日本で生きていると、日々のニュースなどからも防災についての意識を高める必要があることを実感させられます。

そのような中、日本では「防災の日」が制定されていますが、防災の日がいつなのか、またどんな目的や由来があるのかなどは、あまり詳しく知られていません。

この記事では、防災の日とはどのような日なのか、制定されるまでの歴史や防災の日の過ごし方をご紹介していきます!

防災の日とは?

防災の日は、毎年「9月1日」です。

どのような目的で制定された日なのでしょうか?

具体的に見ていきましょう。

災害の多い日本で、防災意識を高めるために制定

日本は、位置や地形等の条件から、台風や地震、津波などの自然災害が発生しやすい国です。

ところが、人は「自分は災害とは無関係である」といった“正常性バイアス”が働き、どうしても災害を他人事のように考えてしまいます。

そのため、災害は誰もが遭遇するものであることを理解し、1年に一度災害について考えるきっかけとなるように「防災の日」が制定されました。

ちなみに、防災の日は昭和35年(1960年)に制定されましたが、きっかけとなったのは、前年の昭和34年(1959年)に発生した“伊勢湾台風”です。

伊勢湾台風は、過去に訪れた最大級の台風と比べると、勢力自体はそこまで強い台風ではありませんでした。

ところが、災害への備えが不十分だったために、明治以降に日本に訪れた台風の中で最も多くの犠牲者を出す結果に……。

この出来事をきっかけに、不十分であった防災対策を見直すため、翌年の防災の日制定へと繋がっていったのです。

※正常性バイアス:大災害など、自分では予想できないようなことが身近で起こった際に「大丈夫だろう」と過小評価したり、「ありえない」と現実を見ないようにしたりする人間の心理状況のこと。
もともと人間に備わっている防御作用の一つで、ある程度の心理的負担がかかっても簡単に心が乱れないようにするために、脳が自動でストレスを調整する働きを指す。

防災の日の由来

そもそも、防災の日はなぜ9月1日なのでしょうか?

防災の日の由来や歴史を見ていきましょう。

防災の日と関東大震災の関係

防災の日が9月1日になったのは、かつて発生した「関東大震災」が関係しています。

関東大震災は、大正12年(1923年)の9月1日に発生した大地震です。

相模トラフを震源としてM7.9の大地震が発生し、地域によっては震度6弱以上を記録するほどの大きさでした。

およそ190万人の方が被災し、10万人以上の方々が犠牲になったと言われています。

この日に起きた関東大震災の教訓を忘れないために、防災の日は「9月1日」となったのです。

ちなみに、「防災の日」が制定されるまでは、9月1日に関東大震災の犠牲者の慰霊祭などが中心に行われていました。

しかし、「防災の日」が制定されてからは、防災意識を高めるような取り組みやイベントが開催されるようになっています。

9月1日は、災害との関係が深い日

防災の日が9月1日になった理由は他にもあり、古くから日本に伝わる雑節の“二百十日にひゃくとおか”の考え方も由来しています。

二百十日とは、農家の三大厄日とも言われ、もともとは農作物の収穫に関する言い伝えです。

9月1日前後は立春から数えて210日目となり、この時期は台風の襲来が多く、農作物が大きな被害を受けやすい日だと考えられていました。

そこで各地では、古くからこの三大厄日の前後に風祭りを行い、風の神様へ風害除けのお祈りしていました。

実は実際の統計などを見ると、9月1日前後の台風はあまり多くないのですが、昔から9月1日は災害の多い日として戒められていたのです。

防災週間とは?

防災に関して、防災の日以外に「防災週間」も定められています。

こちらも具体的にご紹介しましょう。

「防災週間」は9月1日の防災の日を含む1週間

先ほどご紹介したように、防災の日は9月1日ですが、この日を含む1週間を「防災週間」といいます。

防災の日と同じように、主に防災に関する情報や知識を普及させることを目的としており、昭和57年(1982年)に閣議決定されました。

防災週間には、国や各自治体、学校など多岐にわたる場所で、講演会や展示会、防災訓練など防災に関する行事が実施されます。

ただし、防災への意識は、すぐに培われるわけではありません。

防災週間のような期間を通じて、日頃から災害について考えていくことが必要です。

防災の日の過ごし方

せっかく「防災の日」について知っていただけたなら、当日は防災に関することに触れて過ごしてみませんか?

次は、どのように防災の日を過ごせば良いかをご紹介します。

防災対策について考える

災害はいつ起こってもおかしくありません。

いざという時のために、防災対策について考えてみましょう。

避難場所・避難経路を確認する

自分が住んでいる地域では、災害が起こった際にどこに避難すれば良いのかご存じでしょうか。

地域によって、災害時に住民が避難するべき避難場所は異なります。

避難場所はどこなのか、現地に向かうまでには自宅からどんな道を通るのかを確認しておきましょう。

災害時の行動を家族で共有する
災害時には、当たり前だと思っていたことが突然できなくなります。

例えば、外にいるときに携帯電話が通じなくなってしまうと、家族と連絡を取ることすらできません。

そのようなことがないように、災害が起こった際に家族が待ち合わせをする場所や、持ち出すものの担当などを決めておきましょう。

ハザードマップに目を通しておく
ハザードマップは、一般的に各自治体が作成しており、災害発生時に被害が想定される地域や避難場所などの情報を地図で確認できます。

市役所などで手に入れられるので、必ず一家に1枚は持っておくようにしましょう。

また、国土交通省では、「ハザードマップポータルサイト」を運営しており、災害情報をリアルタイムで確認することができます。

防災グッズを見直す

防災グッズは定期的な見直しが必要です。

非常食の期限や懐中電灯の電池が切れていないか、また足りないものがないかなど、防災の日を利用して見直しておきましょう。

ここでは、備えておきたい防災グッズをご紹介します。

基本の防災グッズ

まずは、基本的なグッズから紹介します。

ただし、女性は基本にプラスしておくと良いものもいくつかあるので、それを踏まえてご覧ください。

■備えておきたい基本の防災グッズ
□ 水
□ 非常食
□ 非常用簡易トイレ(携帯用トイレ含む)
□ 充電器、モバイルバッテリー
□ 携帯ラジオ
□ ポリ袋
□ 救急医療セット
□ 歯ブラシなどの衛生用品
□ 懐中電灯
□ ホイッスル(周囲に助けを求める時に便利)
□ カセットコンロ、ボンベ
□ マッチ、ライター
□ 雨具、防寒具
□ 貴重品(災害時用に現金など別途準備)

■基本にプラスで女性が用意しておきたいグッズ
□ 生理用品
□ くし、ブラシ、鏡
□ 化粧品
□ ヘアゴム
□ 防犯ブザー

妊婦さん・小さなお子さんがいる方へ!ちょい足し防災グッズ

妊婦さんや、小さなお子さんがいるお父さん、お母さんはお子さんの命を守らなければなりません。

いざというときに焦らないためにも、以下のグッズを準備しておきましょう。

■妊婦さん、小さなお子さんがいても安心なちょい足し防災グッズ
□ 紙おむつ
□ 粉ミルク、哺乳瓶、離乳食
□ 抱っこ紐
□ お子さん用の簡易ベッド

高齢者の方へ!ちょい足し防災グッズ
避難生活は体力にも負担がかかり、期間が長引くと、特に高齢者の方は不安が大きくなります。

安心して避難生活を送れるように、以下のような高齢者の方向けのグッズを準備しておきましょう。

■高齢者の方が安心して避難生活を送るためのちょい足し防災グッズ
□ 紙おむつ
□ 介護用品
□ 補聴器
□ 入れ歯
□ 持病薬

防災の日の関連イベント

防災の日や防災週間には、全国各地で防災に関する講演会やセミナー、「防災フェス」などのさまざまな防災イベントが開催されています。

いくつか例を挙げて、ご紹介します。

総合防災訓練・防災フェア(埼玉県)
総合防災訓練・防災フェアは、毎年9月1日に埼玉県で開催される防災イベントです。

会場には消防車や救急車、ヘリコプターが出動しており、救出訓練や避難所設置訓練などを見学できます。

室蘭市防災フェスタ(北海道)
北海道室蘭市防災フェスタでは、防災に関するブースやポスター展示のほか、防災講演会も実施されます。

行政だけでなく、市民団体や地元企業などもイベントに参加し、防災への意識を高めるような取り組みを行っています。

自分の住んでいる地域のイベントを調べてみよう!
インターネットを使って、「防災の日 イベント ○○(←お住いの地域名)」などで検索してみましょう。

意外と身近なところで防災イベントが開催されているかもしれません。

TEAM防災ジャパン
「TEAM防災ジャパン」は内閣府が運営している、防災に関するポータルサイトです。

全国の防災イベント情報や防災ニュースを見ることができるほか、さまざまな団体が作成している防災に関する資料などが掲載されています。

おわりに

日本は、これまで何度も大きな天災に見舞われてきました。

生きている私たちがそのことを忘れずに後世へ語り継ぎ、防災の重要性を伝えていかなければなりません。

「防災の日」は、まさにそのような日として打って付けの日。

これからの世代の方々が安心して生きていける社会を作るために、防災の日を利用して今一度、防災について考えてみませんか?

また、自分自身で防災について考えるだけでなく、防災に関する意見を積極的に発信して、世の中の防災意識が高まるきっかけを作っていきましょう。