皆さんは「節分」と聞くと何を思い浮かべますか?

保育園や幼稚園、小学校で豆まきをして鬼退治をした!なんて思い出がある人も多いのではないでしょうか。

実は子どもの頃から親しんでいるがゆえに、節分について意外と知らない事実は多いのです。

今回の記事では、節分とは本当はいつ行うものなのか、由来や歴史、豆をまく理由、行事食などをご紹介したいと思います。

地域によって節分の過ごし方は大きく異なるので、きっと驚くと思いますよ!

節分はいつ?目的とは?

節分は2月の行事という認識が一般的ですが、実は年に1回ではないのです。

「節分」の本来の意味

節分とは本来、季節の分かれる日という意味があります。

立春・立夏・立秋・立冬の前日のことを指すので、節分は年4回も存在しているわけですね。

立春りっしゅん:2月4・5日頃
立夏りっか:5月5・6日頃
立秋りっしゅう:8月7・8日頃
立冬りっとう:11月7・8日頃

一般的に節分と呼ばれるのは立春の前日(2月3日頃)です。

立春は、旧暦でいうと1年の始まり(旧正月)。

その前日である節分は、旧暦の大晦日おおみそかにあたります。

よって、立春の前日の節分の日が、年4回ある節分の中でも重視されているのです。

節分の目的

節分の目的は厄払いです。

季節の分かれ目(=節分)は、邪気が発生すると考えられていました。

昔は疫病や災害は鬼の仕業とされたので、豆まきをしたり、玄関に焼いたイワシの頭をひいらぎ(の枝に刺したもの)を立てたりすることによって、鬼を追い払おうとしたのです。

※「柊鰯ひいらぎいわし」や「やいかがし」などと呼ぶ。ヒイラギの棘は鬼の目を刺し、イワシの悪臭は鬼を追い払うので、邪気が家に入ってこないと考えられている。

節分の由来・歴史

節分がどのような日か分かってきたところで、その歴史と由来についてお話をしましょう。

実は私たちが知る節分は、いくつかの諸説が混じり合ってできた行事なのです。

起源は古代中国

まず“鬼をはらう”ルーツは、古代中国にありました。

当時の中国で行われていたのは、大晦日に追儺ついなという桃の木で作られた弓とあしの矢を射って鬼(邪気)を追い払う行事で、豆まきは行われていませんでした。

この文化が奈良時代に日本に伝わると、平安時代には日本でも宮中行事として取り入れられるようになります。

平安時代の節分では、厄除けや長寿を願う読経が行われていたといい、それがいつの頃からか、節分と豆まき、そして追儺が融合していくのです。

宮中行事が庶民の間にも広がる

室町時代にはすでに「鬼は外、福は内」と唱えながら、豆まきを行っていたことが分かっています。

豆まきは公家や武家のみならず、庶民にも浸透していきました。

「豆打ち」という言葉をご存じでしょうか。

豆打ちは日本で古くから行われていた儀式で、その名残が豆まきです。

なぜ豆打ちから豆まきになったかというと、豊作を願う農民たちの思いを反映し、畑に豆をまく仕草を表すようになったからという説があります。

豆まきは、庶民たちの願いが込められた風習でもあったのですね。

そうして江戸時代に入ると節分は追儺と完全に結びつき、一般庶民の行事として定着したと言われています。

節分には何をする?一般的な風習編

では、正式には節分に何をすればよいのでしょうか。

豆まき

全国的な節分の過ごし方といえば、やはり豆まきですよね。

豆まきをして邪気をはらい、1年の無病息災を願います。

節分の豆まきが始まったのは室町時代ですが、それ以前から日本には豆打ち(起源は不明)という儀式もありました。

そもそも、なぜ大豆(福豆と呼ぶ)をまくのでしょうか? 

諸説ありますが、よく言われるのは豆には霊力があると信じられていたという説です。

魔目まめ」や「魔滅まめ」に通じて、語呂もよいですね。

他にも、

● 鞍馬山に鬼が出た際、毘沙門天が鬼の目に豆をぶつけるよう助言した伝説に由来
● 大豆は鬼毒に効くと中国の医書に書いてあったから
● 中国の大儺で使われていた五穀のうち、大豆が最も手ごろだったから

といった説があります。

正しい豆まきの仕方

1. 節分の前日、ますなどに豆を入れ、神棚にお供えする。
2. 節分の日暮れまでに豆を炒り、夜になったら家中の戸を開ける。
3. 一家の主人もしくは年男が「福は内、鬼は外」と唱え、家の内と外に豆をまく。
4. 福が逃げないよう、戸を固く締める。
5. 年の数だけ豆を食べる。

※豆から芽が出るのを防ぐため。「魔の芽」に通じて縁起が悪くなる。

渡辺さんと坂田さんは豆まきをしなくてもいい!?

渡辺・坂田姓の人は、節分の豆まきをしなくてもいい、と言われているのをご存じでしょうか。

渡辺綱わたなべのつな坂田金時さかたのきんとき(あの金太郎さんです!)という平安期の武士が、それぞれ鬼退治をした伝説に由来します。

鬼は渡辺さん・坂田さんを恐れているので、豆まきをする必要がないのだそうです。

節分には何をする?ちょっと変わった風習編

一般的な風習をご紹介しましたが、地域によってはちょっと変わった、さまざまな節分の過ごし方があるようです。

節分の過ごし方いろいろ

節分は地域の独自性が濃く出るイベントです。

いくつかピックアップしてご紹介しますね。

【京都】四方参よもまい
歴代の天皇が住んでいた御所の四方の鬼門を護る吉田神社・壬生寺・北野天満宮・八坂神社にお参りをして邪気を払う。

【四国など、全国の一部地域】つじ
豆・餅・履物・金銭などを四つ辻(交差点)の真ん中に年の数だけ置いて帰ってくることで、厄を落とす。
ちょっと変わったものだと、小銭を置いて厄を落とし、その小銭をまた拾って使うというのも。

【京都の花街など】節分お化け
節分の夜にいつもとは違う格好をして、厄除けをする。
自分ではない何かに化けて、鬼を困惑させて寄せ付けないためだそう。

【全国の一部地域】豆占まめうら
豆をいろりに並べて焼き、焼け具合などで天候を占う。
皮がむけた年は大風が吹く、皮が黒く焦げた年は水害が起こる…など。

【香川県さぬき市志度地区】鬼の豆もらい
子どもたちが大人から福豆やお菓子をもらう行事。
ハロウィーンに似ているが、江戸時代から続いている。

【関西を中心に全国】恵方巻
恵方(=吉方)を向き、太巻き寿司(恵方巻)を丸かじりする(後ほど詳しく)。
願い事をしながら、無言で食べる。関西発祥の風習だが、平成2年(1990年)頃より全国に広がった。

いかがでしょうか。

初めて知る風習もあったのではないでしょうか。

節分の食べ物

節分に欠かせない食べ物や料理はあるのでしょうか。

地域によって異なる、節分の行事食も含めてご紹介します。

イワシ

西日本では、節分にイワシを食べる風習があります。

節分にイワシというと、頭を玄関などに吊るしておくイメージが強いですね。

イワシは魔除けのために食べられるのですが、この時期のものは脂がのっていておいしいという理由もあると言われています。

くじら

山口県や山陰地方では、節分にくじらを食べる風習があります。

大きいものを食べると縁起が良いとされているので、鯨はもってこいの存在です。

大きな鯨にあやかり、大きな幸せや成長を願います。

けんちん汁

関東地方では、節分にけんちん汁を食べる地域があります。

節分に限ったことではなく、寒い冬の行事には体の温まるけんちん汁を食べる風習があるということです。

こんにゃく

四国地方には、節分にこんにゃくを食べる風習があります。

こんにゃくは食物繊維が豊富でおなかをスッキリさせる効果があります。

昔の人は「胃のほうき」、「おなかの砂おろし」などと呼んでいました。

そこで節分にはこんにゃくを食べ、体の中を掃除して晴れやかな1年を迎えます。

節分そば

節分にそばを食べる地域もあります。

節分は旧暦の大みそかに当たることから、江戸時代には“年越しそば”を食べる習慣が全国的にありました。

現代の年越しそばは12月31日に食べるものですから、節分に食べるものは節分そばと呼ばれます。

節分そばを食べ、身を清めてから立春を迎えるという風習が、今も全国のさまざまな地域で見られます。

大豆・福茶

豆まきが終わったら、年の数だけ(年プラス1粒など地域差あり)豆を食べますよね。

これを年取り豆といいます。

ところが、お年寄りなどは、豆の数が多いので食べるのが大変です。

そんなときは福茶に豆を入れて飲むと、食べるのと同様のご利益があるとされています。

福茶とは黒豆・結び昆布・梅干しなどを入れたお茶のこと。

お正月や大みそかにも飲まれる、縁起のよいお茶です。

落花生

節分の豆の種類は大豆と紹介しました。

しかし、大豆ではなく、落花生を投げる地域(北海道・東北・信越・九州南部など)も多く見られます。

落花生!?と驚くことなかれ、落花生を撒くメリットがちゃんとあるのです。

大豆の場合、撒く用の大豆と食べる用の大豆を用意する場合がほとんどですよね。

床などに落ちたものを食べるのは衛生的に心配です。

一方、殻付きの落花生は撒いたあと拾い集め、殻をとって食べられます。

恵方巻 令和2年(2020年)以降の方角

近年すっかり全国区になった恵方巻えほうまきは、もともと関西で食べられていた太巻き寿司です。

恵方巻には七福神にちなんで、7種類の具(かんぴょう・きゅうり・しいたけなど)が入っているものが多くあります。

節分の夜、恵方(その年によいとされる方角)を向いて丸ごと1本無言で食べきれば、1年間健康に過ごすことができるとされています。

ちなみに令和2年(2020年)の恵方は西南西、令和3年(2021年)の恵方は南南東です。

おわりに

節分の意味や由来・過ごし方などについて簡単にご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

慣れ親しんできた行事であっても、本質を知らなかったり、他の地域の風習を知らなかったりということは大いにあります。

出身地の違う友人がいたら、地元ではどんな節分を過ごしていたか聞いてみると、楽しい会話ができるかもしれませんよ。