日本刀は武士の魂
日本刀は優れた武器であると同時に美しい芸術品であり、さらに日本人の精神性を象徴するものとしても受け継がれてきました。
古来より武器としての強い信頼と神秘的な美しさを持つ刀剣類には神が宿ると考えられ、江戸時代、日本刀は「武士の魂」を表わすものとなりました。
日本刀は、刀鍛冶が長い伝統の中で培った技を結集し、精魂込めて作りだした強く美しい武器。
武士たちが、心の強さを表わし、精神のよりどころとみなすのにふさわしい存在でした。
明治の廃刀令で日本刀は一部を除いて武器としての役目を終えます。
第二次世界大戦後は美術刀剣、つまり美術工芸品として認知されるようになりました。
長い歴史の中で合理性と美意識を融合させてきた日本刀は、日本人の伝統的な精神をも受け継いだ美術工芸品として、改めて認知されたのです。
近年では、クールジャパンで日本の刀鍛冶の精巧かつ複雑な作業を知った外国人が、その日本人の伝統と技に感嘆して日本刀に注目するようになりました。
刀の魅力に惹かれる現代の人々
また、マンガやゲームをきっかけに刀に惹かれる若い人たちも増えています。
とくに最近では「刀剣乱舞 -ONLINE- 」(略称 とうらぶ)という名刀を刀剣男士として擬人化したオンラインゲームから日本刀に興味を持つ若い女性、刀剣女子が急増。
2018年の紅白歌合戦に、「刀剣男士」が出場することで話題になりました。
ここ数年、日本刀に夢中になる刀剣女子と呼ばれる若い女性たちが急増し話題になっています。
このきっかけとなったのが刀剣乱舞(とうけんらんぶ)というブラウザゲーム。
刀剣男士とは、このゲームに登場する擬人化キャラクターの総称です。
2018年の紅白歌合戦に、ミュージカル刀剣乱舞(とうけんらんぶ)の刀剣男士が出演することが決まり話題になりました。刀剣乱舞はブラウザゲームで、歴史的な名刀を擬人化した刀剣男士を集めて育成、強化して戦っていく人気のゲームです。
最初はミーハー感覚で意中の刀剣男士の業物を鑑賞していくうちに、本物の日本刀に魅了されていく女性たちも少なくないのだとか。
刀が漂わせる神秘的な美しさと長い歴史と伝統に育まれた刀剣の持つストーリー性、そして日本刀に込められた日本人の精神性に惹かれているようです。
このようにかつては武器として君臨した日本刀は今、その伝統と美意識、日本の精神を伝えるものとして、日本文化の一つとなっています。
現在は刀鍛冶の世界でも機械が導入されるようになりました。
とくに鍛錬する場合は、「相槌」といって、数人がかりで槌を叩いていきます。
しかし、今では鍛造機(電動で動くスプリングハンマー)を用いるおかげで、叩く部分を機械が担い、刀鍛冶1人で鍛錬を行なうことができます。
機械化が導入される一方、今でもそれぞれの刀鍛冶が自分の個性を出しながら美術刀剣、居合の道具などとしての刀を作っています。
刀鍛冶は、日本刀を作る職人で、刀工、刀匠ともいいます。日本刀とは折り返し鍛錬など日本特有の製造方法で作られた反りのある刀で、平安末期の11~12世紀頃に成立したとされています。以降、これが日本刀の主流になり、時代の変化に応じて様々な形状、種類の刀が作られました。
刀鍛冶が刀身を形作り、研師がそれに磨きをかけて刀身は完成します。ただし日本刀は刀身だけで使うのではなく、刀身を入れる筒状の鞘と一組になっています。その鞘を作るのは鞘師。鞘師は主に拵の下地と白鞘の2種類の鞘を作ります。
日本刀の研師には、刀身の断面の姿形を整え、地・刃・棟・切先など一つずつ研磨し刀の切れ味をよくすることに加えて、その刀の持つ本来の美しい姿、持ち味を最大限引き出し、一番よく見えるように表現していく役割があります。この記事では、研師の主な仕事である鍛錬を終えた後の刀の研ぎ方・研磨工程についてご紹介します。
本記事では、日本刀の中でも最強・最高傑作の刀を紹介します。童子切安綱や三日月宗近などの天下五剣など、日本刀には傑作と呼ばれる刀がいくつもありますが、伝説やエピソードをもとに7本を厳選。その中からワゴコロ編集部が選んだベスト1はどの刀なのでしょうか!?
日本刀の材料になる良質な鋼、玉鋼。玉鋼は純度の高い鉄で、鍛接しやすく、熱することで硬く粘り強くなり、錆びにくく研磨しやすいという特性があります。硬さや靱性が日本刀にぴったりの奇跡の鉄ともいえます。純度の高い脆さが少ない玉鋼を使うことで薄く打ち延ばし、折り返し鍛錬することが可能になりました。
造りこみした鉄の塊を加熱して四角い棒状に叩いて伸ばす作業です。ここでだいたいの刀の寸法や姿形の原型が決まります。刀鍛冶は出来上がりの寸法を考えながら幅、長さ、厚みなどを念入りに調整します。