「芋煮鍋」は山形の郷土料理で、大鍋で煮込んだ芋煮鍋を食べる芋煮会は、東北の秋の風物詩として熱愛されています。
ここでご紹介する牛肉と里芋入りの醤油仕立ての鍋の他、地方ごとにこだわりの作り方の違いがあり、味噌仕立てや豚肉を使う地方もあります。
そして、山形での〆の定番はカレーうどん!
ひと鍋で二度、楽しめますよ♪
芋 煮鍋の具材・・・4人分
芋 煮鍋のレシピ
里芋の皮をむくのが大変な時は、火を通してからむくのもオススメです♪
洗って皮付きのまま、スッと竹串が通るまで茹でて、粗熱が取れたら皮をむき、一口大に切りましょう。
あんこう鍋(茨城)
“東のあんこう、西のフグ”と並び称される、冬のごちそう「あんこう鍋」。
コラーゲン豊富なプリッとしたあんこうの身と、コクのあるスープが特徴です。
茨城県の漁師料理“どぶ汁”を参考に、たっぷりの野菜を入れ、あんこうは肝まで丸ごと使い、味噌仕立てで作ります。
あ んこう鍋の具材・・・4人分
あ んこう鍋のレシピ
・あん肝は、おつまみとして食べられる加工済みのものを使うと簡単です!
生のあん肝を使う時は、まず塩をまぶして30分くらい置き、あん肝の血管を切り取って薄皮と共に取り除き、流水に10分くらいさらして塩と血を抜きます。
そこから15分茹でてから使いましょう。
・本場のあんこう鍋は、あん肝と味噌を鍋で軽く煎りつけて※から、水や酒で溶きのばして作ります。
レシピの行程【4】で、余裕があれば、ひと手間かけてみましょう。
・〆は雑炊がオススメです♪
※煎りつける(炒りつける):水分を飛ばしながら鍋などで加熱すること。あん肝と味噌を煎りつける際は水分がないので焦げつきやすいため、手早くかき混ぜながら軽く香ばしさがでるまで加熱して、焦げる手前で仕上げるようにする。
ちゃんこ鍋(東京)
力士達のハードな稽古の力の素になる「ちゃんこ鍋」は、たっぷりの野菜と鶏肉や豚肉などを合わせた、ボリューム満点でヘルシーな鍋料理です。
定番は、ソップ炊きと呼ばれる鶏ガラスープ仕立て。
相撲部屋では、塩、醤油、味噌、キムチ、カレーなどスープの味をアレンジしながら食べられています。
ち ゃんこ鍋の具材・・・4人分
ち ゃんこ鍋のレシピ
・レシピにある具材の他、魚介のつみれや牛肉などを入れても美味しいですよ♡
とにかく、いろいろな具材をたっぷり入れて、ボリュームたっぷりに作るのがコツです。
そのまま食べるだけでなく、つけダレをこだわるのも飽きずに食べられるポイントです。
・〆は、雑炊、うどん、ラーメン、餅などなんでもアリです!
はりはり鍋(大阪)
「はりはり鍋」は、鯨肉と水菜を用いた鍋料理で、大阪が発祥とされています。
捕鯨が盛んだった頃、安価で入手できる鯨肉を簡単に鍋で食べられる料理として広まりました。
鯨肉が入手困難な現代では、豚肉で代用されます。
なんといっても、水菜のはりはり(シャキシャキ)とした食感が魅力の美味しさです。
は りはり鍋の具材・・・4人分
は りはり鍋のレシピ
・鯨肉で作る場合は、お刺身用の鯨赤身肉スライスを使います。
下処理として、表面に片栗粉をまぶし、さっと茹でておきましょう。
片栗粉をまぶすことで、片栗粉が保水効果を発揮して、材料の旨味をとじこめ、食感のパサつきを防ぎます。
あとは同様に鍋スープで茹でながらいただきます。
・鍋スープは市販の白だしつゆを水で伸ばして作ると簡単ですよ。
・〆は茹でうどんと水菜の残りを投入した、はりはりうどんがオススメです♡
鴨鍋(滋賀)
「鴨鍋」は滋賀県の郷土料理で、琵琶湖に飛来する真鴨を煮込んで食べていたという伝統的な鍋料理です。
豊臣秀吉が好んで食べ、鴨の飼育を推奨していたという逸話も。
現代では、猟期を含む10月頃から3月に脂の乗った鴨を使った鍋を食べることができます。
一般的には、クセがなく、柔らかい市販の合鴨を使って手軽に作ることができるんですよ♪
鴨 鍋の具材・・・4人分
鴨 鍋のレシピ
・鴨は煮込み過ぎると固くなるので、食べる分を少しずつ入れて、さっと煮込みながら食べてください♪
・〆は、お蕎麦で鴨南蛮そばに……♡
牡蠣鍋(広島)
「牡蠣鍋」は、牡蠣の名産地である広島の郷土料理です。
合わせ味噌を土手のように鍋のヘリに塗って、その中に出汁を張り、味噌を溶きながら煮込む“土手鍋”仕立てにします。
ぷりっとした牡蠣の身と、煮込まれていくにつれてコク深くなる味噌味の鍋スープが絶品♡
ご飯もお酒も進む濃厚鍋です!
牡 蠣鍋の具材・・・4人分
牡 蠣鍋のレシピ
・牡蠣を買い求める時は、生食用より加熱用の方が旨味が強いのでオススメです!
また、牡蠣は煮込み過ぎると固くなるので気を付けましょう。
・味噌が煮詰まったら、適宜昆布だしを入れて伸ばしてください。
・〆は雑炊でも、うどんでも美味しいですよ♪
もつ鍋(福岡)
「もつ鍋」は、牛もつとたっぷりのキャベツ、ニラを煮込んだ、福岡博多の郷土料理です。
新鮮な牛の小腸を使うと臭みなく、脂も乗っているので美味しいですよ。
鍋スープは、このレシピでは定番の塩味をご紹介しますが、本場では醤油や白味噌味など、いろいろな味付けで愛されています。
も つ鍋の具材・・・4人分
も つ鍋のレシピ
・もつの脂が気になるときは、一回鍋でさっとゆでて洗い流すと、臭みと脂を落とすことができます。
・チャンポン麺は長崎チャンポンに使われる太めの中華麺です。
博多もつ鍋の本場ではチャンポン麺でしめるのが定番ですが、もちろん、普通のラーメンや雑炊にしても美味しいですよ!
水炊き(福岡)
「水炊き」は福岡県の郷土料理です。
関西には、昆布だしでシンプルに肉や魚、野菜を煮込んだ寄せ鍋風の水炊きもありますが、九州と関西の水炊きの歴史や調理方法はそれぞれ異なります。
ここでは、鶏ガラでとった濃厚なスープで骨つきの鶏肉のぶつ切りや野菜を煮込んで、ポン酢に付けて食べる九州の水炊きをご紹介します。
水 炊きの具材・・・4人分
水 炊きのレシピ
・出汁が出るので、このレシピでは手羽元を入れ、旨味を引き出したスープを作ります。
本場では、骨付きの鶏モモ肉のぶつ切りが使われます。
もっとこだわりたい方は、鶏ガラを2時間くらい煮出した鶏白湯スープを鍋スープのベースにしましょう。
・〆はラーメンか雑炊が定番ですが、固めに茹でたそうめんと高菜漬けを入れるにゅうめんのような食べ方も面白いですよ♪
常夜鍋
「常夜鍋(じょうよなべ、とこよなべ、とこやなべ)」は諸説ありますが、毎晩食べても飽きないということから名付けられた鍋料理です。
豚肉とほうれん草などをシンプルにさっと茹でて、ポン酢を付けながらいただきます。
常 夜鍋の具材・・・4人分
常 夜鍋のレシピ
・ほうれん草はアクが強いので、さっと下茹でしてから使うと食べやすくなりますよ。
また、サラダほうれん草ならえぐみがありません。
・美食家・北大路魯山人が愛した常夜鍋は、シンプルながらアレンジの楽しさがあります。
スープにごま油と鶏ガラスープをいれて中華風にするのもオススメですし、つけダレを工夫するのも楽しいですよ♪
・〆はうどんやラーメンをしゃぶしゃぶして、残ったつけダレに付ける、つけ麺仕立てでどうぞ。
余った具材の保存方法と活用法
鍋料理を作った後に困るのが、余った具材の後始末ですよね。
鍋用の具材が余ってしまった場合の保存方法と活用法をご提案します。
余 った具材の保存方法と保存期間の目安
カット済みの具材は、出来れば別々に分けて保存した方が使いやすくなります。
生肉や生魚などに触れていた部分の野菜は傷みやすいので、水気を拭き取って保存し、翌日中に使い切りましょう。
また、煮込んだあとの鍋の残りは保存容器などに移して冷蔵庫へ。
アレンジするなりして、翌日には食べ切りましょう。
余 った具材の活用法
余った具材を活用した、アレンジ料理をご紹介します。
お鍋まるまるに対して
・味噌を溶いて、具沢山のお味噌汁に。
・余った鍋に塩、胡椒、ごま油などで調味し、片栗粉でとろみを付けてあんかけに。
その後、中華丼にしたり、あんかけ焼きそばにする。
余った野菜は?
・余った野菜にウインナーとコンソメ、トマトを入れてスープに。
・袋のインスタントラーメンを作る時、野菜トッピングに。
・青菜類はさっと茹でて、おひたしに。
余った鍋のスープは?
・余った鍋スープにカレールゥとめんつゆを入れて味を整え、カレーうどんに。
余った魚介類は?
・魚介類は、ガーリックオイル、白ワイン、カットトマトや生クリームを入れて煮込み、パスタソースに。
具材が余ってしまったら、ぜひチャレンジしてみてください!
おわりに
旅行気分で楽しめる、全国のご当地鍋料理をご紹介しました。
いつもと同じような鍋の具材でも、知らない地方の鍋料理を作ることによって、違った楽しみ方ができそうですよね。
鍋料理はバラエティ豊かで、まだまだここに書き切れないくらい沢山の種類が全国にはあります。
そのいろいろな地方の鍋料理を追い求めるだけでも、新しい食文化や食材を知ることができます。
また、余ってしまった鍋の具材の保存方法や活用法についてもご提案しました。
鍋の具材が残っても心配いりませんので、ぜひ参考にしてみてください♡
美味しく簡単でヘルシーな鍋料理、次の日まで美味しく楽しんでくださいね!
神 保町の女将さん
今回、鍋レシピの監修をしてくださったのは、神保町で和食店「郷酒」を営む女将さんです!
東北を中心とした日本各地の郷土料理や季節食材を活かした素朴な和食とともに、こだわって集めた全国の地酒や焼酎などを味わえるお店です。
神保町の近くに来た際は、ぜひ足を運んでみてください♪
神 保町の女将さん監修の料理レシピ記事
神保町の女将さん監修のお料理レシピを紹介した記事はこちらからご覧いただけます。
ワゴコロ編集部でも女将さん直伝レシピで作ってみましたが、とても美味しくできましたよ♪
ぜひ、トライしてみてください!
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冬になると大活躍する土鍋。
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実は土鍋を使って煮物や蒸し料理、炒め物を作るととっても美味しくできるんです!!!
そこで今回は、ワゴコロ編集部がオススメする土鍋をピックアップしてみました。
萬古焼とは、三重県四日市市の代表的な焼き物で、昭和54(1979)年に国から伝統的工芸品に指定されています。
発祥は江戸時代中期。茶道に精進した茶人であり、商人でもあった「沼波弄山」の茶の趣味が高じ、自ら茶器を焼き始めたのが始まりです。
その姿はシンプルで、見るからに頑丈な印象のある南部鉄器。ほとんどの南部鉄器の鍋は、ガス火・炭火・IH調理器などさまざまな熱源に対応しているので、長くいろいろな料理に使うことができます。今回は、そんな南部鉄器の鍋の中からオススメの6点をご紹介しつつ、お手入れ方法をご紹介していきます!
日本人の食卓には欠かせないお味噌汁。
飲むとホッとしますよね。
そんなお味噌汁に使う味噌ですが、皆さんは、当たり前のように買ってはいませんか?
実は、味噌は自宅でも手作りできるんですよ♪
2013年に日本の「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されてから、日本の伝統的食文化である「和食」は、世界各地で注目されるようになりました。
同時に和食の「うま味」も注目され世界各地に広がり、今日では世界共通の公用語になりました。
日本料理は、日本の風土と社会で発達した料理を意味し、和食は、洋食に対するものとして使われています。
イメージによって使い分けられることも多く、料理店で提供される高度な技術が必要な料理は日本料理で、家庭料理を中心とした日本の料理を和食とイメージしている人も多いです。
豊かな自然に恵まれている日本には、昔からその季節の旬の食材や味わいを大事にしながら、祭事や行事に伝わる伝統的な行事食があります。1年を通して日本人の暮らしと共にある主な和食の行事食は下記の通りです。
日本人の暮らしは、お正月に始まり、節分や雛祭り、七夕など、様々な年中行事で彩られています。どれも文化や季節を大切にする心が、繋いできたものです。
日常の暮らしの中で食べられている食事とは異なる「行事食」は、日本人が昔から四季折々に開催される祭りや神事、そして冠婚葬祭などで食べる特別な食事です。
四季折々の行事や冠婚葬祭でいただく行事食とは、一体どのようなものでしょうか。
外国の方が日本の和食レストランや食事処を訪れた際、日本人にとっては当たり前でも驚かされることがたくさんあるそうです。
そこで、海外の友人が日本に来たとき、日本の割烹や居酒屋での「おもてなし」することもできるのです。
その中で、外国人が特に珍しく思う、日本独特の8つの事情についご紹介します。
世界各地で和食の食材やメニューは注目されていますが、和食文化に伴う慣習までは知られていません。
そのため、日本人にとっては当たり前の慣習でも、海外の方にとっては文化の相違を感じたり、驚いたりすることがあります。
今回は、和食文化の中で海外の方が驚く事や慣習をご紹介します。