東京湾に浮かぶ無人島、猿島さるしま

神奈川県横須賀の港から船でわずか10分というこの島は、1日たっぷり遊べる人気の観光スポットです。

自然豊かな島内にはかつて使用されていた要塞が残っており、歴史遺産巡りもできますよ。

この記事では猿島の歴史や遊び方、オススメグルメをご紹介します!

猿島観光の際に便利な宿泊施設もチェックしてください♪

※本記事の内容は2024年9月時点のものです。
 掲載内容は変更していることもありますので、正式な情報については事前に各施設へお問い合わせください。

東京湾の無人島、猿島とは

猿島さるしまとは、豊かな自然と歴史的建造物が融合している、東京湾で唯一の無人島です。

面積は横浜スタジアムのグランドの約4倍、周囲は約1,6km。

ゆっくり歩いても一周1時間ほどで巡ることができます。

海と緑に囲まれた島内では史跡散策をはじめ、さまざまなレジャーを楽しむことができます。

須賀から船で10分のレジャー天国

横須賀・三笠ターミナルから船で10分の猿島は、近年人気を集めているレジャー天国。

豊かな自然のなかで海風を感じながら、軍事遺跡の見学、磯遊び、釣り、バーベキューなどをすることができます。

船は9時30分~17時(冬季は16時)の間で運行しており、往路・復路とも1時間に1本です。

夏場や土・日・祝日は混雑するため、割引のあるデジタルチケットを用意するとスムーズに乗船できますよ。


※猿島への船は有料です。(横須賀市民は割引あり)。

島の歴史・仮面ライダーのロケ現場

では、猿島の歴史を見ていきましょう。

猿島は明治14年(1881年)から昭和20年(1945年)まで、日本軍の要塞として使用されていました。

戦後、米軍の占領下となりましたが、昭和22年(1947年)に渡島ととうが開始され、昭和32年(1957年)には海水浴場もオープン。

1970年代前半には、テレビで人気を博した『仮面ライダー』におけるライダーの敵、ショッカーのアジトのロケ現場として撮影が行われました。

しかし平成5年(1993年)、建築物の老化などの理由により渡島ととうは禁止され海水浴場も閉鎖。

再度立ち入りが可能になったのは平成7年(1995年)のことです。

日帰りレジャーを楽しめる公園として整備された猿島には多くの観光客が訪れるようになり、近年はジブリのアニメ『天空の城ラピュタ』の雰囲気に似ていると話題になっています♪

『無人島・猿島「探検」ツアー』の見どころスポット

要塞が築かれた猿島は歴史の宝庫。

兵舎や弾薬庫跡、砲台跡、トンネルなどが残っており、当時の雰囲気を肌で感じることができます。

そんな猿島の歴史や見どころスポットをもっと知りたいという方には、プロガイドさんの解説で巡る『無人島・猿島「探検」ツアー』がオススメ!

ツアーは、30分でさっくり島の名所をたどる“30分ベーシックコース”と60分で島内を一周する“60分アドバンスコース”の2コースから選ぶことができます。

“60分アドバンスコース”では普段入ることができない兵舎や弾薬庫に入ることができますよ。

お時間の都合に合わせて、猿島の見どころをまわりましょう♪

通し

鬱蒼とした木々が生い茂る石積みの壁が両側にそびえる道・切通きりどおは、猿島の名所の一つです。

トラックなど現代の工事現場で見られるような建設機械がない明治時代初期、ツルハシやシャベルを使い、人の手で山を掘るなどして切り開かれた猿島の切通しの幅は約4.5m、壁の高さは4m~約9.5mになります。

壁は東側と西側で石材の大きさが異なるため、造られた時期が違うのではないかと考えられています。

木々の間から差し込む陽射し、苔に覆われた石壁やレンガが独特の雰囲気を生み出しており、撮影スポットとして人気です。

切通しに沿って建てられている赤レンガの兵舎は、レンガを長手と小口を交互に積む“フランス積み”という、今では珍しくなった工法で造られています。

フランス積みは明治時代初期に用いられた建築方式で、今や国内でお目にかかれるのは、猿島や富岡製糸場など数カ所しかありません。

出入口の両側には、ごく小さな窓が付いており、すぐ隣りにはレンガ造りのトイレがあります。

ンガ造りのトンネル

切通しを進むと、日本最古級のレンガ造りのトンネルが現れます。

アーチ型のトンネルの長さは約90m、幅は約4m。

壁面には横穴があり、別の施設に繋がっています。

またトンネルには傾斜をつけたり、道にカーブをつけたりし、敵の目を避ける工夫が見られます。

このトンネルの別名は“愛のトンネル”。

薄暗いトンネルの中をカップルが寄り添い、手を繋いで歩くことからその名で呼ばれるようになりました。

仲を深めたいお相手と一緒に、この“愛のトンネル”を歩いてみてはいかがでしょうか?

薬庫

弾薬庫だんやくこは、切通し沿いに兵舎と交互に並んでいます。

こちらもフランス積みの建物ですが、兵舎と異なり、大・小2つの入口が付いています。

弾薬庫のなかには、煙突のような筒状構造物・揚弾井ようだんせいがあります。

かつてこの揚弾井には滑車が付いており、弾薬を吊り上げ、砲台に供給していました。

なお、『無人島・猿島「探検」ツアー』に参加すると、揚弾井を内部から見ることができます!

台跡

島の北部には4つの砲台跡が残っています。

敵の東京湾内侵入阻止、軍港である横須賀の防御を目的に、明治17年(1884年)に竣工しゅんこうしました。

ところが、大正12年(1923年)の関東大震災で甚大な被害を受けてしまいます。

その後、第二次世界大戦中の昭和16年(1941年)頃から敵機来襲に備え、鉄筋コンクリートの円形砲座が造られました。

しかし高度10,000mを飛行するB29に対し、高射砲の射程距離は高度約8,000m。

実際には使われることなく終戦を迎えたといいます。

戦後、砲台は米軍により撤去され、砲台跡が残りました。


※B29:アメリカの大型戦略爆撃機で、正式名称を“ボーイング B-29 スーパーフォートレス”、日本での通称を B 29 ビーにじゅうく という。

望台広場

散策に疲れてきたら、島の中心にある、展望台広場で一休みしてはいかがでしょう?

広場の目玉は、戦争中は“防空監視所”として、戦後は「仮面ライダー」の敵、ショッカーのアジトの撮影に使われたことで知られる展望台。

老朽化のため現在は立ち入り禁止ですが、中の様子を覗き込んで見ることができますよ。

広場からは、散策中の緑豊かな景色とは一変、見晴らしの良い海の景色と共に、ランドマークタワーや米海軍横須賀基地の建物も望めます。

テーブルとベンチがあるので、お弁当を食べて小腹を満たすのも良いですね♪

島内にはほかにも発電所やオイモノ鼻と呼ばれる広場、古代住居跡の日蓮洞窟があり、歴史散策を楽しむことができます。


※令和6年(2024年)9月現在、日蓮洞窟は立ち入り禁止。

猿島の由来とは?
猿島の名前の由来は、鎌倉時代に遡ります。
高僧・日蓮上人が船で房総~鎌倉間を渡航中に嵐に遭遇しました。
近くの島に避難した際、一匹の白い猿が姿を見せ、島の奥へと案内したという伝説により、「猿島」と名付けられたと言い伝えられています。

猿島で体験できるアクティビティ

猿島はアクティビティが豊富!

ほとんどが気軽に楽しめるものばかりです。

ここでは猿島で体験できるアクティビティをご紹介します。

バーベキューや釣り・磯遊びなど、猿島をめいいっぱい遊びつくしちゃいましょう♪

辺でバーベキュー

猿島では、開放的なビーチでバーベキューができます♪

ただし、島内へのコンロや燃料の持ち込みは禁止されているため、島内にあるレンタルショップでレンタル可能なバーベキューセット一式 “BBQセット”の予約が必須!

基本的に好きな具材を持ち込むスタイルですが、横須賀セントラルキッチンの“猿島BBQ食材セット”も予約しておけば、手ぶらで楽しむことができますよ♡

セット内容は各種野菜のほか、横須賀ビールの調味液に漬け込んだ自家製チキンや地魚など。

もちろん、ハーブソルトや野菜用のタレといった調味料も付いています。

夏場は混雑するため、早めの予約がオススメです。

り&磯遊び

無人島の猿島では、釣り磯遊びをすることもできます!

釣り道具は島内のレンタルショップで借りられるため、気軽にできるのも魅力です。

釣りができるのは、「砂鉄の浜」と「オイモノ鼻」の2カ所。

「砂鉄の浜」は猿島の玄関、桟橋すぐの所にあるバーベキューができる砂浜です。

近くにはレンタルショップがあり、売店や休憩スペースにも使えるボードデッキなども設けられています。

「オイモノ鼻」は猿島の北東部にあり、磯遊びも楽しむことができますよ♪

磯場のため足場はよくありませんが、釣りのポイントまでは階段がありますよ。

猿島のテイクアウトレストラン「Sarushima Oceans Kitchen」

広いテラス席から対岸の横須賀の街を眺められるOceans Kitchenは、猿島唯一のテイクアウトレストランです。

横須賀感あふれるメニューが豊富で、横須賀名物“よこすか海軍カレー”やカレー味の“ヨコスカプライドポテト”、“猿島プリン”などを味わえます。

横須賀産の生姜で作ったシロップを使う“自家製ジンジャーエール”、さわやかなラベルが目印の“ヨコスカブルー(サイダー)”などもありますよ。

猿島付近のオススメ宿泊施設

ホテルニューポートヨコスカ】観光のアクセス拠点に!

観光のアクセス拠点にオススメなのが、ホテルニューポートヨコスカです。

猿島へ向かう三笠ターミナルまでは徒歩5分、京浜急行“横須賀中央駅”からは徒歩8分、アメリカの息吹を感じるドブ板通りも10分以内と、横須賀観光に便利なホテルです。

“滞在しやすさ”を追求した部屋はゆったりひろびろ。

家具はフルオーダー、全客室にキッチンと洗濯乾燥機が付いています。

猿島の往復乗船券が付いたプランもありますよ!

スポット名ホテルニューポートヨコスカ
住所〒238-0004
神奈川県横須賀市小川町2-13
アクセス京浜急行(本線)「横須賀中央駅」から徒歩約8分
京浜急行(本線)「汐入駅」から徒歩約11分

※情報は変更となる場合がございます。詳細は、施設へお問い合わせください。

セントラルホテル横須賀】ティーラウンジでおいしいお茶を♪

セントラルホテル横須賀も、京浜急行「横須賀中央駅」からは徒歩1分、三笠ターミナルまでも約1kmと徒歩圏内で、便利な立地です。

周囲にはショッピングモールや飲食店が多く、買い物に不自由することはありません。

リーズナブルな客室は全6タイプ。

館内のティーラウンジでは、50種類あるカップから好みのカップを選び、お茶を楽しむことができます♪

朝食と乗船券付き・チェックアウト12時という猿島観光プランがあり、猿島観光をゆっくり満喫することができそうです♡

スポット名セントラルホテル横須賀
住所〒238-0007
神奈川県横須賀市若松町2-8
アクセス京浜急行(本線)「横須賀中央駅」から徒歩1分

※情報は変更となる場合がございます。詳細は、施設へお問い合わせください。

ホテルニューヨコスカ】リラックスできる環境が魅力

リラックスできる環境が魅力のホテルニューヨコスカは、京浜急行「汐入駅」、「横須賀中央駅」、どちらからもアクセスしやすいドブ板通り近くのホテルです。

寝心地のよい“シモンズ”のベッドと、フルオーダーの家具からなる部屋はゆとりある空間になっており、リラックスして過ごせます。

宿泊プランの『猿島観光プラン』は、朝食ビュッフェと乗船券付き。

朝食ビュッフェでは、人気のフレンチトーストを味わえます♡

スポット名ホテルニューヨコスカ
住所〒238-0041 
神奈川県横須賀市本町1-12
アクセス京浜急行(本線)「横須賀中央駅」または「汐入駅」から徒歩約5分

※情報は変更となる場合がございます。詳細は、施設へお問い合わせください。

メルキュール 横須賀】客室は高層階!軍港が見られる部屋も

すぐ前は大型ショッピングモールというメルキュール 横須賀は、京浜急行「汐入駅」から徒歩1分、角を曲がればすぐにドブ板通りという好立地です。

三笠ターミナルまでは徒歩約20分ですが、途中バスを利用することも可能。

すっきりおしゃれな客室は7~16階にあり、客室タイプによっては軍港の眺めを楽しむことができます。

『三浦半島まるっと満喫プラン』には、猿島フェリー乗船引き換え券と“よこすかポートマーケット”の利用券が付いているため、猿島観光の後に三浦半島グルメを満喫しいてみてはいかがでしょう?

スポット名メルキュール 横須賀
住所〒238-0041
神奈川県横須賀市本町3-27
アクセス京浜急行(本線)「汐入駅」から徒歩1分
JR横須賀線「横須賀駅」から徒歩8分

※情報は変更となる場合がございます。詳細は、施設へお問い合わせください。

ホテル ハーバー横須賀】アットホームな環境で快適に

ホテル ハーバー横須賀は、アットホームなサービスが人気のビジネスホテルです。

京浜急行「汐入駅」から徒歩1分と駅近で、すぐ近くに大型ショッピングモールがありますが、大通りから1本入った場所に位置しているため落ち着いた環境です。

明るく清潔な客室は、枕元コンセントやワッフル生地のセパレートパジャマなどが用意されており、快適に過ごせるよう配慮されています。

宿泊客は、朝・夕にコーヒーの無料サービスを受けられます。

スポット名メルキュール 横須賀
住所〒238-0041
神奈川県横須賀市本町3-27
アクセス京浜急行(本線)「汐入駅」から徒歩1分
JR横須賀線「横須賀駅」から徒歩8分

※情報は変更となる場合がございます。詳細は、施設へお問い合わせください。

おわりに

猿島は気軽に行ける人気の無人島です。

豊かな自然のなかに史跡が残る島内は、アウトドアレジャーの宝庫。

東京湾での釣りや磯遊びをはじめ、開放的な環境でバーベキューを楽しむことができます。

釣りやバーベキューの道具はレンタルできるので、手ぶらで行けることも魅力です。

出発点となる三笠ターミナル近くに宿泊して、猿島と横須賀の街を満喫してみてはいかがでしょうか!