高知県で開催される「よさこい祭り」は、日本のお祭りのなかでも規模の大きいお祭りの一つです。

この記事では、よさこいの歴史や他のお祭りとの違い、有名なよさこいチーム、お祭りの詳細について解説します。

高知県以外の日本各地で開催されるよさこい祭りについても簡単にご紹介するので、遊びに行く際の参考にしてみてください!

「よさこい祭り」とは?

「よさこい祭り」とは、高知県高知市で生まれた踊りの祭典です。

よさこい祭りでは“踊り子”と呼ばれる参加者が、チームごとにそれぞれの踊りを披露します。

そして観客は、さまざまなエリアをまわりながらステージやパレードの踊り子を鑑賞します。

高知市内で毎年8月9日~12日まで開催され、全国から多くの参加者と観客が集まる、日本屈指のお祭りです!

よさこい祭りの歴史

よさこい祭りを知るには、まずよさこいの歴史について把握しておきましょう。

戦後の南国土佐・高知県で誕生したよさこい祭り

よさこい祭りは、戦後間もない昭和29年(1954年)に、不景気で落ち込む市民を盛りあげたいという思いから、高知商工会議所が企画し誕生したお祭りです。

「よさこい」の名前の由来は所説あり、高知城築城の際に現場で働く人たちが歌う唄のなかで『ヨイショコイ』という言葉が含まれていたことから由来した説や、高知県に伝わる民謡のなかの『夜さ来い』という歌詞から由来しているといった説など、さまざまです。

映画「南国土佐を後にして」から全国に拡大!

高知県高知市の商工会議所から始まったよさこい祭りでしたが、景気がよくなっていくとともにお祭りの規模も大きくなっていきました。

昭和34年(1959年)に女性歌手・ペギー葉山が歌う「南国土佐を後にして」が空前の大ヒットを記録すると、その歌をもとにした映画が作成され、映画の中でよさこい祭りの場面が映り全国によさこい祭りが知れわたるようになりました。

また、同時期によさこい祭りのテレビ中継もおこなわれるなど、踊り子も観客も増加。

そして、昭和45年(1970年)の大阪万博に参加することとなり、よさこい祭りは日本を越え、世界にデビューを果たします。

平成4年(1992年)には、高知のよさこい祭りに影響をうけ、北海道でYOSAKOIソーラン祭りが始まりました。

これを皮切りに、全国各地でよさこい祭りが開催されるようになったのです。

現代のよさこい祭り

現代のよさこい祭りは、チームや踊り子の数も増え、振り付けや衣装、音楽もさまざまなスタイルで披露されています。

そして、よさこい祭りに審査制が加わり、優秀な踊りを披露したチームは表彰をうけるシステムが導入されました。

これによって賞を狙うチームや、賞は関係なく思いっきり好きなスタイルを貫くチームなど、チームごとにさらに多様な色が出るようになったのです。

また、高知のよさこい祭りでは、前夜祭の演出として花火があがるようになり、よさこい祭りの華やかなオープニングとしても有名になりました。

よさこい祭りの特徴やYOSAKOIソーラン祭りとの違い

ここからは、よさこい祭りの特徴やYOSAKOIソーラン祭りとの違いを解説していきます。

よさこい祭りの特徴

よさこい祭りの特徴となるポイントは以下の6つです。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

踊り
よさこい祭り最大の見どころは“踊り”です。

踊り子は各チームに所属し、チームごとに異なる踊りを披露します。

振付は基本的に1年ごとに変わるため、同じチームでも毎年新しいテーマ、音楽、衣装での踊りを見ることができます。

同じ衣装を身に纏った踊り子が、一糸乱れずに踊る姿は圧巻です!

パレードだけでなくステージ上で踊ることもあるので、踊りの振り付けはパレードとステージのどちらも対応できるようになっています。

また、チームに所属する人数はさまざまですが、よさこい祭りでは1チーム150人以下と決められています。

音楽
踊り同様、使用する音楽もそれぞれのチームで異なります。

基本的には1チーム約4分、曲のスタイルやアレンジは自由ですが、「よさこい鳴子踊り」の曲を入れなければなりません。

そのため、チームによっていろいろな「よさこい鳴子踊り」の曲調を楽しむことができます。

衣装

参加する踊り子たちは、色鮮やかな衣装を身に纏っています。

衣装の色や形はチームごとに自由なので、踊りのテーマにあわせた衣装をそれぞれのチームが考えてデザインしています。

なかには、踊りの前半と後半で衣装の色を変えるチームや、1つのチーム内で男性や女性によって衣装の色やデザインを変えているチームなども。

各チームのテーマによってまったく異なる衣装なので、どのような衣装を着ているかチェックするのも、楽しむためのポイントです

鳴子

鳴子とは、踊り子が両手に持って音を鳴らす木製の楽器です。

よさこい祭りでは、踊り子が鳴子を持って踊ることがルールとして決められています。

そのため、振付のなかで鳴子を鳴らす振りが多く入っており、踊り子がたくさんいればいるほど、鳴子の音がよく響きます。

鳴子はもともと、農作物を鳥や動物などの外敵から守るために、鳴子の音を使っていたといわれています。

地方車

よさこい祭りでは、「地方車」と呼ばれる車を各チームが必ず1台使用することがルールとして決められています。

地方車は踊り子たちの先頭を走るので、観客に各チームの登場を知らせる役割もあり、まさにチームの顔ともいえるでしょう。

そのため、チームごとに踊りのテーマにあわせた装飾を車にほどこしたり、チームの名前を目立たせるような装飾をしたりと、趣向をこらした地方車がつくられます。

メダル

よさこい祭りでは、昭和39年(1964年)頃から個人賞をとりいれたことがきっかけで、優秀な踊り子にメダルが授与されます。

各会場にいる審査委員が踊り子の踊りや笑顔、会場の盛りあげ具体など、さまざまな要素で個人の踊りを審査し、優秀な踊り子には、その場でメダルが贈呈されます。

北海道の「YOSAKOIソーラン祭り」との違い

現在、よさこい祭りは高知県だけでなく、日本各地で開催されています。

なかでも大きな規模を誇るのが、北海道札幌市でおこなわれる「YOSAKOIソーラン祭り」です。

ある時、北海道の学生が高知のよさこい祭りを見物し、その素晴らしさに感動!

『北海道でもよさこい祭りを開催させよう!』と考え、昔から北海道に伝わる“ソーラン節”と掛けあわせてできたのがYOSAKOIソーラン節なのです。

高知のよさこい祭りとの違いは、踊りの曲にかならずソーラン節のフレーズをいれるというルールが決められていることです。

また、高知のよさこい踊りと比べて、動きがダイナミックで、よりジャズダンスやヒップホップなどの要素が多く取り入れられています。

本場・高知のよさこい祭りで有名なチーム

高知県では、子どもから大人まで多くの世代がよさこいチームに所属しています。

なかでも有名なチームは勢力的に活動しており、高知だけでなく各地のよさこいファンを魅了しています。

帯屋町筋おびやまちすじ

帯屋町筋は、よさこい祭りが開催された第1回目から参加している老舗チームです。

「伝統」と「チャレンジ」を掲げ、地元の伝統を大切にしつつ、新しいよさこいのスタイルに挑戦しています。

国士舞双こくしむそう

国士舞双は、平成19年(2007年)に発足したチームです。

よさこいの伝統を次世代に繋いでいくだけでなく、高知でよさこいを踊ることを夢見ている人を支援するため、関東にも支部があります。

伝統的でありながらも、毎年個性的なテーマや踊りを楽しむことができるチームです。

ほにや

ほにやは、踊り子と観客との隔たりをなくしたいという強い想いから始まったチームです。

100名を超える踊り子たちのキレイに揃った演舞は圧巻で、見ている人たちを惹きつけます。

さらに、ほにやは平成22年(2010年)に公開された映画『君が踊る、夏』のモデルになったチームでもあります。

十人十彩じゅうにんといろ

十人十彩は、全国から見にきた人たちに感動をあたえるようなチームづくりを目指し、日々練習に励んでいます。

踊り子として参加するためには条件があり、クオリティの高い踊りのために多くの練習を積んでいます。

男性の力強さ、女性の凛とした美しさを表現した振り付けにも注目です。

須賀IZANAI連

須賀IZANAI連は、高知県出身のダンサー・振付家である國友須賀によって結成されたチームです。

創設者である國友須賀は、よさこいにジャズの要素を加え、よさこいの現代化を進めた功績者でもあります。

須賀IZANAI連は、世界平和への祈りを込めてよさこいを踊ることをテーマとしており、独特な振り付けが特徴です。

全国各地域の有名チーム

よさこいチームは高知だけでなく全国各地にあります。

ここでは、高知のよさこいの伝統を大切にしつつ、新しい風をふかせる実力派チームを紹介します。

なるたか

なるたかは、平成26年(2014年)にスタートしたチームです。

よさこいの伝統に新しさやユーモアを加えた独自の路線を走りながら、実力ある踊り子たちが集まっています。

比較的若いチームでありながら、高知のよさこい祭りでは最優秀賞を受賞するほどの実績があります。

見ているこちらが楽しくなるような振り付けや曲、カラフルな衣装などが特徴です。

天空しなと屋しん

天空しなと屋しんは、平成22年(2010年)設立の原宿・表参道を拠点とするチームです。

毎年、独創的なテーマや衣装と、躍動的な振り付けで観客を湧かせています。

数々のよさこい祭りで表彰される実力派のチームでもあり、多くの注目と期待が集まっています。

学生チーム

全国の大学にもよさこいチームがあり、主にサークルで学生が踊り子として活動しています。

早稲田大学 よさこいチーム 東京花火


東京花火は、早稲田大学にて平成17年(2005年)に結成された学生チームで、本場・高知のよさこい踊りを大切に活動しています。

そのため、鳴子の音色がきれいに響く振付や、乱れることのない美しい隊列が特徴です。

また、学生ならではの豊かな発想によって考えられた曲テーマや衣装によって、たくさんの観客を魅了しています。

よさ朗

よさ朗は、同志社大学において平成17年(2005年)に結成されたチームです。

関西の学生チームは、高知のよさこい踊り以上に勢いのある振り付けをする傾向にありますが、よさ朗は高知のよさこい踊りを重視しています。

さらに、高知でのよさこい祭りにおいても受賞歴があり、その実力も認められています。

よさこい祭りに行こう!

ここからは、実際によさこい祭りに行くときのチェックポイントを紹介します。

開催情報

よさこい祭りは毎年、高知県高知市で開催されます。

全国から多くの踊り子・観客が集まり、高知全体が盛りあがるビッグイベントです!

開催時期:毎年8月9日~8月12日
8月9日から前夜祭がはじまり、10日、11日は本祭、そして12日には全国大会と後夜祭がおこなわれます。

前夜祭では踊り以外にも、4,000発もの花火が打ちあがる納涼祭も同時におこなわれるため、よさこい祭りを見にいくなら9日からの参加がオススメです!

開催場所:高知市内の16ヵ所
開催場所は高知市内の16ヵ所に点在しており、町全体が会場となっています。

なかでも見どころは、「中央公園」での演舞です。

広い公園に大きなステージが設置されており、巨大スクリーンによって踊り子たちの表情も映し出されるので、迫力ある会場で踊りを楽しめますよ♪

見学方法
それぞれの参加チームは、高知市内にある各会場を周りながら演舞を披露していくので、ステージでの演舞会場や長いパレードを踊り切る会場など、会場ごとにチームの演舞の見え方が変わります。

事前に、どのチームがどの会場で踊るのかタイムスケジュールが発表されるので、好きなチームにあわせて会場を周っていくのがオススメです。

また、踊り子に近い位置で座りながら見られる桟敷席は有料で、前もってチケットを予約しなければいけません。

※詳細は公式サイトをご覧ください。

参加してみよう!

よさこい祭りは、誰もが踊り子になれる間口の広いお祭りです。

ぜひ、よさこい祭りに参加して、本場のよさこいを体験しましょう!

あったか高知踊り子隊
あったか高知踊り子隊は、県外から観光で来る方にオススメ!

よさこい祭りの当日に、2時間練習をすれば誰でもよさこい祭りの踊り子として踊りを披露できます。

よさこい祭りを見ているだけでなく、実際に踊ってみたいという方はぜひ参加してみてください♪

参加するためには、あったか高知踊り子隊の実行委員に電話かFAXで申し込み、中学生以上は2,500円、小学生以下は2,000円の参加費が必要となります。

※詳しくは高知市公式HPにてご確認ください。

市民憲章よさこい踊り子隊
市民憲章よさこい踊り子隊は、当日によさこい祭りを見ていて踊りたくなった方にオススメ!

前もっての申し込みは不要、当日に受付して2時間の練習をすればそのまま踊り子として参加できます。

地元や県外からきた子ども、観光客などが参加して、よさこい祭りの雰囲気を味わえる踊り子隊です。

※詳しくは高知市公式HPでご確認ください。

お祭りの日に行けなくても楽しめる!「高知よさこい情報交流館」

高知のよさこい祭りは毎年多くの観光客が訪れます。

さらに、全国各地から踊り子や関係者が集まるため、なかなか当日の飛行機やホテルの予約が取れません。

もちろん、お祭り当日に見に行くのが一番ですが、もしタイミングが難しい場合は「高知よさこい情報交流館」に行ってみては?

高知よさこい情報交流館は、高知のよさこいに関する歴史や見どころなどを紹介している展示施設です。

展示を見るだけでなく、よさこい踊りの体験や、オリジナルの鳴子をつくる体験サービスも提供していますよ♪

時期によっては特設展示などもありますので、よさこい祭り当日以外で高知を訪れる際は、ぜひ脚を運んでみてくださいね。

よさこい祭りは高知以外でも見られる?

よさこい祭りは高知県だけでなく、全国各地で開催されています。

本場・高知とはまた異なる雰囲気や、踊りのスタイルを楽しむことができますよ。

ここからは、日本各地のよさこい祭りをチェックしておきましょう。

YOSAKOIソーラン祭り【北海道】

北海道YOSAKOIソーラン祭りは、北海道札幌市にて毎年6月上旬に開催されます。

YOSAKOIソーラン祭りでは、どのチームも勢いのあるソーラン節の曲を入れて踊るので、力強い振り付けのチームが多いのが特徴的です。

札幌市内の名所を周りながら踊りを鑑賞するので、さわやかな6月の北海道を楽しみながらお祭りを満喫できます。

原宿表参道元氣祭スーパーよさこい【東京都】

原宿表参道元氣祭スーパーよさこいは、8月下旬(2021年は10月9日・10日)に原宿・表参道にて開催される大規模なよさこい祭りです。

明治神宮前や表参道の道路など、東京の名所である原宿・表参道がこの時期だけ踊り子たちのステージになります。

高知の有名なよさこいチームも参加するほどの大きなお祭りなので、多くの踊り子の演舞を見ることができます。

さらに、当日は代々木公園にてさまざまな屋台が出店されたり、本場高知のアンテナショップが設置されたりと、踊り以外でも存分に楽しむことができるお祭りです♪

みちのくYOSAKOI祭り【宮城県】

みちのくYOSAKOI祭りは、宮城県仙台市で毎年10月上旬に開催されるよさこい祭りです。

各会場で披露される演舞は、チームの演舞だけでなく「総踊り」とよばれる誰もが飛び入り参加できる踊りが組み込まれています。

踊り子と観客が一体となって楽しむことができるお祭りなので、よりリアルにお祭りを体験したいという方にオススメです。

みちのくYOSAKOI祭りでは、仙台名物のずんだや牛タンなどを食べられる屋台も多く出ているので、仙台観光とあわせて踊りを楽しんでください♪

おわりに

よさこい祭りは高知県で生まれ、4日間を通してたくさんの踊り子・観光客が集まる日本有数のお祭りです。

各チームがそれぞれこだわり抜いた振付、曲、衣装を披露し、鳴子の音で観客を魅了します。

高知はもちろんですが、全国のよさこい祭りにも訪れてみてくださいね!