みなさんは二十四節気にじゅうよんせっきという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

二十四節気とは、太陽の黄道こうどう上の視位置しいちを24に等分しているもののことを指します。

この24等分の一つに「冬至とうじ」があります。

他にも、夏至げしや春分、秋分など1度はどこかで聞いたことのあるような名前のものから、白露はくろ穀雨こくう啓蟄けいちつ霜降そうこうなど、あまり聞き覚えのない名前のものまであります。

春夏秋冬の各季節には、それぞれ6種類ずつ節気せっきがあります。

そして、「冬至とうじ」は、二十四節気にじゅうよんせっきの中(1年の中)で一番太陽が日本を照らす時間が短い日です。

冬至ってそもそも何?


冬至は太陽が1年で一番日本を照らす時間が短い日です。

そして、太陽が1年で一番日本を照らす時間が長い日が夏至げし

つまり、夏至げしを過ぎると、日本で太陽が出ている時間がどんどん短くなっていき、冬至とうじで一番短くなり、冬至とうじを過ぎると今度は毎日太陽が出ている時間がどんどん長くなり、夏至げしになるというわけです。

では、冬至とうじ夏至げしではどれだけ日照時間が違うのでしょうか。

2020年東京の冬至とうじの日照時間は9時間45分。

2020年の冬至とうじが数ヶ月先でも、この時間は計算によって求めることができます。

日の出が6時46分で日の入りが16時31分です。

それに対して、2020年6月21日の東京の夏至げしの日照時間は14時間35分間。

東京では日の出が4時25分で日の入りが19時です。

冬至とうじ夏至げしでは約5時間も違うことになります。(また、冬至とうじ夏至げしの差は南極や北極に近いほど大きくなっていきます)

2020年の冬至とうじは12月21日ですが、太陽の角度が毎年少しずつ変わってきているため、毎年12月21日というわけではありません。

22日前後に冬至とうじが来るというイメージです。

では、この「冬至とうじ」という概念は、いつごろから日本に定着したのでしょうか?

実はいつからあるのかということは、わかっていません。

ただ古来より「冬至とうじ」という概念は既にあり、日本だけではなく、中国や他の国でも「冬至とうじ」の日をとても大切にしています。

例えば、中国では冬至とうじの日を一陽来復いちようらいふくと言って悪いことが続いた後に幸運に向かうこととしていたり、宗教とも深い関わり合いがあると言われています。

冬至とうじを境に日の光を浴びる時間が増えるところから、古来の人たちにとって重要な日だったのでしょう。

イエス・キリストは24日に復活したと言われていますが、この日が冬至とうじだったという逸話いつわもあります。

冬至とうじは1年で一番夜が長い日でもあるので、黄泉よみの世界とつながっていると昔の人が考えたのかもしれません。

イエス・キリストの話からも分かるように、冬至とうじは日本だけでなく世界でも重要な日ということです。

冬至=カボチャのイメージ

ところで、冬至とうじというとカボチャのイメージがありませんか?

冬至とうじが近づくとスーパーでも、カボチャが目立つところに置かれるようになり、なんとなくカボチャを食べる日なのかなと感じている人は多いのではないでしょうか。

それでは、どうして冬至とうじにカボチャを食べるのでしょうか?

実は冬至とうじには、「ん」のつく食べ物を食べることで運盛うんもりができると考えられていました。

日本では「かぼちゃ」というのが一般的ですが、別名「南京なんきん」と呼ばれています。

そう、かぼちゃは「ん」のつく食べ物なのです。

さらに南京なんきんは北(陰の意味)から南(陽の意味)へ向かうという意味もあり、より運盛うんもりにぴったりの食べ物とされていました。

運盛うんもりができる他の食べ物はあるのかというと、実はあります。

一つは小豆を使ったお粥で冬至粥とうじがゆです。

最近は作る家庭も減っているので、、家でも食べたことがない人もいるかもしれませんね。


また「ん」のつく食べ物は地域性もあります。

例えば、「こんにゃく」。

北関東の人たちが冬至とうじに食べるものです。

先ほどのかぼちゃもお汁粉しるこにして食べているのが北海道。

その土地ごとに食べるものが違うというのも面白いですよね。

最後に運盛うんもりができる「ん」のつく食材をあげると、かぼちゃとこんにゃく以外だと、にんじん、だいこん、れんこん、いんげん、ぎんなん、きんかん、うどんなどです。

「ん」のつく食べ物であれば、どれでも運盛うんもりができるので、今例に挙げた食べ物以外にも探してみるのもいいかもしれません。

冬至にするといいこと

それでは、冬至とうじの日に食べるものではなく、行うと良いことは何なのかを見ていきましょう。

そう言われて思い浮かべるものはありますか?

そう、ゆず湯です。

冬至とうじのイメージはかぼちゃよりもゆず湯という人も多いかもしれませんね。

では、なぜゆず湯に入る風習が昔からあったのでしょうか。

実はゆず湯に入ることも邪気じゃき払いの意味がありました。

古来から強い匂いのもとには、悪いもの(邪気じゃき)は近づかないという考えがあったので、このゆず湯も同じ意味を持っています。

お風呂のなかった時代に、お香で身を浄化していたという時代もありました。

その感覚が、そのままゆず湯として現代に残っているのでしょう。

また、ゆずの木は寿命が長いということから、ゆず湯に入って無病息災を願ったということも言われています。

この記事をここまで読んでいただくと、冬至とうじは厄落としをしたり、新しい良い運気を身につけたりする日という印象を受けた方もいるのではないでしょうか?

中国で一陽来復いちようらいふくと言われているとも書きましたが、日本だけではなく世界的にみても、暗い夜が一番長い日を過ぎれば、明るい時間が増えていく次の日が来るということが、昔から人々にとって期待につながったのでしょう。

現代は、太陽がなくても電気があるため、真っ暗になることはありません。

ですが、昔は電気はなく、明かりは太陽や火だけでした。

だからこそ、日の光は重要で、陽というイメージと結びついていたのかもしれませんね。

おわりに

冬至とうじは始まりの時でもあり、これまでの悪いものを落とす日でもある

冬至を、日本で言う「元旦」と同じ位置づけにしている国もあります。

一番暗い日が明ける日でもあるからでしょう。

日本での冬至とうじは、厄を落とす日としての位置づけが強いのですが、江戸時代やその前の時代以前は、暖をとる際は、火を使うしかなく、食料も豊富になかったため、冬の寒い時期は過酷な季節でした。

冬至とうじを過ぎれば、日は長くなっていきますが、本格的な寒さが到来するのは冬至とうじ以降です。

だからこそ、冬至とうじに英気を養い冬に向けての体の準備をしていたのかもしれませんね。