日本の文化に興味をもったら、ぜひ知っておきたいのがお正月の知識です。

日本で育った人にとっては常識でしょ?と思うかもしれませんが、説明できる人は意外と多くありません。

そこで、今回は日本のお正月にまつわる基本的な知識を簡単にご紹介していきます。

お正月とは

お正月になると「明けましておめでとうございます」とみんなが口にします。

当たり前の光景に思えますが、どうしてお正月はおめでたいのでしょう? 

お正月の意味と由来

日本のお正月とは一言で言うと、年神様としがみさま※1という神様をお迎えする行事です。

※1 年神様:年神様は地域によって呼び方がさまざまで、歳徳神としとくじん・正月様・トシドンなどとも呼ばれる。

年神様は農耕の神様で、五穀豊穣ごこくほうじょうや家内安全などのご利益をもたらしてくれると信じられてきました。

そのため、お正月は“めでたい”とされているのです。

お正月はいつまで?お正月の期間

では、年神様をお迎えするお正月の期間はいつまでなのでしょうか?

実は、「〇日まで」と言い切ることはできません。

1月いっぱいを正月と呼ぶこともあれば、門松(のちほど詳しく)を飾っておく期間(=松の内)を正月と呼ぶこともあり、考え方は地域によって異なるのです。

東京周辺では、松の内を1月7日までとする家庭が多くみられます。

松の内をお正月と考えれば、お正月は1月1日から1月7日までとなりそうですね。

しかし、関西では松の内は1月15日までとする家庭が多いため、一概に「お正月は〇日まで!」とはいえないのです。

官公庁や一般的な会社では、お正月休みは1月3日までです。

地域だけでなく、勤務先によってもお正月の期間は変わるといえますね。

お正月に使われる言葉

お正月に関する言葉で、「元旦」や「元日」、「新年」という言葉を耳にしたことはありませんか?

普段は使わないのに、お正月になると使われる言葉っていくつかありますよね。

なんとなく使っている方も多いかもしれませんが、この機会に正しい意味を知っておきましょう。

元旦1月1日の朝のこと
元日1月1日のこと
新年新しい1年の始めのこと
三が日元日(1月1日)から1月3日までの3日間のこと
旧正月旧暦(太陰暦)※2 の正月のこと
小正月※31月15日のこと。
14日~16日の3日間、14日の日没~15日の日没、元日~15日の15日間ともいわれる。

※2 現在は新暦(太陽暦)が使われている。
※3 本来は旧暦での15日をさすが、現在は新暦の15日となっている。

お正月の飾り

お正月になると、玄関や家の中にお正月飾りを飾りますよね。

いかにも日本らしさを感じるものですが、それぞれの意味をきちんと理解していますか?

門松・松飾り

門松かどまつとは、お家の玄関脇や門の前などに立てられる飾りのことで、「松飾り」や「飾り松」とも呼ばれます。

門松を見ると、中心にある「竹」がメインのように感じてしまいますが、実は名前の通り「松」がメイン。

鎌倉時代までは松と一緒に竹を飾るという習慣はなく、現在のような竹を合わせた飾り方は鎌倉時代以降にはじまったようです。

一般的に、門松を飾るときは左右一対に門松を並べ、玄関に向かって左を雄松おまつ、右を雌松めまつと呼びます。

門松は単なる飾りではなく、年神様が空から降りてくる際の目印といわれています。

それにしても、なぜ「松」なのでしょう? 

松は常緑植物のため1年を通して葉が付いていることから、不老長寿や若さの象徴とされ、神様が宿ると考えられてきたからです。

松の語源として「まつる」、「神を待つ」といった説があることからも、松は古くから尊ばれてきた木であることがわかります。

しめ縄(注連縄)飾り

しめ縄(注連縄)飾りとは、文字通りしめ縄を使った飾りのことです。

お家の門や玄関などに飾ります。

細長かったり、輪っか状になっていたりと、全国各地にはいろいろな形のしめ縄飾りが存在しています。

しめ縄というと、よく神社の鳥居やご神木などに張られていますが、しめ縄には私たちの世界と神様の世界とを区切る役目があります。

すなわち、縄の内側は神聖な区域ということを意味しているのです。

そんな注連縄をお正月飾りとする理由には、

● 年神様を迎えるのにふさわしい家であると示すため
● 不浄なものが家に入らないようにするため
● 張っておくと、年神様を招く力が増すから

など、諸説あるようです。

鏡餅

鏡餅とは、大小の丸くて平たいお餅を重ねた飾りのことです。(写真参照)

農耕の神様である年神様へのお供え物であると同時に、お正月の期間中、年神様がりつくところでもあります。

鏡餅と鏡開きについては、下記の記事で詳しくご紹介しています。

お正月飾りを飾る期間は?

門松(松飾)・しめ縄飾り・鏡餅と紹介してきましたが、お正月飾りはいつからいつまで飾っておくべきなのでしょう。

飾り始める時期に特に決まりはありませんが、現在は12月28日頃に飾る家が多いようです。

ただし、下記の日は注意が必要です。

● 12月29日:9が苦に通じるため
● 12月31日:お正月ギリギリに飾るのは、年神様に対する誠意が足りないため

29日に飾るのは「苦立くたて」、31日に飾るのは「一夜飾り」といって避けられています。

お正月飾りをしまう日は、地域によって異なります。

特に理由がなければ、お住いの地域の慣習に合わせましょう。

一般的に、関東は1月7日まで、関西は1月15日までです。

伝統的な日本のお正月の食べ物・料理

お正月はゆっくり過ごすうえ、ごちそうを食べるのでお正月太りに悩む人も多くいますが、正月太りする人の平均増加体重は、1.7kgともいわれています!(だって美味しいですもんね…。)

その一因かもしれない、日本の伝統的なお正月料理について紹介します。

おせち料理

おせち料理とは、お正月に食べる重箱に詰められた料理の総称(具体例は下記で紹介)をいいます。

本来は年神様にお供えし、その後で家族や友人たちといただくためのものです。

おせち料理の特徴は、縁起の良い素材を使い、さらに日持ちするところ。

一般的には、三が日を過ごせるだけの量を作っておきます。

お正月は家事を控え、家の中で年神様に静かにくつろいでもらえるようにするためです。

代表的なおせち料理と意味

海老海老の形から、腰が曲がるほど長生きできるように。
数の子ニシンの卵。数が多いので、子孫繁栄を願って食べる
黒豆まめに働き、健康で暮らせるように。
昆布巻きよろ「こぶ」の語呂合わせから。
田作り鰯の稚魚。昔は田畑の肥料にしていたことから、豊作を願って食べる。
伊達巻魚のすり身を混ぜた卵の厚焼き。反物(=和服に使う布)の形をしているので、着るものに困らないように。

雑煮

雑煮ぞうにとは、野菜・魚介類・鳥肉といった具材を、お餅と一緒に煮た汁物です。

年神様にお供えしたお餅(鏡餅)を、野菜と一緒に煮込んで食べたのが起源とされます。

本来はお正月料理ではありませんでしたが、現在は1年の無病息災を願い、主にお正月に食べられます。

結婚式などのお祝いの席で食べられるものは「餅吸い物」と呼ばれ、お正月に食べる物だけが「雑煮」と呼ばれます。

雑煮は地域によって、具材も味付けもまったく異なります。

一般的に関東は四角いお餅ですまし汁仕立て、関西は丸いお餅でみそ仕立てといわれますが、実際はかなり豊富なバリエーションがあります。

各地の雑煮を調べてみると、きっと楽しいと思いますよ。

おわりに

日本のお正月にまつわる、基本的な知識をご紹介しました。

とはいえ、すべてご存じだったという方は、意外と少ないのではないでしょうか。

お正月をなんとなく過ごしていたという方も、お正月飾りや料理などに込められた意味を知れば、今までとはひと味違ったお正月を過ごせるかもしれませんよ。