みなさんは、三重県多気たき明和めいわ町で行われる「斎王さいおうまつり」をご存知ですか?

斎王まつりは、“斎王群行さいおうぐんこう”という平安装束を身にまとった人々の行列で、平安時代の王朝絵巻を再現する、とても厳かで雅な祭りです。

この記事では、斎王まつりの歴史や由来をはじめ、どのようなお祭りなのか、また、斎王まつりの見どころをご紹介します。

斎王まつりとは

斎王まつりの歴史・由来

斎王まつりの歴史は、そう古くはありません。

古代、三重県多気郡明和町には、「斎宮さいくう」と呼ばれる斎王さいおうの住居が存在しました。

昭和45年(1970年)から斎宮跡発掘調査が進められる中、この地で「斎王をおまつりしよう」との機運が高まり「斎王まつり」がはじまったとされています。

昭和58年(1983年)から現在に至るまで受け継がれ、毎年6月の第1週末の2日間にわたり開催されています。

都から遠く離れた伊勢の地へ向かう途上の、明和町にある斎宮へ斎王と従者の行列を再現した華麗な「斎王群行さいおうぐんこう」が見どころです。

「斎王」とは

斎王さいおう」とは「斎皇女いつきのみこ」ともいい、天皇の代わりとして伊勢神宮の天照大神あまてらすおおみかみに仕えていた女性のことです。

およそ1,300年前の天武天皇の御代から存在し、未婚の皇女から選ばれます。

斎王になると、都から遠く離れた斎宮で神々に祈りをささげる日々を送りました。

なお、最初の斎王は天武天皇の皇女である大来皇女おおくのひめみことされています。

その後、約660年を経た鎌倉時代までの間に64人が、斎王として存在したといわれています。

斎王に選ばれるには?

古くは、亀の甲羅を焼きその亀裂の形で候補者を選ぶ“卜定ぼくじょう”という占いで選ばれていました。

現代の斎王まつりにおいては、「斎王まつり配役選考会」が開かれ、書類審査を通過された方たちの中から、町長をはじめ十数名の選考委員の面接を通じ斎王が選ばれます。

斎王への応募資格は、18歳以上の未婚女性であること。

斎王が選ばれると、前年の斎王から檜扇ひおうぎが手渡され、斎王群行の行列で主演を務めることになります。

また、斎王とともに“子ども斎王”も選ばれますが、こちらは小学校3~6年生の女児が応募資格となっています。

斎王群行とは~総勢100人超による平安巻物の再現~

平安時代において、都から伊勢神宮へと旅立った斎王とその従者の行列が進む道中のさまを、「斎王群行さいおうぐんこう」といいます。

「斎王まつり」では、平安装束を身に付けた総勢100人を超える人々の華麗で厳かな行列がゆっくりと進んで行きます。

斎王群行のルート

斎王群行さいおうぐんこう」は、祭りの2日目に行われます。

斎王群行のルートは、13時にさいくう平安の杜にて出発式が行われた後、斎王の森から上園芝生広場を通り、社頭の儀を経て、斎宮歴史博物館へと進みます。

行列には、斎王と子ども斎王のほかに、女別当にょべっとう内侍ないし命婦みょうぶ采女うねめ女嬬にょうじゅなどの女性役が参列します。

また、近衛使このえづかい風流傘ふうりゅうがさ検非違使けびいし斎宮十二支官人さいくうじゅうにしかんにん與丁よていといった男性役も加わります。

三大斎王群行とは

三重県多気郡三和町の「斎王まつり」は、出演者(参加者)を一般公募で決める「三大斎王群行」の一つとされています。

「三大」というからには、他にも二つあるということ!

さっそくご紹介しましょう♪

滋賀県甲賀市「あいの土山つちやま斎王群行」

「あいの土山つちやま斎王群行」は、滋賀県甲賀市で毎年3月に開催されます。

斎王による禊ぎや華やかな道中舞を繰り広げながら、甲賀市立大野小学校から垂水斎王頓宮跡たるみさいおうとんぐうあとまでを平安装束に身を包み厳かに進んで行きます。

京都府京都市「斎宮行列」

「斎宮行列」は、京都府京都市で毎年10月の第3日曜日に開催されます。

嵯峨野にある野宮ののみや神社からJR嵯峨さが嵐山あらしやま駅を経由して渡月橋とげつきょうを往復し、嵐山通船・北乗船場まで進んで行き、最後に雅楽が奉納されるなか、禊の儀が行われます。

斎王まつりの日程と会場アクセス

斎王まつりは、三重県多気郡明和町において毎年6月の第1週末の2日間にわたり開催されます。

ここでは、斎王まつりの日程と会場アクセスについてご紹介します。

斎王まつり1日目:禊の儀・前夜祭

1日目は、禊の儀や前夜祭が行われ、明和太鼓の演奏や斎王の舞が披露されます。

禊の儀
禊の儀は、上園芝生広場にて行われます。

斎王が、水に手を浸し潔斎するさまは厳かそのものです。

前夜祭
前夜祭では、子ども群行や斎王群行に出演される出演者の紹介などが行われ、祭りを盛り上げるようなアトラクションを楽しむことができます。

また、町の特産品を販売する「斎王市」やテントでの出店や屋台も出され、祭りだけではなくさまざまな催しを満喫できます。

斎王まつり2日目:出発式・斎王群行・社頭の儀

2日目は、13時にさいくう平安のもりにて出発式が行われ、社頭の儀を経て、斎宮歴史博物館へと斎王群行の行列が進んで行きます。

斎王をはじめ、女別当・内侍など多くの女官たちがきらびやかな平安装束をまとった姿は、王朝絵巻を彷彿させ、雅ななかにもキリッとした厳粛さを感じます。

斎王まつりの会場アクセス

自動車でお越しの方

・東京からの場合(おおよその所要時間5時間30分)
1)東名高速道路を使い名古屋方面へと進む
2)「豊田JCT」から伊勢湾岸自動車道へと進む
3)「四日市JCT」より東名阪道へと進む
4)「伊勢関JCT」から伊勢自動車道へと進む
5)「玉城IC」から県道37号線を使って明和町へ

・名古屋からの場合(おおよその所要時間1時間50分)
1)「名古屋IC」から東名阪自動車道で「伊勢関JCT」を目指す
2)「伊勢関JCT」から伊勢自動車道へと進む
3)「玉城IC」から県道37号線を使って明和町へ

・京都からの場合(おおよその所要時間1時間50分)
1)「京都東IC」または「京都南IC」から名神高速道路で名古屋方面へと進む
2)「草津JCT」から新名神高速へと進む
3)「亀山JCT」で東名阪道へと進む
4)「伊勢関JCT」から伊勢自動車道へと進む
5)「玉城IC」から県道37号線を使って明和町へ

・大阪からの場合(おおよその所要時間2時間20分)
1)阪神高速道路・西名阪道から奈良方面へと進む
2)「天理IC」から国道25号名阪国道へと進む
3)「伊勢関JCT」から伊勢自動車道へと進む
4)「玉城IC」から県道37号線を使って明和町へ

公共交通機関でお越しの方
JRや近畿日本鉄道といった電車を使い、会場の最寄り駅は「斎宮さいくう駅」へと目指します。

・JR~近畿鉄道経由(おおよその所要時間1時間40分)
JR「名古屋駅」から快速みえに乗車、「松坂駅」で近鉄山田線に乗り換え

・近畿日本鉄道経由(おおよその所要時間1時間30分)
「近鉄名古屋駅」から近鉄特急や近鉄急行に乗車し、「伊勢中川駅」もしくは「松阪駅」で近鉄山田線に乗り換え

また、大阪からお越しの方は、「大阪上本町駅」から近鉄特急で「松阪駅」へ向かい、そこから近鉄山田線に乗り換えて向かうと良いでしょう。

駐車場・シャトルバス運行

会場周辺で交通規制が行われたり、さいくう平安の杜、明和町観光協会の駐車場は利用できないこともあります。

自動車よりも、公共交通機関でお越しになることをオススメします。

また当日は、さいくう平安の杜から斎宮歴史博物館との間でシャトルバスが運行しているので活用しましょう!

斎王まつりの見どころ

斎王群行

遠く離れた都からこの地へと向かう斎王と従者たちの行列を再現している「斎王群行」は、斎王まつりの最大の見どころとなります。

行列に出演する方もそれを観賞する方も、遠く平安時代に思いを馳せながら、古式ゆかしい祭りのなかで雅な時間と空間を共有していることを実感することでしょう。

きらびやかで美しい平安装束に身をまとった人たちの姿は、あたかも平安王朝の絵巻物を物語っているようで、その華麗でありながらも厳粛な様相にすっかり魅了されてしまいます。

斎王群行の衣装

斎王の美しい衣装にも少し触れておきましょう。

斎王が身に付けている衣装は、十二単じゅうにひとえとなります。

十二単は近世になってからの呼び名で、女房装束にょうぼうしょうぞく、または裳唐衣もからぎぬといいます。

単衣の上にうちぎを重ね、打衣うちぎぬ表着うわぎの上に唐衣からぎぬをはおり、腰にはをつけます。

貴族の女性の晴れの正装です。

十二単は、さまざまな色合いの衣を重ねることにより一層の美しさが際立ちます。

前夜祭

前夜祭では、明和太鼓の演奏などが行われ、雅楽の調べと斎王の舞が幻想的な雰囲気のなか繰り広げられます。

さらに、火起こしの儀に続き翌日の斎王群行の出演者が紹介され、ライトアップされたステージを盛り上げます。

日本遺産に認定された明和町の観光スポット~祈る皇女斎王のみやこ 斎宮~

平安絵巻と見紛う斎王群行ですが、この華麗な斎王まつりの他にも、明和町には特筆すべき観光スポットがあります。

斎宮歴史博物館もその一つですが、「斎宮のハナショウブ群落」も見逃せない観光スポット!

ハナショウブは明和町の町花で、別名「どんど花」といいます。

斎宮のハナショウブ群落では濃い紫色の花が一面に咲き誇り、その美しさに驚嘆します。

毎年5月下旬~6月上旬に開花されるので、斎王まつりにお越しの際に訪れてはいかがでしょうか?

おわりに

平安王朝絵巻といった雅な風情を感じさせる「斎王まつり」。

特に「斎王群行」は、十二単姿の斎王だけでなく行列の人々すべてが平安装束を身にまとい、その華やかさは壮観という言葉にふさわしい情景です。

また、目にも鮮やかな斎王まつりを観るだけでなく、明和町のみなさんが祭りに熱い思いを持ち続け、一丸となって支えておられる闊達かったつな姿、息吹に触れてみるのも趣深く感じることでしょう。